
A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
> 水素以外の分子において、1s軌道から分子軌道がつくられることはないですか?
はい。ないです。
ただし、水素分子H2以外でも、水分子H2Oやメタン分子CH4などでは水素原子の1s軌道から分子軌道がつくられていますので、ない、というのは「分子において、水素以外の1s軌道から分子軌道がつくられることはない」という意味です。
分子の分子軌道だけでなく、イオンの分子軌道まで考えるなら、ヘリウム原子の1s軌道からも分子軌道がつくられます。たとえば水素化ヘリウムイオンHeH^+や、ヘリウム分子イオンHe2^+などです。これらの二原子イオンは、分子軌道法を習うときにでてくる、水素分子イオンH2^+と似たようなイオンです。
なお、コンピュータプログラムを使って分子軌道計算をすると、水素原子以外の1s軌道からも分子軌道がつくられることが多いです。しかし、これはプログラムを使って分子軌道計算をする際の便宜的/形式的なもので、水素原子以外の1s電子は内殻電子として振舞います。あるいは、プログラムを使って分子軌道計算をすると水素原子以外の1s電子が内殻電子として振舞うことが計算結果から示される、と理解してもいいです。
> 酸素分子とかのエネルギー準位図と電子配置を示すとき1s軌道が省略されているのはそのためですか?
はい。そのためです。
エネルギー準位図を示すとき1s軌道が省略されているのには、もうひとつの理由があります。それは、第二周期以降の原子では、1s軌道のエネルギー準位がおそろしく深いところにあるためです。おおざっぱには、1s軌道のエネルギー準位は原子番号の二乗に比例して深くなります。たとえば酸素原子なら、1s軌道と2s軌道のエネルギーの差は、2s軌道と2p軌道のエネルギー差の30倍くらいあります。
> また、1s軌道から分子軌道がつくられないのは原子核間の距離がそんなに短くないからという認識で良いですか?
はい。おおざっぱには、それで良いです。
原子核間の距離がそんなに短くなれないのは、第二周期以降の原子では、1s軌道の外側にある2s,2p,3s,...などの軌道に電子が入っているためです。原子核間の距離を短くして1s軌道から分子軌道がつくれるようにしようとしても、これらの軌道に入っている電子同士の反発が大きくなりすぎるので、かえって分子が不安定化します。
また、(第二周期以降の原子の)1s軌道と他の原子軌道のエネルギー差はとても大きいので、もし原子核間の距離が短くなって原子軌道間の重なり積分がそこそこ大きくなったとしても、分子軌道はつくられません。
一般に、「原子軌道間の重なりが小さいときや原子軌道のエネルギー差が大きいときには分子軌道がつくられない」ということが知られていますので、1s軌道から分子軌道がつくられないのは、
(1) 原子核間の距離がそんなに短くないので、原子軌道間の重なりが小さい
(2) 1s軌道のエネルギー準位がとても深いところにあって、他の原子軌道とのエネルギー差が大きい
ためであると考えるのが良いと思います。
No.1
- 回答日時:
LCAO法は、荒い近似なので1s軌道から分子軌道が作られる
というのが本来おかしいのですが。
>酸素分子とかのエネルギー準位図と電子配置を示すとき1s軌道が省略されているのはそのためですか?
定性的な説明でよければ内殻電子は、結合や反応に寄与しないからです。
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