子供の頃から疑問に思っていたことなので、質問させていただきました。
同様の質問がちょうど、10年前(2007年)にこの教えて!gooにあり
それがとても話題になり、たくさんの回答がついて
興味深く読ませていただきました。
なぜ劇的な技術進歩で生産性が向上してるのに労働時間は劇的に減らないのか?
この疑問に対して、
前回2007年の回答を参考にさせていただいて
・社会全体は豊かになっている。事実、労働時間も少しは減ってる。
→昔の貧乏より、いまの貧乏のほうが豊か
・人の中流意識が平均を保ちたいと願うから、余剰になった時間も労働し、稼ぐことを選んでる
→"数十年前の普通の生活=現代では貧しい生活”を受け入れたくない
・機械やシステムなどの生産性向上で失業する人が出、一方で勝ち残って豊かになる人が出る
→格差増大
などが分かり、とても納得しました。
一方で、10年前よりも現在の2017年は状況も変わり、
技術的にも社会制度的にも大きなトピックが出て
前回の議論では語られてなかったので
改めてみなさまの考えを聞かせていただけると助かります。
一つは技術革新として、ディープラーニングを始めとする第三次人工知能ブームも起こり
AIでの囲碁・将棋戦や自動運転車が台頭し、AIが人間の仕事をやってくれる可能性を真剣に議論されてます。*もっとも、”AIが人間の代わりに働いてくれる!”という楽観論調ではなく
”AIが自分の仕事を奪って失業する・・”という悲観論調ですが(^_^;)
さらに社会制度に関しても
【ベーシックインカム(BI)】(政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を無条件で定期的に支給するという構想)が新聞に出るようになりました。
BIは欧州で試験的に導入され、一部の政治家が政策としてたり、
経済界でもホリエモンさんや
経済評論家の山崎元さんが支持するなど、
”労働時間どころか 働かなくても生活できるようになる!”
という可能性が現実味を帯びてきてます。
なので、
今回質問させていただいた
Q.なぜ劇的な技術進歩で生産性が向上してるのに労働時間は劇的に減らないのか?
という疑問に対して、
個人の いまの感想としては
A.待っていれば、そのうち実現するのでは?
(でも、早く実現するためにはどうしたら良いの?) と漠然と思ってます。
実現する方法は
ベーシックインカムは可能性の一つだと思いますし
技術的特異点というのもその可能性の一つかもしれません。
他にも別の可能性があるかもしれないです。
一方で、
「いやいや、労働してこそ人間らしい生活だ。
働かなくなると人間、ダメになる。社会として成立しない」というご意見の方も
いらっしゃるかもしれないです。
みなさんはどのようにお考えですか?
いまの私の考えだと漠然としすぎてるので
みなさんのご意見を聞かせていただいて参考にさせていただけると助かります。
No.11ベストアンサー
- 回答日時:
実は「○○が人の仕事を奪う」というのは産業革命以降なんども言われてきていることなのです。
「チャーリーとチョコレート工場」という映画がありますよね。ジョニーディップ主演の物は実はリニューアルで、オリジナルは1971年製作の『夢のチョコレート工場』になります。この映画は「機械化によって仕事を奪われた労働者」が隠れた主題なのです。
つまり1970年代(実をいうともっと前)から「○○ができたので、仕事がなくなる」とずっと言われ続けており、事実、仕事は無くなっています。たとえばコピー機ができる前はタイプライター係がたくさんいて文書をタイプで量産していましたが、今はそういう仕事はないわけです。
でも、結局は別の仕事が生まれて、仕事の量そのものが減るわけではない、ということが繰り返されてきたのです。
私はAI革命で混乱はあるにしても、結局新しい仕事が生まれてくると思っています。
では、なぜ仕事そのものが減らないか、というと答えは「資本主義の体系では、富を生み出す活動(生産活動)に従事しない限り賃金を得られないから」です。
