
タイトルにも書きましたが、まずその一部を抜粋します。
「裕福で力のあるペルシア人が、召使いをしたがえて屋敷の庭をそぞろ歩いていた。すると、ふいに召使いが泣き出した。なんでも、今しがた死神とばったり出くわして脅されたと言うのだ。召使いは、すがるようにして主人に頼んだ、いちばん足の速い馬をおあたえください、それに乗って、テヘランまで逃げていこうと思います、今日の夕方までにテヘランにたどりつきたいと存じます。主人は召使いに馬をあたえ、召使いは一瀉千里に駆けていった。館に入ろうとすると、今度は主人が死神に会った。主人は死神に言った。
「なぜわたしの召使いを驚かしたのだ、恐がらせたのだ」
すると、死神は言った。
「驚かしてなどいない。恐がらせたなどとんでもない。驚いたのはこっちだ。あの男にここで会うなんて。やつとは今夜、テヘランで会うことになっているのに」」
(『夜と霧』V・E・フランクル/池田香代子訳)
極めて高い生存の可能性があった中、一転して死に至った例として用いられていたと思います。「死=死神」、「高い生存の可能性=主人宅の庭」とした場合、死神が主人の庭で会うことになっていたのであれば納得がいくのですが、話がよくわかりません。
(1)この文章自体の解釈
(2)『夜と霧』に添えての解釈
のどちらか、もしくは両方にどなたかお答していただけませんか?
よろしくお願いします。
A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
こちらの質問を読ませていただいて、面白そうだなと思って「夜と霧」を読みました。
大変に感銘を受けました。まず、そのことに感謝させていただきます。本題の解釈についてですが、私はこう思います。
>(1)この文章自体の解釈
「主人の庭にいては危険」→「テヘランのいる方が生存の確率が高い」という思考が召使の中では働いて、テヘランへ逃げ出した。しかし、実際はテヘランに向かったがために死ぬことになる予定になっていた。つまり、召使にとって(一般的に)は、「高い生存の可能性=主人宅の庭」ではなく、「高い生存の可能性=テヘラン」だった。しかし、実は死神はテヘランで召使に会う予定だったのでびっくりした、まあでもそれは実現するだろう、というという内容かと。
>(2)『夜と霧』に添えての解釈
No.2のお礼に書かれた医長の例でいえば、
私(フランクル)は「高い生存の可能性=テヘラン」へ移動することができる、と言われた。しかし、私は「自分の意思で」「高い生存の可能性ではない=主人宅の庭」にいることを望んだ。それを運命と呼びたいなら呼ぶがいい。しかし、私は自らの意思で「主人の庭」を選択し、そして生き残ったのだ。
という解釈を私はしています。フランクルが行った選択は、どう選択しても他人からは運命と呼ばれるかもしれないけれど、彼は選択肢を与えられ、自分の意思でその道を選び取り、そして結果として生き残った。その選択と結果のひもづけをどう名づけるか、ということなのかなと思っています。
二つ目の例でいえば、「運命」とかっこづけしていることが、この意味をあらわしいいるのかなと私は思います。「運命」と人に呼ばれているものがあるけれど、それは本当に「運命」なのか?という疑問ではないかと。
解釈はいろいろあるでしょうが、私の解釈として、お礼までに書かせていただきました。
No.3
- 回答日時:
> まず私が疑問に思っていた点は「テヘランの死神」の引用が意味していた点であり、
「夜と霧」全般での解釈ではありません。
元々読んでいないのですから、
「夜と霧」の全般的な解釈をしているつもりはさらさらありませんし、出来ませんw
> ”深層意識=自動機械のようなもの”・・・本文からはそのような記述はありませんでした。
「本文」はそもそも、全部読んでいないと書いております・・・
何故に、そのように、私の答えを、勝手に捻じ曲げて解釈するのですか?と言う事です。
「読んでいないなら答えるな!」と言われるのも、「いやその意見は納得できない」と
切って捨てるのも、拡大解釈と感じられるのも、質問者様の自由だと思いますが、
勝手に捻じ曲げ解釈をされるのは、我満が出来ませんので!
