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いつも大変お世話になります。
質問させてください。どうぞよろしくお願いいたします。
1.設立時取締役は、いつ取締役になるのでしょうか?
会社の成立時でしょうか?
それとも設立時取締役と取締役は別物でしょうか。
2.設立時会計参与の権限は、普通の会計参与と同じでしょうか?
設立時取締役のように権限が特に書いていなかったので疑問に思いました。
3.発起人が期日まで(催告後を含め)に出資の払い込みをしないと、株主となる権利を失うとありますが(36条)、発起人としての地位も失うのでしょうか?それとも発起人としての責任などは残ったままでしょうか?
4.設立時取締役を株主に限定することはできるのかどうか、を条文が無かったので考えておりましたが、これは設立時段階で株主がまだいないので、質問自体無意味でしょうか?
5.会社法45条(設立時役員等の選任又は空き人の効力についての特則)を読み、拒否権付種類株式で役員の選任をする場合のことが書いてありました。これと選任条項付種類株式との違いについて教えていただきたいのですが、選任条項付種類株式は株主総会で役員を選任せずもともとその種類株主総会のみで役員の一部ないし全部を選ぶ、拒否権付種類株式(45条の場合)は株主総会で選んだのち拒否権付種類株主総会でも二重に吟味する、という理解でよろしいでしょうか?
6.会社法331条の取締役の欠格事由の中の法人がらみの犯罪をして「刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者」、とありますが、執行猶予を受けた場合、執行猶予が終わってから二年間なれないのでしょうか?それとも執行猶予が終わればなれるのでしょうか?読み方がいまいちわかりません。
7.財産引受と、事後設立との違いですが、結局は現物出資の状態になるようなことを、前者は設立中に契約すること、後者は設立登記後に契約すること、の違いでよろしいでしょうか?
8.7と関連しますが、事後設立は財産引受に比べ、2年以内で、かつ、5分の1を超える買い物、に限定されていますが、これは、財産引受は設立の時なので厳しくチェックするが、事後設立においては2年も経っているなら正当な買い物だろう、5分の1を超えないなら小さな買い物だから規制しなくてもいいだろう、という理解でよろしいでしょうか?
9.大会社や公開会社であった株式会社が清算株式会社になった場合、監査役を置かなければなりませんが(477条)、この監査役は後に会計に限定させることはできるのでしょうか?できるできないの条文が見当たらないため疑問に思いました。
10.計算等のところに、計算書類の作成や備え置き、閲覧の条文がありますが(435、442条等)、これと会計参与のところの計算書類の作成や備え置き、閲覧の条文(374、378条)とはどう違うのでしょうか?
まったく同じ計算書類を、会社としても会計参与としても備え置かなければならず、それの閲覧、保存期間がそれぞれ別途規定されているだけでしょうか?
イメージがわからないところを多々質問させていただきました。
1つでも結構ですので、ご回答よろしくお願いいたします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
質問多いですね。
。。1つづつきっちり回答すると、軽く字数オーバーになりそうなので、端的に回答します。1.
「別物」という言葉の定義によるのでは?と意地悪く回答したくなりますが・・・
会社法38条によれば、「設立時取締役(株式会社の設立に際して、取締役となる者をいう」と定義されています。
設立時取締役と取締役は「別物」ですが、特段の変更が無い限り会社成立の時に、設立時取締役は取締役になります。
少し細かい話を書くと、旧商法時代の考え方では、会社の成立前には、会社自体が存在しないため、会社の機関である取締役というのは存在しないはずであり、設立前に選任できるのは、取締役や監査役になる予定の者だけだったのですが、少し概念に混乱が見受けられたために、現会社法では設立時取締役という、設立後の会社の機関である取締役とは異なる概念が明確に定義されました。
2.
設立時会計参与とは、あくまで株式会社の設立に際して会計参与になる者(単に予定されているに過ぎない)であって、特に何の権限もありません。
3.
これは少し難しい問題です。
第25条第2項に、「各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。」と定められています。そして、これに反すれば設立無効原因になります。ここで問題なのは、発起人が複数人いたときに、そのうちの一人が一株も引受けない場合ですが、この場合でも設立が無効になるのかどうかについては、はっきりと判例が存在しないために、学説にも対立があります。(少なくとも、発起人の責任がなくなる筈がありませんが・・・損害賠償責任が生じそうな場合に、株式を引受けないことで、責任から逃れられるということはありえませんよね?)
4.譲渡制限会社ならば、会社成立の時に、株主となることを条件に、設立時取締役を株主に限定することは可能でしょう。(そうでないと、定款に、「取締役は株主でなければならない」旨定めているにも係わらず、株主でない取締役が選任されることになりますよね?)
5.お書きの2つの種類株式は似ていることがあり、事実上同じことをどちらの種類株式を使っても出来ることが多いです。あえて2重に吟味する必要性がよくわかりませんが、そうしたいならば、できるかもしれません。
6.これは文言解釈すれば確かに、執行猶予が終わってからさらに2年ということになります。そのため、間違って理解している人が多く、文献によっても平気で間違っていたりしますが、法制意見第一局長回答によれば、執行猶予が終われば、資格制限はなくなります。
「「執行を受けることがなくなってから2年を経過しない者」とする規定は,形式的に解釈すると.執行猶予期間経過後2 年又は3 年の問は依然として資格制限が続くということになりそうであるが.執行猶予の刑は,刑法27条の規定に基づき猶予期間の経過により消滅するので.この2 年又は3 年とした部分の規定は,猶予期間が経過した者については適用の余地がなく, 刑の執行の免除により刑の執行を受けることがなくなった者についてのみ適用 されることになる」(法制意見第一局長回答)。
7.お書きのとおり。(事後設立は2年以内)
8.特に文献等なく、私見ですが・・・
会社の成立前は、発起人の権限が極めて強くチェック機能があまり無いのに対して、設立後の会社であるならば、各機関がある程度はチェックできるということを鑑みているのではないでしょうか。
9.監査役を置かなければならないというのは、監査役設置会社でなければならないということですから、会計に限定することはできないでしょう。
10.