簡単にいえば、仕事をしないとお金をもらえない、ということです。
資本主義の世界では、投資家は儲けるために投資を行い、その結果社会の富が増大します。そのやり方から言えばAI化は「富の増大のためにAI化に投資する」ということになります。AI化すればその仕事に人は要らなくなりますので、AI化した職場で働く人はいなくなり、そこから発生する富を受け取る労働者もいなくなる、ということです。
そうなると労働者はほかの仕事に就くしかありませんが(これが無くなることもないでしょうが)、投資家は従業員の数や給料を少なくして利益をあげるわけですから、結局労働者はいつまでたっても「仕事をしなければお金を稼げなくて生活できない」ということになります。
さらに言えば、仕事をしない人が増えれば、いくらAIが大量の生産品を作っても売れない、ということになります。
ですから、今の仕組みのままでいけば仕事が少なくなることはありえず、労働時間も短くならない、わけです。今の仕組みで労働時間を少なくしたいなら、会社が利益を削って(労働時間が短くなれば結果として利益は減少する)時短を行うか、税収を上げて、ベーシックインカムをするかないわけです。
ですからもし「労働時間を短縮しつつ、生活が成り立つようにする」ようにするなら、別の方法が必要になります。場合によっては資本主義が終わるような流れになるかもしれません。
たとえば、どこで見たかは忘れましたが「産業ロボットを個人資産にしよう」というアイデアがあります。もし、あらゆる労働に耐えられる汎用ロボットができたなら、ひとりに1台、生まれた時にロボットを資産として渡す、というアイデアです。
これをすれば、自分の代わりにロボットが働いて自分に生産された富の一部が入ってきます。つまり投資というか本来人間が持っている「労働力」という個人資本をロボットで代替えしよう、ということです。
これがうまく行けば、それほど豊かではないがロボットの稼ぎだけ自分はバックパッカーとして世界を回るユーチューバーで有名になるとか、自分は勉強して医者になってロボットの稼ぎよりもよいとか、そういう選択肢が生まれるかもしれません。
とにかく、富の生産に自分個人が関わらなければ、生活費が作れない、と社会構造を変えないと労働時間の短縮はムリでしょう。
回答、ありがとうございます。
「資本主義の体系では、富を生み出す活動(生産活動)に従事しない限り賃金を得られないから」
「富の生産に自分個人が関わらなければ、生活費が作れない、と社会構造」という回答が
すごく納得しました。
2007年の質問にもたくさんの回答がついてたので、
その時点での回答は出尽くしたのかなぁ
と思ってたのですが、
この回答が2007年時点で書かれていたとしても説得力ありますね。
本当に素晴らしいです。
また、
資本主義社会が終わる可能性にも触れられてて
興味深かったです。
資本主義という経済システムはビジネスマンにとっては
”自明”なことのように受け取られており、
長く続くと考えている方が多いのではないでしょうか。
そうではないにしても、
自分が生きている"未来" には資本主義は続くと
考えている人のほうが多いと思います。
一方で経済学者や政治学者などは、
資本主義が終わるような流れを真剣に予測し、検討している人が
たくさんいます。
なのでそういった話が、この質問の文脈で出てきたことが
嬉しくもあり、またもっと聞きたいと思ってしまいました(^^)
現時点でベストアンサーとしたいところですが、
前回2007年の質問からすると
もっと回答がつくと思いますし
他の意見やphjさんの補足も伺いたいので
保留させていただければと思います。
No.16
- 回答日時:
#15です。
お礼ありがとうございます。今回は蛇足です。>自分の思考を曇らせていた原因として
”技術革新がされていなかった昔のほうが労働時間が少なかった
例えば江戸時代の人々や古代ローマ人の奴隷も現代人ほど働いていない" というものがありました。
