こんな課題がでました。
『A,Bは日頃から甲を憎んでいてこらしめたいと思っていたところ、Cに怪我をさせてやれと教唆されて、共謀してAはナイフで甲を刺し、Bは拳大の石を顔目がけて投げたがそれは当たらなかった。しかし甲は実は血友病患者であり、それが原因で死んでしまった。A,Bは甲が血友病患者であることを知らなかったが、Cは知っており、密かに甲が死亡することを期待していた。3人の刑事責任について論ぜよ。』
A,Bは意思の連絡をしていたことから共同正犯で、一部行為の全責任、からA,Bは傷害致死罪の共同正犯、Cはその教唆犯、と私は最初思ったのですが、他人を道具のように使う間接正犯がCに当てはまるのでしょうか?間接正犯は無能力者を使った場合だけ?もし間接正犯がCに当てはまる場合のA,Bの責任はどうなるのでしょうか?アドバイスをお願いします。
No.1
- 回答日時:
Aは、確信犯で、障害罪となり、その後死亡したので殺人罪に切り替わる
Bは、共犯という事で同等の罪になるが、Aより罪は軽くなるとは思われる
Cは、甲が「血友病患者」と知っていて A、Bに対してを傷つけろと助言しているのでBより罪は重いと思う。<下手すりゃAより重い刑かも
No.2
- 回答日時:
これはかなりややこしい…(笑
A,Bは傷害致死罪の共同正犯とありますが、そこは違うかもしれません。共同実行の意思は確認できますが、二人の行為が「共同実行の事実」といえるでしょうか…二人の行為は実行行為を分担し合っているとは言いがたいかも…Bが甲を押さえていたとかなら別ですが…
実行行為の分担が認められれば、おっしゃるとおり傷害致死罪の共同正犯でよいと思われますが、認められなければ、単なる同時犯になりますよね?その場合はAは傷害致死罪の共同正犯(?)で、Bは暴行罪の単独正犯ということになるかもしれません。
間接正犯は無能力者を使わなくても成立します。看護婦と医者とか。
問題はCに正犯性があるかですよね?通説的な間接正犯論の立場からでもこのような事例では教唆犯になります。血友病だとわかっていても、「ナイフで刺せ」とか「血を出してやれ」とかいってないですので正犯性は認めにくいんですよね
但し、通説的な立場からすると、およそ意のままには利用できない他人の意思的行為を介在させた場合(Aがナイフで刺すとかBが石投げるとか)は、すべて間接正犯ではなく、教唆犯とすべきことにならざるを得ないという反対説もあります。発生結果を第一次的に帰せられるべき主犯者であれば間接正犯は成立しうるというものです。
怪我をさせろと教唆することが、客観的見地から、およそ甲が怪我をして血を流すであろうことが推測できるのであれば、Cは「殺人罪の教唆犯、あるいは間接正犯」が成立しうることになるでしょう。この場合、実行行為の分担が認められれば、A、Bは「傷害致死罪の共同正犯」になります。(但し、殺人と傷害致死でいいのかどうか…)
認められなければ、「傷害致死罪の共同正犯(自信なし・教唆された側は共同正犯?)と暴行罪の単独正犯」になるのでは?
