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No.1
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coke1234さん、こんばんは。
私はパイクシクリッドを飼ったことはありませんが、手元にパイクシクリッドの飼い方などを説明した本がありましたので、その本からの情報と私の知識からお話しさせていただきます。パイクシクリッドに関する情報が乏しいそうなので少し長い文章になってしまうと思いますが、御了承下さい。
入手方法と入手時の注意点ですが、以前は、「アーミーパイク」や「ギャラクシーパイク」などの登場により一時パイクシクリッドの入荷が増えた時期がありました。現在、入荷は減りつつあるようですが、それなりの人気種であれば、少数ながら入荷も期待できます。
また、大きなショップなどでは、養殖ものと思われるパイクシクリッド(多くの場合、レピドータ種)が売られていることもあります。
固体の選び方は、ショップでも水槽の都合からか、ひとつの水槽に1匹だけで販売されているということはあまり期待できません。多くの場合、複数が同一水槽に入れられているということになりますが、こういった場合は、その水槽で最も強い個体を選ぶのがベストです。そういった個体は他の魚に対して傷を付ける側なので、その個体自体には傷も少なく、餌もいちばん多く食べているはずです。水槽の中で最も大きく、綺麗な個体を選べば当たりということです。
飼育に関してですが、基本的にパイクシクリッドは丈夫な魚であり、普通に飼っていればまず滅多なことで死ぬということはないでしょう。複数を同一水槽で飼育した場合には、喧嘩や殺し合いで死ぬことがありますが、単独飼育していれば、まず死ぬことはありません。しかし、パイクシクリッドはひとつの水槽に一種一匹が基本であり、これをしなかった場合、飼育を楽しむどころかパイクシクリッドを嫌いになることは間違いありません。
さて、その単独飼育をするための水槽についてですが、ドワーフパイクと呼ばれる数種類以外はかなり大きくなるものが多く、
60cm水槽では少々狭いでしょう。一般的な種類の多くは、30~45cmほどの大きさであるため、やはり最終的には90cm水槽が必要となりますが、幼魚から30cmくらいまで育てるなら60cm水槽でも十分でしょう。また、最近あまり見かけませんが、75cm水槽も十分使用できると思います。
パイクシクリッドがいかに丈夫であるとはいえ、シクリッドである以上、濾過には気を使う必要があります。基本的に上部式、もしくは外部式パワーフィルターを使うことになります。と言うのも、水槽低部に砂が入っていると、狂ったように掘り返し、底面式フィルターでは全く機能できなくなってしまうためです。また、かなり水を汚しますし、動き回ることも多いパワフルな魚なので、スポンジフィルターというのも問題でしょう。上部フィルターやパワーフィルターに入れる濾材は、サブストラットやシポラックスなどの多孔質の高性能なものを選ばれるのがベストです。
また、パイクシクリッドは水にはうるさくないので、特別にこだわる必要はありませんが、彼等は南米、アマゾン河水系に分布する魚達ですから、最適な水質は弱酸性の軟水ということになるでしょう。特別美しい成魚に育て上げられるつもりでしたら、ピートなどを使って、水質にこだわってみるのもいいかも知れません。水換えは週3分の1が基本です。パイクシクリッドは、多の大型シクリッドの例にもれず大食であり、水もよく汚します。いかに丈夫であるとはいえ、美しいパイクシクリッドを楽しみたい場合、定期的な水換えは不可欠です。
次に餌についてですが、パイクシクリッドは現地では、カラシンや小さなシクリッドなどの小魚を主食にしているものと思われます。事実、飼育下においても圧倒的に小魚を好みます。だからと言ってただ金魚をバラバラと水槽に放り込むだけでは問題です。パイクシクリッドは生きた魚ならばほぼ何にでも食いつくので、金魚以外にもタナゴやドジョウ、エビなども与えたいところです。餌採りもうまいので、タナゴのような動きの素早い魚を与えても食いっぱぐれることはまずありません。バランス良く与えて下さい。
また、各社から発売されている大型魚用の人工飼料も良い餌となります。栄養的には金魚などよりもはるかに優れており、入手、保存も容易です。色揚げ用など用途に応じて選ぶとよいでしょう。人工飼料は美しく育てるためにも是非与えたい餌です。成魚またはそれに近いサイズで輸入されてきた固体だと、なかなか餌付かない場合も多いようです。特にギャラクシーパイクなどの底棲性のものの餌付きの悪さは特筆ものです。そういった種類の場合は、水槽に馴れて、金魚などの餌を上まで上がって食べに来るようになってから、徐々に人工飼料を食べさせるようにします。しばらくすると口にするようになりますが、やはり食いはあまり良くなく、残すことが多いようです。そうした食べ残しは、そのままにしておいても絶対に食べないので、速やかに取り除くようにして下さい。