しかしながら、その頃の人は資本主義社会でないので
余剰時間で賃金を稼ぐことができず、生活の質を改善する再投資すべき手段がないために
結果的に自由時間が多かったのかもしれませんね。
資本主義時代よりも前の時代はそもそも「お金を稼ぐ」という概念が乏しかったのです。日本や欧米は貨幣経済が発達しましたので、そうでもないのですが、資本主義以前の農業を基本とした農本主義は、貨幣経済とは折り合いが悪く、その代り封建主義(君主主義)と非常にマッチしていました。農本主義と封建主義は社会の両輪だったのです。
農本主義とは土地から上がる収益を元に積み上げた社会制度です。基本は「たとえ収穫が少なくても種もみを守らないと、翌年に種が撒けない」というところにあります。そのため収穫が少なく餓死者が出ても、種を残して来年撒くための強権が必要になったのです。来年の種がなければ確実に全員が餓死するからです。
ここに貨幣制度が入ってくると、非常に困ります。なぜなら貨幣は農業のように不安定で過酷な労働をせずとも、賃金が入ってくるからです。その賃金で農作物を買えば、生活ができてしまうので、封建君主がどれだけ頑張っても農民が「商人になる」と言えば、農業が衰退していってしまうわけです。
このようなことが起こらないように、君主は(日本なら幕府が)商業を規制したのです。日本だと徳政令などで借金をゼロにして商人側に損失を全部押し付ける、ということも行われました。またヨーロッパでは土日の商売を禁止したり、ギルドを作って新規参入者を抑制したりしました。ヨーロッパの説明では「日曜日は神にささげる安息日だから仕事はしない」とされていますが、実際にはこういう為政者側のニーズもあったのです。
こういう部分があるので、封建時代の商人やその店で働く人々は町人とよんで、労働者とは分けているのです。労働者というのは「自分の体以外の資本を持たない人」であり、資本家は「財産や土地など自分の体以外に投下できる資本を持つ者」だからです。
こういう時代背景ですので「長時間働けばものすごく儲かる」というものでもなかったといえますし、また機械がはいっていない医療も確かではない時代に「体を壊せば終わり」でもありましたから、ムリな長時間労働はしなかったといえます。また海運なども風が悪ければすぐに難破して犠牲がでますので、風待ちで何日も港に泊まっていることがあり、近代に比べれば相当にのんびりしていたと言えるでしょう。
ただ、この方法はあくまでも中世の特徴です。古代はまた別の様相があります。特に奴隷制は奴隷を馬や牛などの使役動物と比較して投入し、利益を上げることが行われていましたし、それが経済学的に重要なテーマであったようですから、馬車馬のように働かされて死んでいった奴隷もたたいたことでしょう。
しかし、資本投下の動きとしては近代と非常によく似ていた、と言われています。
ということで、近代以前の労働は近代後の「資本投下と利益の関係性における時間労働」とはまったく別の原理でしたので、そこは切り離して考えるほうがいいと思います。
回答、ありがとうございます。
新しい視点を得た、というよりも
新しく学ばせていただいた、といった感じです。
農本主義と封建主義は社会の両輪だった、という言葉も
この議論の文脈でなかったら(私は)理解できてなかったと
感じてるので、とても感謝してます。
今回、質問させていただいた意図として
「なぜ劇的な技術進歩で生産性が向上してるのに労働時間は劇的に減らないのか?」を
・(2007年の回答を元に)より明確に理解したい
・AIなどの科学進歩、およびベーシックインカムなどの社会構造の普及が進んだことでの
新たな可能性を知りたい
の2つにおいて特に私の興味が高かったのですが
その両方においてphjさんから知りたい部分や
自分の抜けていた側面を教えていただいたので
ベストアンサーにさせていただきます。
他の方の回答をしていただいた方も
本当に参考になりました。
ありがとうございました。
