
F=ma
とあります。
どうして「力[N]」と「質量[kg]」、「加速度[m/s^2]」だけが登場するとわかったのか?
ほかにのものも絡むと考えてもよいのではないか?
公式の暗記はできても、本質の理解にはなりません。
言葉でうまく理解できません。
「同じ加速度を生じさせるためには、物体が重ければ重いほど、大きな力を要する」つり
というのはわかります。
教科書では「ハイ、ここにF=maという公式があります。」から始まってちょっと意味が分かりません。
「物理現象」→「考え方」→「公式」の「考え方」を詳しく解説お願いします。
A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
まず F=ma ありき、では納得できないという気持ちはわかります。
しかし、これは仕方がないともいえるのです。
ニュートンは三つの原理を示し、これらの原理だけで物体の運動は記述できると主張したのです。
これらの原理をどのように導き出したかは、問題にならないのです。
他の人は、これらの原理を自然現象にあてはめて、矛盾がないかを検証するだけです。
特殊相対性理論が出るまで、二百数十年間矛盾は見つかりませんでした。
>公式の暗記はできても、本質の理解にはなりません。
運動方程式は暗記するしかないのです。こういう覚えるしかない式はかなりあります。
たとえば万有引力の法則の本質を求めても、得られないと思います。
質量をもつ物体は、お互いに引力を及ぼす。
質量をもつ物体の運動は、運動方程式に従う。
とはいっても、少し説明はできます。
慣性の法則を前提として、ガリレオの落体の法則、「重力による落下速度は、質量によらない」と、万有引力の法則から、自由落下している物体には、質量に比例した重力が加わっている、つまり
F=mg
を導くことができます。
斜面を使うと、重力加速度を加減することができます。
こういった実験から、
F=ma
が導き出されたと思われます。
ネット検索でも、こういう話は出ていると思います。

No.2
- 回答日時:
F=ma
ですか・・・。
F = mv
としても良かったんですよ(笑い)。
ニュートンさんは、
F = ma
とした。
そして、これにしたがって、包括的な力学の理論を構築した。
これがやがて世に広く受け入れられた。
でも、運動方程式をF = maとすると、相対性理論などを待つまでもなく、ちょっとまずいことが起きる。
たとえば、運動中に質量が変わるようなものの運動。
これは
F = ma = m・(d^2x/dt^2)
が成り立たないんですよ。
F = d(mv)/dt
としなければならない。
そして、デカルトが復活してくる。
では、
F = maとは何なのか?
難しいですね、はい。
ちなみに、
ライプニッツは、mv^2を力学の根底に置くべきだ、と主張した。
これ、活力(vis viva)といいます。

No.1
- 回答日時:
>ほかにのものも絡むと考えてもよいのではないか?
もちろん、そうです。ニュートンや、彼に部分的に先行したガリレイ以前ですと、他のものも絡むと考えられていました。しかし、分析的に示せた人はいなかったんですね。何らかの事象ををよく分かる要素まで分解して、各々の要素をよく理解して、そして各要素を元の事象まで再び組み立て直して理解するのが自然科学的な考え方(素朴な還元主義と呼んだりする)です。
それはコペルニクスが本格的に始めたとされていて、そういう考え方ができるようになったことを「コペルニクス的転換」と呼んだりします。コペルニクス以前の、自然現象に対する考え方は、物事を分類、分解、整理することなく、眺めたままに「こんな感じ」としており、そのような考え方をした古代ローマの学者の名前を取って「プトレマイオス的世界観」と呼んだりします。
物体の落下現象でいえば、「重いものほど速く落ちる」とされていました。確かに、軽い鳥の羽根より、重い石のほうが速く落ちますから、正しい観察ではあります。しかし、観察したままにしておかなかったのがガリレイです。鳥の羽根と石を軽い糸で結びつけるとどうなるか。一つの物体になったと考えれば、もっと速く落ちるはず。でも、遅く落ちようとする鳥の羽根が石が速く落ちようとするのを邪魔すれば、鳥の羽根を結び付けられた石は遅く落ちようとするはず(パラシュートはこちらですね)。「重いものほど速く落ちる」はどうもすっきりと物事を説明できていない。
