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きっかけは?
ビッグバンの種は、どういうわけで存在に至ったのか

なにもない世界でなく、空間も、時間もない世界でなく、

なぜ、宇宙の種があったのか

A 回答 (11件中1~10件)

>ビッグバンの種は、どういうわけで存在に至ったのか


>なにもない世界でなく、空間も、時間もない世界でなく、
>なぜ、宇宙の種があったのか
⇒という質問文をもう1度じっくり考えてみました。「ビッグバンがどういうものから出てきたのか、どういうことで起こったのか、その前は何だったのか…。」これがご質問の主旨かな、という思いに至りました。

ところがこれには、物理学も天文学もその他のいかなる先端科学も、お手あげ状態なんですね。辛うじて推測されていることは、空前絶後の「エネルギーの塊」があっただろう。それがビッグバンによって「4つの力(重力・電磁力・強い力・弱い力)」に分かれ、光と物質へ変換されていった、というようなシナリオです。

この問題の探求は、ほとんど「神の指紋を読む」ような行為と言われ、科学的解明が袋小路に入り込み、「哲学的・宗教的な問いと区分ができない領域」とも見なされているようです。なぜならそれは、「存在それ自体」を問うことと同値の問題になるからです。

現代の我々は、モノ(例えば元素)を「変換する」ことはできても、それ自体を「造り出す」ことはできません。いかなる先端技術をもってしても不可能です。もしそれができれば、錬金、すなわち金(Au)を造ることができるでしょうし、生命さえ人工的に造り出すことができるようになるはずです…。

ということは、この問題の解明は、たぶん永遠に不可能じゃないでしょうか。ということで、「なぜ、宇宙の種があったのか」は、残念ながら、永遠に解けない問題ではないかと思います。
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この回答へのお礼

そういう風に回答いただけるとわかりやすいです。
わかっていないということが、現状であると回答いただきました。

ビッグバンが、ある一点から始まり、物質やエネルギーの元になったと。

そのビッグバンが始まるメカニズムとして、他の宇宙にある物質やエネルギーや力が、
こちらの世界に(まだ、こちらには世界さえない状態)伝わってきたので、生まれたのでしょうか

ゆらぎ という言葉を聞きますが、それさえ何かわかりません

別の宇宙から届く何かしらの力やエネルギーが元だとしても、あちら側の宇宙になぜそのような
エネルギーや力が存在したのか、何もない世界だったかもしれないのに、
存在を選択したのかということが、知りたいことです。

高等な宇宙人は、答えをもっているのでしょうか

お礼日時:2014/11/23 23:50

まだ質問が閉じていなかったので、回答します。


ちょっと回りくどく長い説明になりますが、ご質問の回答のためですので、ガマンして読んで下さい。
尚、難しい数式は理解できないので、文字だけの勝手な解釈に基づいて回答しています。事実と違っていたらお詫びします。

相対性理論は、マクロ的視野で完璧に成立する理論ですが、ミクロ的視野の原子サイズにもなると、物理的現象は確率的要素が支配的になってきます。
つまり、ミクロ世界では、明確な数式で構成された相対性理論は成立しなくなってしまいます。
そこで、狭い一定範囲の空間においては、粒子が本当に確率的に存在し相互作用する(同時に空間に粒子が散在していると考えて構わない)と考える、量子力学が発達し、粒子の振る舞いを説明することに成功しました。
そして、相対性理論も、量子力学も、人類の強力なツールになったことは間違いありません。
我々が持つ携帯電話の機能のうち、GPSの正確性は、相対性理論上の速度と重力の効果による時間の遅れを補正することで成立し、マイクロチップ内の正確無比な計算機能は、量子力学で説明される電子や原子の振る舞いを前提として成立しているのです。

しかし、量子力学とて、素粒子の振る舞いは説明できても、そもそも素粒子とは何ぞや?、という説明はできていません。
それを補強するための、超弦理論が5人の物理学者により、異なるアプローチで構築されていきます。
超弦理論(Super-string theory)は、素粒子は、超ミクロサイズの振動するエネルギーの紐(弦)で構成されていることを骨子とする理論です。
そのエネルギーの紐は、1本の単純な紐、輪ゴムのような閉じた紐などがあり、さらに振動の周波数により、クオークや電子といった異なる素粒子を作る、とされ、未完成ではあるものの、量子力学が説明できていない部分を比較的うまく説明できているそうです。