*補足の説明をしていただいたこちらNo.16ではなく
質問に対しての直接的な回答のNo.11を
ベストアンサーにさせていただきます。
No.15
- 回答日時:
#11です。
お礼ありがとうございました。補足も拝見しました。まず資本主義の歴史についてです。
資本主義は産業革命とほぼ同時期に起きた出来事であり、実は資本主義と民主主義は深い関わり合いがあります。
なぜなら資本主義を成り立たせるには「資本を自由に投下する自由と資本または投下した利益を完璧に自分の財産として保持する権利」が必要だったからです。君主制などで「あの大商人は儲けすぎだから、君主令で財産を奪おう」なんてことができたら、資本主義は発達しません。啓蒙主義的民主主義と資本主義は、現代的な社会運営の両輪なのです。
そして実は、産業革命以降の資本主義についても、かなりの変更が為されています。産業革命時の資本主義と現代の資本主義はかなり異なる様相なのです。特に違うのは「社会福祉政策」であり、一般的に富の再分配と呼ばれる機能になります。
一例をあげれば健康保険でしょうか。先進国の中で唯一国民保険制度を持たないアメリカは、民間保険に入ることができずに医療費で破産する人も出てきたり、独占的に薬を供給する企業が薬価を突然何倍にも引き上げたりすることができるようになっています。
しかし、これでは労働者(同時に消費者)は生活が安定しません。そのために、多くの国では保険制度を確立して、富の再分配を行っているわけです。アメリカが破たんしないのは、貧しい国から移民を常に受け入れているからです。
アメリカが産業革命時代の資本主義に比較的近いとすれば、日本を含めた多くの国の資本主義はかなり変更されたいわゆる「修正資本主義」ということになります。一口に資本主義と言っても、この300年の間にかなりの変化があったのです。
労働時間についても実は同じで、産業革命の頃は年齢制限もないし、労働時間に縛りはないし、そもそも労働者の権利というものがありませんでしたから、当時は働きたいなら何時間でも働けましたし、逆に強要されて働く人も多かったといえます。
ですから「労働時間の短縮」というのは、そもそも資本主義的な労働環境にあっては、どれほど生産性があがっても「関係ない」ものなのです。労働時間を短縮するためには、労働者が権利を経て、法律的にまたは社会福祉的に強制するしかない、というものなのです。
これを究極的に逆転させようとしたのが共産主義だったわけですが、結局失敗したのはご存知の通りです。
これからの資本主義は、どうなるのか、と言う点について、様々な意見があります。有名なのはアルビン・トフラーの「第三の波」です。トフラーは1980年代に「今後、第三の波として情報革命による脱産業社会(情報化社会)がやってくる」と予言しており、実際に1990年代からのIT革命など情報化社会が始まっています。
情報化社会というのは、ほとんどの人が誤解しているのですが、ITのことではありません。情報化社会というのは「情報そのものが価値を持つ社会」と言う意味です。
分かりやすくいえば、ユーチューバーです。彼らが作りだしているのはまさに「情報」です。ピコ太郎だって、フレーズだけみればそれほど面白くないともいえますが、ジャスティン・ビーバーがツイートしたということで、一気にひろがったわけです。そのため、億を数える再生回数を誇り、ピコ太郎には数千万単位のお金が入るでしょうし、テレビにも引っ張りだこになっているわけです。
このほかにも「ハイブリッド車」などの情報でモノが売れるという構図があります。ハイブリッド車は経済原則からすればオカシイ、とだれも気がつきません。なぜなら、ハイブリッド車と同じ車格のガソリン車との価格差を見れば、ガソリン価格が倍にでもならないかぎり、ハイブリッド分の費用がペイしないからです。しかし「環境問題」とか「燃費がいいから」という理由が「かっこよい」となって、ハイブリッド車が売れていくわけです。
まさに現代社会、特に日本は「生み出された情報をどんどん消費していく社会」であるといえます。
