遅刻の「言い訳」選手権

日経サイエンス2015年6月号に掲載されたE.ナ―ミアス著の「意識と無意識の狭間に」を興味深く読みました。以下の引用は、前半のごく一部です。

<この実験で彼は、被験者の頭部に電極をつけ、当人が動かしたいと思った時に手首を素早く曲げてもらった。この結果、人々が手頸を曲げる約0.5秒前に、「準備電位」と呼ばれる電気的活動が検出された。だが被験者が手首を曲げようという意図を自覚したのは実際の動作の約0.25秒前になってからで、脳は本人が意識する前にすでに決定を下しているとの結論に至った。つまり、脳の無意識のプロセスが事を取り仕切っている。>
 彼すなわち実験者は、リベットである。

私の感想を書きます。自由意思といっても、自己が決定するものではない。身体のプロセスが先に実質的に決定し、それを自己があたかも選択や決定した、などと思う。すなわち、自由意思は、たんに追従しているに過ぎない。以上のように思えてくるのですが、如何でしょうか?

A 回答 (20件中11~20件)

日本では前野氏が「受動意識仮説」という概念でロボット工学系にて利用を試みておられるようですね。


http://lab.sdm.keio.ac.jp/maenolab/previoushp/Ma …
リベット氏や前野氏が「意志」と「それ以外」とに区分している「それ以外」は、従来「無意識」と呼ばれていた領域の一部に該当します。
「自由意志」を「意識でコントロール可能な領域」と定義するのであれば、たとえば、「手首を素早く曲げるという行為を、これから行う」と決定したこと自体が、既に「自由意志」の発動になります。
すなわち「曲げよう」という意志は全ての事象に先行して存在しているのです。
実験は、そういった一連の動作のごく一部を取り出し、単に「いつ、曲げるのか」の決定に際して、脳の一部の機能において、「僅かに無意識の活動が早かった」というレベルのものです。
無論、そういった事象にて、効率的に説明しうる領域や応用しうる領域もあるでしょうが、「全人的な人間」といった概念レベルにて、全ての意識・意志が「自由ではない」と結論すべきものではないでしょう。

宜しければ、下記も参照願います。
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/6177884.html
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
リベット氏の実験は
<単に「いつ、曲げるのか」の決定に際して、脳の一部の機能において、「僅かに無意識の活動が早かった」というレベル>
なのですね。したがって、
<「全人的な人間」>
の面では、
<全ての意識・意志が「自由ではない」と結論すべきものではないでしょう。>
ということですね。
最初の引用では、前野氏の著作が、このリベット氏の実験に言及しているものがありそうなので、探してみます。
次の引用では、k_jinen様が大活躍をされていらしゃいますが、読んでみようと思います。

お礼日時:2015/11/29 16:30

お礼ありがとうございます。


まず、実験の方法が良くわからないと言うのが事実です。
測定装置としては、脳波測定器、被験者の自由意思発現の確認があると思いますが、まず実験者は腕を動かして欲しいと被験者に要求すると思います。
任意の時間で、腕を動かすとします。
脳波で確認しているのかもしれませんが、脳波と動作の関係性がきちんと解析されているかは疑問です。
準備電位と自由意思で脳波にどのような違いが出たのか、自由意思の発現時間はどのように推定したのかが不明なんです。
準備電位がどうして、自由意思の電位と判断出来ないのかが不明です。
本人の申告ならば、反応時間の遅れが生じるはずです。(そのバイアスをどのように除去したかがわからないです)
その記事には、どのように書かれていたのでしょうか?
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この回答へのお礼

再度のご回答ありがとうございました。この記事は、4ページにわたり、自由意思・・・について、複数の紹介や賛否を書いており、その最初がリベットの実験でした。
記事のなかでは、リベットの実験内容は、これ以外にありません。たとえば脳波・・・などは、この記事全体の中でも触れていません。なお、
<リベットの実験を例にとろう。>
と、ある説明がしてありますが、私には理解できなくて説明できまん。(それ以上に、この記事全体も、私には難しくて、欠伸の連発で、消化しきれていおりません)。
<自由意思の発現時間はどのように推定したのか>
は、この記事全体でも直接には書いてありません(ようです)が、一番肝心なところで、興味がありますが。今のところ測定のしようがない(?)ということなのでしょうか? あまり役に立たない返事でした。

お礼日時:2015/11/29 11:01

★ (№4お礼欄) いずれにせよ、自由意思の範囲については、難しい


問題でね。
 ☆ ですから からだと心とを分けて捉えるから そうなるのでは?

