No.1ベストアンサー
- 回答日時:
曹操といえば宦官の血筋です。
質問者様も知っていると思いますが、漢の国が傾いていったのは外戚による政治と、宦官による朝廷内の腐敗が主な原因です。「士と呼ばれる人物が宦官と親交をもつ事は恥である」という感覚は以前からあったとおもいますが、漢の後期にいたってはより顕著だったろうなと回答者は思います。それだけ宦官と漢を立て直そうとする士と呼ばれる人物の間に抗争が多かったですからねとなると「宦官の血筋の曹操に仕えることが恥」と考える士がいるのも自然な事で、それを補うだけのカリスマ性が当然の資質として求められます。曹操は兵略・政治・詩歌にも通じていますが、故事にも詳しいわけです。いにしえの豪傑の悪来と部下をたとえたり、漢朝を作った劉邦の右腕だった張良に部下をたとえたりもしてますしね。「魏無知に会わざるものよ。我が門を叩け」と人材を求めたなんてエピソ~ドは故事の引用の典型的な例でしょう。(後に漢の丞相となる陳平が友人の魏無知の推挙で抜擢された故事をアレンジしてます)
「敵であろうと有能な忠義の士を愛する」というのは故事の中で普通に多く見られるエピソ~ドですし、「才あるもの・忠節を誓える士を愛する姿勢」を示すことは、曹操のような門地をもたない場合において、非常に大切な手段です。そういう点からすると、関羽を斬らないで用いようとするのは「非合理にみえるが、非常に合理的な判断」と言えるでしょうね。故事好きな曹操が、故事の中での人材収集・抜擢を意識しなかったとは思えません
No.4
- 回答日時:
#3です。
お礼を拝見しました。
まず
>これは曹操がここまで計算していたわけではないでしょう。
当たり前ですね。
そんなとこまで計算はできるはずはありません。
だから
>ある意味で幸運を呼び
と書いてあります。
僕が言いたいのはそこではなく、少なくとも“曹操から受けた恩を関羽は返したい”と望んでいた、つまり望んだ結果(配下にはならなかったが命は救われた)とは違えど、曹操の心は関羽に通じていたということです。
(心で釣ろうとしたこと自体は間違いではなかった)
単純な敵対関係でないという点では、曹操のしたことは一定の功を奏したということです。
>張飛や趙雲が切りかかろうとしているところをとめにはいり妨害…(以下略)
これも回答に書いてありますが、孔明の目論見です。
曹操に恩を感じている関羽は国にとって不利益になりかねません。
が、赤壁に負けても、曹操の悪運が尽きていないと悟った孔明は、その場を借りて追撃をあえて波状攻撃にし、最後に関羽とその手勢だけにして曹操の恩を返す機会を与えて「よし」としたんです。
(演義だと実はこれらは孔明の目論見だって書かれていなかったっけ?)