5つの理論に共通する前提は、空間次元が9で、時間次元1の、計10次元が必要とされていました。
この5つの仮説は、エドワード・ウィッテンにより、相互に深く関連しており何れも超弦理論の異なる側面からの説明であることが示されました。

【超弦理論】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%85%E5%BC%A6% …

さらにウィッテンはこれに1次元を追加して統合し、紐は織物のように織り込まれた面状の膜(Menbrane(薄膜)、またはBrane(膜))を構成しているのが宇宙空間である(ブレーンワールド)、とした、11次元から構成されるM理論を提唱しました。
ここでいうメンブレーンまたはブレーンとは、3次元宇宙を2次元の膜として捉える、ということです。

3次元を2次元的に捉える考え方は、既に相対性理論の説明でよく使われています。
相対性理論による質量が作り出す空間の歪みが重力であるとの説明をする際、3次元空間の歪みは人にはイメージし辛いので、伸縮するゴム膜のような面に重さのある球(天体)が乗ると、膜が天体の重さに応じて窪む、というモデルで説明がされることがあります。
http://blog-imgs-58-origin.fc2.com/t/o/t/totalma …

M理論の理解には、自分は、同様に3次元の宇宙空間を2次元的な膜として捉えるとよいのかな?という理解をしています。
M理論のMは、ウッティン自身が「魔法(Magic)、薄膜(Membrane)、謎(Mystery)など、その人が好きなものなら何でもよい」と言って名言を避けていますが、ここでは、Membrane の M じゃないか、と勝手に推測します。
つまり、宇宙は立体の3次元から次元をひとつ減らして膜(ブレーン)のように考え、それは隣の宇宙の膜宇宙と平行に並び、カオス(ランダム)な振動を持ち、まるで風にそよぐカーテンのように常に揺れている、というのです。

【M理論】
http://ja.wikipedia.org/wiki/M%E7%90%86%E8%AB%96

【ブレーンワールド】
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AC% …

そして、ブレーンのある場所が振動が重なって大きくなったとき、偶然にも隣のブレーン宇宙でも同じ位置の波が大きくなり、我々の宇宙と衝突した際、その衝突エネルギーにより新たなブレーン=宇宙が誕生するとされます。
そのブレーン同士の衝突そのものが、ビッグバンの引き金になったのだ、と説明されるのです。

しかし、ビッグバンがブレーン同士の衝突で説明できたとしても、新たな謎がその先にあったりしますが。
・そもそも、宇宙はブレーンと考えてよいのか。
・ブレーン同士は、ブレーンが層を成せる方向の次元軸において、なぜ平行に存在し、なぜ交差するのではなく排他的に「衝突」を起こすのか。
・次のビッグバンが起こるためには、最低2枚のブレーンが必要だが、その最初の2枚のブレーンは、どうやって生まれたのか。
・なぜ最初の2枚のブレーンは衝突するほど接近して存在できた理由は何か。偶然にしては出来過ぎてはいないか。
・以上を総合すると、ビッグバンの謎は解けても、ブレーンワールドの成因が判らなくなってくる。

唯一、重力だけが他のブレーンへと伝播する、とされているらしく、隣の宇宙が誕生すればそれは重力波として観測でき、それは隣に宇宙が誕生した証拠だ、とでもできるのでしょうけど。
人類が観測できるタイミングで隣にビッグバンで宇宙が生まれた時の重力波の変化が観測ができなければ、それも理論の域を出ないということになってしまいますが。
人類は、ビッグバンに限らず、いつか宇宙の全ての謎を解明できるのでしょうか?。
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この回答へのお礼

回答は、コレコレだ とズバリ書いていないので、参照のしようがないです

お礼日時:2014/11/23 15:34

全ての存在は、量子的な不確定性に基づいており、無限に


詰め込むと存在確率の山が平らになって、無と等しくなります。
この「絶対無=不確定性無限」において、その無限の闇に、
認識体の仮定断面の運動(プランク定数hの収束の時系列化)を
想定すれば、相対的に無の風は光になり、認識体はその光の
向うに自我仮説の補完としての空間仮説=宇宙を認識するの
です(空間的広がり=そこに行ったら起きる事の予測)。

