『「見る・見せる・見させる」などの動詞について 』の続編です。
その前に訂正です。前の質問で「似る」「寝る」は他動詞です。と言いましたが、これは「自動詞」の
間違いでした。また、他動詞で「上一段活用」をするものは全く少数でした。したがって「見せる」「着せる」「浴びせる」のようなものがみつからなかったはずです。
さて今回の質問はタイトルどおり、「~せて/させて(ください/ほしい)」の形にして不自然な動詞は?ですが、詳しく言いますと、使役の助動詞を使って相手の許可を得る言い方が、上記の形です。使役の意味には「強制的に~させる」がありますが、もう一つの意味が「許可」をえたり、「放任」の状態にしてもらうことです。この場合は許可を得る言い方です。許可を得ようとしているのは「 私」で、許可を与えるのは相手です。例を挙げます。
「飲ませてください」飲むのは私で、飲ませるのは相手です。必要に応じて「酒を」「私に」などの言葉を入れて考えてください。(別に入れなくてもかまいません)
この例は、普通の使い方ですが、質問は「~させてください」と言って不自然な言い方になる例を挙げてください、と言うことです。できるだけ多くお願いします。
No.11
- 回答日時:
#10です。
1.
>
「それでは,<発表さ>せていただきます。」
「コピーを<取ら>せていただけますか。」
「本日,<休業さ>せていただきます。」
「私は,新郎と3年間同じクラスで<勉強さ>せていただいた者です。」
「私は,○○高校を<卒業さ>せていただきました。」
ここに出て来る動作(< >でくくったもの)は、すべて話し手のものです。その後についた「せる」は聞き手が話し手を使役する形になっています。
:
これは逆のような気がしますね。
「それでは,<発表さ>せていただきます。」
「発表さ(発表する)」⇒聞き手
「せて(使役 せる)」⇒話し手
ではないでしょうか。
『「私が発表することを、あなたが私にさせる」という意向を、私は、いただきます』
という構図。
あくまで個人的感覚で、確信はありませんが、以前から、このように考えています。
それなりに自信は持っていますが、何しろ素人の独断なもので・・・。
むろん、文脈次第では、
『「部下が発表することを、あなたが部下にさせる」という意向を、私は、いただきます』
という意味に使うこともある。
以上の解釈に同意していただけたものとして、次の2を述べますので、その点、ご留意願います。
2.
論点を絞りやすくするため、次の2例に統一したいと思うのですが、いかがでしょうか。
とりあえず、Aの場合、1で申し上げたように、2通りの解釈が可能です。
A.「それでは、結果を発表させていただきます。」(課長が部長に)
○(ア)『「私が発表することを、あなたが私にさせる」という意向を、私は、いただきます』
「発表さ(発表する)」⇒聞き手
「せて(使役 せる)」⇒話し手
○(イ)『「部下が(部下から)発表することを、あなたが部下にさせる」という意向を、私は、いただきます』
「発表さ(発表する)」⇒部下
「せて(使役 せる)」⇒話し手
ところが、Bの場合、下でお示しするように、(イ)のパターンを使って(エ)のように表現することはできても、(ア)のパターンを使って(ウ)のように表現することはできません。
B.「じゃあ、子犬を歩かせていただきます」(監督がプロデューサーに)
×(ウ)『「私が歩くことを、あなたが私にさせる」という意向を、私は、いただきます』
「歩か(歩く)」⇒聞き手
「せて(使役 せる)」⇒話し手
○(エ)『子犬が歩くことを、あなたが子犬にさせる」という意向を、私は、いただきます』
「歩か(歩く)」⇒子犬
「せて(使役 せる)」⇒話し手
なぜかと言えば、
○(ア)『「私が発表することを、あなたが私にさせる」が成立するのは、
A.「それでは、(私が)結果を発表させていただきます。」という文の「発表する」は他動詞であるため、「私」が「発表する」の動作主になれるからでしょう。
一方、
×(ウ)『「私が歩くことを、あなたが私にさせる」という意向を、私は、いただきます』が成立しないのは、
B.「じゃあ、(私が)子犬を歩かせていただきます」という文の「歩く」は自動詞であるため、「歩く」の動作主はあくまで「子犬」であって、「私」は「歩かせる」という使役動作の主体にはなり得ても、「歩く」という動作の主体にはなれないから。
しかし、
(イ)部下
(エ)子犬
の対応パターンは、どちらの場合も「私」は「いただく」主体ではあるが、「発表する」「歩く」主体ではありません。
そのため、
B.「じゃあ、子犬を歩かせていただきます」
という使役形が、
A.「それでは、(部下が / 部下から)結果を発表させていただきます。」といった使役形にも対応するのだと思います。
いや、ホント難しいですね。
記述にも自信が持てませんので、突っ込みどころがございましたら、ご遠慮なく。
系統だてた論を展開できないのが素人の辛いところです。
No.10
- 回答日時:
#9です。
1.