ここにAIやロボットが生まれるとどうなるか。
ここからは予想ですが、まず「情報を生み出さない産業はロボット化されていく」でしょう。そして人間はそこに付加価値としての情報をつけることが仕事になっていくでしょう。たとえば、なんの変哲もない鉛筆にキャラクターを印刷して販売すること、印刷自体はロボットがするにしても、キャラクターは人間が生み出し、それを「情報」として流通させるために多くの人の手を使うようになるわけです。
実は日本ではすでに起きている現象ですが、欧米などはこれからそれがおきるでしょう。
AIは「人間が新しい情報を生み出す」ためのツールになっていくと思います。
実際に起きていることですが、医師が診断をするのにAIを活用することで診断の精度を上げることができるようになってきています。しかし医療行為そのものは人間の医師が患者と面談し、顔色や話を聞いて治療方法を決めていくやり方は当面変化が無いでしょう。
しかし、AIとロボットが十分に進化し、人間の医師の経験まで再現できるようになれば、変わっていくのかもしれません。
では人間はどうなるか、というともっと「情報」を生み出す仕事をするようになるといえるでしょう。たとえばタクシーが自動化されれば運転手は必要なくなりますが、その代り空港タクシーには案内ガイドなどが常駐するようになるかもしれません。バスも運転手は要りませんが、車掌として人間が乗車するのは残るでしょう。
飛行機はAI操縦がサポートすることで、人間の操縦士が一人で乗務することになっていくかもしれません。(実際に昔は航空機関士という役割で3人乗務でしたが、機械についてはコンピューター診断ができるようになったために、20年ぐらい前から2人乗務になっています。)その代り、LCCなどがさらに発展して、航空機の便数が今の倍ぐらいになってもおかしくありません。そうなればCAはものすごく増えることになります(給料基準は下がります)
こういうように、社会としては一つの産業が終わると、別の新しい産業や付加価値の変化した業態が生まれて、労働者はそこに吸収されていくのが常なのです。そして人間は、サービス業的な労働者と、頭脳または行動で新しい付加価値を生み出す情報労働者(クリエイター的な仕事)に分かれていくでしょう。
ですから、AIによる労働参加が始まると、「労働」と言う考え方は本質的な変化が迫られると思います。サービス業は時間で区切った労働でしかありませんが、情報労働者は人間の行動や思考から生まれる情報を生み出す仕事になるため、時間をかければよいものができる、または時間が長ければ大量に作ることができる、というものではないからです。
この変化はゆっくりと、たぶん100年単位で変わっていくものだと思いますので、私や質問者様が生きている間の変化は小さいと思います。
しかし100年後の人が今の私たちの仕事を見た時に、私たちが戦前の仕事をみたときに感じる「野蛮性」や「不合理性」を感じるのではないか、と思います。戦前は建築現場などでヘルメットも被らなかったし、炭鉱労働やトンネル掘削などでは常に一定の犠牲者が想定され、価格に反映されていたからです。
当時は、労働というか「命の値段」が賃金にふくまれていたのです。そこから労働者が「労働の質」を勝ち取ることで命は保障され時短も進んでいった、というのが実際の歴史であるといえます。
ですから、もしかすると電通の労働法違反事件は、情報労働者の労働のあり方を示しているかもしれません。なぜなら電通はまさに「情報を作りだすことで価値を生み出している会社そのもの」だからです。
電通に労働監督署が入ったことで「電通は強みを失った」と語った人がいるそうです。朝から晩までつねにクライアントに対応できる労働環境ではなくなったから、だそうです。
であるならば、これから多くの人たちが「情報を作りだすこと」に従事する社会になればむしろ「労働時間はもっと長くなる」ということになるのかもしれませんよ。
本当にわかりやすく、参考になりました!
