
寝殿造りと呼ばれている建物は廊下をはさんで部屋にすだれ(みす?)や屏風が
あるくらいで、特に戸になる物は無い様に思うのですが、
冬はどうやって寒さをしのいだのでしょうか?
やはり着物を重ねる事でしのいだのでしょうか。
仮に火鉢などを部屋に置いてもかなりの寒さだったと思います。
さらに雨風が廊下から吹き付けば、濡れてしまったり....。
平安時代に限らず、現代から見ると昔の家は不思議ですね。
無知ゆえわかにくい質問ですが当時の暮らしぶりがとても気になります。
なにかお知りの事があったら教えてください。
宜しくお願い致します。

No.2ベストアンサー
- 回答日時:
「家のつくりようは、夏をむねとすべし。
冬は、いかなる所にも住まる。暑き比わろき住居は、堪へ難き事なり」これは鎌倉時代の終わり1330年ごろに兼好法師が「徒然草」に書いた、日本の気候風土と住まいについて書いた有名な一説です。寝殿造(しんでんづくり)は、夏向けの建物です。そのかわり装束は冬向けに作られたといわれます。
寒さを凌ぐために、重ね着を着れるだけ着たでしょうし、綿衣(わたぎぬ)という真綿(まわた)を袷(あわせ)の中に入れた今でいう綿入れのような冬着もありました。舶来の毛皮などもありました。
几帳、屏風、衝立、襖は寝殿造りの内部の調度品のなかにあって日本独自のものとして生まれ、これが工夫されて、間仕切りの少ない寝殿造りの防寒、機密性を保つ為に作られたものと考えられているそうです。
部屋は帳(とばり)を引きつめて、炭櫃(すびつ)や火桶(ひおけ)を部屋に集めてがんがん焚けば、それなりにしのげたようです。
火桶(ひおけ)・火櫃(ひびつ)・炭櫃(すびつ)
木をくり抜いて金属製のおとしを入れ、その中に灰を入れ、炭火を焚いて暖を取る暖房機具。主に桐の木で作られる。炭への灰のかけ具合で暖かさを調整する。本来は円筒形のものを火桶、方形のものを火櫃と呼んでいたが早くから混同していたらしい。炭櫃は方形で脚のあるもの。または、据え付けの大きな角火鉢のこと。
建物の風雨を防ぐ物としては、格子(こうし)、蔀(しとみ)妻戸(つまど)等がありました。
http://www.iz2.or.jp/kizoku/chodo.html
ご回答ありがとうございます。
ご丁寧にお答え頂き感謝します。
>寝殿造(しんでんづくり)は、夏向けの建物です。
そうなんですね。私は冬の方が辛いと思うのですが....。
十二単もそうですが重ね着したら血行悪くなって運動不足に
なりそうですね。^^;
風雨を防ぐ物は防寒に使わなかったのですかね?
とてもおもしろいです。
ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
先ほどの回答への補足。
現代の「雨戸」に匹敵するものは
平安時代にもあったのです。雨風・雪のひどいとき
夜 などはそれをおろしていました。
枕草子にも
清少納言が簾をかかげる有名なエピソード
の際、まず下級女官達に「雨戸」にあたる(「格子」等)を
あげさせたりしている記述が出てきます。
あと長い「御簾」にも一定の風雨除けの効果は
あったようです。今でも京都の伝統的な町屋
(祇園のお茶屋さんとか・・)では、年中簾が
下がってます。夏の日除け効果の他、風雨(雪)除け、
プライバシー保護 などの効果もあるみたいですよ。
この雨戸も朝になればあげてしまうので
冬でも室内は外みたいなものだったんですよね、きっと...。
御簾ではないですが我が家も「すだれ」が活躍しています。
夏は気休めですがなんとなく涼しい気がします。
当時はこの御簾によって神秘性もあったんでしょうね、
女性の顔も簡単には見れないし....。
ご回答ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
冬はかなり寒かったみたいです・・
暖房は火桶(中に炭をいれて暖めた)くらいしかないのです。
しかも今の日本家屋のような天上が寝殿造にはないので、暖かい
空気は簡単に上に上がっていってしまっていたようですよ。
着物にはわた(木綿のわたがないので、おそらく繭(絹糸の原料・・かいこの繭)を綿状にした「真綿」でしょう)を端から端まで入れて
たくさん重ね着したと思うので、冬の貴族はきっと着ぶくれして
いたのではないでしょうか・・(特に女性)
当時も壁のある部屋はありました。
「塗込(ぬりごめ・・漢字が違うかもしれませんが)」と
いって、物置にしたり、稀に人の部屋としても使われていた