全ての存在性が、「認識体>細胞>分子>原子>素粒子>
クォーク>超弦(量子定常波)」と階層現象性を遡る事に
よって、量子=光速に還元されます。
無の無限性の潜在としての認識可能性の仮説的移動の相殺と
しての量子相互作用=光速に対して、その時空仮説における
階層現象表面的に生じる非光速性の、超光速(エネルギーが
虚数になる=相互作用(自乗)においてマイナス=時間軸逆行
と等価)領域を過去とし、光速以下を未来として、「自己
(現在=光速)からの過去(超光速)と未来(光速下)の
対発生」という構造が成り立つのです。

その、現在から過去と未来への対発生の等価的時系列化が
自我仮説(異なるhの時系列化=物体収縮=宇宙膨張)であり、
無の潜在としての自我仮説と時空仮説の(相補的不確定性を
介した)、階層現象表面的な(経験の蓄積=いい加減に捉え
る事による)相補分化につながるのです。
そうして生じた時空的広がり=4次元ミンコフスキー空間
において、時・空軸の虚数関係において、その等距離点に
0の面=界面原点が生じます。
それが光量子の描く軌跡=ライトコーンであり、仮想的に
派生する時空を無へ還元する、無の射影なのです。

即ち、「何か有るんじゃないの?」という疑問(自我仮説)
の相補として生じた時空仮説に対して、「本当はないんだけ
どね」という無の射影として、存在は生じていると言えます。
無いとは分からない事が有なのです。
「なぜ宇宙があるのか」の回答画像10
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何故あなたがこの世に存在するのか? 頼みもしないのに何故生まれたの?


というに近い質問です。
小生は次のように信じています。
この宇宙の外にも沢山宇宙があって、雄性宇宙と雌性宇宙が存在する。
有る時、雄の宇宙と雌の宇宙が交合して、ピョコンと子供宇宙が誕生した。
それが現在の我々の宇宙として成長を遂げた。
我々の宇宙も、遠い将来、異性の宇宙と交合して子供宇宙を産むことになり、やがて死を迎えるに至る。
ヒョッとすると、我々の宇宙は既に孫宇宙まで産んでいるかも知れない。
そうだとすると、この宇宙の余命も余り長くは無い。
と、信じるのですが。
天文学とは懸け離れすぎていますか?
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この回答へのお礼

私たちの宇宙以外にも パラレルに宇宙があるのなら、
私の質問は、そのパラレルに存在する宇宙は、なぜ存在するのかです

私たちの宇宙も、そのパラレルの宇宙も、不存在という道が選ばれなかったのはなぜかということです
そこを質問しています

お礼日時:2014/11/23 15:07

「お礼コメント」を拝見しました。



>ビッグバンの後の話を尋ねておらず、前です。クオークがきっかけなら、なぜクオークがあるかを尋ねています

(1)「ビッグバンの後の話を尋ねておらず、前です。」
⇒前便で、「プランクタイムの前は分かっていない」と書いたとおりです。

(2)「なぜクオークがあるか」ですか!? 自然界の存在に「なぜそれがあるか」というような、理由があるんですか? 仮にあるとしても、私は知りません。

以上、再々伸まで。
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「お礼コメント」への書き込みを拝見しました。



>質問は、宇宙はなぜ存在したか(何もない状態でなく、なぜ、どういう経緯で存在にいたっか)です
⇒以下のとおりお答えします。素粒子のクオークと反クオークが衝突すると「対消滅」するのですが、その数量にわずかな偏り(クオークの方がほんの少し多かったこと)が、宇宙のすべての物質のもとになったのだそうです。以下に、宇宙誕生から回帰までの経緯をざっと通して書きます。

宇宙誕生(と回帰)の経緯
A.ビッグバン:宇宙の開闢
 全米スーパーコンピューター応用センター所長のラリー・スマーによるビッグバン・シュミレーション報告によれば、ビッグバンの瞬間から10の-36乗秒後、温度は百兆度の百兆倍、大きさ1cm2だった。それより前のこと、いわゆるプランクタイムビッグバンの瞬間から10の-40乗秒後より前のことは、現代物理学・天文学では分からないとされています。
(1)クオークと反クオークとが衝突すると二個のフォトンができ、二個のフォトン同士が衝突するとクオークと反クオークの対ができる。
(2)10の-34乗秒後、温度は十兆度の百兆倍。もはやフォトン同士が衝突してもクオークは生まれない。クオークと反クオークとの衝突によってフォトンは生まれ続けるが、クオークが反クオークよりも少し多いので、クオークが残り、物質の元になる。
(3)10の-5乗秒後、温度は一兆度。クオークから陽子や中性子ができる。
(4)三分後。温度は十億度。陽子や中性子が合体して水素やヘリウムの原子核ができる。