フランクルは、フロイトや、アドラーらの弟子として心理学を学んだひとでした、
深層意識がどういうものかある程度深く知っていたものと思っています。
根拠は色々とありますが、書く気を失いましたので、書きません。
フランクルは、「夜と霧」を手がかりに、実存主義心理学を提唱します。
他所からの引用ですが、
・「人間は、ただ1回だけの生命を生き、死ぬ。他に取り換えることのできない存在=実存である。
人間は、自分がかけがえのない独自の存在であることを意識し、自分に課せられた人生を、
他の誰でもなく自分で生きる責任がある。
しかも、人生には必ず実現すべき価値・意味があり、人間は心のもっと深い
あるいは高いレベルでは快楽や幸福ではなく意味を目指すべき存在であり、
過酷な状況であっても、人間にはそれを実行する意志の自由がある」と考えました。
とういのが、実存主義の考え方で、この考えは運命論との対極の考え方です。
小さな親切大きなお世話!だったようで・・・
ご返答ありがとうございます。
回答歴を拝見しましたが、harrywithersさんは心理学について大変知識がおありなのでしょう。フランクルに関して、彼が実存主義心理学を提唱していたことは知りませんでした。というか「夜と霧」を読んだ限りでは知りようがありません。
実存主義、運命論という言葉から、心理学的立場からの解釈が目立ちますが、私の疑問はテヘランの死神が何を例えているのか知りたかっただけです。
いわば、単純な国語的解釈であります。私のミスかもしれませんが、この質問は国語のカテゴリに投稿したほうがよかったのかもしれないと今になって思います。
本文を読んでいないのは当然わかっておりますし、また読んでいないだけに心理学的知識を拠り所にテヘランの死神の話を解説された結果、的がずれてしまっていることを指摘したかっただけです。
おそらく学会、ゼミ、勉強会またはharrywithersさんご自身の中で、フランクる=実存主義という考え方があるのでしょうか。しかしここではそのような考え方が必要ない、ということが一番のポイントです。ここを認めてもらわなければ話が展開できません。
簡単に考えてください。読書の時間にこの本を読んでいた子供がいたとしましょう。途中、彼は言いました。「ここででてきたテヘランの死神ってどういう意味?」
このような質問に対し、実存主義心理学云々の話が出てくることに私は我慢ができません。文章が下手な結果、意味が伝わりづらかったのならば申し訳ございません。
結果、先にも述べましたが主人と召使の対比を説明された時点でこの質問は終了、むしろ解決なのですが、harrywithersさんの回答歴から伺えるように、端的に答えるというよりは、心理学的知識をバックボーンに説明されている傾向があるように思えます。しかし今回は必要ありませんでした。
最後に
>書く気を失いましたので、書きません。
>小さな親切大きなお世話!だったようで・・・
という部分が気になりました。
気を悪くなされたなら申し訳ございません。
No.2
- 回答日時:
どうも、論法が未熟なせいか誤解させてしまったようですネ。
> 「生きること」に”固執する者”と”固執しない者”として比較すれば・・・
言いたいのは、そういうことではありません、
召使いの方は明らかに「生きること」に“固執して”いますが、
主人の方が“固執していない”ことは、(私には)判りません。
死神を見て、「死にたくない」と考えた、召使いは「死に」至りました。
もしも、召使いが、「生きよう」と考えたら、結果は・・・どうだっただろう。ということです。
『死にたくない』と『生きよう』では、深層意識が受け取り、実現化することが、
180度違ってくるということを、書いております、どうぞ誤解なきように・・・
そして、「生きよう」いう為には、当然、「生きる」とは何か、どういうことか?
どのように行動すれば生きているのか、と自問しなければなりません、
テヘランまで走っている暇はありませんね。(笑)
彼(召使い)の心は、迫り来る(と思い込んでいる)「死の恐怖」で満タンになったことでしょう。
心の中が死(の恐怖)で充ちた結果、肉体を死に走らせたのです。
死神の姿を見ても、驚かない主人は、(私の)想像ですが、死神に寿命だと告げられたなら、
抵抗することなく、穏やかに死の床についたかもしれません、
主人は、一瞬一瞬を最大限に「生きている」からです。
> 運命の皮肉さ・非情さの例・・・
V・フランクルは、運命論者ではないですし、運命論はありえません!