ようです。あと、現代でいう「ふすま」もちゃんと
存在していましたよ。ただ、「障子」はなかったので
明かり取りの効果もふくめて、空間の多い作りになったとも
考えられます。
間仕切だけの、プライバシーも保温効果も
ないだだっ広い空間に女官達は詰められていたようです。
このイメージが寝殿造りは強いですよねぇ。
お礼が遅れて申し訳ありません。
丁寧なご回答ありがとうございます。
最近寒くなってきましたが気密性の高い現代の家でも
寒いのに、この時代にタイムスリップしたら私到底
住めないと思います.....。
着物を厚くする前に家を変えようとしなかったのは
なぜでしょうね....。
No.3
- 回答日時:
綿花の栽培が日本で本格的に始まったのが室町時代後期。
正倉院御物には綿がありますが、衣類としての需要に耐えられるほどの供給が為されるのはもっと後のこと。上流貴族は「きぬた」といって「絹」を「たたい」て、毛羽立たせ、重ね着をしました。なお、「十二単」ということばは明治になってからです。主な繊維が麻と絹でしたから、綿入れの中身は麻の繊維をたたいて綿状にしたものや、「蒲(ガマ)」の穂(湿地に生えるフランクフルトみたいなイネ科の植物。ソーセージ部分が、ぎっしり詰まった綿毛)を綿にしていました。「蒲生(がもう)」とか「蒲郡(がまごおり)」という地名が全国各地にあるのはその名残です。
日本人の7割以上の農民は麻や稲ワラや麦わらなどをたたいて綿状にしており、農民以外のの庶民、たとえば漁民という一大勢力(半農半漁が多かったが)は、物々交換などで仕入れていました。農民の、冬の家内制手工業の主要産業です。
東北地方では、岩手県などの一部で、モンゴル方式の「馬糞を床下の地面に敷く」もありました。「ウンコ」と思うから汚いと思うので、「胆汁が混じった害虫よけ効果のある、ふわふわの草の繊維」と思ってください。テレビで朝赤龍が「モンゴルでは肉は塩茹でにする」と言いましたが、乾いた馬糞(草)を燃やす火力では、焼肉は出来ません。
夏向きに作れ、を体感したければ、一度、夏に庭で野宿してみてください。庭がなければ公園で。夜は蚊に悩まされ、朝起きたとき顔中にナメクジがくっついています(あったかいから)。蚊のせいで日本脳炎になり、脳に障害ができます。平安時代は暖地性のマラリアもありました。いま、ロンドン空港付近で問題になっています。清盛もこれで死にました。戦後の沖縄や奄美でアメリカ軍が真っ先にやったことはDDTによるマラリアを媒介する蚊の駆除でした。足をねずみにかじられ、腕をイタチにかじられます。
真冬、国家公務員であるところの貴族は午前4時過ぎに出勤し、日の出とともに天子の南面に向かって拝謁し、オフィスワークをして、正午くらいに勤務を終え、帰宅して、寝ます。夜、起きて「物語す」などと「枕草子」などにあるのは、寒いから夜起きて昼寝ているのです。また、大きな家では、外壁から遠いので、部屋や廊下が断熱材の役目をしており、一番奥の部屋などは、まだましです。清涼殿の構造を見ると、天皇の部屋が一番奥にあります(防犯の意味もあるが)。
一般庶民や僧の冬の早起きは、寒さをしのぐためでもあります。一番寒いのは夜明け前だし。この間火事になった、座敷わらしで有名な、岩手県二戸郡金田一村の「緑風荘」などの、うまやと母屋をL字型につなぐ「南部曲り屋」も、防寒対策をかねています(私は2泊した事がある)。
庶民の家は、天井が高く、屋根は吹き抜けに近い、換気性能を持ったええかげんな構造(だから雨漏りした)だったので、火種を保ったまま一晩寝ても、一酸化炭素中毒にはなりにくかったのです。第一、隙間風バリバリだし。
大変詳しいご回答ありがとうございます。
夏の野宿の例、鳥肌が立ちました^^;マラリアがいたのですか!
蚊帳はこの時代あったのでしょうか。現代の網戸は便利ですね。
たしかにこれらを思えば夏向けに作ったのは納得です。
当時の夏はどのくらい暑かったのかな、想像するのも楽しいです。
早起きは寒さ対策なのですね....。
確かにあの外にいるも同じ様な屋敷ではさも寒かっただろうな、と想像します.....。
話はそれますが緑風荘に泊まったのですか!
羨ましいです。けれどちょっと勇気がないですが....。
焼失してしまい残念です...。
ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
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