性格悪い人が優勝

福祉においての用語「環境アセスメント」、「重複問題家庭」とはどのようなことか教えてください。

A 回答 (1件)

相談援助の概念です。


クライエント(何らかの問題を抱える人)に対してどのように相談援助において対応してゆくか、ということをイメージしながら考えてゆくと、より良く理解できるでしょう。
以下のとおりです。

◯ 環境アセスメント

何らかの問題が起こっているとき、それは、クライエント本人だけに原因があるのではありません。
本人を取り巻いている環境(家族、友人・知人、職場環境、地域、社会的資源[公的機関等])が相互に影響し合っています。
このとき、それらのどれか1つだけに原因を特定してしまうのではなく、その相互の影響度合いを緩和させたり上手く連繋(バランス)が取れるように調整してゆくことが、ソーシャルワーカーに求められる能力で、これを特に「環境アセスメント」と呼びます。
つまり、特定の人だけという「ミクロ」の視点から脱却し、その人を取り巻く社会全体を見てゆきます。より広い「マクロ」という視点で見てゆくわけです。
たとえば、「社会環境」という概念を提唱したリッチモンドは、ケースワークを「人間と社会環境との間を個別に、意識的に調整することを通してパーソナリティを発達させる過程」と定義しています。
さらに、「環境アセスメント」の概念を確立させたケンプらによると、「ストレスに対処し、環境の課題に応え、環境資源を活用できるように、クライエントの能力を獲得したという感覚を向上させる」「ソーシャル・ネットワークの動員を強調し、環境における介入によって目標を達成する」「集合的な活動によって社会的なエンパワメントを向上させるために、個別の関心事を関連づける」ことが目的であるとされ、「環境」を「知覚された環境」「自然的・人工的・物理的環境」「社会的・相互作用的環境」「制度的・組織的環境」「社会的・政治的・文化的環境」の5つに分類しています。
ケンプらによると、環境アセスメントにおいては、「環境が人間のニーズをどの程度満たしているか」「環境に存在する長所と資源」「環境の障害物」という3つの側面が必ず調べられなければならない、とされています。

◯ 重複問題家庭

文字どおりではあるのですが、「明らかに支援が必要であるにもかかわらず、クライエントが支援を拒絶するために、支援をしたくてもできない」という事例も含まれます。
ソーシャルワーカーとの間の信頼関係を保てないゆえの事例や、家庭内の暴力や虐待、知的障害や精神障害の重複、極端な貧困などの重複事例がこれにあたります。
要するに、環境(前述した「環境アセスメント」とも関連)における複数の問題を抱えているのにもかかわらず、外部からの支援さえもはねのけられてしまうために、家族が全く正常に機能し得ない状態でもあります。
この「重複問題家庭」においては、以下のような6つの困難があるとされています。

(1)クライアントとソーシャルワーカーの課題認識の面で生じる困難
 何が問題なのか、という認識にズレが生じている状態。
(2)クライアントとソーシャルワーカーの解決行動の面で生じる困難
 たとえば、支援をしようと思っても拒絶されてしまう、などといった状態。
(3)課題自体の困難性
 たとえば、知的障害や精神疾患などそのものへの対応が急がれるが、即応できていない状態。
(4)サービスにまつわる困難性
たとえば、福祉サービスを知らなかった・たどりつけなかったなどという状態。生活保護を利用せずにいわゆる孤独死に至った、などという事例もこれにあたる。
(5)ソーシャルワーカー側の条件としての困難性
 ソーシャルワーカーは、1人で数百人もの人を担当していることがあり、とても手が廻らないのが現状である。そのような根本的な問題点をいう。
(6)支援の仕組みに関する困難性
 地域の中でのサービス体制が整えられていない状態であったり、利用できうる制度における法令などの壁があったりする状態をいう。

正直申しあげて、丁寧にネット検索していただくと、論文や講義レジュメ(福祉系大学などの)を中心にして、すぐに上記のようなことがまとめられると思います。
ぜひ、ご自分で1度チャレンジなさってみて下さい。たいへん失礼ながら、人から聞いたことだけで理解しようとしても、知識がなかなか身に付かないと思いますので。
 
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