戦後のマルクス主義全盛のころ「一揆主義」と言う言葉が流行っていた記憶があります。
それは飢饉などの時に、餓死しそうになった農民がその不満を何の見通しもなしに暴発するという否定的意味で使われていたと思います。
マルクス主義に基づいて、体制全体をひっくり返す、という革命運動でなければならない、と言われました。
白土三平のカムイ伝にも有ったと思って、探したのですが、見つけることができませんでした。
私は今になってみると、日本の一揆こそ正しい社会批判活動で、あのマルクス原理主義は有害だと思うようになっています。
今でも原理主義的左翼の人がいるので、その人たちに説明するために、当時の小説、漫画などの原典を示したいのですが、見つけることが出来ず困っています。
日本でのこの言葉の使い方、その原典について何かご存知の方、是非教えてください。
(日本の話で、ブランキ主義などの西洋の話ではありません。)
No.1
- 回答日時:
時局と自由主義
河合栄治郎 - 1937 - books.google.com
P46
自由主義なき社会党は一揆主義に陥り、社会主義なき自由主義は改良主義に堕する。
http://repository.lib.kit.ac.jp/dspace/bitstream …
しかし安保改定阻止運動中、清水はむしろ左翼政党に厳しい批判を投げかけていく。それは国民の幅広い統一、いわば「人民戦線」の維持を重視して、左翼学生を「一揆主義者」と決めつけ、彼らが実力行使によって勝ち取った成果を放棄しているではないか。運動に参加した国民の内部には「豊かなエネルギーがあった」にもかかわらず、「諸組織―特に日本共産党―の指導部」によってその発現が抑圧されてきたことを、安保闘争終了直後に清水は弾劾している。
こちらは清水幾太郎
No.2
- 回答日時:
>戦後のマルクス主義全盛のころ「一揆主義」と言う言葉が流行っていた記憶があります。
少数精鋭でやろう、という労働運動エリートが使っていたのではなかったですかね。
一般組合員は当てにならないから、先鋭化した連中だけでやるというような意味だったと記憶しています。
>日本の一揆こそ正しい社会批判活動で、あのマルクス原理主義は有害だと思うようになっています。
直接の回答にはなっていないかと思いますが
下記サイトをご参照ください
1532夜『一揆の原理』呉座勇一|松岡正剛の千夜千冊
1000ya.isis.ne.jp/1532.html
日本で使われていた一揆という言葉の意味や、一揆はどのように行われていたか、ということに関する一般向け研究書に対する書評です。
>今でも原理主義的左翼の人がいるので
おそらく宗教の域に達しているかと思いますので論破は難しいのではないのでしょうか。
特に、最近のブラック企業問題から小林多喜二の「蟹工船」がもてはやされているようですので、大変かと思います。
恐らく御覧になられたコミックは「蟹工船」を題材としたものではないのでしょうか。
相当迂回した形とはなりますが
下記のサイトは如何でしょうか
戦間期の繊維産業と労働市場の変容 - 法政大学学術機関リポジトリ
repo.lib.hosei.ac.jp/bitstream/10114/8017/3/635-636enoki.pdf
『日本の工業化と女性労働 - 法政大学大原社会問題研究所
oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/oz/619/619-07.pdf
「女工哀史」や「野麦峠」も蟹工船とならんで原理主義的左翼主義の人達に好まれている小説です。
やや外れますが
下記書籍にも一度目を通されては如何でしょうか
貧農史観を見直す 佐藤常雄、大石慎三郎共著 講談社現代新書
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
これはマルクスとは全く関係もない話です。
マルキシズムがその原理とする「生産力と生産関係の間に発生する矛盾」により社会に変化がもたらされるとの基本的な認識と日本の中世および近世そして近代の一部にもみられる「一揆」はその構造からして既に異なりもします。そして質問者様が仰る「戦後のマルクス主義全盛のころ~」といっても、それ自体がマルクス主義を理解していないとの側面も十分にあります。何よりもマルクス自身はマルクス主義者ではなかったことも事実であり、後世の人間が「経済学者マルクス」と彼が構築した「思想体系」意図的にか知らずかで混在させていることに原因もあります。
さて話は横道に逸れてしまいましたが、「一揆主義」しの言辞がイメージさせる内容は、全ての力を一つの部分に集中させることにより最大の効果をもたらすことができる最終兵器との発想でしょうね。例えるなら宇宙戦艦ヤマトの波動砲やらウルトラマンのスペシウム光線、平成版ゴジラの体内発光やスパイラル熱線といったアレです。
けれども「一揆」自体が既にそうした皮相的なイメージを持つ社会現象であるとはいえません。庄家の一揆から土一揆そして国一揆へと変化していく過程を観ても、その範囲が一つの荘園からそれを含む地域へと拡大もしていっています。このことが何を意味するかと言えば、一揆の対象も変化していくとの事実です。
そして戦後歴史学の流れの一つとして60年代後半から70年代半ばにかけての「民衆闘争史」との領域も確かにありましたが、殆どの研究者がそれに対し一定の距離を置いて接してもいました。なぜなら、最初に一つの歴史観で物を観て歴史像を構築することは、かつての皇国史観が冒した過ちを繰り返すことと同じことになりますから。
日本の中世史で言えば、「現象としての一揆」がなぜ発生したのかを個別の一揆から丹念に分析しその結果を積み上げてきた中で、背景となる社会構造や土地所有制の問題にメスを入れていき、そこから得られた結果を再び一揆にフィードバックさせていくとの手法で、より豊かで具体的な「中世史像」を描き続けてもきました。その分析方法の一つとして、マルクスの経済学的分析方法もあった程度の話でしかありません。
ましてマルクスにせよ、彼が原点としたスミスにせよ、マルクスを対象としたヴェーバーにせよ、僕らが接してきたキーポイントは、彼等がそれぞれに残したものは「実験室の中で、管理された装置や設備といった条件を前提としてのみ存立しうる『純粋型のモデル』でしかない」との認識です。そのものズバリのものがあるなどと考えている歴史に携わる者がいるならば、それは歴史学を科学の領域としてとらえるのではなく、盲従的に従う信仰と同じでしかありません。
ですから、「一揆」と「マルクス原理主義」はどこにも関係のない話であるとの結論になります。なぜ質問者子がそのような認識をお持ちになっているのか、今ひとつ理解に苦しみます。何か特定のイデオロギーに基づいて他説を非難するのであれば、それは問題のすり替えであり同時に関与すべき性質の問題ではないと存じます。
異なる見解を持つこともその人の自由ですから、それに制限を加えるに等しい行為は如何なものかとも存じます。
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