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タイトルにあるとおり、酸と塩基、酸化と還元、酸化剤と還元剤の性質が混同してしまってなかなか覚えられません。酸化性物質とは自分が酸化する?相手を参加させる?酸化って何?といったように、整理できません。それから、酸化は酸素と化合するといったり、水素イオンを失うといったり、電子を失うといったり、色々な言い方があるのですが、1つでは説明がつかないのですか?

A 回答 (2件)

単に「酸化」というのは誤解のもとです。

「酸化する」と「酸化される」は逆の意味です。それどころか、「酸化する」というのは「還元される」と同じ意味とも言えますし、「酸化される」も「還元する」と同じ意味になります。だから、「する」「される」を厳密に区別して使う必要があります。「酸化する」のが酸化剤の役割です。

>この反応において炭素は"酸化"しているそうです。
これは間違いです。その反応において炭素は酸化されています。結局それも、「する」「される」の区別を厳密に行なっていないことからくる間違いでしょう。
その反応において、CH4のCの酸化数は-4であるのに対して、CO2のCの酸化数は+4になっています。したがって、Cの酸化数は増加したことになり、そのCを含むCH4が酸化されたことになります。Cの酸化数に関しては共有結合をしている相手の電気陰性度の代償と結合の次数(単結合、二重結合、三重結合)から計算します。わかりにくければ、
酸素が左辺で単体であることに注目して、「酸素と化合する」という観点から考えても構いません。

>ここからなぜ、酸化が酸素を得る反応、水素を失う反応 といったように覚えればいい、という1つの反応例を用いた説明(初等的な考え方)がでてくるのかです。
それは単純な話です。すなわち、酸素は2番目に電気陰性度の大きい原子ですので、電気陰性度が最大であるフッ素と結合するときと、O-Oの結合があるとき以外には、結合相手よりも電気陰性度が大きくなるので、-2の酸化数を持ちます。したがって、単体の酸素O2やO3が反応すれば、相手がF2などでない限り、結果的にそれ自身の酸化数が減少し、相手の酸化数が増加することになります。これは相手を参加したことになります。
Hの場合には逆に電気陰性度が小さいので、単体の水素が反応を起こせば、生成物中のHの酸化数は+1になることが多いというわけです。もちろん、Hよりも電気陰性度の小さい原子は金属原子など、何種類もあり、それらと結合を形成した場合には上述のようにはなりません。しかし、『高校レベル』でそういう反応が扱われることはほとんどないでしょうから、結果的に単体の水素が反応する場合には、ほとんど例外なく何かを還元していることになります。
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この回答へのお礼

私は基本的な知識が乏しいので、1行1行理解するのに時間がかかりました。

なるほど!電気陰性度と酸化数の変化の関係がわかってきました。酸素やフッ素は電気陰性度が高い(水素は低い)ので、そのために ”酸化させる” ”酸化される” の説明に資することも納得できました。

電気陰性度は、HとCは結構近いように感じるので、きちんと覚えないといけないなぁと思いました。そして、初等的な(=高校の化学のような)有機化合の範囲であれば登場する原子を考えると、電気陰性度として
  H < C < N < O
くらいで覚えておけばよく、金属の燃焼の範囲までカバーしようとすると
 (金属)< H < C < N < O
くらいで覚えておけばいいのかなと考えました。もっとも、C < N < O の部分は第二周期なので順序は周期表から明白ですが。

回答をいただき、とても理解が進みました。

お礼日時:2019/10/01 13:49

常識で考えればわかりそうなものですけどね。


(相手を)酸化するのが酸化剤で、(相手を)還元するのが還元剤。
そもそも、酸とか塩基とか、酸化剤とか還元剤というのは、その反応における「役割」であり、相手が特定されなければ、どれであるかなんぞ判断できません。

酸化とは、反応相手の酸化数を大きくすること。それが全て。その結果として、相手から電子を奪うことになります。そして、その際に、酸素と化合することもあるし、水素を失うこともある。もちろん、そのどちらでもないこともある。なぜなら、「酸素と化合する」とか「水素を失う」というのは定義ではなく、反応例の一つに過ぎないから。

物事がわからないという人は、定義の重要性を認識していない人です。定義に立ち返って考えなさいということになります。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

2つのもの同士の「役割」によって形成される概念という考え方はわかりやすいです。

酸化数ということばを初めて耳にしたので、調べてみると、そこから酸化と還元の定義にたどり着きました。以下、「酸化数/Wikipedia」より抜粋。
>酸化数とは、対象原子の電子密度が、単体であるときと比較してどの程度かを知る目安の値である。1938年に米国のウェンデル・ラティマーが考案した。
>酸化とはある原子が電子を失うことであるから、単体であったときより電子密度が低くなっている。それに対して還元とはある原子が電子を得ることであるから、単体であったときより電子密度が高くなっている。

こうしてみると、酸化と還元は電子の得失が定義になっているんですね。意外だったのは「酸素と化合する」とか「水素を失う」というのは定義ではなく、反応例の一つに過ぎない、という視点です。酸化と還元は酸素原子の授受が基本のように思えていたので、酸素や水素では酸化還元の定義は説明できないということが驚きです。化学で酸化還元をどんなふうに教わったっけ?定義を大切にする、肝に銘じたいと思います。


次に具体例で確認しようとしましたが理解が難しいです。インターネット検索をかけるとメタンの燃焼の例が紹介されていました。

CH4 + 2 O2 → CO2 + 2 H2O

この反応において炭素は"酸化"しているそうです。もちろん酸化=酸素を受け取る反応 という定義であれば理解は簡単です。酸化=水素を失う反応 という定義であっても理解できます。

でも・・・
酸化=電子を失うこと という定義ではどう説明されるかというと、電気陰性度により、CH4において共有されている電子は炭素原子にひっぱられているので C は電気的に-4、CO2では共有結合の電子は酸素に引っ張られるため C は電気的に+4、結果的に C の酸化数は -4 から +4 に変化していて、電子を失った(酸化数が増加した)ので、C は酸化された、と考えられる。丁寧に考えれば、そうだなぁと思える。

ただ、ひっかかるのは、ここからなぜ、酸化が酸素を得る反応、水素を失う反応 といったように覚えればいい、という1つの反応例を用いた説明(初等的な考え方)がでてくるのかです。

お礼日時:2019/09/30 23:30

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