 動体視力ということがあります。
 ボクシングなどでこれを養うわけです。

 すなわち もともと初めに 自己を防衛する・あるいはチャンスを捉えて
攻撃するといった意志内容が決められ持たれています。

 そのときカラダが先に反応してこれをあとで意識が確認するというふうに
作用したとしても それらの全体が 身と心とから成る人間存在としての
《わたし》の意志行為になります。何も問題ないのでは?

 仮りに初めに何も意志内容を決めていない場合を見てみます。
 すなわち 道を歩いていたら屋根から何かが落ちて来た。とっさにこれを
避ける動作をした。
 このとき カラダが先に動きその動きについての自分の意志というものを
あとで確認した。といった場合です。

 けっきょく本能かどうかは知りませんが 自己防衛ないし自己保存として
の思いと振る舞いは もともと潜在的にでもわが自由意志のうちにはたらく
ものであると決まっているのでは?
 
 カラダと心とを分けて捉えるから 問題があるんぢゃないかとなるのでは?
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この回答へのお礼

再度のご回答ありがとうございました。
考え方の相違になると思いますが、
<カラダと心とを分け>
るかどうかについて、私は次のように考えています。
<それらの全体が 身と心とから成る人間存在としての《わたし》の意志行為になります。>
は、理解できます。ただし、今回、私は、大きいあるい高い人間存在という話題ではなく、手首を曲げるような、小さな・低いレベルを考えていました。したがって、カラダと心とを分ける方が、考え易いかな、と思っている次第です。

お礼日時:2015/11/29 08:47

手首を曲げるという動作が果たして自由意思を行使したと言えるのか、という問題があると思います。


自由意思とは、例えば人生の岐路にあって、自身の決断と思慮が必要な場合に、行使される様な事では無いでしょうか。

高校を卒業し、働くのか、進学するのか、働くとしたら職業は何が良いのか、進学するとしたら学校や学科はどこが良いのか、そう言った事柄を決めることと、手首を曲げる事の差は、如何程でしょう。
くらぶべくもないかと思います。

無意識というのは確かに大きなファクターですが、無意識との交渉を通じて、何某かが決定される様な事柄の方に、自由意思というのは、論じられうるのでは無いかとも考えられました。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
<手首を曲げるという動作が果たして自由意思を行使したと言えるのか>
ということですね。手首云々では、少し大袈裟な表現かもしれません。たといば意図という言葉が相応しいですか?

お礼日時:2015/11/28 21:52

no.2です。


次の段階としては
一連の流れを一点として、それを「自由意志」と定義していたものを
一連の流れの中のどこを「自由意志」として定義するか
という問題にシフトするのではないか
と思います。
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質問文の記載では、自由意思の前に身体機能が動いている証拠とは言えないのではないでしょうか?


何故ならば、被験者が自由意思を持ったと表現するまでに時間がかかるからです。(この反応時間のバイアスはきちんと差し引いているのでしょうか?)
自由意思の発現(時刻0)→準備電位(時刻0+α)→自由意思の自覚確認(時刻0+α+反応時間=動作ー0.25s)→動作(時刻0+α+反応時間+0.25s)
こう考えると、何の不思議もありません。(因果関係に矛盾はありません)
反応時間のバイアスがきちんと除去されている場合は、疑問は残りますけどね。
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この回答へのお礼

早速のお回答ありがとうございました。
折角ですが、数式の部分は私の頭では理解できませんでした。ただし、全体として次のような説明なのかな、と思っています。まず、自由意思の発現があります。それにより、体の方は遅滞なく準備電位に進みます(動作の0.5秒前)。しかし、心の方はすぐには進行できず、
<反応時間>
後に、自覚確認します(動作の0.25秒前)。見掛け上、準備電位の後に自覚はするが、引き金になっている自由意思の発現の方が早く、心が決めて体が動く、ということになります。ということですかね。

