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高校一年生の現代社会の問題です。

名目GDPと経済成長率から実質経済成長率を求める問題で、

(実質経済成長率)=〔(今年の実質GDP)-(去年の実質GDP)]/(去年の実質GDP)×100

と習いました。ネットで調べても、これと同じ計算式を多く見かけたのでこれは合っていると思います。

しかし、私の先生は

・去年の実質GDP=去年の名目GDP
・今年の実質GDP=今年の名目GDP/GDPデフレーター×100
・GDPデフレーター=100+物価上昇率(%)

とおっしゃっていたのですが、いろいろ調べている内に特に3つめが正しいのかどうか分からなくなってしまいました。

また、

(実質経済成長率)=(名目経済成長率)-(物価上昇率)

として解く問題があったのですが、授業で行った他の例題などはどれもこの式を満たしませんし、去年の名目GDPと今年の名目GDPを代数で置いて計算してみても、近い値にはなるもののやはり上のような単純な式ではうまくいかない気がします。

何が正解なんですか???教えてください。

A 回答 (4件)

>去年の実質GDP=去年の名目GDP




・実質GDP=(名目GDP/GDPデフレータ)×100

ですから、

・去年の実質GDP = (去年の名目GDP/去年のGDPデフレータ)×100

となります。あなたの(先生の?)式は一般的に正しくありません!ただし、去年が基準年だとすると、基準年のGDPデフレータは100ですから、去年の実質GDP = 去年の名目GDPとなります。


>今年の実質GDP=今年の名目GDP/GDPデフレーター×100


・今年の実質GDP = (今年の名目GDP/今年のGDPデフレータ)×100

が正しい答えです。



>GDPデフレーター=100+物価上昇率(%)


・GDPデフレータ = 100+基準年からの物価上昇率(%)

・今年のGDPデフレータ = 100 + 去年から今年へかけての物価上昇率(%)

が成り立ちます。(上で、(>)はあなたの質問の式、(・)が正しい式を表わしています)。これらの式は、物価水準とはGDPデフレータのこと、したがって物価上昇率とはGDPデフレータ上昇率のことだということを示した式(定義式)にすぎないことに注意してください。


あなたの最後の質問

>(実質経済成長率)=(名目経済成長率)-(物価上昇率)

を導いておきましょう。いま、数式を操作しますので、Yを実質GDP、Nを名目GDP、PをGDPデフレータを表わすとしましよう。ただし、GDPデフレータは100で割った値、たとえば、125なら、1.25というふうに)。すると、

    N = PY

が成り立ちます。私の1番上の式ではY = N/Pとなっていますが、変形すれば上のようになります。いま、去年から今年にPがΔPだけ、YがΔYだけ変化したとすると、Nの変化ΔNはいくらになるか?それは、

  (N+ΔN) =(P+ΔP)(Y+ΔY)

を計算すればよい。すなわち、
 
  N + ΔN = PY + PΔY + YΔP + ΔPΔY

さらに、両辺をN = PYで割って、両辺から1を引くと

(*)   ΔN/N = ΔY/Y + ΔP/P+(ΔP/P)(ΔY/Y)

となることからわかる(確かめてください)。すなわち、
  
名目GDPの成長率ΔN/Nは、実質GDPの成長率ΔY/Yと物価上昇率ΔP/Pとの和に、これら2つの項の積を加えたものに等しいというのが厳密には正しい式なのです。しかし、一番最後の(積の)項は通常ゼロに近い小さい値(second order magnitude)なので、無視すると、

  ΔN/N = ΔY/Y + ΔP/P

あるいは
  
  ΔY/Y = ΔN/N - ΔP/P

を得る。この式があなたが学校で習った式ですがこれはあくまでも近似式であって、(*)の右辺の最後の項だけ誤差がでることを忘れないようにしてください!
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回答NO1の訂正です。




>GDPデフレーター=100+物価上昇率(%)


・GDPデフレータ = 100+基準年からの物価上昇率(%)

・今年のGDPデフレータ = 100 + 去年から今年へかけての物価上昇率(%)


と書きましたが、私の回答の2番目の式は、去年が基準年であるなら(あるいは去年が基準年でなくても去年のGNPデフレータがたまたま100なら)成り立ちますが、一般的には

・今年のGDPデフレータ = 去年のGDPデフレータ + 去年から今年へかけての物価上昇率(%)

としなければ正しくありません。
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> ・去年の実質GDP=去年の名目GDP


