
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
こんにちは。
以前、地球生物史を調べたことがあります。
アノマロカリスは大変ユニークで魅力的な動物でね。カンブリア紀は本当にエキサイティングです。私はオパピニアも好きです。
カンブリア紀最大の捕食者アノマロカリスが子孫を残さずに絶滅したのは、生存競争に敗れたからだと思います。特別な理由はなく、過去に地球上に出現して死に絶えた、あらゆる生物のほとんどと同じように、単に生き残れなかっただけです。恐らく、絶滅の原因に関する説は探しても見付からないでしょう。
私は生物の絶滅に就いて述べるときに「原因絶滅」という言葉を使います。
読んで字の如く、何かの原因があって起こる絶滅ですが、原因が特定されなくても、異常に大量の、もしくは異常に短期間の絶滅で、その可能性のあるものも含めます。そして、このようなものを「原因不明の絶滅」と言います。
ところが、調べ直したのですが、アノマロカリスにも、カンブリア紀の生物全体にも、主だった原因絶滅の形跡は見当たりません。ですから、その本の主旨は私にはちょっと良く分らないのですが、少なくとも、アノマロカリスの絶滅というものに、敢えて「原因不明」や「謎の絶滅」などといった言葉を宛がうことが混乱の元のように思えます。地球上から姿を消した生物の絶滅は、そのほとんどが「原因不明」ですし、特に古生物学では、よほどの好運がない限り、それぞれに個別の原因を特定することはできないはずです。
古生代カンブリア紀の幕開けは、先カンブリア代ベンド紀末期の大量絶滅に始まります。ベンド紀に繁栄した「バージェス動物群」という大型多細胞生物の大量絶滅で「V/C境界絶滅」と言い、生物の「六大絶滅」のひとつに数えられています。因みに、有名どころは6500万年前の「K/T境界」絶滅で、ここでは、巨大惑星の衝突が地球の覇者、恐竜を絶滅させたという劇的な仮説が強く支持されています。
これらははっきりとした原因絶滅です。セプコスキー博士というひとが纏めた、6億年間の生物の「種の数」の変化のグラフを見ると、このような大量絶滅は、生物相の入れ替わる年代の境界で、極端な右下がりとして確認できます。しかしながら、「境界絶滅」とは違い、カンブリア紀とオルドビス紀の間にはそのような急激な変化はありません。
「カンブリア爆発」などと言いますから、カンブリア紀の前半は順調な右上がりですが、後半、上昇の停滞は見られますが、オルドビス紀には比較的スムースに移行しています。これは、その前のV/C絶滅でがら空きになった「生態的地位」をカンブリア紀の多彩な生物たちが次々と埋めていったからなのですが、生物界には、出現した全ての生物が繁栄するするだけのキャパシティーはありません。ですから、オルドビス紀に移行する際には、生存競争による区画整理が行なわれなければなりません。従って、アノマロカリスを含め、遺伝子の大実験と言われたカンブリア紀の生物のほとんどは、最初から絶滅する運命にあったということになります。
首尾良く生き延びたのはピカイアで、魚類、両生類、我々哺乳類の祖先となりました。うなぎのようで、如何にも泳ぎが上手そうです。他に、貝類や、昆虫類の祖先も生き残りました。
昔、テレビで、アノマロカリスのロボットを作ってプールで泳がせるという実験をやっていました。私は夢中になって見ていましたが、ロボットだからということもあるのでしょうが、如何にも鈍足です。それから、あの特徴的な口を見て下さい。アノマロカリスに食い千切られた歯型のある三葉虫の死骸という珍しい化石が見付かっているそうです。如何にも獰猛ですが、あれは泳いでいるものを捕まえるには不向きです。明らかに、海底に這っているものに有効のように思えます。
オルドビス紀は、原始魚類の時代です。泳ぎの上手い肉食動物が現れれば、アノマロカリスは餌の奪い合いには勝てません。餌を獲ることができず、自然界の法に従い、哀れ、子孫を残すことなく絶滅します。私は彼らの絶滅を、このように想像します。
長くなって、済みません。

No.1
- 回答日時:
アノマロカリスは現代の生物につながっていないといわれるのでなぜ滅んだかは文字通り謎でしょう。
約5億年前のカンブリア期に栄えた動物がどうして滅んだが、その中に答があると思います。参考URL:http://www.gnhm.gr.jp/archives/inpaku/cambrian/c …
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