つまりこれを通して、借りを返されてしまい、曹操の目論見は見事敗れたことになったわけです。
ただしこれらは三国志演義で話であって、史実ではないでしょう。
(曹操を見逃せば、軍法に照らし合わせて問答無用で死刑は確実ですから)
が、演義で書かれているということは、多分に美化されているとはいえ、関羽が曹操に恩を感じていたのは事実だろうと思われます。
>とご自身でも言われているように、彼の忠誠心は本物です。ここが矛盾しております。
回答では( )づけにしていましたが、劉備の死後だと分からんということです。
質問者さまのお礼に趙雲が出てきましたが、趙雲も最初は劉備にここまで惹かれていても公孫サンに仕えていたため、配下になるのを断わっていましたね。
そして公孫サン死後、劉備の元に就きました。
つまり趙雲が関羽、公孫サンが劉備、劉備が曹操という筋書きもなくもないでしょう。
(そのときの魏と蜀、曹操と関羽の関係によるが)
ただしどう考えても逃がしたのは曹操の個人的好意によるもので、国を考えるのなら関羽が敵になってメリットなどひとつもないでしょうね。
部下の進言通り、追手を差し向けた方が良かったかと。
華雄を瞬殺するような奴、再び敵にしてはダメでしょう。
長々と失礼しました。
個人的な感情も入っているので、議論は成立しないでしょう。
よって本回答を最後にします。
失礼しました。
No.3
- 回答日時:
決断は十分に合理的なものですよ。
ただし求める結果によって、理というのは変わってきます。
関羽に対して、質問者さまのいう結果を求めて逃がすというのは合理的ではありません。
彼の実力・忠誠心は、その後の関羽の武功を見ても分かるように、曹操にとって脅威でしかありません。
国として関羽を判断するのであれば、約束を反故にし、捕えて殺してしまうべきです。
しかし曹操が求めた結果は、関羽を手に入れることです。
つまり関羽の心を惹きつけねばならないわけです。
では関羽を手に入れるために必要なのは、金か、地位か、名誉か…
自分ではなく劉備に付き従うという点から、そんなもので飼い馴らせないことは分かっているはずです。
結果、(希望的な)長期的視点からして、一度勧誘を諦めつつも、自分が忠義に厚いことを関羽にアピールするため逃がした…と思います。
(これで劉備が死に、関羽が新たな主を求めて野に下れば、自分の配下にできる可能性はある)
合理的というより、目的のためには約束を果たして逃がしてやるしか与えられた選択肢はなかったんだと思います。
三国志演義では、この行為がある意味で幸運を呼び、曹操は赤壁で負けたものの、敗走中に関羽に見つかりながらも、逃してもらい、命拾いした結果になりました。
(これすら孔明の目論見だったようですが)
回答ありがとうございます。
ながなが書かれていますが、ちと矛盾しいるように思えます。
結局自分の配下に将来的にでもする為とかいてありますが、劉備が死んでいた場合おそらく関羽は冥土のはてまでお供するか、野に下る事にするでしょう。ましていくら恩があっても帝を操り人形化し、玄徳を破滅に追い込んだ宿敵曹操にずーーと使えるわけがないと思いますよ。
>彼の実力・忠誠心は、その後の関羽の武功を見ても分かるように
とご自身でも言われているように、彼の忠誠心は本物です。ここが矛盾しております。
また敗走中に逃がしてもらったと書いてありますが、これは曹操がここまで計算していたわけではないでしょう。
たまたま関羽の手勢だけで、誰もみておらずこそっと逃がす事が出来ただけであって、張飛や趙雲が切りかかろうとしているところをとめにはいり妨害、あるいは見方の兵を殺してまでやろうとは決してしなかったでしょう。
No.2
- 回答日時:
武士道という言葉が消え去って100年以上経っています。
(それでも第二次大戦までは生き残りは居たようですけれど)それまでは乃木や東郷という敵からも尊敬された軍将がいました。
役に立つとか立たないとか、そんな打算ではなく、好敵手は尊敬する。この男にならたとえ敗北しても悔いなし。
真正面から立ち合って乗り越えてこそ、自分の誇りとなる。そういう姿勢は古今東西をとわず、世界中で見られます。
それが日本では武士道(一つの要素)といわれます。
またその者が謀略によって害されると知ったときは損得抜きで助けるだろうし、害されれば仇を討つでしょう。
それに曹操にとって関羽は恋敵というか、如何に自分が上とはいえ、関羽が娶るはずだった女を横取りしたという負い目があった・・かどうか。
忠孝というものを重んじていた時代において、忠義の徒である関羽を配下に置けばどれだけの力になるかは曹操は熟知していました。元々はそこにいたのですから。
しかしその忠義の先は自分ではないと察した時、しかも関羽が最高の礼を持って恩に報いたのですから、コレをとどめることは礼を失すると考えて当然でしょう。
忠孝は無闇に尽くすものではありません。忠孝を尽くされる側もまたそれだけの人格と資格を要求されるのです。
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