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蛍光スペクトルを測定する際に、励起波長を固定して測定しますよね?

そして測定データには縦軸に蛍光強度、横軸に波長が出てきます。

そこで質問なのですが、横軸の波長は何なのでしょうか?


例えば、300nmに励起波長を固定して測定したとします。
そして、蛍光スペクトルデータには290nm~350nmくらいの範囲に蛍光が出たとします。
その際、300nm以外の場所は何を表しているのでしょうか?
更に、当てる場所によっても蛍光強度は変化しますよね・・・?

つまり、当てる波長と結果の波長の関係性がいまいち理解できません。
教えてください、お願いします。

A 回答 (2件)

横軸の波長は、発光した光の波長です。



例えば、300nmの光を照射すると、照射された物質が発光します。
(この発光のことを蛍光と言うのです。)
その発光した光の強度つまり蛍光の強度は、波長によって異なります。それを波長ごとに測定してグラフに表したものが蛍光スペクトルです。
つまり、300nmの波長の光を照射したとしても、発光する光は、300nmになるわけではないという事です。

>当てる場所によっても蛍光強度は変化しますよね・・・?
場所って波長のことですか?
同じ物質でも、照射する光の波長が変われば、発光する光の波長も変わるということです。

反対に、同じ波長の光を照射しても、物質が違えば、発光する光の波長も違います。
だから、物質によって違う蛍光スペクトルになるのです。
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当てる波長と言うのは、乱暴に言うならば、


電子を軌道Aから軌道Bに追いやるために必要なエネルギーに相等します。
例で言うと、
1S軌道にある電子を上の2P軌道にやるためのエネルギーです。
もっと複雑な分子で考えると、
例えば電子をHOMOからLUMOにやるエネルギーですね。

300nmで励起させたのに300nm以外で蛍光が見られる原因ですが、
電子がLUMOの軌道に乗った時の分子とHOMOにいた時の分子の状況は異なります。
アセトンを例に取ると、主に酸素と真ん中の炭素のp軌道からなるπ軌道の電子を光を当てることによってπ*軌道に
追いやった場合、何が起こったかというと、
酸素と炭素の間に局在していた電子(π軌道)が、励起状態では酸素側、炭素側にまるで弾くように今度は二箇所に反対方向に局在しています。(π*軌道)

そうするとどうなるかというと酸素と炭素の間にある二重結合が弱まり、酸素と炭素の距離が長くなります。
そして幾らかの励起に使われたエネルギーが振動エネルギーなどの運動エネルギーに変わり、発散され
励起直後の分子自体のエネルギーよりも、励起したしばらく後では小さめなエネルギーをその分子は持つことになります。
ですから、蛍光スペクトルは大体吸収スペクトルよりもマックスが長い波長になっていると思います。

他にも、HOMOからLUMOへ励起するのが500nmくらいかかるとして
HOMOより一個下の軌道からLUMOへ励起する事も出来るので、それが300nmの光で励起するとしましょう。
すると有名なKASHAの法則では、その分子の蛍光は一番エネルギーの下の励起状態から発するらしいので、
300nmで光を当ててもHOMOより一個下の軌道とLUMOに一個ずつ電子が入っている状態から、すぐに蛍光する前に
HOMOとLUMOに一個ずつ電子が入った状態(500nmで励起したのと同じ)になるらしいので、
蛍光スペクトルでは300nmではなく500nmのところで蛍光が観測されます。

つまりは、蛍光スペクトルと言うのは、一番下の励起状態から基底状態のエネルギー差を指しています。
吸収スペクトルは、基底状態から、光でアクセス可能な励起状態へのエネルギー差を指しています。
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