先日、このカテで「宇宙から見ると、地球は、何度に見えるのです」か、という質問をしましたら、早速ご回答を頂き理解したつもりですが、(血の巡りの悪い頭のせいか)疑問が未だ残っていますの、再度お手数を煩わします。
地球から宇宙に放射される赤外線の強度で、地球の平均的な温度を測定すると,-18度Cの天体に見えるそうです。温室効果により、地表は、平均15度Cを保っているそうです。
宇宙から赤外線で測定し、地球から放出される熱量(温室効果の影響はない)をもとに計算すると、ー18度になるのである、と理解しました。
ところで、放射温度計という測定機があるそうですね。電磁波の波長分布を測定すると,温度に換算できる、ということだそうですね。
地球を測定する際に、この放射温度計を使用すると、(温室効果により地表の温度は平均15度であるから)、15度として観測されますか?
No.2
- 回答日時:
地球の技術水準で赤外線観測すると地球表面温度は-18℃になるからと言って、他の星の生物も同じように解釈しているとは限りません。
赤外線以外の光も加えた判断をおこなって、平均温度を観測している可能性もあります。マイクロ波で地球を観測すると、異常に高温の天体だと観測されるはずですし、海から発する赤外線だけを観測すれば、-18℃という結論は出ないでしょう。
放射温度計と言っても、溶鉱炉の内部温度を計測するものから、絶対零度の宇宙背景放射を計測するものまであるわけですから、一概に言えません。観測する温度スペクトルによって違って来ると考えるべきでしょう。
地球と同等の文明を持つ星が近くにあるとすれば、地球の質量や大きさ、公転軌道、平均温度、酸素や海の存在などの観測には成功しているでしょう。
太陽系は岩石質惑星と巨大ガス惑星が拮抗する珍しい惑星系なので、遠くにある星からも観測で発見されていると思われます。
早速のご回答ありがとうございました。
実際の測定では、その方式や誤差などによって、バラツキが生じますね。ただ、この質問で知りたかったことは、原理的に(あるいは机上的に、あるいはお遊びなら)15度として測定できる、と思われますが、でした。
No.3
- 回答日時:
先のご質問にも回答した者です。
放射温度計によっても、平均マイナス18度です。しかし、地表で測って15度なのに、なぜ15度相当の放射温度にならないのか、ということですね。
赤外線だけで簡略化しますと、温室効果ガスが働く仕組みとは、主に地表からの赤外線の照り返しを押しとどめるということなんです。以下のような感じです(※簡略化した概念図のようなものです)。矢印の1本は1秒当たりの赤外線とお考えください。
太陽光
↓ ↑ 入って行く赤外線と出て行く赤外線は等量
――――――――
↓温室効果ガス↑
――――――――
↓↑↓↑↓↑↓↑ 赤外線が何度も行き来する
━━━━━━━━
地表
地表で温室効果ガスにより赤外線はなかなか出て行きません。時間がかかるわけです。それが熱が留まるということで、そのために温度が温室効果ガス無しの場合より高くなります。
しかし、大気圏外から眺めれば、入って行く赤外線(↓)と出て行く赤外線(↑)は同じです。矢印1本であれば、マイナス18度相当であるわけです。
P.S.
とはいえ、地球の昼間の側(太陽が当たる側)を測定すれば、温度は高く測定されます。夜の側はもっと低い温度になります。マイナス18度なり、プラス15度というのは平均です。熱の流れとしては、昼間の面から太陽光の熱を受け、夜の側から熱放射が行われます。
夜の側は太陽光のない宇宙に面しており、その宇宙はマイナス270度という低温です。放射熱は出て行き放題になります。寒い冬の朝、車のガラスが凍っていることがあります。注意して見ると凍っていないガラスもあります。凍っているガラスは空に面しており、凍っていないガラスは建物などに面しています。それくらい宇宙は太陽がなければ寒いわけです。
温室効果無しのときの理論値、マイナス18度というのは平均でのことで、例えば地球がずっと太陽の面に同じ側を向けているとすると、昼間の側はマイナス18度よりずっと高温になり、夜の側はマイナス18度より低くなります。地球が地熱のない球体だとすると、地球の地殻内も含めてマイナス18度になります。温室効果がある場合も、同じようになります。
実際には自転があるので、地球のどの部分も昼と夜を繰り返しますので、昼間の側の熱はどんどん夜の側へ移動しますので、昼間の側と夜の側の寒暖の差はずっと緩やかになります。それでも結構な温度差にはなりますが。
それと、緯度によって太陽光の入射角度が違いますので、ほぼ真っ直ぐ上から太陽が当たる赤道付近では高温に、水平に近いほど太陽が低い極地(南極、北極)付近では寒くなります。
マイナス18度や、プラス15度は全地球の平均、つまりあちこち万遍なく測定して平均を取ったものということはご承知とは思いますが、念のため補足致しました。
前回の質問に引き続き、ご回答ありがとうございました。
今回も詳細な説明で、マイナス18度については、理解できました。
ところで、私は、安直に、放射温度計をあげましたが、これには、測定の方式が分かれている、ことに気付きました。
一つめは、物体から放出された赤外線の量(強さ)を測定するところから始まるもの、です。これは、Dio Genes様が挙げられている温度計を意味している、と思われます。
他には、物体から放出された赤外線の波長を測定するところから始まるもの、のようです。<温度と言うパラメータを与えると,プランクの式によって,その物体から出る電磁波の波長分布が求まります.逆に,電磁波の波長分布を測定すると,温度に換算できます。>のだそうです。私は、こちらの方の温度計を考えて、質問しておりました。
したがって、赤外線の波長を測定すれば、地表の15度が測定できる、と短絡的に考えました。実際の測定や換算は単純でなく、15度まで都合良く到達できる、とは考えませんが、机上的では可能かな、と思っていますが、いかがでしょうか?