> 私がそばの人物に向かって「笛を吹かせて」と許可をもとめる。(それが許可された時)笛を吹くのは(許可を求めた)私です。「(私に)笛を吹かせてください」はこんな単純な構図です。
比較して、何か変だと思いませんか。
:
「笛を吹かせてください」の場合、
a.わたしに 笛を吹かせてください。(わたしに 笛を吹く許可をください)
b.友人に、笛を吹かせてください。(友人に 笛を吹く許可をください)
という2パターンが考えられると思います。
これに対応させるべきでしたが、
プロデューサー:「この場面なんか殺風景だなあ」
監督:「助監督、ちょっと子犬でも歩かせてください」
は悪例だったと思います。
プロデューサー:「この場面なんか殺風景だなあ」
監督:「じゃあ、子犬を歩かせてください」
のようにすべきだったかもしれません。
これは、
c.わたしに 子犬を歩かせてください。(わたしに 子犬を歩かせる許可をください。)
d.友人に、子犬を歩かせてください。(友人に 子犬を歩かせる許可をください。)
e.あなたが 子犬を歩かせてください。
という3パターンの意味になるでしょう。
「笛を吹く許可」のように「子犬を歩く許可」とならないのは自動詞ゆえですが、この自動詞の性質を尊重するなら「子犬に歩かせてください」という表現のほうがふさわしいかもしれません。
他動詞使役形の場合、笛はあくまで直接目的語としての対象として固定されているため「笛を」の形は崩せませんが、自動詞使役形の場合は、直接目的語としての「子犬を歩かせる」という以外にも、子犬が動作の主体となり得るので「子犬に歩かせる」という表現も可能になる。
ということではないか、と思います。
2.
>自動詞にも関係あるかも知れませんが、「意志動詞」と「無意志」動詞の問題かも知れません。例「落ちさせて」
:
なるほど。
これは気づきませんでした。
そうした側面もあるのかもしれません。
プロデューサー:「この場面なんか迫力弱いなあ」
監督:「じゃあ、陥没道路に子犬を落ちさせてください」
この場合、たしかに不自然な印象は受けますね。
ただ、「子犬自身の気づかないうちに落ちるようにさせてください」という意味であればどうでしょうか。
微妙かもしれません。
もっとも、「落ちる」はシチュエーション次第では意志動詞にも分類可能なので曖昧にならざるを得ないのかもしれません。
とはいえ、無意志動詞「できる」を使った、
プロデューサー:「この場面なんか迫力弱いなあ」
監督:「じゃあ、子犬に宙返りをできさせてください(できさせましょう)」
であれば、あきらかに不自然です。
ただ、無意志動詞「出会う」を使った、
プロデューサー:「この場面なんか迫力弱いなあ」
監督:「じゃあ、子犬とライオンを出会わせてみましょう」
であれば、「神様、どうかウルトラマンに出会わせてください」などと同様、特に違和感は生じないようにも思います。
難しいですね。
書きなぐりで、大してご参考にもなりませんが、とりあえずの感想ということで。
「それでは,<発表さ>せていただきます。」
「コピーを<取ら>せていただけますか。」
「本日,<休業さ>せていただきます。」
「私は,新郎と3年間同じクラスで<勉強さ>せていただいた者です。」
「私は,○○高校を<卒業さ>せていただきました。」
これは覚えていらっしゃるでしょう。「敬語の指針」に出ている例文ですね。ここに出て来る動作(< >でくくったもの)は、すべて話し手のものです。その後についた「せる」は聞き手が話し手を使役する形になっています。そのように聞き手が話し手を使役する(せる/させる)形で許可をすることになるはずなのですが、あなたの例文は「犬」を歩かせたり、出会わせたりで、その犬を使役する「助監督」に対して「犬」が許可を求めているように思えるのですが。いや、それはあり得ないから、「監督」が「助監督」に許可を求めていると取れなくもない。あるいは「本当は『犬を歩かせなさい』という助監督に対する丁寧な命令じゃないかな」とも思えます。この「せ」は「犬」を使役する用法なのかというように、歩くのが犬であるため解釈に混乱が起きるのです。
