
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
奨学金は「子の借金」ですから、本人の借金を親が返済する事になりますので、その返済額について、親が本人に「貸付する」か「贈与するか」で法律関係が変わります。
親子間では民法によって相互扶養義務がありますので、子の教育費を親が負担することには贈与税はかかりません。何千万円の教育費を親が負担してもです。
しかし、子が奨学金を借りて、学費に使われても、親が奨学金の返済資金を支払うことは、教育費の負担として贈与税非課税とはなりません。
子の単独の法律行為によって生じた借金の返済を親が負担した場合において、それを贈与税非課税としたら、本来相続税の補完税として存在する贈与税の目的を失くしてしまうからです(※)。
1 親が子に貸付する(そのお金で子が借金を返済する)。
金銭消費貸借契約と言います。子が金融機関からお金を借りる代わりに、親から借りるだけです。
ここで、親子間の金銭消費貸借契約は実質的には贈与行為と疑われるケースが多い事を知っておくべきです。
利息の設定がない、担保がない、返済期日が曖昧であるなど。あるいは金銭消費貸借契約書の作成がなく口頭契約であるなどです。口頭契約でも契約は有効ですが、他者からみれば「親子間の金の貸し借りなど、贈与そのものだ」と言われるものです。
2 親が子に現金を贈与し、子も「貰った」と意思表示をした場合(子はこれを持って借金を返済する)。
ご心配の「贈与」です。贈与税の対象になります。
「親が返済する限り、税法上の贈与ではありません」と言い切ってる方がおられるようですが、私はこれはいかがなものでしょうか。
奨学金を返済するために、子が金融機関から借金をして返済し、その「金融機関からの借金」を親が肩代わりして返済すれば贈与行為です。
「いやいや、内容は奨学金だから、教育費用として親が負担するべきものだから贈与税は非課税だ」と言いたいところですが、これを認めていたら、成人した子の借金を親が肩代わりした場合にはすべてが贈与税非課税になってしまいます。
子が事業を始めて作った借金でも「もともとは、奨学金を返済するために借金が必要だった」と言う理屈が通るとすれば、きりがなくなってしまいます。
それでは相続税の補完税としての贈与税の存在意義がなくなってしまいます。
おそらくはですが、税務署長は贈与だと認定するはずです。
3 税務署は知りうるのか。
税務調査官があなたの家のなかに監視カメラをつけてるわけでもなく、一年中「預貯金の動き」を見つめてるわけでもありません。
相続で得た現金を子に贈与して「これで奨学金を返済しな」としても、まずわからないでしょう(※2)。
しかし「税務署にはわからない」という事と「贈与税がかからない」という事とは別物です。
贈与を受けた者に贈与税の納税義務があり申告義務があるので、親が子に「このようなお金には贈与税がかかるのだ」と納税の義務を教えることも教育ではないでしょうか。
※
親が金を残して死亡すれば子に相続税が発生します。これを節税するために、親が生前に子に現金を渡してしまえば良いわけです。相続税法では、このような「相続税逃れのための資産減らし」を防止するために、贈与税をもうけて、生きてる間の資産の譲渡に贈与税をかける事になってます。
この辺りは、ご質問者も充分承知のことでしょう。
※2
税務署が発見するのは、贈与者が死亡して相続事案になった場合です。
相続税調査では生前の預金の動きが最低でも5年間は調査され、被相続人の子の預金も同様に調査されます。これをきっかけに生前の贈与行為が発覚し、贈与税の無申告、および死亡3年前の贈与財産の相続財産への加算などが指導されます。
「まだまだ、死ぬ年ではない」というなら、相続税調査とは縁が薄いので、預金そのものの調査により贈与が発覚することは(保証の限りではないですが)、そうそうあるものではないです。
この回答へのお礼
お礼日時:2017/12/21 18:13
詳しい説明ありがとうございます。とてもよくわかりました。
>「税務署にはわからない」という事と「贈与税がかからない」という事とは別物です。
とてもいいアドバイスをいただいたと思いました。ご回答者の人柄がしのばれます(^^)
No.4
- 回答日時:
とりあえず贈与税のかからない110万円だけ繰上げ返済、翌年に残りを一括返済。
返済手数料はかからないし、利息の方が税金よりも安い。No.1
- 回答日時:
奨学金って、高校や普通の大学までなら、学費を出すのは親の扶養義務のうちです。
親が返済する限り、税法上の贈与ではありません。
--------------------------------------------------------
「贈与税がかからない場合」
2 夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの
ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用をいい、また、教育費とは、学費や教材費、文具費などをいいます。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4405.htm
--------------------------------------------------------
税金について詳しくは、国税庁の『タックスアンサー』をどうぞ。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/index2.htm
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