B.宇宙の晴れ上がり
 ビッグバンから十万年後。温度は四千度。電子が原子核に取り込まれて水素やヘリウムができる。それまで進路を妨害されていたフォトンが自由に飛び回るようになり、宇宙が膨張する。

C.銀河の形成
 ビッグバンの十億年後くらいから銀河がつくられる。銀河は初めガス状で、回転しながら集まって中心(ブラックホールなどの高質量域)が形成される。たくさんの銀河ができて、互いに拡散し続ける。各銀河は互いに引力を及ぼし合いながら運動を続け、次第に「蜂の巣」状に分布していく。交点に当たるところでは強大なブラックホールができ、グレート・アトラクターとなって周辺銀河を吸収する。(現在、我々の銀河は乙女座方向のグレート・アトラクターに引き寄せられて、秒速600kmで接近しているという。)なお、現在の宇宙はビッグバンの後百数十億年とされている。
 脱線になるが、絶対に曲がらない高速ロケットで宇宙空間を直進するとしよう。ロケットはどう進むか。宇宙の外へ飛び出すのか? 否。時空の曲がりに沿って「直進」し、巡り巡って戻ってくることになると推測される。もし高速を超える速度で進むことができれば、時空の引力を振り切ることも可能かも知れないが、その時はロケット自体が単独の「小宇宙」を形成することになると思われる。

D.膨張運動の停止(?)
 ベル研究所のアンソニー・タイソンは、光の曲がり方を分析して、ダークマター(暗黒物質)を初めて確認した。彼によると宇宙に存在するダークマターは、目に見えるものの十倍以上と計算されると言う。つまり、我々の観測しているものは全体の一割にも満たないのである。現在、宇宙は加速度をつけながら膨張しつつあるとされるが、莫大なダークマターの存在がその膨張を停止させるのに必要な物質の密度(臨界密度)が充分満たされていることが証明されたことになる。これにより、今まで不明とされていた「永久膨張論」は廃棄されることになる。つまり、膨張はいずれ減速に転じ、停止へ向かうときがくるというのである。ホーキング(ケンブリッヂ大)もかつて、「今から数十億年後には膨張運動は停止し、収束が始まる」と言った。

E.宇宙の収束
 もし宇宙膨張が停止し、収縮に転じると、その運動速度は、当然ながら最初遅くだんだん速くなる。その過程では、銀河やブラックホール同士の吸収合体が繰り返されるであろう。したがって、我々の天の川銀河も遅かれ早かれ大小マゼラン銀河やアンドロメダ銀河と合体しているに違いない。こうして蜂の巣状に分布する銀河は交点に集結してゆくと同時に、その交点間の距離も縮まってグレートウオールが形成されていく。

F.一点への収縮:ビッグクランチから次回のビッグバンへ(?)
 現在、白鳥座X1のブラックホールに落ち込む星の速度は秒速30,000kmと言われる。宇宙全体が一点に向かって収縮する場合(=ビッグクランチ)の中心的ブラックホールはさらに強力だから、そこへ落ち込む銀河や星はさらに速く、光速に近い速度になるのかも知れない。最終的には、すべてが針の先ほどの、10の-23乗mmの一点に凝集し、想像を絶するような強力なエネルギーの塊と化し(特異点一)、次回のビッグバン、次代の宇宙、別の(同じかも知れない)物理定数を持つ新しい時空が誕生する…。(この節の最後の2行ほどは、私の勝手な推量です。)

 以上、またご質問の答えになっていないかも知れませんが、再伸まで。
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この回答へのお礼

