No.7ベストアンサー
- 回答日時:
H12. 9.28 東京地裁 平成12(ワ)2415 著作権 民事訴訟事件
本件で著作物性が問題となっている文字の書体についていえば、文字は万人共有の文化的財産であり、もともと情報伝達という実用的機能を有することをその本質とするものであるから、そのような文字そのものと分かち難く結びついている文字の書体も、その表現形態に著作物としての保護を与えるべき創作性を認めることは、一般的には困難であって、仮に、デザイン書体に著作物性を認め得る場合があるとしても、それは、当該書体のデザイン的要素が、見る者に特別な美的感興を呼び起こすに足りる程の美的創作性を備えているような、例外的場合に限られるというべきである。
そこで、本件ロゴについて検討するに、本件ロゴは、角ゴチック体と丸ゴチック体を適宜組み合せ、文字の太さ等を工夫することにより、力強いイメージや安定感を表現し、被告の会社名を表現したものである。本件ロゴを子細に検討すると、特に文字の右端を丸くしている点など、一般の書体には見られない特徴を有していることが認められるが、他方、親会社であるX重機の社名ロゴと対比すると、これを基本に、同様なイメージを表現したものであって、美術としての格別の創作性を有するものではなく、見る者に特別な美的感興を呼び起こすような程度には到底達していないといわなければならない。右によれば、本件ロゴをもって、著作物と認めることはできない。
S54. 3. 9 東京地裁 昭和49(ワ)1959 著作権 民事訴訟事件
現行著作権法は、その第二条第一項第一号において、著作物を「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義し、ある作品が著作物であるためには、少なくともそれが文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものであることを要求する。そして、デザイン書体が一般に文芸、学術又は音楽の範囲に属するものでないことは、ここに縷説するまでもなく明白であり、また本件当事者間においても争いがない。したがつて、デザイン書体が著作物性を有するといえるためには、それが著作権法上美術の範囲に属するものでなければならない。
デザイン書体は、一般に、専ら美の表現のみを目的とする純粋美術の作品とはいえず、また、通常美術鑑賞の対象とされるものでもない。すなわち、文字は、元来、情報伝達のための実用的記号(の一種)であるところ、デザイン書体は、かかる事実を前提に情報伝達という実用的機能をにない、かつ、当該機能を果すために使用される記号としての文字に、美的形象を付与すべくデザインしたものであつて、そのこと自体から、実用に供されることを目的とするものということができる。デザイン書体のうち、印刷用活字・写真植字用文字盤等大量生産を予定する実用品に直接応用されることを目的とてデザインされるタイプ・フエイスにおいては、実用品との関連性は極めて直接的であるが、一応これら実用品との直接的関連をはなれて、抽象的に記号としての文字にデザインを施す場合にも、その本質においてはなんらの差異も認められない。
著作物性を肯定されることのある「書」及び「花文字」も、文字を素材とする美的作品であるという点においては、デザイン書体と異るところがない。しかし、「書」についていえば、文字が毛筆で書かれているからといつて、ただそれだけで著作物性を取得するわけではない。専ら美の表現を目的として書かれ、美術的書となつて、はじめて美術の著作物として保護されるのである。そして、美術的書においては、たしかに文字が書かれてはいるが、それは情報伝達という実用的機能を果すことを目的とせず、専ら美を表現するための素材たるに止まり、そのことによつて、通常美術鑑賞の対象とされるのである。ことは「花文字」についても同様である。文字に装飾が施され、社会的には「花文字」といわれるものであつても、それが書籍のテキスト等に使用され、情報伝達のための実用的記号として機能するものであるかぎり、いまだ著作物とはいえず、絵画ともいえる程度にまで達し、通常美術鑑賞の対象とされるに及んで、はじめて美術の著作物として保護されるものというべきである。そして、ここに至れば、その文字は実用的記号としての性格を喪失するのである。したがつて、「書」及び「花文字」に著作物性を肯定される場合があるからといつて、これをもつて、デザイン書体が著作物たりうることを理由づける根拠とすることは、できないものというべきである。
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他にもいろいろあるんですが、現状日本では「タイプフェイス」に著作権を認めておりません。
ですからメーカー側としては♯5さんの書かれたように「使用権」ということで制限しているのではないかと思います。
No.6
- 回答日時:
H12. 9.28 東京地裁 平成12(ワ)2415 著作権 民事訴訟事件