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
#3です。
可視光が波長と明るさという、二つの強度指標を持つのと同じく、赤外線にもそれがあるということですね。仰る通りです。
地球からの放熱の場合、黒体輻射とも呼ばれる、ある温度の物体が放射する赤外線(以外にもありますが、単純化することに致します)ということになります。
ある温度ではある波長の赤外線の放射になります(それが中央値、あるいは平均値とする分布になりますが、これも単純化してある波長としておきます)。その波長の赤外線は単位面積当たり一定の放射量(可視光でいえば明るさ)となります。つまり、赤外線の量を増やすには面積を増やさなければいけないわけです。
しかし地球の面積は一定です。赤外線の量を増やすことはできないわけです。仮に増やすような仕組みがあるのだとすると(プレートテクニクスなどで知られる地殻変動で地球の凹凸が極端に増えるとか)、そうなるかもしれませんし、そのときは地表の平均温度は下がるでしょう。しかし、地球に変化がない状況ではちょっと起こりそうにありません。
地球という黒体(反射があるので黒体として7割程度ですが、仕組みは黒体と考えてOK)では、一定温度による放射光(赤外線)の波長と明るさは互いに無関係ではないわけです。一方が決まれば、他方も決まります。そのため、プラス15度だけど赤外線の放射量は少ない、ということは起こりません。
P.S.
お考えの状況は、例えば太陽から受ける熱をいろいろな距離から、方法を変えて測定したときには、温度の差として生じます。波長でみてみるならば、どんな距離であれ、表面温度の6千度となります。
しかし、光量でみるならば、当然ながら明るさは違います。明るさは単位面積当たりに与えるエネルギー、つまり熱量を表し、熱する効率に影響します。地球でいえば、高緯度地帯と低緯度地帯で、地表に対する太陽光の入射角度が違い、そのため地表の単位面積当たりが受ける毎秒当たりの熱量が異なるのと似ています。
このとき、水銀温度計のように、自分自身が熱せられて温度を測定するタイプだと、熱せられつつ、その温度で熱放射も行ってしまうため、遠くて明るさが暗い場合は熱放射による温度低下のため、受ける赤外線の波長の温度には到達できません。水銀温度計を惑星だとすれば、太陽から遠い惑星ほど寒いということになります。
P.S.2
もし理想的な断熱材か断熱システムがあり、物体が受ける太陽からの熱を全く外に逃がさないようにできたとすると(完全な温室効果、といった感じ)、太陽からどんなに離れても、いずれは太陽表面温度と同じ6千度になります。単位時間・単位面積当たりの熱量がどんなに弱くても、高温源たる太陽の温度になるわけです。それ以上にはなりません。
このことをある意味逆に考えると、どんなに大きな凸レンズや凹面鏡を使って太陽光を集めても、決して6千度以上の温度は得られない、ということにもなります。
ある意味、というのは熱力学です。熱は高温源から低温源に移動し、もし温度差がなくなれば熱は移動しなくなる、ということです。地球の温度というのも、熱力学に沿ったものになっていて、ここまでご説明申し上げたのも、熱力学に沿った話です。
再三のご回答、恐縮いたします。
<ある温度ではある波長の赤外線の放射になります>
のご回答を頂き、私の好奇心(何の役にも立っておりませんが)が、とりあえず満足しました。
博識のDio Genes 様に説明して頂いた、幅広い分野の説明は、まだ十分消化し終わっておりません。
<一定温度による放射光(赤外線)の波長と明るさは互いに無関係ではないわけです。>
が、今引かかっている部分です。これは、今後の楽しみとして、ゆっくり考えて行こう、と思っています。
No.5
- 回答日時:
気象衛星は、赤外線で雲頂の気温を測定しています。
積乱雲などは氷片の集まりですから、雲頂の温度は-70~-80℃になります。
雲に隠された部分の気温は測定出来ません。
雲が無い時は地表または海水面の温度を測定しています。
放射温度計も、恐らく赤外放射量を測定していると思います。
地球独自の放射熱量だけを測定するためには、大気面からの太陽熱反射を避ける位置からの測定になるかと思います。とすれば、夜の熱放射量を測定することになるので、相当低めの測定結果を得ていることに成り、-18℃は当然の結果かと思います。
+15℃は、地表の観測点の昼夜の平均温度を、世界規模の平均値として統計的に求めていますから、宇宙からの放射熱量測定とは異なる結果になるのはやむを得ません。
ご回答ありがとうございました。
実際の測定になると、いろいろなこと(単純には不都合なこと)が影響するのですね。それらの悪影響を避けるためには、夜間帯を測定しなければならないのですね。
<-18℃は当然の結果>
なのですね。
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