ビッグバンの後の話を尋ねておらず、前です。クオークがきっかけなら、なぜクオークがあるかを尋ねています
回答ありがとう

お礼日時:2014/11/16 21:39

 ちょっと風変わりな回答ですが、約束どおり第2信をお送りします。



(回答その2)
3.前線
 これまで、いわゆる「始まりの特異点」の探求に関する悪戦苦闘ぶりを見てきた。確かにこの問題は、一流の科学者たちがこぞって頭を痛めていることらしい。アインシュタインの一番弟子と言われるデビッド・ボームは告白している。「存在は人間の理解を超えて広がっている。我々の知っている時空は存在のごく一部である。時空は人間の生み出した秩序に過ぎない。異次元の隠された秩序があって、そこから我々の知る時空が出てくると考えられる。これすなわち現代科学を超えた領域があるということで、科学者はもはや宗教的な問いに踏み込んでいる」。また、バチカンの教皇庁科学アカデミーでは、存在の第一原因は何かについて、かなり前から超一流の学者を集めて情報を収集していると聞く。「宗教の真理を科学に持ち込んではならない。でないと、科学は空想になる。科学の真理を宗教に持ち込んではならない。でないと、宗教は異端になる。」と言ったニュートン以来、科学と宗教は互いに住み分けをしてきた。ところが、今や科学が実験したり証明したりできる範囲を超えて哲学の世界に踏み込んできたので、科学と宗教の境界線が不十分になったと言われる。
 ボームの「科学はもはや宗教的な問いに踏み込んでいる」とするのが妥当な見方かどうかは、意見の分かれるところだと思う。確かに、「科学の力で認識できるものには限界がある」ということに現代科学が当惑していることは事実だろう。しかし、だからといって科学が宗教的な問いに踏み込んでいるとは限らないし、踏み込むべきではないのかもしれない。なぜなら、それはいわば「不可知論」に陥ることを意味し、前に見た「神に救いを求める」手法と大差ないことになるからである。方法の検討、発想の転換、所説のすり合わせ、学際的研究、観察機器の改善など、神に頼る前に人間科学が試みることのできる事柄はまだあるに違いない。
 教皇庁のアカデミックな振舞が、「科学と宗教の境界線が不分明になった」ことによるとするのも奇妙な解釈のように思える。二つの事柄-科学者が宗教的な問いに足を踏み入れかかっていることと、教皇庁が存在の第一原因は何かについて情報収集すること―の間には何らかの関係はあるかも知れないが、それだけでは割り切れない面があるように思えてならない。科学が宗教に近づくのは、恐らく先端を行く者の感じる行き詰まりを打開するためだろう。では、宗教から科学へ近づくのは何のためか。教皇庁自らこの種の問題について情報を得ようと努めるのは、そこに何らかの仔細があるからに違いない。つまりそれは、科学と宗教の探求する真理が同一であるという、いわば共同研究の一端を担わんがための営為ではなく、むしろ科学によって「宇宙の創造=神の御業」という図式が崩された時の予防的準備作業にとりかかっていることを示しているように見える。その時には、神の台座をもっと遠くへ移設し直さなければならなくなるからであろう、と推測されるのである。