ガリレイが同じ大きさの木の球と鉛の球で落下現象を観察したら、落ちる速さに違いは見られませんでした。よく、ピサの斜塔から落としてみたとされていますが、それは伝説のようです。落ちるのが速いし、間近で観察できません。実際には、斜面を転がる速さを慎重に観察しています。
彼は「落下する速さ重さと無関係である」と結論しました。重さに関係なく、落ちる距離は落ちる時間の2乗に比例する、ということまで調べ上げました。これらは「落体の法則」と呼ばれています。
では、なぜ鳥の羽根は石より遅く落ちるのかということが問題になります。それに答えられなければガリレイの結論は笑止です。実は落体の法則は、空気抵抗を無視できるときに成り立つ、としているのです。鳥の羽根は落体の法則に空気抵抗を加味すれば、きちんと説明できます。
こうして、落下現象を、重力によるものと(後にニュートン力学となる)、空気抵抗によるもの(後に流体力学となる)に分解して、各々を理解してから、組み立て直したわけです。これが自然科学の手法です。
落下は垂直、つまり重力が働く方向のものです。水平方向はどうか、ということも大事でした。ガリレイ以前のプトレマイオス的世界観では「物体は押している間だけ動く」と考えられていました。ガリレイは(中略)押すことによる加速と、摩擦による減速に分け、摩擦がなければ物体はいつまでも同じ速さで動き続けると見抜きました。
でも、ガリレイの業績は偉大ながらも、はそこまででした。「重い」とはどういうことなのかまで考えたのがニュートンになります。ニュートンは重力によって感じられる「重量」と、摩擦がないとして、水平方向に動かすのがどれだけ大変かに関わる「質量」を、分けて考えました。
もう少し正確に言えば、重力によって分かる「重力質量」と、押して加速するときの加速しにくさに関する「慣性質量」を分けて考えたのです。
慣性質量について、氷上や油を塗った平らな台、あるいは車輪や振り子などを使って、水平方向だけを観察するようにしてみました。そうすれば、摩擦は除外できますし、重力による力は床などからの反作用でキャンセルされますから、やはり除外できます。
そのような工夫を用いた実験で、ようやく「物体を同じように加速するのに必要な力は慣性質量に比例する」と結論することができました。力をF、慣性質量をm、加速度をaとし、比例定数Cを使えば、F=Cmaになります。Cが1になるようmの値を決めるようにすれば、F=maとなり、よく見る式になります。
ひょいっとF=maを思いついて、それを使ったわけではありません。何人もの天才が物事を分解して見せ、何百人もの学者がそれらを検討し、物体の動きという複雑な現象から、その一部の真理としてF=maを見出したわけです。
P.S.
重力質量はニュートンの重力式:F=GMm/r^2(F:二つの物体間に働く力、M, m:二つの物体のそれぞれの重力質量、r:物体間の距離、^2:2乗)に出て来ます。F=maに出てくる慣性質量mと重力式のmは正比例するかどうか(正比例なら比例定数を1とすれば一致するか)は、重大な問題として残されました。
その後、キャベンディッシュらが膨大な種類の物体を調べて、重力質量と慣性質量が一致する、つまり同じものだと結論されました(しかし、素粒子まで調べるようになると、再び大問題になっている)。
また、簡単にF=maと書きますが、加速度aは物体の運動について、もっと重大な意味があります。加速度aは速度vを時間tで微分したものです。a=dv/dt。速度vは位置xの時間微分です。v=dx/dt。すると、加速度aは位置xを時間で2階微分したものになります(2回微分とは言わず、2階微分と言います)。
F=d^2x/dt^2。実はこれ、大変な方程式です。どんな物体がどう運動するかが、完全に分かると言っている式です。この式から「宇宙の全歴史の全ての物事は、宇宙が生まれた瞬間に決まっていた」なんてことが言えます
人間の脳の中のことだって、宇宙が生まれた瞬間に全部決まっているわけです。こうして質問者様が質問し、私がこうして回答を書いているのも、全て宇宙が生まれた瞬間には決まっていたことになります。自分の意思で何かするなんてことは幻想であるわけです。
それを否定するのには、20世紀初頭に生まれた量子力学を待たねばなりませんでした。
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