自分の理解を深め、確認する事も含め
印象に残った個所を書かせていただきます。
産業革命以降の、資本主義の変化に関して私の理解は
”変化していってるんだろうなぁ→どう変わったかはよく分からない” という状況でしたが
・今から考えると野蛮で不合理な部分を含めての労働賃金であったために
"労働時間の短縮"より、それらの解消が優先された
→以前は労働者の権利や福祉制度がなかったので、そういったもを充実する社会構造に変化した
ことが、すっきり理解できました。
自分の思考を曇らせていた原因として
”技術革新がされていなかった昔のほうが労働時間が少なかった
例えば江戸時代の人々や古代ローマ人の奴隷も現代人ほど働いていない" というものがありました。
しかしながら、その頃の人は資本主義社会でないので
余剰時間で賃金を稼ぐことができず、生活の質を改善する再投資すべき手段がないために
結果的に自由時間が多かったのかもしれませんね。
また、機械化およびAIにとって代わられる労働→今後求められる労働に関して
"「情報」を生み出す仕事をするようになる"というお話、
そして
"人間は、サービス業的な労働者と、
頭脳または行動で新しい付加価値を生み出す情報労働者(クリエイター的な仕事)に分かれていく"
という話は、とても腑に落ちました。
まず前者ですが、
専門職で人間が行うものとされてきた労働、例えば医療診断や会計監査なども
AIのディープラーニング等で、人間の専門家以上に効率的・短期間・低コストで行える
つまり代替や縮小していく可能性が出てますが、
それらは”高度な情報処理"ではあっても、
情報を生み出す仕事ではないですね。
もちろんAIにクリエイティブを求める研究もありますが
順番としては、高度な情報処理が先になるので
専門職に診察、監査などの情報処理は代替されても、
情報を生み出す仕事はしばらく先まで人間が行いそうですね。
さらに後者の、今後増えていく労働に関して
クリエイター的な仕事だけでなく、
"サービス業的な労働者"というところが
自分にとってとても新鮮でした。
柔軟な対応が求められる接客や
より人間らしいつながりを提供するサービスが今後より求められそうですね。
回答、ありがとうございます!
No.14
- 回答日時:
No.4です。
「技術の進歩を促しているエンジニア=労働者が ”時間のある豊かな生活を送りたい、多くの人が時間のある豊かな生活になって欲しい”と願っていたとしても、
経営者もしくは経済の仕組み・社会の仕組みが変わらないと難しいということでしょうか(^_^;)」
→その通りですね。
例を挙げてみます。
一般の認識では、上場企業の経営者(役員)は非常に優秀だから出世したということです。
しかし、実態はかなり違います。
自分が優秀だ、周囲の人間よりも有能だ、ということを際限なく求めている人間たちなのです。
そのために猛勉強して最高峰の大学や、一流会社を目指し、出世に邁進します。
そういう人間たちは、自己の業績を上げるために生産性を追及します。
その方法は部下に際限ない労働を強いることなのです。
そのために、コンピュ-タ・システムも利用します。
そういう世界なので、労働者が楽になることはありません。
いや、楽にしてあげようなどとは、そもそも考えていないのです。
No.13
- 回答日時:
補足読みました
生産性が向上した(ココ)→生産が増えた→需要が増える→
仕事が増える(ココ)→設備投資をする→生産性が向上する→、、、
これを4000年間やってるだけです。思いつくまま書いたから
このサイクルは抜けている所が有るかもしれません
産業革命以降技術が飛躍的に向上したので産業革命前と
後で明らかな差が有る様に見えるだけです
地球の総人口が緩やかに上昇傾向だったのもそういう事です
追記
質問内の期間が10年、例が日本に関する事
で補足のような回答は得られません
回答が偏るのは当然でしょう
本当に欲しいAが有るなら質問内容は吟味しましょう
No.12
- 回答日時:
生産性が上がると顧客の要求も上がる。
昔ならOKだった品質や納期やコストパフォーマンスでも、今では許されなかったりするでしょ?
それに答えようとしたら…ね。
ありがとうございます。
技術の進歩で、余剰になった資源が再分配され
企業のサービスや品質、納期やコストを改善し
社会全体の質の向上に、ているということですね!