幼魚は人工飼料にも比較的餌付きやすく、幼魚のうちから人工飼料に馴らしておくと後々便利です。不思議なことに、ベビーゴールドなどの沈降性のランチュウの餌が意外にも食いが良く、喜んで食べる個体が多いようです。
餌の与え方は、幼魚には良質の餌を少し多めに与えます。冷凍赤虫やディスカスハンバーグ、ディスカスフードなどが良い餌になるでしょう。成魚(30cm位の個)には5~6cmの小魚を2匹程度与えます。また、小魚を与えない時には人工飼料を少なめに与えてください。成魚には大量の餌を与える必要はなく、魅力的な体型を保つためにも、少なめの給餌を心掛け、週に1回は断食日を設けると魚の体調が良いようです。
混泳についてですが、先にも書きましたようにまず無理です。これまでにも多くの方がパイクシクリッドの混泳に挑戦していますが、全てがほぼ失敗に終わっているようです。かつて、ある熱帯魚愛好家の方が20匹近いパイクシクリッドと、シクラソマなど大型シクリッドを50匹をチャレンジ精神からひとつの水槽で飼い始めたそうです。「シクリッドのようなテリトリーを作る魚は単独か、もしくは超過密で飼えば、個々がテリトリーを持てなくなり、混泳できる」というような説もあるため、この方は敢えて挑戦したのですが、超過密にしても混泳できたのはたった1カ月程度の間だけだったそうです。少しでも体格差が現れ始めると、殺し合い、食い合いが始まり、毎日1匹、2匹と殺されていったそうです。残ったシクリッド達はそれぞれに別の水槽に移動させたそうですが、どこの水槽でも同じような状況で、アロワナ、大型ナマズ、プレコ、エイ、ガーパイクなど色々な魚との混泳が実現しましたが、結果としてうまくいったものなどひとつもなかったそうです。くどいようですが、混泳だけは99%無理です。
パイクシクリッドという魚はどこまでいっても混泳には向かないようで、ペア飼いも危険です。凶暴なシクラソマでさえペアなら一緒に飼っても平気なことが多いのに、パイクシクリッドに至ってはペアの絆もあまり強くはないようです。ペアになった2匹が同じ水槽で暮らしていたが、ある日を境に雌が雄を攻撃するようになり、ついには殺してしまった、という例も多いと聞きます。いくらペアであっても何が起こるか分からないので、隔離用の水槽、もしくは頑丈なセパレーターを用意しておいた方がいいでしょう。成魚のぺアとしてショップで販売されているものでも、パイクシクリッドに関しては、油断は禁物です。
逆に、ペアだけで飼うから絆が弱まる、という意見もあるようです。実際、周りに他の魚がいた方がペアの絆が深まり、繁殖にもつながりやすいには事実のようです。しかし、混泳水槽にパイクシクリッドのペアでも入れようものなら、相手が何であろうと、確実に殺しにかかるであろうことは火を見るより明らかです。ただし、こんな例があります。ドイツのシクリッドマニアの家では、3m水槽に2ペアだけを飼うそうです。お互い、水槽の端と端にテリトリーを持ち、反対側のペアを牽制し合いながら、ペアの絆を深めていくらしいです。あまり参考にもなりそうにない例ですが、理想的な飼い方ではあります。しかし、最も現実的かつ賢明な飼い方は、やはり単独飼育、これに尽きるでしょう。
繁殖についてですが、美しい婚姻色や熱烈な求愛行動、そしてペアによる育児など感動的な繁殖を楽しめるのがシクリッドの大きな魅力のひとつでしょう。パイクシクリッドの場合は、前述のようにペアの飼育だと、絆が弱まる危険性も高いので、繁殖は簡単な方ではないようです。うまく繁殖に結びつけるには、繁殖用水槽に別のペアや、他のシクリッド、大型カラシンなどが泳ぎ回るような環境がいいようです。他の魚を警戒し、常に神経を尖らせているような環境だと、ペアの絆も深まり、意外と簡単に繁殖が成功すると言われています。繁殖に挑戦する前にペアを得なければならないわけですが、ペアを得るにはいくつかの方法があります。最も簡単なのが、前述のシクリッド混泳水槽のような劣悪な環境で、複数匹を飼育すると意外と簡単にペアになることが多いというパターンです。個人的にはあまりお勧めすることはできませんが、このような方法でペアになったという例はよくあります。また時間はかかりますがより安全な方法としては、アロワナのペアリングの際にも行われる、「お見合い」です。透明のセパレーターで仕切られた水槽に、雄と雌の成魚を1匹ずつ入れ、しばらくそのままの状態で飼育すると、いつしかペアになっていることがあります。確実な方法ではありませんが、それなりの結果は得られるはずです。
因みに、雄と雌の見分け方ですが、パイクシクリッドは著しい性的二型があるため、見分けるのは極めて容易です。一般的に雄は大きく、模様が少なく、雌は模様が鮮やかで美しく、腹部がピンク色に染まります。たいてい雄に比べて、美しくなるのが特徴です。
無事ペアが得られたら、前述の方法で繁殖に挑戦することも可能です。うまい具合に産卵、孵化に至ったら、稚魚にはブラインシュリンプの給餌を始めます。孵化したての稚魚には相当量の餌(最低1日3回、たっぷり与える)が必要なため、ブラインシュリンプを常に切らさないように注意が必要です。稚魚が成長したら、徐々にイトミミズや小さなアカヒレなどを与えていくようにします。
