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趣味で物理を勉強中です。
これまで幾度か質させていただきます。

専門的に勉強した方からすれば、くだらない質問カモですが。

アインシュタイン方程式を解くことは、

計量、(計量テンソル?) を求めることと同義なんでしょうか?

シュヴァルツシルト計量、ロバートソンウォーカー計量 云々。

なんか今ひとつピンとこないのですが。

A 回答 (3件)

私は一応、それなりに専門的に勉強して学位論文も書いた者である。



回答であるが、仰る通り、アインシュタイン方程式を解くことはつまり、それを満たす計量テンソルを求めることである。
その真空解がシュヴァルツシルト計量に、角運動量をもつ解がカー計量に、という具合である。

>なんか今ひとつピンとこないのですが。
何がピンとこないのか、もうちょっと説明して下されば、解決できることもあるかもしれないのだが…。

とりあえず、複雑な計算などのせいで方程式の意味を見失ってしまう、というのであれば、ある意味それは当然のことである。アインシュタインはこの方程式を、テンソル計算の性質から洞察力をもって推定した、とのことである(後に、変分原理からも導けることが示され、理論的根拠を得た)。そういういきさつなので、それをいきなり「はい、そうですか」と素直に受け入れるのは困難だと思う。
一応、一般相対性理論は、水星の近日点移動とか重力レンズ効果とかの観測結果が、理論値に充分一致することから理論としての正当性を得たものなので、今しばらくは「根拠はある」と信じて、根気強く付き合っていただけたらと思う。

なお、アインシュタイン方程式を解くことと、その解を分析し解釈することは、別の話である。
方程式が腑に落ちなくともそれから独立して、シュヴァルツシルト計量からブラックホールの様子を考えるような、計量の解釈を考えることはできるので、初めは解釈に専心してもよいかもしれない。
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この回答へのお礼

ご丁寧な回答ありがとうございます。

教科書では、大体アインシュタイン方程式の説明から、理想化された
シュヴァルツシルトのブラックホールの説明になって、飛躍してるように
思えてしまうような気がしてました。

シュヴァルツシルト解が、ある程度、条件付、理想化されて
求められているのが、気になっています。
方程式が複雑なのでそうじゃないと解けないのでしょう。

そんな理想化されて出された答えから、ブラックホールの存在が
予測された。というのがまたピンときません。

現実と理想の差異を考えると、ブラックホールって本当にあるのって思ってしまいます。

それでも観測と理論がピタリとここまであう、
一般相対論を考え出したアインシュタインって偉大なんですね。

とんちんかんなことを言ってるかもしれません。
恐縮です。

(私の専門がもともと流体力学なんで、実験と理論は合致してもそこそこって感じなんで、
流体力学より、一般相対論の方が理解するのが大変だけどシンプルだなとも思います)

お礼日時:2017/06/14 02:13

>シュヴァルツシルト解が、ある程度、条件付、理想化されて


>求められているのが、気になっています。
>方程式が複雑なのでそうじゃないと解けないのでしょう。
これも全く仰る通り。アインシュタイン方程式の厳密解は、ごく少数しか知られていない。
もっともこの事情は、古典力学で最初に落体の運動を計算するとき、初めから初速度だの空気抵抗(粘性)だのは考えないようなものと同じなのではないか、と思う。流体力学が専門なら、ここからどう方程式を現実に合わせていくのかはご存じだろう。しかしその過程で、状況によってはどうしても近似計算せざるを得ないことも起こる。
それと同じ事情が、天文学にもあると思っていただければよい。周期的に光(X線などの不可視光も含む)の強さが変化する天体がいくつも知られているが、これを2つの巨大な天体がお互いを振り回しているなどと考え、この様子を相対論で計算する、みたいなことがある。しかしこれは、もちろん厳密に解けるとは限らない。むしろ、正確には解けないと思って、コンピュータでできるだけ高精度の解を求めようと考えるのである。