社会全体(おもに国家や企業でしょうが)が
労働時間の減少よりも、そっちを望んでいる
労働者に選択させている、っていったところでしょうか。
たぶん、それが主流(多数派)としての
モデルケースになっているのでしょう。
なので例えば
「働く時間は30%減らして、お金で買える利便性は我慢するので
減った賃金分の自由時間が欲しい」
といったカスタマイズ、細かい調整は
しづらいのかもしれないです。
そういう細かいカスタマイズが出来るマッチング
サービスが出てくるといいのですが・・・
No.10
- 回答日時:
技術革新で生産性が向上するのは設備(自動化設備)を使ってモノを作る工場です。
つまり自動車産業のような限られた業界だけです。店舗や事務所など人手で作業をする仕事(ソフトウェアを含むサービス業など)では、技術革新による生産性向上は大したことがありません。日本に仕事を求めてきた中国人は、日本の仕事ぶりを知って、とても能率が悪い(ダラダラと働いている)と意外に思ったそうです。
実際、日本の生産性を国際比較するとOECD加盟34ヶ国の第21位で、とても低いんです。生産性が向上しない理由のひとつは、物価変動(上昇)に追い付かないからで、向上よりもむしろマイナスになっています。生産性は能率だけを見てもダメで、周囲の状況(物価など)との差し引きで決まります。
労働時間が劇的に減らないのには、別に理由があります。いま日本の国際競争力は大きく落ちており、1990年代初めまでは世界第2位でしたが、その後はジリジリと落ちはじめ、2000年には坂道を転がるように低下し、いまや世界第27位です。シンガポール、マレーシア、台湾には完全に負けており、韓国や中国にも抜かれつつあります。
こうなると、より少ない賃金でよりより多く働かさないと、国際競争力のある製品(サービスも含む)が作れません。国際競争力とは言っても、安くてよい製品が海外から国内になだれ込むようになると、国内の問題でもあるんです。
会社が正社員を雇うと景気が悪くなっても簡単にはクビに出来ません。景気(仕事量)を見て正社員の数を調整できないんです(たとえばアメリカはレイオフできます)。しかも正社員には賃金以外に各種の休暇制度、各種の手当、社会保険費、通勤交通費、等々多くの経費がかかります。正社員を一人雇うと賃金の2倍の費用がかかる、と言われています。
ですから、会社にとって正社員の数は仕事がもっとも少ない(いちばんヒマな)状態でちょうどよいようにし、仕事量が増えれば目いっぱい残業をさせてこなす(正社員は増やさない)のが得なわけです(少々の割増し賃金を払ってでも)。仕事量が完全にパンクしそうになると、いつでもクビにできるパート・アルバイトなどの非正規社員を使うわけです。
日本の高度成長期には社員がいくらいても足りず、社員確保のために有給休暇や育児手当などずいぶん社員を優遇し、(低成長期に入っても)それが既得権になってしまいましたし、簡単には正社員をクビにできない社会制度もできてしまいました。つまり労働が硬直化し過ぎているんです。なので、経営者はなるべく正社員は雇わず、目いっぱい残業などをさせて仕事をこなそうとするわけ。
回答、ありがとうございます。
日本の生産性を国際比較するとOECD加盟34ヶ国の第21位で、とても低い
というのには驚きました。とても参考になりました。
No.9
- 回答日時:
一言でいえば、競争社会だからです。
生産性が向上しても、それは他の企業も
同じですから、競争の厳しさには変わりは
ありません。
まして、現代はグローバル化して、人件費の安い
途上国とも競争するようになりました。
競争に勝つためには少ない人数で、沢山の
利益を上げる必要があります。
だから生産性が向上しても、仕事の厳しさは
変わりません。
グローバル化で更に厳しくなりました。
回答、ありがとうございます。
資本主義社会であれば競合他社に勝たねばならず
企業の存続、成長、拡大のためには
余剰資源の再投資が必要、ということですね。
なので、競争の厳しさは一定のまま
労働者の労働時間もそれに伴い、あまり変わらない
というのは納得です!
