AがZから甲機械を買い受けた。Bが甲は自分のものであるとの返還をAに求めた。
この場合Bは請求原因事実として‘自己に所有権があること’を主張立証しなければいけません。
そこでBは
1,Cから甲を買い受けたこと
2,1のときCが甲を所有していたこと
を主張立証することにしたとします。
しかし、2を立証するにあたり、例えばCがDから甲を買い受けていた場合は、Dが当時甲を所有していたことをまたもや主張しなければならず、最初の人が原始取得するまで延々と所有権取得原因を遡らなければならないように思えます。
実際の訴訟ではどのようにされているのでしょうか。
動産の場合、不動産の場合についてそそれぞれ教えていただきたいです。
よろしくお願いします。
No.1
- 回答日時:
不動産なら簡単です。
登記を確認して下さい。不動産に関する物権の得喪及び変更は,登記をしなければ第三者に対抗できない
ことになっています(民法第177条)。
それ以外のことを主張したい(たとえば買ったけど未登記である等)のであれば,
その主張をする者に証明責任が課されます。
動産の場合も一部登記・登録ができる物と場合がありますが,
(自動車や航空機の登録,譲渡担保の対抗要件としての動産譲渡登記等)
それ以外では占有の事実でしょうね。
民法第178条で「動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、
第三者に対抗することができない。」とされています。
同法第188条で「占有者が占有物について行使する権利は、
適法に有するものと推定する。」とされていますので,
動産の占有者からその動産を取得し引き渡しを受ければ,
それで第三者対抗要件は具えられています。
自分が所有者であると主張する者は,その事実さえ立証できればOK。
それに反する事実を主張をするには,その主張をする者に立証責任が課されます。
回答ありがとうございます。
ただ、
>それ以外では占有の事実でしょうね。
民法第178条で「動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、
第三者に対抗することができない。」とされています。
同法第188条で「占有者が占有物について行使する権利は、
適法に有するものと推定する。」とされていますので,
動産の占有者からその動産を取得し引き渡しを受ければ,
それで第三者対抗要件は具えられています。
自分が所有者であると主張する者は,その事実さえ立証できればOK。
それに反する事実を主張をするには,その主張をする者に立証責任が課されます。
は全く答えになっていません。
占有はAがしているのであって、ここではBが「甲が自己所有であること」をどうやって証明するのかを問題にしています。
よろしくお願いします。
No.2
- 回答日時:
動産の場合は、占有は所有を推定する、という原則
がありますので、占有していない人が、それは俺の
ものだ、と証明しなければなりません。
だから、指摘のような問題は発生しません。
不動産の場合は、登記が対抗要件とされていますので
二重譲渡のような場合には登記の有無によって勝敗が
きまります。
二重譲渡の関係にない場合には、94条2項などの
表見法理によって保護されます。
回答ありがとうございます。
ただ、
>動産の場合は、占有は所有を推定する、という原則
がありますので、占有していない人が、それは俺の
ものだ、と証明しなければなりません。
だから、指摘のような問題は発生しません。
これは誤っています。質問を誤解されたんだと思います。ここでは甲を占有していないBが「甲が自己所有であること」をどうやって証明するのかを問題にしています。
よろしくおねがいします。
No.3
- 回答日時:
>実際の訴訟ではどのようにされているのでしょうか。
実務でお話しします。
「Bが甲は自分のものであるとの返還をAに求めた。」
と言いますが、返還訴訟ではなく、引渡訴訟です。
即ち、Bは、甲機械の所有権に基づいて、Aを被告として、その引渡を求めます。
ですから、訴状の請求の原因は、単に
1、甲機械は原告所有である。
2、被告は、原告の請求にも拘わらず、その引渡をしない。
3、よって、請求の趣旨記載の判決を求める。
でいいです。
そこで、Aの答弁は、自己所有として、その立証責任は、Aになります。
だから、Bが、C、D、Zなど持ち出す必要はないです。
なお、不動産の場合は、その対抗力が登記となるので、登記の関係で明らかになります。
なりますが、登記には、公信力がないので、その争いも実務では考える必要もあります。
回答ありがとうございます。
ただ、
>そこで、Aの答弁は、自己所有として、その立証責任は、Aになります。
は誤りではないでしょうか?
請求の原因に「1、甲機械は原告所有である。」を挙げるのであれば、その立証責任は原告たるBにあるはずです。
よろしくおねがいします。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
>しかし、2を立証するにあたり、例えばCがDから甲を買い受けていた場合は、Dが当時甲を所有していたことをまたもや主張しなければならず、最初の人が原始取得するまで延々と所有権取得原因を遡らなければならないように思えます。
それは、Bが主張する前所有者、前々所有者、前々々所有者の所有について、Aがすべて否認することが前提ですよね。ただ、実際の裁判では、ある時点まで遡った段階、例えばDが甲を所有していたことについては認めつつ、ZはDから甲を購入しDから引渡しを受けたと主張するという展開になるので、延々遡って所有権取得の由来を主張、立証することはそうそうないと思います。
回答ありがとうございました。
なるほど。ということは、そうそうないとはいえ理論上はありうるということなのですね。
最も納得のいく回答をして下さったのでベストアンサーとさせていただきます。
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