本件で著作物性が問題となっている文字の書体についていえば、文字は万人共有の文化的財産であり、もともと情報伝達という実用的機能を有することをその本質とするものであるから、そのような文字そのものと分かち難く結びついている文字の書体も、その表現形態に著作物としての保護を与えるべき創作性を認めることは、一般的には困難であって、仮に、デザイン書体に著作物性を認め得る場合があるとしても、それは、当該書体のデザイン的要素が、見る者に特別な美的感興を呼び起こすに足りる程の美的創作性を備えているような、例外的場合に限られるというべきである。
そこで、本件ロゴについて検討するに、本件ロゴは、角ゴチック体と丸ゴチック体を適宜組み合せ、文字の太さ等を工夫することにより、力強いイメージや安定感を表現し、被告の会社名を表現したものである。本件ロゴを子細に検討すると、特に文字の右端を丸くしている点など、一般の書体には見られない特徴を有していることが認められるが、他方、親会社であるX重機の社名ロゴと対比すると、これを基本に、同様なイメージを表現したものであって、美術としての格別の創作性を有するものではなく、見る者に特別な美的感興を呼び起こすような程度には到底達していないといわなければならない。右によれば、本件ロゴをもって、著作物と認めることはできない。
S54. 3. 9 東京地裁 昭和49(ワ)1959 著作権 民事訴訟事件
現行著作権法は、その第二条第一項第一号において、著作物を「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」と定義し、ある作品が著作物であるためには、少なくともそれが文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものであることを要求する。そして、デザイン書体が一般に文芸、学術又は音楽の範囲に属するものでないことは、ここに縷説するまでもなく明白であり、また本件当事者間においても争いがない。したがつて、デザイン書体が著作物性を有するといえるためには、それが著作権法上美術の範囲に属するものでなければならない。
デザイン書体は、一般に、専ら美の表現のみを目的とする純粋美術の作品とはいえず、また、通常美術鑑賞の対象とされるものでもない。すなわち、文字は、元来、情報伝達のための実用的記号(の一種)であるところ、デザイン書体は、かかる事実を前提に情報伝達という実用的機能をにない、かつ、当該機能を果すために使用される記号としての文字に、美的形象を付与すべくデザインしたものであつて、そのこと自体から、実用に供されることを目的とするものということができる。デザイン書体のうち、印刷用活字・写真植字用文字盤等大量生産を予定する実用品に直接応用されることを目的とてデザインされるタイプ・フエイスにおいては、実用品との関連性は極めて直接的であるが、一応これら実用品との直接的関連をはなれて、抽象的に記号としての文字にデザインを施す場合にも、その本質においてはなんらの差異も認められない。
著作物性を肯定されることのある「書」及び「花文字」も、文字を素材とする美的作品であるという点においては、デザイン書体と異るところがない。しかし、「書」についていえば、文字が毛筆で書かれているからといつて、ただそれだけで著作物性を取得するわけではない。専ら美の表現を目的として書かれ、美術的書となつて、はじめて美術の著作物として保護されるのである。そして、美術的書においては、たしかに文字が書かれてはいるが、それは情報伝達という実用的機能を果すことを目的とせず、専ら美を表現するための素材たるに止まり、そのことによつて、通常美術鑑賞の対象とされるのである。ことは「花文字」についても同様である。文字に装飾が施され、社会的には「花文字」といわれるものであつても、それが書籍のテキスト等に使用され、情報伝達のための実用的記号として機能するものであるかぎり、いまだ著作物とはいえず、絵画ともいえる程度にまで達し、通常美術鑑賞の対象とされるに及んで、はじめて美術の著作物として保護されるものというべきである。そして、ここに至れば、その文字は実用的記号としての性格を喪失するのである。したがつて、「書」及び「花文字」に著作物性を肯定される場合があるからといつて、これをもつて、デザイン書体が著作物たりうることを理由づける根拠とすることは、できないものというべきである。
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他にもいろいろあるんですが、現状日本では「タイプフェイス」に著作権を認めておりません。
ですからメーカー側としては♯5さんの書かれたように「使用権」ということで制限しているのではないかと思います。
この回答への補足
ご回答下さりました皆様、有り難うございました。とてもスレスレのややこしいことが分かりました。明確な回答が今後出るようになればいいですね。やってもいい、やってはダメと法律できちんと区分けをして欲しいですね。
補足日時:2004/06/08 10:00まあしかし、法律家の方ってこんなにわざわざややこしい、表現ができるのもだと感心します。まるで自動車学校のペーパーテストのようなややこしい表現ですね。明確な答えがないことが分かりました。有り難うございます。
No.5
- 回答日時:
こんにちは。
先に回答された方々がおっしゃられるように、フォントは「フォントの使用権」の利用という形で使用を許可されています。