2箇所で書類を備え置くというものです。会社法が想定しているのは、主に会計監査人の設置されていない中小会社で、公認会計士又は税理士の有資格者が、取締役・執行役と共同して計算書類を作成し、取締役・執行役とは別に計算書類を保存し、株主等に対して開示する義務を負担することにより、計算書類の虚偽記載等を防止してその正確性を担保し、もって会社の計算に対する信頼を確保することを目的としているそうです。
ところで・・・
試験に合格なさり有資格者になった後も、日常の業務の中でわからないこと、知らないことの方がわかることよりも遥かに多いです。ですから、わからないこと、知らないことをすばやく正確に調べることも能力の一つです。
半年とか1年での短期合格を目指すのならば、別かもしれませんが、そうではない以上今のうちに「わからないことを調べる能力」も身に着ける必要があると思いますが、どうでしょうね。余計なお節介、大変失礼いたしました。
ご回答ありがとうございます。
一つ一つ再度確認しておったため、お礼が遅れてすみません。
1.
>取締役と取締役は「別物」ですが、特段の変更が無い限り会社成立の時に、設立時取締役は取締役になります。
>旧商法時代の考え方では、会社の成立前には、会社自体が存在しないため、会社の機関である取締役というのは存在しないはずであり、設立前に選任できるのは、取締役や監査役になる予定の者だけだったのですが、少し概念に混乱が見受けられたために、現会社法では設立時取締役という、設立後の会社の機関である取締役とは異なる概念が明確に定義されました。
ありがとうございます。そのような変遷があったのですね。
確かに会社法を考える立場からしますと、難しい概念ですね。
会社を立ち上げる発起人でもない、役員予定の立場なんですものね。
2.
>設立時会計参与とは、あくまで株式会社の設立に際して会計参与になる者(単に予定されているに過ぎない)であって、特に何の権限もありません。
教えていただき、イメージできました。
ありがとうございます。
3.
>はっきりと判例が存在しないために、学説にも対立があります。(少なくとも、発起人の責任がなくなる筈がありませんが・・・損害賠償責任が生じそうな場合に、株式を引受けないことで、責任から逃れられるということはありえませんよね?)
なるほど、ありがとうございます。
株主にはなれないが、発起人としての責任は逃れられないと考えた方が、筋は通りますね。
下でも書いていただいた、発起人には強い権限を与えられていることからしましても、発起人としての責任をとらせるほうが合いますね。
どうもありがとうございました。大変感謝です。
4.
>譲渡制限会社ならば、会社成立の時に、株主となることを条件に、設立時取締役を株主に限定することは可能でしょう。(そうでないと、定款に、「取締役は株主でなければならない」旨定めているにも係わらず、株主でない取締役が選任されることになりますよね?)
おっしゃるとおりですね!
納得できました、ありがとうございます。
5.
>お書きの2つの種類株式は似ていることがあり、事実上同じことをどちらの種類株式を使っても出来ることが多いです。
ありがとうございます。やはりそうなのですね。
イメージがわきました。
6.
>執行猶予が終われば、資格制限はなくなります。
ありがとうございます。文言を素直に読んでいましたら混乱しました。
執行猶予のあとさらに2年もというのは長すぎますものね。
7.
>お書きのとおり。(事後設立は2年以内)
ありがとうございます。事後設立はわかりにくかったです。
8.
>会社の成立前は、発起人の権限が極めて強くチェック機能があまり無いのに対して、設立後の会社であるならば、各機関がある程度はチェックできるということを鑑みているのではないでしょうか。
このようなイメージすごく助かります。そのような考え方なのですね。
どうもありがとうございました。納得しました。
9.
>会計に限定することはできないでしょう。
そりゃそうですよね。結論づけていただきありがとうございます。
10.
>2箇所で書類を備え置く
>主に会計監査人の設置されていない中小会社
そうだったのですね、大変参考になりました。
2か所に備え置いてるのですね。すごく納得できました。
>知らないことをすばやく正確に調べることも能力の一つです。
>今のうちに「わからないことを調べる能力」も身に着ける必要
おっしゃるとおりです。素早く調べる能力ですね、確かに必要ですね。
アドバイスありがとうございます、ためになりました。
どうもありがとうございました。
丁寧に答えていただいたため、おかげさまで回答者様の背後の会社法のイメージが伝わり、会社法をとっても理解しやすくなりました。
勉学に励みたいと思います。
本当にどうもありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
9についてですが,監査役の監査範囲を会計の範囲に限定できるのは
会社法第389条1項に該当する場合です。
「監査役会設置会社及び会計監査人設置会社を除く公開会社でない株式会社」
とされているので,公開会社はまず除外。
大会社のうち,委員会設置会社は監査役を置けない(第327条4項)ので除外。
それ以外の大会社は会計監査人設置会社になる(第328条)ので除外。
なのでご質問のケースでは「できません」でいかがでしょう。
一つ一つ復習させていただいていましたので返事が遅くなりすみません。
ありがとうございます。なるほど、会計限定の定義にあてはまるかから考えるといいわけですね。
結論としましてはやはりできないのですね。
ありがとうございました。大変感謝です。
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