V・フランクルを運命論者と言うのは、キリストが無神論者だと言いはるようなものです(笑)
V・フランクルが過酷な収容所を生き延びた、最大の理由は、
『収容所で死ぬのは、運命ではない』と見抜いたからです、
そんな、彼が運命論者なわけはありませんねぇ。
彼は、殺されていく同朋を冷静に観ながら、
「生きること」を諦めた人間が選ばれ殺されて行くことに気づいたのです。
明日に希望を持ち、「生き抜こう」としている人間だけが、
過酷な環境を、生き延びていることに気づいたのです。
彼が「運命だと」言って、自分の「生」に責任を持たずに諦めた運命論者なら、
「夜と霧」は誕生しませんでしたし、彼は収容所から帰って来なかったでしょう。
まず私が疑問に思っていた点は「テヘランの死神」の引用が意味していた点であり、「夜と霧」全般での解釈ではありません。
主人、召使が同じ集合体であることに気付いた時点で私の解釈としてはOKでした。(主人を別の次元で考えていたので)
”深層意識=自動機械のようなもの”という観点からharrywithersさんは説明されていますが、そもそもどこからきた考えなのでしょう。本文からはそのような記述はありませんでした。
>召使いが、「生きよう」と考えたら、結果は・・・どうだっただろう。
という考えの論拠がいまいち明確ではないですし、そのような小説的解釈ではないと思います。
「夜と霧」では「テヘランの死神」の引用が2度登場します。
一つ目は
『医長はわたしの身を案じたらしい。夜の十時十五分前、わたしに耳打ちをした。「君は取り下げることができる。事務室にそう言ってある。そうすうなら十時までだ」わたしは医長に、その気はありません、と告げた。まっすぐな道を行くことを、あるいはそう言いたければ、運命のなすがままに任せることを、もうたっぷり学びましたから、と』
二つ目は
わたしたち、この収容所に最後まで、残ったほんのひと握りの者たちが、あの最後の数時間、「運命」がまたしてもわたしたちを弄んだことを知ったのは人間が下す決定など、とりわけ生死にかかわる決定など、どんな信頼のおけないものかを知ったのは、それから数週間もたってからだった。
とし、テヘランの死神の話に入っていきます。
筆者は『収容所で死ぬのは、運命ではない』とは思っておりません。
つまり、一種のレトリックであり、harrywithersさんは「夜と霧」を読んでいないことから、解釈の違いを指摘せざるを得ません。おそらく「深層意識」という言葉がキーワードとして頻出しているのはこのためでしょう。
>「生きること」を諦めた人間が選ばれ殺されて行くことに気づいたのです。
>彼は収容所から帰って来なかったでしょう。
また、以上の2点は拡大解釈の最たるものだと思います。一度、読んでみてはいかがですか。
筆者は、どんな状況であれ、未来像を見出すことに意味があるとしています。
No.1
- 回答日時:
皮肉で強烈なエピソードですね。
残念ながら、『夜と霧』は読んでいませんが、
一応『夜と霧』の趣旨は(多分)理解しているつもりです・・・汗;
多分、(1)(2)は同じ答えになると思います。
召使は、「死の恐怖」に駆られて、テヘランまで走りましたが、
何故、(書かれていませんが)死ぬことに、なったのでしょうか?
召使の心の中は、「死の恐怖」で一杯でした、言葉を変えれば、
召使は最大限に、「死を意識」し「死に意識を注いでいました」、
何よりも「死を意識」したことが、彼を「死」に向かい走らせたことの最大の原因です。
多くの深層意識(無意識)に対する実験結果から、人間の深層意識は、顕在意識と違い、
モノの善し悪し、幸不幸を判別できない(しない)と言われています。
ただ其処(深層意識)に、入って来たモノゴトを実現しようと働く
言わば“自動機械”のようなものだと、考えられています。
その為、召使の心を完全に独占した「死」が実現したのです、
召使は、「生きたい」と願い、「死」を恐れたはずなのに、皮肉な結果になりました、
私達の論理や顕在意識では、「死にたくない」=「生きたい」なのですが、
深層意識では、主語に付く否定の言葉「・・・・・したくない」は抜け落ちてしまい、
「死ぬ」と「生きる」だけが残り、深層意識は、それを実現しようと働きます。
深層意識は、「死にたくない」でも「死にたい」のどちらのインプット(入力)でも同じように
「死」を実現する、フィルターつきの自動現実化機械ようなものです。
V・フランクルは、死と背中合わせの捕虜収容所の中で、生き残る人間と、
死んで行く人間を観察しながら、そのことに気づき、実証に成功(=生き残る)しました。
そして、この主人は、召使と比べてどうだったでしょうか?
彼は、死神(死)を恐れずに「問いかけて」見ました、この主人は、
「生きる」ことを考えている人物として召使と対比して描かれているように感じます。
もしも、死期が迫っていても、死ぬ最後の瞬間まで、「生」を考え生き抜いたと思います。
そうですね、確かに召使と主人を「生きること」に”固執する者”と”固執しない者”として比較すれば納得がいきます。
その対照に気がつきませんでした。運命の皮肉さ・非情さの例として用いられた点が理解できます。
ご返答ありがとうございました。
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