殺人罪を構成できない場合、Cは傷害致死罪の教唆犯、若しくは間接正犯。A、Bの実行行為の分担が認められれば、共に「傷害致死罪の共同正犯」、認められなければ、Aは「傷害致死罪の共同正犯」Bは「暴行罪の単独正犯」。でしょうかねえ…(笑
自信はないですが、普通に考えて「怪我させろ」って血でますよねえ…^^:(笑)相手が血友病患者で「怪我させろ」だったら、甲が死亡した場合、条件説、相当因果関係説両方から見ても殺人罪が妥当な気もしますが…う~んどうでしょう(笑)
Bの石があたってないところから、共同実行の事実、実行行為を分担し合っていたかどうか、と同時犯を論じさせる意図があるのでは?単に共同正犯だけのことであれば、当たってても問題ないでしょうし、それこそ巨大な石じゃなくてもいいわけですし…当たってたら共同正犯でしょうから。(自信なし)^^:
Cが殺人罪の教唆犯、でA、Bは場合分けするが一番妥当なトコだと思われます^^このへん論じとけば何とかなるでしょう^^:
頑張ってください^^¥
No.3
- 回答日時:
#2です。
「怪我させろ」は血がでるでしょ(笑)ってとこ読み返して思ったんですが、Cは殺人罪の教唆犯って書きましたが、「間接正犯」の可能性の方が高いですかねやっぱり^^;論じろって無理に答えだす必要ないですから、色々ひっくるめて論じるのがいちばんです^^;
では頑張ってください^^\
No.4
- 回答日時:
度々すみません。
#2です。わかりました!(多分)これはCが殺人罪であれば間接正犯で、傷害致死罪であれば教唆犯なのでは?
殺す故意が認められれば、明らかに道具として使ってますから、教唆犯はあり得ないかもしれません。殺人罪であれば、間接正犯とすればA、BとCの犯罪が違うことも納得いきます。
傷害「致死」罪で間接正犯だと法律構成が難しい気が…殺す故意が認められなかったわけですから、ただ単に「怪我させろ」で、教唆犯ということで…^^;
あまり自信はありませんが参考にはなると思われます…なるかなぁ…^^;
では頑張ってください^^\(笑)
No.5
- 回答日時:
A,Bに共同実行の意思(甲に怪我をさせてやろうという傷害の意思)が認められるとしても、A,Bらの行為と結果の発生(甲の死亡)との間に因果関係が認められないと傷害致死罪は成立しません。
Aはナイフで甲を刺したというのがどの程度の行為なのかよく分かりませんが、通常人なら出血多量で死亡することがない程度の怪我なのに、たまたま甲は血友病のため、血が止まらなくて死亡したような場合、果たして因果関係を肯定すべきなのかということです。また因果関係を肯定するとしても、傷害致死罪のような結果的加重犯の場合、重い結果の発生につき行為者に過失が必要かどうかも検討するべきでしょう。仮にAの行為が、傷害致死罪になるとしても、結果的加重犯について共同正犯が成立するかも検討する必要があります。
Cの罪責については、上記の因果関係が認められないとした場合、Cは甲が血友病であることを知っていたのですから、Cとの関係では因果関係を肯定すべきだとすると、共犯者によって因果関係があったりなかったりすることになりますが、それについても言及する必要があるでしょう。
Cの罪責については、殺人既遂罪の間接正犯が成立するかどうかが問題となります。A,Bには、傷害罪の故意はありますが、殺人罪に関しては故意がないのですから、その点に着目すれば故意のない行為を利用していると見ることも不可能ではありません。その点を論述してみて下さい。
お礼遅くなって申し訳ありません。ありがとうございました!
因果関係については私は条件説をとりABの行為に因果関係ありとする立場で取り組みたいと思っています。
やっぱりCを教唆犯にしたらABに対して罪が軽いように思えるんですよね…。Cは間接正犯の線で検討してみたいと思います。
ありがとうございました!
