【大喜利】【投稿~9/18】 おとぎ話『桃太郎』の知られざるエピソード

こんばんは。
高校で物理を勉強していて思ったのですが、力学で重要な法則に「運動量保存則」というものと「力学的エネルギー保存則」というものがありますよね。
これら二つの法則はそれぞれ独立して存在する法則なのでしょうか?それともあるひとつのルールがあってそれを人間にとって分かりやすくするため、あるいは計算の便宜上から二つの側面に分けているだけなのでしょうか?

A 回答 (6件)

物理屋の siegmund です.



nabla さんは高校生とのことですが,大変深く考えておられるので感心しました
(偉そうに聞こえましたら失礼).

> 1)運動量の定義の式は運動方程式と同じ事である。
> つまり力とは微少時間の間に運動量をどれだ> けもらったか
> あるいはあげたかということをあらわすものである。

まさにおっしゃるとおりです.
F=ma が運動方程式ですが,a = dv/dt (a は加速度,v は速度)なので,
F = ma = dp/dv (p=mv は運動量)ということになります.
つまり,力は運動量の変化の割合に等しいのです.

> 2)更に「運動量保存則」を基本原理とすれば、
> 例えば2物体の衝突のときを考えると、
> お互いの運動量は変化するがその総和は等しい。
> つまり2物体は衝突のときに運動量の一部を相手に与えたあるいはもらった。
> 当然あげた分ともらった分は等しいのだから、
> 運動量を時間で微分した力もどの瞬間でも大きさは等しい。→第3法則の証明

keyguy さんの言われるように,作用反作用の方が基本原理でしょう.
物体1から物体2に働く力を F(1->2) のように書くと
(A1)  F(1->2) = -F(2->1)
が作用反作用の法則です.
1,2 間以外には力が働いていないとすると,
物体1の運動方程式は
(A2)  dp(1)/dt = F(2->1)
物体2の運動方程式は
(A3)  dp(2)/dt = F(2->2)
です.
(A2)(A3)を辺々加えて,(A1)を考慮すると
(A4)  dP/dt = 0   P = p(1)+p(2)
となり(P は全体の運動量),P は時間変化しませんので,保存されることになります.
ただし,他から力がないことが P 保存の条件で,
例えば自由落下している最中(重力が作用している)に衝突したりしたら
運動量 P は当然保存されません.
こういうあたりからも,作用反作用の方が基本的法則であることが
わかると思います.

> 先日学校でも同じ質問をしたところ
> 先生が「対称性があればそれに対応する保存則がある」みたいな事を言っていましたが
> 何のことかさっぱり分からなかったんです。

これは難しい.
大学の物理系の学科の解析力学(普通2年次の科目でしょう)でやる内容です.

> いろいろな記事を見ていると、
> 「エネルギー保存は時間についての並進運動の対称性、
> 運動量保存は空間についての並進運動の対称性に密接に関わっている」
> ということが書かれていましたが、
> もしかしてibm_111さんが言っておられた「相対論によりもっとすっきりする」
> というのはこのことではないかと想像しています。
>
> つまり相対論では時間を4つ目の方向としていますが、
> エネルギーは実は時間方向の運動量のことで、
> 「4次元空間での運動量保存則」みたいな形で統一されると言うことなのでしょうか?
> 何の根拠もない推測ですが…

言われるとおりです!
相対論では4次元運動量という言葉を使います.

時間不変性からエネルギー保存則が導かれ,
並進不変性(長さ)から運動量保存則,回転不変性(角度)から角運動量保存則,
がそれぞれ導かれます.
(エネルギー)×(時間),(運動量)×(長さ),は同じ物理量の次元
(空間が3次元とか4次元という意味ではありません.
わからなければ単位と思ってもらっても結構です)
を持っています.
エネルギーの単位はジュールですが,その正体は kg・m^2・s^(-2) です
((1/2)mv^2 など思い出せばすぐわかります).
したがって,(エネルギー)×(時間) は kg・m^2・s^(-1) です.
運動量の単位は kg・m・s^(-1) ですから,(運動量)×(長さ)も kg・m^2・s^(-1)
になるのはすぐわかります.
(角運動量)×(角度)も同じようになっていますが,
角度は単位がなく,角運動量自体が kg・m^2・s^(-1) です.
実は, kg・m^2・s^(-1) というのは量子力学のプランク定数の単位に
他なりません.

上では,時間不変性と言っていますが,
【何が】時間不変なのかをまだ明確にしていません.
ibm_111 さんご紹介のスレッドに対称性と保存則の解説があります.
そちらでも書いたのですが,
不変かどうかを調べるべき量はラグランジアンと呼ばれる量です.
運動方程式が不変かどうかで判断してはいけません
(http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=304503
運動方程式で判断してはまずい実例が載っています).

