坪井先生の「幾何学Ⅱ ホモロジー入門(東京大学出版会)」にある「張り合わせて得られる空間」の定義が分かりません。ページでいうと、p.79になります。転記しますと、・・・・
「定義 3.1.1 空間対 (X,A), 連続写像ϕ : A −→ Y について、Z = Y∪ϕX を次 のような位相空間として定義する。直和X∪Y 上の同値関係∼をx ∈Aにつ いて、x ∼ϕ(x) となるような最小のものとして定義し、Z =(X∪ Y )/ ∼と おき、商位相をいれる。Z = Y∪ϕX を X を Y に(X と Y を)ϕ : A −→ Y で貼りあわせて得られる空間と呼ぶ。φを張り合わせ写像あるいは接触写像と呼ぶ。Y −→ Z は単射で像への同相写像あり、 これにより、Y ⊂ Z と考え、空間対(Z,Y )が定義される。また、X\A −→ Z も単射で像への同相写像である」。
ここで、よく分からないのが、直和X∪Y 上の同値関係∼の定義で、「x ∈Aにつ いて、x ∼ϕ(x) となるような最小のもの」として定義するという部分です。同値関係をどのように定義しているのか分かりません。特に、ここでいう、最小とはどうゆうことでしょうか。Aの元とYの元の間に、大小関係(直和X∪Yが順序集合?)があるということでしょうか(この質問自体に、大きな思い込み間違いがあるかもしれませんが)。簡単な例を挙げて、説明していただけると助かります。
よろしくお願いいたします。
No.1
- 回答日時:
同値関係は「同じとみなす関係」です。
直和X∪Yの要素aを考えると、aはXの要素またはYの要素ですよね。
別の要素bを考えたとき、たまたま、b=φ(a) であったとき、これを同じ要素と考えようということです。
「最小のもの」では、同じとみなすのはb=φ(a)のときだけで、b≠φ(a)の場合は、aとbを同じとみなさない ということでは?
まず、回答していただいたことに感謝いたします。
この手の質問に対して、なかなか回答を頂けることがないので、
本当に感謝しています。
usa3usaさん、ありがとうございます。
No.2
- 回答日時:
>直和X∪Y 上の同値関係~として、不完全だと思います。
張りあわせるノリシロ以外の直和X∪Y 上の点xに対し、
ϕ(x)=x
とϕを拡張すればよいだけでは?
確かに、usa3usaさんのNo.2の考えだと、辻褄が合いそうな気がします。
もしかしたら、まだ自分の理解とusa3usaさんが言われたことに相違があって、
自分の理解が誤っているということがもしかしたらあるかもしれませんが、
急に視界が開けて気がします。
言葉で表現するのは難しいですが、
なんかとても気持ちが清々しいです。
繋がりが見えなかったものが、急に繋がりだして、
抽象的な数学の定義が、あたかも血の通った生き物のようにそこら辺を走り回っているように感じられてきました。
分からないことが分かるって、とても楽しいことなんですね。
数学は難しくて、辛いことが多いと思っていましたが、
数学をやっていない人に、
数学は分かることの快感を感じない過ごすなんてもったいないと言いたくなりました。
本当にありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
著者に手紙かメールを出して質問すればよいと思います。
住所が分からなかったら、手紙を出版社に送って、
著者の方に伝えてもらえばよいと思います。
外国の著者は、すぐに返事を書いてくれます。
日本の著者は少し時間がかかります。
なお、定義の書き方としては
〜 を定義するのに 〜 を使っているので、
定義の仕方としてはだめだと思います。
uyama33さん、回答、ありがとうございます!
このような質問にも、複数の方から、回答いただけたことをうれしく思います。
実際に、著者の方に、直接、質問するという方法ですね。
消極的な私には、思いつきませんでした(外国の著者だと、相当勇気がないとできませんが)。
なかなか勇気がいる方法ですが、疑問を解決するには有効な方法の一つですね。
ありがとうございます。
ここから下は、この質問、回答を見られた方にも向けての情報でもあります。
今回質問させていただいた坪井先生が書いたこの教科書は、東大の講義をもとにして書かれたもので、その坪井先生の講義も映像として、東大数理ビデオアーカイブスで一般公開されています。(ちなみに、URLは、http://www.ms.u-tokyo.ac.jp/video/index.html)
他の坪井先生が書いた幾何学Ⅰ、幾何学Ⅲについても同様です。(ただ、幾何学Ⅰ:多様体論の講義については、だいぶ前に撮影されたものなのか映像があまり良くないです)
内容が、あまり数学に詳しくないあるいは、得意でない人にも、議論が負えるように、親切な内容になっています。
ただ、今回質問した部分については、講義でも触れられていなかったので、質問させていただきました。
質問に答えていただける方がいるのか分からなかったですが、回答していただける方がいて、有難く思っています。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
>抽象的な数学の定義が、あたかも血の通った生き物のようにそこら辺を走り回っているように感じられてきました。
良かったですね。でも話は逆ですよ。
数学的な何かの概念、今回は「張り合わせて得られる空間」というのを思いついた人の中では、非常に具体的な生き生きとして活動的なイメージがあります。これを、他の人がわかるように、数学の言葉で表現したのが
定義
だと思います。
定義として言葉にすることで、思いついた概念に付着した雑念がはぎとられて、
数学としての美しい姿
が浮かび上がり、思いついた人の手を離れて、万人の財産になるといった仕組みと思います。
<おまけ>
別の書物の定義を読んでみるのも、理解を助けるのに役に立つと思います。
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変な記号が混ざっていました。正しくは、「定義 3.1.1 空間対 (X,A), 連続写像ϕ : A → Y について、Z = Y∪ϕX を次 のような位相空間として定義する。直和X∪Y 上の同値関係∼をx ∈Aにつ いて、x ∼ϕ(x) となるような最小のものとして定義し、Z =(X∪ Y )/ ∼と おき、商位相をいれる。Z = Y∪ϕX を X を Y に(X と Y を)ϕ : A → Y で貼りあわせて得られる空間と呼ぶ。φを張り合わせ写像あるいは接触写像と呼ぶ。Y → Z は単射で像への同相写像あり、 これにより、Y ⊂ Z と考え、空間対(Z,Y )が定義される。また、X\A → Z も単射で像への同相写像である」。
①同値関係について、この定義(1)でよろしいでしょうか?
「空間対 (X,A), 連続写像ϕ : A → Y について、Z = Y∪ϕX を次 のような位相空間として定義する。直和X∪Y 上の同値関係∼をx ∈Aにつ いて、x ∼ϕ(x) となるような最小のものとして定義」・・・(1)
任意にとってきた2つの元について、反射律、対象律、推移律という3つの関係を満たせば、その定義した関係のもとでは、その2つの元は同じとみなすという発想だと思います。
そして、その同値関係により、空間を分類する(同値類を考える)ことがやりたいことだと思います。
直和X∪Y 上の同値関係〜といった場合には、直和X∪Yの任意の元dに対して、定義されている必要があると思います。しかし、c∈X\A(≠Φ)については、同値関係〜が定義できていません。直和X∪Y 上の同値関係~として、不完全だと思います。どうでしょうか
つまり、定義の「x ∼ϕ(x) となるような最小となる」とは、xと定義して同値関係~のもと、等しいと考えるのは、唯一ϕ(x) だけということでしょうか?