No.6
- 回答日時:
#2です。
ピンときました(笑)今回はちょっと自信ありです^^Cは殺人罪の間接正犯で、A、Bは傷害(致死)罪の共謀共同正犯です。当該事例では、「共謀して」とあるので、例えBの石が当たってなくても、「共同実行の事実」があるといえます。これは判例で、二人以上の者がある犯罪を犯すことを共謀したうえ、一部の者が実行行為を行ったときは、直接実行行為に加わらなかった者も含めて、共謀者の全員に共同正犯が成立するとしているからです。
但し、傷害致死罪について判例は、被害者の死亡につき、行為者に過失があったことを不要としているので、当該事例ではA、Bは傷害罪の共謀共同正犯になる可能性もあります。通説では責任主義の観点から過失を不要としているので、傷害致死罪が適用されるでしょう。
色々論じておいて、このような結論にもっていけば大丈夫だと思います…(多分)^^;
長くなりましたが、頑張ってください^^
No.7
- 回答日時:
#2です^^;下の文章おかしかったので訂正します。
「但し、傷害致死罪について判例は、被害者の死亡につき、行為者に過失があったことを不要としているので、当該事例ではA、Bは傷害罪の共謀共同正犯になる可能性もあります。通説では責任主義の観点から過失を不要としているので、傷害致死罪が適用されるでしょう。」
↓
「但し、傷害致死罪について判例は、被害者の死亡につき、行為者に過失があったことを不要としているので、当該事例ではA、Bは傷害致死罪の共謀共同正犯になります。通説では責任主義の観点から過失を必要としているので、傷害罪が適用される可能性があります。」
No.8
- 回答日時:
A,Bは傷害致死の共同正犯で、Cは殺人教唆じゃないでしょうか。
趣味で刑法の本を読んでいるだけの素人ですが、設問に教唆と書いてあるのに間接正犯に持っていく蓋然性が考えられません。
モノの本によると間接正犯には、正犯の意思という主観性と、被利用者の行動を一方的に支配・利用しているという客観性の両方が要件とありました。
主観性については殺人の未必の故意がありますが、客観性の要件が不足と思われます。
別件、A,Bを結果加重犯の傷害致死とするのが相当かどうかははっきりした根拠はありません。他の方の回答を参考に検討してみて下さい。
がんばれー!
応援ありがとうございました(*´ー^`)ゞ
アドバイス参考にしますね。間接正犯の構成要件って、正犯の意思の主観性と被利用者の行動を一方的に支配・利用している客観性が必要なんですね。頑張ってまとめてみます、ありがとうございました~!
No.10ベストアンサー
- 回答日時:
ABが傷害致死の(実行)共同正犯として責任を負うことはよろしいのではないでしょうか。
問題になるとしたら、被害者が血友病患者であったことから、行為と結果の相当因果関係(要求するか、するとしてどの立場に立つか)の有無についての検討でしょう。
そして、Cの問題点は、勿論、間接正犯ですが、殺人罪での検討になると思います。
その際、問題となるのは、故意のある他人を利用する場合、典型的な意味での間接正犯(他人を道具として利用する場合で、道具が自ら利用されているとは思っていない場合)とは違うわけですから、その点で、果たしてCを間接正犯として「評価してよいのかどうか」、ここが出題者側で聞きたいポイントだと思います。
課題に対しては、この部分の悩んで考えたという過程が示されていることが、点数を与える場合の分かれ目となります。
結論が仮に間違っていても、それは気にしなくていいのです。もちろん、間接正犯は責任無能力者を利用する場合には限りません。
私でしたら、仮に道具者に故意があっても、傷害の故意を持っているだけであれば、殺人の未必の故意を持っている他者との関係では、「一方が利用される、他方が利用する」関係がそこに成り立つ。よって、他人の故意行為を利用する場合でも、利用する側は正犯であって、共同正犯の行為をとおして殺人の間接正犯が成立するとしても矛盾するところはない、とします。
Cを殺人の間接正犯とする場合、ABについては、いずれでもいいでしょうね。ABに血友病の不知、予見可能性なしとして、傷害限度としても説明はCとの関係では、バランス的には結論としてあってもよいです。
もちろんも他の結論、推論でもいいと思います。要は、悩んで考えている過程を示すことがポイントです。
すごく参考になりました。
どうしようかと悩んでいたのですが、『結論が間違っていても気にしなくていい、悩んで考えている過程がポイント』との言葉で本当に気が楽になりました。
ありがとうございました(*´ー^`)ゞ
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