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百人一首、ひさかたの光のどけき春の日に しづこころなく花の散るらむ」の修辞とジャンル教えてください!

A 回答 (1件)

百人一首の33番、紀友則の和歌です。


出典は古今和歌集・春・84。
詞書(ことばがき)は「さくらの花の散るを詠める」

現代語訳:
こんなに日の光がのどかな春の日に、どうして静かな(落ち着いた)気持ちもなく、あわただしく花は散るのであろうか。

語釈・技法:
この歌を口ずさむと、流れるような感じでことばが出て来て覚えやすいと思いませんか?
それは、
ヒさかたノ ヒかりノどけき ハるのヒに しづこころなく ハなノちるらむ
と、ハ行音が初・二・三・五句の頭にあり(頭韻を揃える)、それにノの音が配されて、声調を美しく整えているためです。これにより、覚えるともなく、音のつながりでことばが出て来るように感じられます。

ひさかたの:天体に関する枕詞で、天(あめ・あま)、空、日、雲、雨、そして光を導き出します。
76番の和歌では、
わたの原 こぎ出でて見れば ひさかたの 雲ゐにまがふ 沖つ白波
では「ひさかたの→雲」を導いています。
しづ心:主語は「花の心」であって「人の心」ではありません。
散るらむ:「らむ」は推量の助動詞。現在の事象について「何故散っていくのであろうか」と原因を推量(推測)しています。
光のどけき春の日←→しづ心なく花の散る:「のどかな春の日」と「しずかな気持ちなく花が散る」の対比によって、「春の日」と「落花」が見事なコントラストを描き出しており、歌の流麗さを醸し出しています。
このような優美さを持つ和歌の姿は古今和歌集の一面でもあります。
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