あまり見かけませんが、「私の息子を入学させてください」のように、身内のものなら、私と同様にみなすということは考えられます。「この人にも酒を飲ませてください」はある?「飲ませてやって」か。
No.9
- 回答日時:
#7です。
>だから、「何が吹くのですか。何が吹かせるのですか。」という質問をしたのです。「風が吹く」「監督が吹かせた」のですか。「誰が」「誰に」許可を求めていますか。
:
『自動詞の「吹く」は「風を?吹かせて」のように形を為しません。』という補足を受けて「ちょっと風でも吹かせてみましょうか」という例文にしてしまったのが良くなかったのかもしれませんね。
本来のご質問の意図からすれば、「風を?吹かせてください」という表現について検討すべきであったと反省しております。
その上で、仕切り直しさせていただきます。
プロデューサー:「この場面なんか動きが足りないな」
監督:「では、風になびく柳の絵でも入れますか。お~い、助監督、扇風機のでかいの持ってきて、柳の後ろから風を吹かせてくれ」
監督が助監督に許可を求めて(頼んで)いる。
こちらも変えておきますと、
プロデューサー:「この場面なんか殺風景だなあ」
監督:「助監督、ちょっと子犬でも歩かせてください」
追加で、
プロデューサー:「このプール何か淋しい印象だね」
監督:「助監督、ちょっとモデルさん2,3人、泳がせてください」
お礼欄で補足をするのは、なんか妙な具合ですね。
監督が助監督に許可を求めている。そこまでは分かります。助監督が「犬」を「歩かせる」のですね。「歩く」のは犬ですね。許可を求めた「監督」は何の役割をするのですか。どうして「監督が」歩かないのですか。次と比べてください。あるいは「歩く」犬が(「歩かせてください」と)許可を求めたのですか。
私がそばの人物に向かって「笛を吹かせて」と許可をもとめる。(それが許可された時)笛を吹くのは(許可を求めた)私です。「(私に)笛を吹かせてください」はこんな単純な構図です。
比較して、何か変だと思いませんか。
別の、例を挙げます。私が(友達に向かって)「あなたの家に行かせてください」といった。(友達の許可があれば)<行く>のは(許可を求めた)私ですね。
No.8
- 回答日時:
前の質問
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/9125887.html対して見当違いの回答したことをお詫び申し上げます。「使役態(使役形)に関する一連の質問」はこれからなんですね。また見当違いのムダな回答をするのはイヤなので、「まとめて意見を」お書きくださるのを待つことにします。
もしかすると、下記に関係しますか。
【心ばかりの物を、お贈りさせていただきます、は?】
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8472230.html
最低限、これくらいは書いていただけませんか。「敬語の指針」などは当然踏まえてますよね。
知らない人が「釈迦に説法」的な回答を書く可能性がありますし、同じような話が繰り返されるのは……。
「敬語の指針」のリンク先がまたかわったようです。
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/so …
>もしかすると、下記に関係しますか。
関係あるつもりです。