レイアウトについては、飼育者個人個人の好みがありますが、大型種では水草を使うレイアウトはまず無理でしょう。砂利を掘り返さずにはいられないような魚ですから、鉢に入れても何をしても水草は無理です。ただ、砂利はあった方がよく、流木や岩などでレイアウトしてやるのが良いでしょう。特に、水槽に導入したばかりの時は、これがあるのとないのとではかなり違います。ギャラクシーパイクやカメタナ種のような底棲性の種には、流木や土管などの隠れ家は必ず用意してやって下さい。
「お勧めのパイクシクリッドは?」とのことですが、残念ながら私はパイクシクリッドの飼育経験がありませんので、ざっとそれぞれの種類について簡単な説明だけを加えておきます。
クレニキクラ・レピタード(Crenicichla lepidota)
最も一般的な種で、パイクシクリッドとして売られている魚のほとんどは本種です。飼育は容易で、小魚を好んで食べます。安価な魚ですが、成魚はなかなかの美しさを見せます。アマゾン水系に広く分布し、全長30cmになります。
クレニキクラ・ジョハンナ(Crenicichla johanna)
レッドパイクなどの呼称で、多くの幼魚が輸入されます。幼魚時の赤味を帯びた体色は、成魚になると褪せ、背ビレと眼だけがより赤く染まるようになります。多種に比べて大きな口を持つのも特徴です。アマゾン広域に分布し、全長40cmになります。
クレニキクラ・レンティキュラータ(Crenicichla lenticulata)
本種は最も美しいパイクシクリッドのひとつと言われています。成魚の体側は鮮やかな赤に染まり、黒いバンドが入ります。幼魚は頭部を中心に黒いスポットが多数入ります。ネグロ川、ブランコ川などに分布し、全長40cmになります。
ニューギャラクシーパイク(Crenicichla sp.)
ギャラクシーパイクに似た底棲性のパイクシクリッドです。ギャラクシーパイクに比べて太く短く、全体的にずんぐりとした印象を受けます。日本には少数の輸入例しかない珍しい種です。トカンチンス川に分布し、全長25cmになります。
クイーンギャラクシーパイク(Crenicichla percuna)
第三のギャラクシーパイクとして紹介されましたが、ギャラクシーパイクとはだいぶ印象を異にします。体側に4~5個の大きなスポットと、全身に小さなスポットが入ります。各ヒレがわずかに赤味を帯びます。'91年に記載された比較的新しい種類です。シングー川に分布します。
クレニキクラ・キクロストマ(Crenicichla cyclostoma)
特徴的な口を持つパイクシクリッドです。体側にバンドを持ちます。雌は背ビレの一部がオレンジ色になります。'86に新種記載された比較的新しい種類です。トカンチンス川に分布しています。全長は15cmです。
クレニキクラ・オケラータ("Crenicichla" sp.cf. ocellata)
バトラコプスの名前で販売されていることが多いのですが、バトラコプス属については不明な点が多いため、一般的にはクレニキクラ属として扱われることが多いです。口が大きく、かなり大きな魚も食べてしまいます。全長30cmほどになります。
ギャラクシーパイク(Crenicichla jegui)
底棲性ハゼ型パイクの大型種です。全身に散らばる白いスポットから「ギャラクシー」の呼称があります。流れの速い急流に生息するため、水槽内でも水流を作り、隠れ家になるような流木や岩を入れてやるとよいでしょう。トカンチンス川に生息し、全長30cmになります。
クレニキクラ・ヴィッタータ(Crenicichla vittata)
半底棲性の美しいパイクシクリッドです。成魚になると体の下半分が明るいオレンジ色に染まり、大変美しい魚となります。日本へは幼魚が少数輸入されています。飼育下では流木や岩を配してやるとよいでしょう。南米広域に分布し、全長40cmになります。
クレニキクラ・カメタナ(Crenicichla cametana)
底棲性ハゼ型パイクの一種です。色らしい色もなく黒一色ですが、雌は背ビレの一部が赤く染まります。輸入量は多くなく、最近はあまり見かけない種類です。トカンチンス川に分布し、全長30cmになります。
アーミーパイク(Crenicichla sp.)
'91年に1匹のみが輸入されたパイクシクリッドです。メタリックな輝きが美しく、このような色彩を持つ種類が自然下にいるのか、この個体のみの突然変異なのかは分かっていません。アマゾン本流の河口付近で採集されました。
この他にも日本には数種類のパイクシクリッドが輸入されているものと思われます。
ずいぶん長々と書いてしまいました。お役に立てればよいのですが。
では、失礼いたします。
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