競争社会にある企業、
そして国際競争を増したい国家としては
そちらを望むのかと思います。
一方、いち労働者いち国民として考えたときに
それらに追随する人たちが多数派というのは
ちょっと怖いなぁって個人的には思ってます。
もちろん
「より稼いで、利便性を享受したい」という人もいると思いますが
「競争とか金銭的な豊かさより、もっとラクをしたい」
と望む人は、個人の感覚からいうともっと沢山いるように感じます。
他のお礼のコメントにも書いたのですが
”もうちょっと仕事の時間を減らしたい”っていう
ちょうどいいポイントで生活を維持するのって
難しい社会システムのように感じてます。
現行の多数派であるフルタイムの労働条件で働くか
パートタイムといった、それよりもガクンと下がる条件になる
ように思えます。
パートタイムとフルタイムとの階段差が大きいので
その階段が非常に小さくなってシームレスに選べる、
調整できる、という働き方があればいいのですが。
*このあたりのこれまで出てきている解決策として
地域通貨やワークシェアリングなどでしょうが
私自身があまり詳しくない上に、
それほど流行っているように思えない
→上手く行っているように思えない、ので割愛します。
No.8
- 回答日時:
日本の職場が技術の導入に関して遅れているからです。
それが、労働生産性において日本が下位となっている理由です。
技術が進歩して、その技術を職場へ取り入れた国は労働生産性が高くなり、労働時間も短くなっています。
技術が進歩しても職場や仕事に技術を入れ、仕事の方法を変えないのであれば、労働時間が変わるはずがありません。
回答、ありがとうございます。
日本の職場が技術の導入に関して遅れていたり
労働生産性において日本が下位なんですね。
知らなかったので、とても参考になりました。
調べてみます。
No.7
- 回答日時:
私が子供の頃は、2010年は夢のような世界でした。
結局、思い描いた通りにならなかったのは、伸びる前に足の引っ張り合いがあったり、富が新興国に行ったり、怠けたり、同業者が現れ効果が分配されたりするからだと思ってます。
基本的に人口が増えると増えた富は薄く分配されます。
回答、ありがとうございます。
私も、”子供の頃は、2010年は夢のような世界” を思い描いてました!!
手塚治虫や藤子不二雄の未来予想を
本気で信じてました。
なので、
”まだ車が空を飛んでないの!?”と驚いてます。
人口が増えると増えた富は薄く分配される、という視点は
なかったので、なるほどと思いました。
グローバル化によって経済圏での人口が増え
富の分配範囲がより多くの人になりますね。
安い労働力を求めて、海外の労働力を利用するということは
経営者のコストダウンにつながるだけでなく
海外労働者に富が分配される、というのもその一つかもしれません。
技術進歩で生産性が劇的に向上しているのに
享受しているメリット(生活の質の向上、労働時間の短縮)はソコソコなので
見合ってない→消えている富はどこに行った?
と思ってたのですが、
グローバル化という形で海外など新たに増えた人口に
再分配されていると考えると、精神衛生上 とても救われます!
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たくさんの方から回答をいただき、ありがとうございます。
いずれも本当に参考になりました。
私の質問が拙く、前提が不足していると感じたので補足します。
なぜ劇的な技術進歩で生産性が向上してるのに労働時間は劇的に減らないのか?
という質問ですが、
これまでいただいた回答を読むと
前提として(日本が、この数十年で) というニュアンスで伝わっていると感じました。
私も明記してなくてすみませんでした。
質問の前提として、日本に限定とは考えてませんでした。
改めて考えて明記させていただくと
国:先進国、大国と言われる国々。日本の他、米英仏露中独印加豪、欧州各国など
期間:産業革命以降ですが、特にこの100年間(1915-2016)
という前提で、回答いただけるとありがたいです。
日本で考えると、確かに
「海外の安い労働力が入ってきて厳しくなったから」という意見も納得です。