>そんな理想化されて出された答えから、ブラックホールの存在が
>予測された。というのがまたピンときません。
これも、アインシュタインですら初めからは受け入れられなかったという話で、結局そんな天体が実際に観測されるのを待たねばならないものだったのだろう。今では、はくちょう座X-1と呼ばれる天体のX線を放射する様子や、銀河系の中心方向に流入したり放出されたりするガスの様子の観測データが、それらをブラックホールと仮定したときに得られる理論値でよく説明されるとされている。これが現在、ブラックホールが存在することの主な根拠になっている。
とは言え、本当にブラックホールがアインシュタイン方程式から導かれるようなものなのかと聞かれれば、私はおそらくまだ違ったものに違いないと思わざるを得ない。ホーキングの洞察に始まるブラックホールの蒸発の問題や、そもそもの重力の量子論の問題が解決されたとき、ブラックホールのより正確な実像がそこに示されるはずだからである。

>それでも観測と理論がピタリとここまであう、
>一般相対論を考え出したアインシュタインって偉大なんですね。
たしかに、相対論のみならず、量子力学にも少なからぬ貢献をした(さらに、当時第一線の学者をまとめラッセル=アインシュタイン宣言を提示した)アインシュタインは、本当に偉大だろう。
ただ、あえて言えば、それでも今の物理学者は彼を超えていかねばならない。そして思いつく限りでは、ファインマンは比肩する偉大さだろうし、ペンローズやホーキングも後世にそう語られうるのではと思う。弦の理論の端緒となる論文を記した、南部もそうだ。

>恐縮です。
私こそ、貴方の疑念にそぐわないことを記しているのではと危惧しているのであるが…。
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この回答へのお礼

丁寧なご回答ありがとうございます。
相対論の教科書で、あの美しいアインシュタイン方程式の後に、
いきなり ds= 云々 の計算が出て来て、
ブラックホールがの議論になるのが、なんか腑に落ちない感じでした。

それとうまい表現が見つかりました。

あまりにも理想化されて、単なる数学のお遊びに見えてしまうのです。

ブラックホールは流体でいうナヴィエストークスの方程式ではなく、
現実はベルヌーイの定理で見たいな感じなのかも。

十分私の疑問にご理解されています。

ありがとうございます。

お礼日時:2017/06/14 20:35

>あまりにも理想化されて、単なる数学のお遊びに見えてしまうのです。


という貴方の感覚は、物理学はもちろん、化学・生物学・経済学などに現れる数学モデルを扱う上で、とても貴重なものだと思う。というのも、研究者の中には、理論の美しさに惚れ惚れするあまり、それがどれほど現実を反映したものなのかという肝腎な問題に無頓着な人がしばしばいるのである。超弦理論など、いつもそこを突かれ批判されてきたものだ。経済学などはどうやらもっとひどい状況で、全然経済活動の現状を表現できていないまま、政党や企業の御用学者ばかりが幅を利かしているというように、話には聞くのだが…。
閑話休題。もっとも一般相対論は、先に説明した天文学上の理由で、ほぼ正しいと見なされている理論である。それを一旦は(より正確な理論が現れることも考え、程々に)信じて、教科書を読み進めて頂ければと思う。今はピンとこなくとも、学び続ける内に、心の底から納得することはできずとも、少なくとも妥協ならできるようになるのではないだろうか。
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この回答へのお礼

度々の回答ありがとうございます。
おっしゃる通りです。

趣味で物理を勉強している私にとっては、
私自身、数学のお遊びが楽しいんだと思います (^ ^)

ふと、以前読んだ、ホイジンガーのホモルーデンスを思い出しました。

ホーキングは超弦理論も納得できず、妥協したのかもしれませんね。
もちろん、私なんかのレベルとは意味が違うでしょうが。

大分昔ですが、ペンローズは熱力学、量子力学、相対論以外の
昨今の先端理論物理学をあまりというか、ほとんど認めてもいなかったのも
思い出しました。数学のトリックじゃダメだと。
(不完全、もしくは消えてなくなると。20年以上前のNHKスペのアインシュタインロマン
という番組、おそらくご存知かと)

ありがとうございます。

お礼日時:2017/06/15 01:23

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