> ・今年の実質GDP=今年の名目GDP/GDPデフレーター×100
> ・GDPデフレーター=100+物価上昇率(%)

いずれも、多少の問題はありますが、去年を基準年とするなら正しいです。


まず、GDPは(中間財がないとすれば)
 GDP=価格×数量
です。これは名目も実質も同じです。

名目の場合には、価格は取引したときの価格を使います。
実質の場合には、価格は基準年の価格を使います。
つまり、GDPデフレーターが決まった後に実質GDPが決まるのではなく、実質GDPが先に決まり、その比としてGDPデフレーターが決まります。
したがって、2番目の数式は、意味合いとしては問題があります(学校や公務員試験などの問題を解くならそれでok)。


GDPデフレーターは、実質と名目の二つの比として定義されています。
数式で書けば
 GDPデフレーター=実質GDP÷名目GDP×100
と定義されることが多いです(×100をしないこともある)が、更に100を引いて物価上昇率にしている場合もあります。
> ・GDPデフレーター=100+物価上昇率(%)
は、この場合ですね。

因みに言えば、物価上昇率はGDPデフレーターの他にも色々種類があります(当然数字は全部異なっています)。


> (実質経済成長率)=(名目経済成長率)-(物価上昇率)

これについても既に回答がありましたが、近似的に成り立つだけです。
とはいえ実用上ほとんど問題がありませんのでよくつかわれます。

因みに、近似的にと言っていますが、この近似は微小期間では必ず一致します(数学的に期間が短ければ一致するという根拠があります)。


> 授業で行った他の例題などはどれもこの式を満たしません

その問題を見ていないので分かりません(設定自体がおかしい問題も世の中には少なくない)が、物価上昇率をGDPデフレーターで定義していない場合や、近似誤差の問題が考えられます。
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回答No1で書いたことをもう少し厳密に書いてみましょう。

同じ記号を使いますが、基準年から数えて第t年目の値であることを明確にするため、第t年目の名目GDP、実質GDP、GDPデフレータをそれぞれN(t)、Y(t)、P(t)と書き、基準年のそれをN(0)、Y(0)、P(0)と書くと、

 N(t) = ∑pj(t)yj(t)
Y(t) = ∑pj(0)yj(t)
P(t) = N(t)/Y(t)

となります。ただし、yj(t)は第t年目の国内で生産された第j番目の最終財の生産量、 pj(t)は第t年目の国内で生産された第j番目の最終財の価格、pj(0)は同じ財の基準年の価格。Σは加算記号で、たとえば、上の第1式の右辺は、p1(t)y1(t)+p2(t)y2(t) +・・・とすべて国内で生産されている財について加算することを意味します。

・言葉で言うと、第t年の名目GDPとは国内で第t年に生産されたすべての最終財・サービスの、第t年の価格で評価された価値であり、第t年の実質GDPとは国内で第t年に生産されたすべての最終財・サービスの、基準年の価格で評価された価値を表わしたものです。

・t=0とおいてください。N(0) = Y(0)、P(0)=1となることがわかるでしょう。つまり、基準年では、名目GDPと実質GDPは等しく、GDPデフレータは1、あるいは100倍すると100となることがわかる。

・経済がただ1種類の財が生産(かつ消費)されている、1財の世界を考えてみましょう。このときは

  N(t) = p(t)y(t)
  Y(t) = p(0)y(t)
  P(t) = p(t)/p(0)

となり、GDPデフレータは基準年から物価上昇率+1あるいは100を掛けるなら、基準年からの物価上昇率(%)+100となることがわかる。この1財の世界では物価上昇率の意味が、その1財の価格の上昇率という意味で明確です。

・では多数財の世界では、GDPデフレータは何を意味しているでしょうか?上で見たように、
  
  P(t) = N(t)/Y(t) = ∑pj(t)yj(t)/∑pj(0)yj(t)

ですから、GDPデフレータは経済学で「パーシェ物価指数」と呼ばれる物価指数概念の一つなのです。

 なお、回答NO3さんのGDPデフレータの定義は

 GDPデフレータ=実質GDP÷名目GDP×100

と右辺の分子と分母が逆になっていますが、正しくは、上で書いたようにP(t) = N(t)/Y(t)、すなわち、

  GDPデフレータ=名目GDP÷実質GDP×100

あるいは同じことですが

  実質GDP = 名目GDP÷GDPデフレータ×100

ですので、注意してください。
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