
Sn1反応およびSn2反応になる条件について調べています。調べたところ両者には以下のような条件の違いがありました。
*Sn1反応*
[中間体]・・・・・3級>2級>1級>メチル
[反応条件]・・・・中性~酸性
[試薬の求核性]・・重要でない
*Sn2反応*
[中間体]・・・・・メチル>1級>2級>3級
[反応条件]・・・・中性~塩基性
[試薬の求核性]・・重要
中間体による違いは、カルボカチオンの超共役効果や立体障害に依存するのだと思います。しかし反応条件や試薬の求核性がどのようにSn1反応とSn2反応に関係するのかが分かりません。例えば、「なぜSn1反応は中性~酸性条件で進行するのか」といったようなことです。どなたか教えてください。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
既にある回答と一部重複するかもしれませんが,全く新たな回答として書かせていただきます。
まず最初に,求核置換反応(Sn 反応)の機構は Sn1 か Sn2 かのどちらかしかありません。時に「Sn1 と Sn2 の中間の機構」とか「Sn1 と Sn2 が混ざった機構」と言われる事がありますが,これは Sn1 と Sn2 並行して起こっているという事(ある分子は Sn1 反応をし,別の分子は Sn2 反応をしているという状態)であって,個々の分子を見ればどちらか一方です。
結果,Sn1 反応になるか Sn2 反応になるかは,どちらの反応の律速段階の反応速度が速いかで決ります。律速段階の反応速度が速い方の機構を通って反応が進行するわけです。
さて,Sn1 反応の律速段階は御存知の様にカルボカチオンが生じる段階です。つまり,カルボカチオンができ易い程 Sn1 反応は速くなります。一方,Sn2 反応では反応中心の炭素が5つの結合を持った状態が遷移状態ですので,この状態ができ易いもの程反応が速くなります。
まず,お書きの『中間体』についてです。カルボカチオンの安定性が「3級>2級>1級>メチル」の順であるのは御存知ですよね。これは付いているアルキル基の電子供与性効果と超共役による安定化がこの順で大きいからです。逆にこの順で立体障害が大きくなり,求核剤の接近は困難になります。つまり,「3級>2級>1級>メチル」の順で Sn1 反応の速度は速くなり,Sn2 反応の速度は遅くなります。結果,反応機構が Sn1 → Sn2 にシフトします。
次に,『試薬の求核性』です。上記した様に Sn1 反応の律速段階はカルボカチオンができる段階であり,求核試薬はこの段階には関与しません。そのため,試薬の求核性は Sn1 反応にはあまり影響しません(重要でない)。一方,Sn2 反応では遷移状態の形成に求核試薬が関与しますので,遷移状態が出来やすい(試薬の求核性が高い)程反応は速くなります(試薬の求核性が重要)。結果,試薬の求核性が高い程 Sn2 反応で進行しやすくなります。
最後に問題の『反応条件』です。何度も繰り返しになりますが,Sn1 反応の律速段階はカルボカチオンが出来る段階です。この過程では脱離基が抜けてカルボカチオンが生じると同時に,脱離基はアニオンになります。結果,このアニオンを安定化する条件(つまり,酸性もしくは中性)の方が Sn1 反応が進みやすくなります。逆に Sn2 反応は,求核試薬が剥出しの状態になる塩基性の方が攻撃性が高まり反応が速くなります(塩基でもある求核試薬を酸性条件下に置くと酸と反応してしまいます)。結果,塩基性から酸性になるに連れて,反応機構は Sn2 → Sn1 にシフトします。
ざっとこんな感じですが,要点だけ纏めると,「カルボカチオンができ易い,脱離基が脱離し易い」条件は Sn1 に有利ですし,「アニオンができ易い,求核試薬が攻撃し易い」条件は Sn2 反応に有利です。そして,「求核置換反応の機構は Sn1 か Sn2 のどちらか」ですので,反応が起こらない場合は別にして,Sn1 反応が起こり難くなると Sn2 機構で,Sn2 反応が起こり難くなると Sn1 機構で反応が起こります。
No.2
- 回答日時:
jackさん(省略してごめんなさい)は,過去の質問も拝見しましたが,有機反応の基礎的な部分をしっかり勉強しようとされているようですね.
試薬の求核性が重要になるのは,書かれているとおりSn2反応です.反応機構から考えて良好な電子供与体(Lewis塩基)が良い求核剤になります.つまり強い塩基が良い求核剤になると考えていいと思います.しかし,例外というものがやはりあって,大きなpK値を持つ塩基が求核性が強いとも限りません.C6H5O-の共役酸のC6H5OHのpKaは9.82,C6H5SHのpKaは6.46になります.これを見るとC6H5O-の方がC6H5S-よりも強いことになります.しかし,ヨウ化メチルとの反応性はC6H5S-の方が1000倍以上速く進行します.このように酸解離平衡のパラメータと求核性とは相関しない場合もありますので注意が必要です.求核性定数というものもありますがこれもプロトン性極性溶媒中での値なので非プロトン性極性溶媒中では反応性が逆になったりしますのでこれも注意が必要です.
Sn1の場合は,中間体のカルボカチオンの安定性が重要です.カルボカチオンへのイオン解離は平衡が成立するので系内に脱離するアニオン(例えばBr-であればKBr)があれば平衡が始原系に戻ってしまうので速度が低下します(共通イオン効果).また,加溶媒置換反応の溶媒効果も重要で分子中に電子対を供与できる原子を持ちかつ脱離したアニオンに対カチオンを提供できなければなりません.ですので,この反応では,水やアルコール(酸素原子を持ちかつプロトンが供与できる)が使われます.
まだまだいろいろありますが,反応条件の違いについて少し書いてみました.
ご参考になれば幸いです.

No.1
- 回答日時:
どちらが1で2か覚えていないので.記憶があいまいです。
たしか.
sn1は.反応部位のHが外れて.外れた方向から反応対象が進入してくる(光学異性は変化せず)
sn2は.反応対象が横から進入して.反対側からHか外れて行く(光学対称にCが変化。どちら側から反応対称物が進入してくるかわからないので.結果的にラセミ化する)。
というように考えると.Hが外れて.Hの変わりに同じ方向から進入する必要がある場合には.酸性。Hの変わりだから.きゅうかくせいは関係なし。
Hが(ベースに)ひっぱられがら.反対側から何かが進入する場合には塩基性。ベースにより電子運の偏りに攻撃をかけるわけで.急覚醒が関係します。
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