ここでの「使用」は、まずユーザーが直接的に使用することに関わる「一次使用権」を指すことになります。
●一次使用権
1.文字のイメージを印刷装置に印字したり、映像装置に表示すること。
2.PDFファイルなどに埋め込んで特定できる第三者に配布する配布すること。
3.すべての場合で、非営業用の個人用、自社用等の自己使用、または特定できる第三者からの業務受託用に限られる。
印刷物の製作等でフォントを使う場合は、「特定できる第三者からの業務受託用」としての使用と判断されるようですから問題ありませんね。
で、これ以外の使用、例えばフォントを元にしてロゴ等を作成することや再配布等の使用は「二次使用権」ということになります。一般的に「二次使用権」に関してはメーカーは別途での契約を求めるようです。
●二次使用権
1.フォントを元にして商品名や社名等の営業を目的としたロゴ等を作成すること、及び作成したロゴ等の商標権を取得すること。
2.不特定の第三者に配布することを目的として、PDFファイル等のデータにフォントやフォントから得られる派生フォント(データ)を埋め込むこと。
3.不特定の第三者に配布することを目的として、ビデオゲームなどのデジタル作品に格納、または商業放送・ビデオ作品に使用すること。
4.一次使用権ならびに上記の二次使用権に記載のない使用。
この規定からすると、futa3さんのアイディアは一次使用権には該当しませんね。
「不特定の第三者に~フォントから得られる派生フォントを配布」することとメーカーから判断される可能性があるでしょうし、もっと端的に「一時使用権の使途以外での使用」とされる可能性が高いように思われます。
ではでは。
かなり明確な回答なんとなく理解できつつあります。
〉例えばフォントを元にしてロゴ等を作成することや再配布等の使用は「二次使用権」ということになります。一般的に「二次使用権」に関してはメーカーは別途での契約を求めるようです。
これって誰でもしてませんか?????
これでももうやっているとなると突かれる??訴訟でもめそうですね。有り難うございます。
No.4
- 回答日時:
著作権フリーの素材集を買い込んで、それをバラ売りするのに近いモノがあるように思います。
それもあくまでフリーなのは使用許諾に関してであり、そのもの自体をサービス、商品にしてはダメというのが許諾許可内容に盛り込まれています。写植に関しては印画紙に焼くわけですから焼いたものが本来商品になります。データとしての利用というのはもともと想定されてはいなかったのではないかとちょっと思いました。
現行の著作権法というのはこのデータに関してあいまいなところがあります。一時音楽CDをコピーする商売がありましたが、著作権的な問題から消えたと思います。でもVTRは劣化コピーだからOKみたいなあいまいな線引きだったように思います。
No.3
- 回答日時:
問題と成るのは、フォントに限らず、販売されている商品は
『買い取り』では無くあくまでも『使用許諾』と言う事です。
タイプ1フォント(ポストスクリプトフォント)は印刷用の
フォントが必要でこのフォントが書類に『埋め込まれている』
と印刷品質で出力できましたし、アウトライン化(文字情報を
取り出す)可能な場合も有りました。
もりさわの書体はどちらも出来ない事に成っています。
もし、可能な場合は改造版です。
現在はオープンタイプフォントに成っていますので、
以前よりは安く成りましたが、
このサービス自体はメーカにとっては著作権侵害すれすれの物ですね。
個人的には利用したいですが?
オープンタイプフォントですとアウトラインとか取れます?よね??となると相手からメール貰ってキヤッチを変換してあげて送り返してあげるりっぱな商売ではないのでしょうか?その書体のみでお金を取るか、それともチラシを作り上げた印刷物からお金を取るのか?の違いだけのような気がするのですけど。
マウンテンバイクを一台買うのと、部品だけ買うのとなんで部品だけ買ってダメなの??ってことになりませんか?
じゃあ使ってはダメとなった場合なんで???と疑問が・・・。どうなんでしょうかね???
No.2
- 回答日時:
写研書体のデータ化サービスは、私の利用している窓口は写研の許可をとっているそうです。
ですので、誰でもいいという訳じゃなくて、
フォントメーカー、書体メーカーの許可は必要だと思います。
モリサワのフォントパッケージには
「第三者に利用(有償・無償を問いません)させる目的で、本製品から文字情報を取り出すこと」
を禁止する表記があります。
「文字情報」がアウトライン取得を指すのかどうかは不明ですが
「第三者」という部分では違反しそうな感じですね。
ご回答有り難うございます。
本製品から文字情報を取り出すことを禁止ですか?
けどこの意味合いはそれこそ曖昧ですよね。だって今までは写植屋さんは、文字盤を買っているわけですよね?それであとは商売でしょ?なんでフォントメーカーは利用制限??これもおかしな話しに感じますが。買っていればあとはどう使おうがいいような感じしますけど。法律的に分かる解釈の方、弁護士さん目指している法律に強い方、どうなのでしょうか?
ご回答お願い致します。
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