「前の質問」については、「自動詞と他動詞」の対照表を作って調べた結果、いくらか進展はありました。前の質問の「補足欄」に書いたように、「見る・見せる・見させる」「着る・着せる・着させる」「浴びる・浴びせる・浴びさせる」「乗る・乗せる・乗らせる」「悲しむ・悲しめる・悲しませる」「被(カブ)る・被せる・被らせる」くらいしか見つかりませんでした。内容もあまり無く、出た結論も頼りないものでした。気づいてよかったのは、「見る・着る・浴びる・悲しむ・被る」の5個が他動詞だったことです。(「乗る」は自動詞ですね)
No.7
- 回答日時:
#6です。
>>「ちょっと風でも吹かせてみましょうか」
⇒ いったい、何が吹くのですか。何が吹かせるのですか。
:
風が吹く画面にしてみましょうか、といった意味です。
「この場面なんか殺風景だなあ」
「ちょっと子犬でも歩かせてみましょうか」
などと似たような会話ですね。
まあ、特殊なシチュエーションと言えば言えますが、「吹く」という自動詞についての使役が成立する例として挙げたつもりです。
>「吹く」という自動詞についての使役が成立する例として挙げたつもりです。
だから、「何が吹くのですか。何が吹かせるのですか。」という質問をしたのです。「風が吹く」「監督が吹かせた」のですか。「誰が」「誰に」許可を求めていますか。
他動詞の場合は、笛を「吹く」のは許可を求めている話者、「吹かせる」のは許可を求められているご当人のはずです。
No.6
- 回答日時:
#5です。
補足していただきありがとうございます。
大体の意図はわかりました。
ただ、(全部ではない、という前提があるにしても)自動詞についての使役が語法的に成立しないとは言えないように思います。
やはりシチュエーションの問題に帰するような気がするんですけどね・・・。
「この場面なんか動きが足りないな」
「ちょっと風でも吹かせてみましょうか」
なんていうプロデューサーと監督の会話などは、いかが。
No.5
- 回答日時:
#3です。
補足拝見。
>出来るだけ語法的に成り立ちにくい例を挙げてほしいのですが。状況から考えて言われるはずがないというのではなくて。
:
「語法的」の意味がちょっと分かりづらいような気がしますね。(私だけかもしれませんが・・・)
「文法」と「表現法」、2つの意味がありますので。
個人的に申し上げると文法的には、どんな動詞でも成り立つように思います。
そして、表現法としてはシチュエーション次第、ということになると思うのです。
なので、「こういうシチュエーションで、相手の許可を得ようとするのは不自然だ」という主観にならざるを得ないでしょう。
アンケートですか、とお尋ねしたのは、こうした理由からでした。
#2さんへのお礼で記されていますが、『常識的にはあり得ないという意味で不適当』とおっしゃっている通りと思います。
「空爆をさせてください」の場合も同様です。
常識的にはあり得ませんが、文法的には成立しますし、たとえば揶揄する目的で、このような表現が使われる場合もあるはずです。
OKAT さんが、何かひとつ例を挙げられてみてはいかがでしょうか。
そうすれば、ご質問の意図が分かるかもしれません。
No.3
- 回答日時:
#1です。
補足していただきありがとうございます。
了解しました。
たしかに「~させてください」にも、適切な場合と,余り適切だとは言えない場合とがありそうですね。
たくさんの事例が想定できると思いますが、<敬語の指針>の表現を若干脚色して表現するなら、「相手側又は第三者の許可を受けて行うのが不自然,あるいは、相手側又は第三者の許可を受けたものと想定して行なうのが不自然な場合。」とでもなるでしょうか。
(フランス軍が IS に)「空爆をさせてください」など。
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