はるか昔,私が中学生から高校生の頃,
上のような話を書いた啓蒙書をわくわくしながら夢中になって読んだことを
思い出しました(^^).
私が物理屋になったのはそのころの感動がもとです.
その頃は「僕もアインシュタインみたいに...」と夢見たのですが,
アインシュタインの足下にも及ばないことがわかりました(^^;).
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この回答へのお礼

丁寧な返事ありがとうございました。
ラグラジアンとか全く分かりませんが、何か宇宙の神秘みたいな物を感じます。
やっぱり物理って深いと改めて思いました。

お礼日時:2004/05/30 21:06

>「対称性があればそれに対応する保存則がある」


これについてですが、うろ覚えですが
運動の方程式が、空間座標の平行移動(xの代わりにx+aとする等)に対して、形が変わらないことを要請すると、運動量保存の法則が出てきます。
 座標系を回転するような変換をしても、方程式が変わらないような状況下では、角運動量が保存されます。
 時間を平行移動させても、、、で、確かエネルギー保存則がでてきたと覚えてます。 違ってたらごめんネ。
説明の式としては、一行くらいの簡単なもののはずです。
 最初の質問の回答ですが、高校レベルの物理では、別のものとかんがえるのが良いのでは。
 簡単な衝突問題は、この二つの両立条件から答えが出たと覚えてますが。
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この回答へのお礼

>運動の方程式が、空間座標の平行移動(xの代わりにx+aとする等)に対して、形が変わらないことを要請>すると、運動量保存の法則が出てきます。
>座標系を回転するような変換をしても、方程式が変わらないような状況下では、角運動量が保存されま>す。
>時間を平行移動させても、、、で、確かエネルギー保存則がでてきたと覚えてます。 違ってたらごめん>ネ。
僕がibm 111さんに紹介してもらったところでもそのように書かれていましたのでたぶん正しいと思います。

>最初の質問の回答ですが、高校レベルの物理では、別のものとかんがえるのが良いのでは。
そうですね、受験生の本業は自然の解明ではないですもんね。でもやっぱり関係があるんですね。うーん自然ってすごいですね。

ありがとうございました。

お礼日時:2004/05/28 15:56

http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=158531
http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=304503
http://okweb.jp/kotaeru.php3?q=316948
このへんが参考になるでしょうか。
基礎にあるのはネーターの定理ですが、
その解説は私の手に余ります。
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この回答へのお礼

いろいろな記事の指摘ありがとうございました。
本来なら自分で調べるべきなのですが…

いろいろな記事を見ていると、
「エネルギー保存は時間についての並進運動の対称性、運動量保存は空間についての並進運動の対称性に密接に関わっている」ということが書かれていましたが、もしかしてibm_111さんが言っておられた「相対論によりもっとすっきりする」というのはこのことではないかと想像しています。

つまり相対論では時間を4つ目の方向としていますが、エネルギーは実は時間方向の運動量のことで、「4次元空間での運動量保存則」みたいな形で統一されると言うことなのでしょうか?
何の根拠もない推測ですが…

お礼日時:2004/05/28 15:21

異なる切り口から見ただけのことだと思います。

(実験結果から導かれた法則というのは、すべてのパラメータを同時に操作することが難しく、ある実験条件に従って得た結果からのものだから)
停止している10円玉の他の10円玉をまっすぐぶつけたとき、ぶつけられたほうだけが動いてぶつけたほうは停止する。 運動量保存則のみならぶつけたほうの半分の速度で2つとも動いてかまわないのですが、エネルギー保存則も同時に成立しているから一つの答えしかでない。(最初のこの現象を発見した人は「なんでぶつけたほうが止まるんだ?」と驚いたでしょうね)
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。10円玉の例えは参考になりました。確かにエネルギー保存則がなければ物体が勝手に破裂することも許されますもんね。

>異なる切り口から見ただけのことだと思います。

何を異なる切り口から見たのですか?裏に何かひとつのルールがあってそれを満たすとたまたま二つの保存則を満たしている様に見えるだけと言うことなんですね。
僕は以前からただ単に衝突するのに物体はわざわざ二つもの保存則を満たすように衝突するあたりに気持ち悪さを感じていました。

お礼日時:2004/05/28 13:49

相対論を勉強すれば、運動量保存則と力学的エネルギー保存則は


独立でなく、もっと統一的に理解されるべきものであることが分かります。

解析力学を勉強すれば、どちらも時空の対称性と
密接な関係があることが分かります。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。保存則単に力学で扱う以上の奥の深いものだったんですね。


>解析力学を勉強すれば、どちらも時空の対称性と
密接な関係があることが分かります。

詳しく教えていただきたいのですが。
先日学校でも同じ質問をしたところ先生が「対称性があればそれに対応する保存則がある」みたいな事を言っていましたが何のことかさっぱり分からなかったんです。

お礼日時:2004/05/28 13:39

その2つの法則は基本法則では有りません


力学において基本法則は
・運動の法則(ニュートンの第2法則)
・作用反作用の法則(ニュートンの第3法則)
・万有引力の法則
です
その2つの法則は上の2つの法則から導くことができます
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
あなたの指摘に基づいて運動量保存則の導出の式を眺めていたところおもしろい発見があったのでここに書かせていただきます。
間違っていたら指摘をお願いします。

1)運動量の定義の式は運動方程式と同じ事である。つまり力とは微少時間の間に運動量をどれだけもらったかあるいはあげたかということをあらわすものである。
2)更に「運動量保存則」を基本原理とすれば、例えば2物体の衝突のときを考えると、お互いの運動量は変化するがその総和は等しい。つまり2物体は衝突のときに運動量の一部を相手に与えたあるいはもらった。当然あげた分ともらった分は等しいのだから、運動量を時間で微分した力もどの瞬間でも大きさは等しい。→第3法則の証明

こんな風に理論を展開すれば法則をひとつ減らせると思いました。どうでしょうか?

お礼の欄なのにまた質問を長々と書いて失礼しました。

お礼日時:2004/05/28 13:28

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