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ディラックのデルタ関数に以下の関係式があると参考書に載っていました。
δ(ax) = δ(x)/a (where a>0)

上記の関係式ですが、成り立つxの範囲に制限はあるのでしょうか?

どうもイメージ的にデルタ関数は0付近で急激にあがり、上記の式が成り立たないのではないかと思ってしまっています。

A 回答 (5件)

(★)δ(ax)=δ(x)/a



はx≠0では両辺とも0で明らかに成り立ちます.問題は原点付近です.理想的なδ関数の場合は∞になる点が原点に集中してしまうのでよくわかりにくいと思います.

そこで近似的δ関数で考えましょう.すなわちε>0をとり,底辺ε,高さ1/εの長方形のグラフをあらわす関数をδ_ε(x)とします.すなわち

(1)δ_ε(x)={θ(x)-θ(x-ε)}/ε

ここにθ(x)はヘビサイド関数

θ(x)=1(x>0),0(x<0)

です.ε→+0とすればδ_ε(x)はδ(x)になります.

a>0として

δ_ε(ax)={θ(ax)-θ(ax-ε)}/ε

={θ(ax)-θ(a(x-ε/a))}/ε

a>0なので

θ(ax)=1(x>0),0(x<0)

すなわちθ(ax)=θ(x)であり,

(2)δ_ε(ax)={θ(x)-θ(x-ε/a)}/ε

=(1/a){θ(x)-θ(x-ε/a)}/(ε/a)

(1)でεをε/aに置き換えると

(☆)δ_ε(ax)=(1/a)δ_{ε/a}(x)

右辺からδ_ε(ax)は0~ε/aに面積1/aが集中していることがわかります.つまり,δ_ε(x)に比べてδ_ε(ax)はピークの幅が1/aになりその結果ピークの面積も1/aになります.(横に圧縮)

実はこれは一般に言えることです.f(x)のグラフに山があってその広がりが⊿,高さがhならば,f(ax)の場合その山の幅は⊿/aで高さは変わりません.したがってf(x)の山の面積S≒h⊿/2,f(ax)の山の面積(1/2)h⊿/a=S/aになります.

☆においてε→+0とすると,★となります.

理想的なδ関数になると,ピーク幅は0になってしまうので(☆)のような解釈はできず,xの範囲に制限はなくいつでも成り立つしか言いようがありません.

δ関数を例えば電気回路のインパルスのモデルとして実用的に使うときなどは,パラメータεなどを用いた(1)のような式で解釈すると結構その振る舞いを納得できることが多いです.
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この回答へのお礼

詳しい回答ありがとうございます。

もう少し自分の中で勉強が必要だと分かりました。

ありがとうございました。

お礼日時:2012/11/17 08:54

#4ですが書き間違いがあったので失礼して書き直します。



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φ_n(x))をδ近似関数とすると、急減少関数fに対して
<f,δ>=f(0)=lim[n→∞]∫[-∞→∞]f(t)φ_n(t)dt
となります。

f(0/a)=f(0)なので、
<f,δ>=f(0)=lim[n→∞]∫[-∞→∞]f(s/a)φ_n(s)ds
(at=sとしてsからtに変数変換)
=lim[n→∞]∫[-∞→∞]f(t)φ_n(at)adt
ともなります。

ここで、急減少関数の列(φ_n(ax))が定める超関数を
Tと書けば、上のことは結局
<f,δ>=<f,aT>(∀f)
であることを示していて、つまり、T=(1/a)δとなります。
これは"δ(ax) = δ(x)/a"の数学的な意味です。
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この回答へのお礼

ありがとうございました。

お礼日時:2012/11/17 08:54

(φ_n(x))をδ近似関数とすると、急減少関数fに対して


<f,δ>=f(0)=∫[-∞→∞]f(t)φ_n(t)dt
となります。

f(0/a)=f(0)なので、
<f,δ>=f(0)=∫[-∞→∞]f(s/a)φ_n(s)ds
(at=sとしてsからtに変数変換)
=∫[-∞→∞]f(t)φ_n(at)adt
ともなります。

ここで、急減少関数の列(φ_n(ax))が定める超関数を
Tと書けば、上のことは結局
<f,δ>=<f,aT>(∀f)
であることを示していて、つまり、T=(1/a)δとなります。
これは"δ(ax) = δ(x)/a"の数学的な意味です。
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 以下#1さんと言ってる事は同じなんですけど、デルタ関数は実用的に使うためにあり、実用的に使えるように作られています。



 ふつうの関数f(x)に対して、f(ax)を考えれば、f(ax)はf(x)をx方向に1/a倍に圧縮したものですよね?。このとき、f(x)の値が0でない領域が有限の大きさなら、f(x)はふつう有限の面積を持ち、f(ax)の面積はf(x)の面積の1/a倍ですよね?。

 デルタ関数も同じです。δ(x)のδ(x)≠0の領域はx=0の一点で(しかも値無限大)なので、δ(ax)は1/a倍に圧縮されたようには見えませんが、δ(x)をx=0を含む区間で積分(面積)すれば常に1という事から、δ(ax)は1/a倍に圧縮されて面積1/aだという話です。

 デルタ関数は、こういう話がいつも成り立つように定義されてますので、心配せずにふつうの関係を信じて下さい。どんな風に定義すればそうなるんだ?、と問われれば・・・自分は逃げますけど(^^;)。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2012/11/17 08:53

>成り立つxの範囲に制限はあるのでしょうか?


制限ないでしょう。→xの範囲は実数全体。

補足
∫[-∞,∞]δ(z)dz=1
z=ax(a>0)とおけば
∫[-∞,∞]δ(ax)adx=1
z=xとおけば
∫[-∞,∞]δ(x)dx=1

∫[-∞,∞]δ(ax)adx=∫[-∞,∞]δ(x)dx
∴ δ(ax)a=δ(x)
これから δ(ax)=δ(x)/a は a>0 で成り立つ。
xの範囲に制限はない。つまりxの範囲は実数全体です。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

お礼日時:2012/11/17 08:52

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