4.自然は回る
 ブラックホールやビッグバンの名付け親として知られるジョン・ホイーラ(米、理論物理学)は、宇宙の始まりをめぐる議論について次のように述べている。「この宇宙を、ある法則に基づいて設計されたマシーンのようなものだと考えるとしたら、それは馬鹿げている。なぜなら、そのマシーンを作り出したスーパー・マシーンが必要になり、それを作り出したスーパー・スーパー・マシーンが必要になり、…きりがありません。そういうナンセンス思考の堂々巡りがいやなら、宇宙は何の法則もなしにひとりでにできた、と考えるしかありません」。また、中国の導士陳霖生は、宇宙の成り立ちについて、中国古来の陰陽二元説に基づいて次のように述べている。「宇宙の宇(=空間)や宙(=時間)には、始まりも終わりもない。もし始まりがあるとすれば、始まりの前の始まりを考えなければならなくなる。…つまり、宇宙には始まりなどないと考えるのが正しいのです。」
 この両者の発言は、大筋はよく似ているが決定的に異なる点が一つある。すなわち、陳が「宇宙には始まりなどない」と言うのに対し、ホイーラは「宇宙はひとりでにできた」としている点である。「できた」のであれば、その時点に「始まった」に違いないのだから両者は相矛盾し、いずれか一方が(あるいは両方とも)間違っていることになる。
 ここで考えたいことは、「自然現象の反復」である。我々の周りにあって観察しうるものは、ことごとく反復している。小は原子核中の素粒子から大は天体の運行に至るまで、自然中には反復していないものはない、と言っても間違いではなさそうに思える。恒星のような大きなものの時間的変化も、多くの異なった時期の星々を同時に観察することによって、その反復性が証明されている。周期については、10の-4秒以下という極端に短いものもあれば、数千億年というような極めて長期にわたるものもあるが、ともかく「自然は回っている」。以上のことを前提として考えを推し進めると、一過性の出来事や、永久に一方向性しかもたないような自然現象は起こりえない、ということになる。少なくとも、反復性や回帰性をもつ事象と比べ、生起する可能性は極めて低く、限りなくゼロに近いこいう推論が成り立つ。ということは、「宇宙はひとりでにできた」可能性は低く、「(すでに)存在し、特異点を含む幾つかのプロセスを営々と繰り返してきた」可能性の方が高いと言える。「できたり、生まれたり、現れたり」するように見えたとすれば、それは、それまでの存在を我々が「知覚していなかった」だけである。今我々が住む「宇宙の誕生」は、宇宙の「生成」などでなく、それの「変成」に過ぎない。ゆえに、前に述べた「始まりの特異点」という表現は妥当性を欠き、「通過の特異点」もしくは「回帰上の特異点」というような表現が、最も実態に近いことになるだろう。
 これまで述べたとおり、「宇宙の始まり」に対する謎は解けないまでも、何とかこじつけられそうなところまでは来たと思う。すなわち、この我々の宇宙(時空)は、ビッグバンという「大爆発」、それによる時空の出現、それに続く膨張、収縮、一点への凝集、時空の消滅、ビッグクランチ、そして新たなインフレーションへ…という反復的シナリオの一過程中の一つの移行形態にすぎない、ということである。なお、現代天文学によれば、現在宇宙は加速膨張しているが、これが再度収縮に転じるのか、このまま膨張が続くのか、あるいは動きが永遠に停止するのか、などについては分からないとされている。ゆえに、上で述べた「宇宙の反復回帰説」は、根拠のない「推測に基づく私見」であることを白状しておきます。

 以上見てきたことから、何とか結論らしいことを私なりに言うとすればこうなります。すなわち、「宇宙は、生まれたのでもないし、それが存在することの理由などもない」。ということで、「なぜ宇宙があるか」という問いに対してまともに答えることができません。「宇宙は、ただあるだけであり、そこに我々が偶然居合わせているだけである」としか答えようがありません。まことに残念で情けないですが、2回に分けて考えたあげく、この程度のことしか申しあげることができません。ここまで、目を通してくださったことを感謝します。

 以上、ご回答まで。
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 以下のとおり、お答えします。

長いので、2回にわけて送信します。

(回答その1)
1.宇宙は無から生まれた?
 その昔聖アウグスティヌスは、万物の造物主・究極の第一原因を神とする、という聖書の世界観を示した。このような、いわば神がかり的な見方は現代科学の中にもある。ビレンケン(米、理論物理学)曰く、「時空の泡が突如として完全な無から次々に生まれた。そのうちのごく少数がビッグバンを起こして膨張し始めた。こうしてこの宇宙が生まれて来たのだ」。まことに奇妙な所説だが、実はこれは超空間モデルといって、「無の世界には時空はないが、一定の法則がある」という、「スーパースペース仮説」に基づいているのだという。コンピュータ素子の開発で知られるジョセフソン(英、理論物理学)の説も、宇宙が無から生まれたとする点で似ている。「精神が物質を生んだ。最高精神が宇宙を創造した。…最高精神の働きかけでエネルギーが一か所に集められ、ビッグバンが起こった。…そして、最高精神が物理定数を生命や知性の発達にふさわしいように調節したのだろう」。しかしこれは、特に最後の文言で言うことは、主客が反転しているのではないだろうか。つまり、「たまたまこの宇宙に存在することになった物理定数の中に、生命や知性が具合よく発達した」のように言うべきところではないだろうか。
 さて、「無」という用語を明確にしておく必要がある。物質だけの有無をいうのか、物質に変性する可能性のあるものを含めていうのか。実は、上述のビレンケンにとって無とは、「物質やそれを入れる器としての時空がない」という意味らしいのである。つまり他のものがある可能性を否定していない。実際、彼自身「エネルギーの高い真空があった」とも言っている。量子力学理論によれば、このような状況―エネルギーの高い真空があるだけの状態から物質が生まれること―は十分起こり得る。特定の条件下(温度など)では、フォトンとクオークとが互いに衝突して変化したり移り代ったりする。したがってここでは、「無」とは「物質もなく、エネルギーもないような状況を指す」とすべきだろう。そうすれば、上述の「何もないところに法則だけがある」という奇妙な説に対する疑念も解消される。つまりスーパースペース仮説とは、「フォトンやクオークを経由して物質に転換する前の、強力なエネルギーの塊が存在する状況を想定している」のである。そうだとすれば確かに、そこにはまだ物質自体はないが、その原材料や物質化に関する発生の法則は存在しうるということになる。