お礼日時:2015/11/28 21:46

反対です。



 梅干しを思い浮かべるだけで 唾液が出ます。

 条件反射ということもあります。

 意志の自由な選択・決定より前にからだの一部が動いたとすれば それを
あとで意志は 自分のものとして引き受ければよいわけです。

 これも 自由意志の度量にふくまれます。

 満員電車で急ブレーキがかかったとき となりの人に倒れ掛かってしまい
ます。このときも 故意におこなったわけではなくとも おのれの自由意志
の範囲内でのふるまいであると引き受けて ごめんなさいとあやまります。

 身と心 身体と精神とに分けた場合 精神としての自由意志のほかに 神
経細胞などがあたかも身における自由意志としてはたらくと採ればよいので
は?
 
身体と精神とに分けてしまうからいけない。のでは?
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
<自由意志の度量にふくまれます。>
なのですね。ところで、度量の範囲について、具体的には、私は、条件反射は自由意思とは思いません。自分で責任を持てませんので。また、満員電車の件も、内心では自由意思とは考えません。ただし、円滑な社会生活をおくるため謝りますが。いずれにせよ、自由意思の範囲については、難しい問題でね。

お礼日時:2015/11/28 17:14

この実験は、大変興味深い実験ですよね。


この実験結果からは、まだ仮説の段階だと思います。

人間は無意識については解明されておらず
決定が形作られるのは、どうなっているかが解明されれば
その時には「何故か」は分かるように思います。


個人見解ですが、最初に事実的要素があって
それを判断しようとする意思があり無意識と連動した後
意識上に上がってくる段階を経て行動に繋がっているのでは
ないかと思われることが、ままあります。

無意識の判断が作用している、つまり過去の経験
危険ではないか? この選択で良いのかなど裏付けをとって
意思決定できるのかなと。


現在、無意識に自己がないとすることも
確たる裏付けはまだ見たことはありません。
ユングの説もまだ支持されている段階ですし。

意識上の意思と無意識の相互関係がどういうものか
解明されるまでは、一部を見て全部そうだと結論づけるのは
危ういかなと思っています。

人間は、生き物の中でも複雑ですから。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
ご回答を正確に理解している、とはとても言えないのですが、私の頭で理解したことを書きます。まず意思され隠れている前決定(段階)があり、それが無意識を通って、意識される決定が現れ、行動に繋がる、ということですね。そして、無意識は決定を左右するのですが、その
<無意識に自己が>
ありや、なしやは難しい問題なのですね。

お礼日時:2015/11/28 15:18

こんな解釈はどうでしょう。


自由意志として意識されるまでに
まず意識より深い階層にある主体の定常状態が破れる段階があって
そのうえで、準備電位が発生して手首を動かす準備ができ①
その次に「手首を動かす」という情報が意識に上って②
それによって無意識のレベルで判断がなされて手首が動いた、と。
②の‘意識からの意思決定‘が①の‘筋肉の準備‘より遅いという解釈です。
この一連の流れを一点として認識することしかできないのが
人間の情報処理の限界なのではないでしょうか。

そうすると
この実験結果から
練習を繰り返すことで作業の能率が高まる事実に関して
一連の動作が②のように意識に上る段階を省いて
無意識の段階の①の連続でできるような
情報処理回路が強化されるからだ
と解釈することが可能になります。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
自由意思が発生(決定)してから、それが自覚されるまでに、時間がかかる、ということですね。すなわち、自由意思が発生して(無意識の状態で)から、体がそれに反応し、その後に自由意思が意識として明確に自覚される、ということですね。練習の効果の例があるのですね。

お礼日時:2015/11/28 11:28

低次元の正論は述べるのはうんざりするのですが、身体はおのずの意識があります。


しかし、体がおのずとおのずを動かすことはありません。心に呼応するのです。
(体の都合(不具合)で迷走電流が流れることもあります)。
ただし、頭脳は念よって慣性を持ちます。

体が先である。これは再考する必要があるでしょう。結論はあなたの好き勝手に。
私の責ではありません。たいした考察でもありませんし。
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この回答へのお礼

早速のご回答ありがとうございました。
<体がおのずとおのずを動かすことはありません。心に呼応するのです。>
ということですね。ただし、この実結果によれば、体が動いてから、心が動いている、ように見えますが。

お礼日時:2015/11/28 11:21

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