2.神よ、助け給え
 佐藤勝彦(東大)らは、「一般相対論」に基づいて、「宇宙は無限に再生産される」という仮説(インフレーション理論)を提唱して世界に衝撃を与えた。「最初の宇宙(母宇宙)からたくさんの子供宇宙が生まれる。同時にブラックホールなども生まれる。新しい宇宙が生まれる際のインフレーションの速度は光より速く、一瞬のうちに1ミリが1千億光年にも広がる」。この所説そのものは卓見らしいが、納得しにくいのは、説明に窮すると「神」を持ち出すことである。上の説明に続き、「では最初の母宇宙はどこから来たのでしょう?」という質問に対して、「それは神様に創っていただくしかないでしょう」と答えたことがあった。こういう場面でこんな話を聞かされると、目隠しをされて突然藪の中にでも放置されたような気分になってしまう。フレッド・ホイル(英、天文学)は、天文学に神の類を持ち込むことをこう批判した。「究極の第一原因とか造物主とかの考えを天文学に持ち込むと、その途端に我々は思考停止に陥ってしまう。何でもかんでも神のせいにするのは、これ以上先に考えを推し進めるのが嫌だという意思表示にすぎない」。確かにこのような形の神の持込は、思考における「省エネの無自覚的表現」と言えるだろう。舞台が自然科学分野だけに、そう受け取られても仕方ないと思う。
 それにしても、最前線を行く科学者たちが、いや、そういう科学者ほどこの種の誤謬(あえてそう呼ばせていただく)に陥ることが多いのは何故だろう。考えるに、それはまさに、「最前線を行くこと」自体に起因するのではないだろうか。つまり彼らは、いわば前人未到の地へ分け入っているわけで、前例も見本も指針も持たない。頼るべきは自分の頭脳と感性だけである。そこで、可能な限り感性を研ぎ澄まし、可能な限り自己を「精神化」して対象に迫ろうと試みる。しかしそれでもなお、対象の姿は一向に見えてこない。一体、極限にまで精神化したものを超えるような存在とは何か? 消去法で考えられないものを取り除いていくとすべてが消えて、後には「精神を超えるもの=最高精神」という図式しか残らない。ゆえにそれは「神の御業」に違いない、といった思考過程の結果だろうか。もしそうだとすれば、その「解決」はつまるところ体のいい逃亡で、探求の放棄に他ならない、ということになるのではないだろうか。
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この回答へのお礼

質問の回答への周辺情報のようです

質問は、宇宙はなぜ存在したか(何もない状態でなく、なぜ、どういう経緯で存在にいたっか)です

お礼日時:2014/11/16 13:55

>なぜ、宇宙の種があったのか



偶然ですから、特段の理由はありませんよ。

貴方がこの世に生まれたのも、貴方の母親の子宮で、貴方の父親の一億以上の精子のうちの一つが偶然に受精したというだけで、特段の理由が無いのと同じです。
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宇宙の最初期は超高温度・超高密度の状態があって、爆発的に膨張して現在のようになったというのがビッグバン理論です。



ビッグバン理論の元になっているのは宇宙が高速度で広がっていることを示す赤方偏移と呼ばれる観測です。宇宙の膨張が始まった時点を計算すると今から138億年前と計算されたのです。

ビッグバン理論はいろいろのことを説明出来ていますが、それでも疑念を抱く人や、全く信じない人もいる現状です。高温・高密度の状態よりさらに以前について広く合意されているモデルはありませんし、宇宙の最後(寿命?)も同様です。宇宙が膨張して冷えるに従って「低温死」へと向かうというのも本当に本当かな?という疑問があります。
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