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京より下りし時に、みな人、子どもなかり(き)。
(き)を、けりに直すのはなぜですか?
どちらも終止形ですよね?

質問者からの補足コメント

  • けりで正解でした。

      補足日時:2020/04/29 15:39

A 回答 (2件)

「き」は実体験、「けり」詠嘆的回想という違いはあります。

ここは、土佐に向かったときは子供は誰も居なかった、と事実を確認するのが主目的です。その事実を確認の後、しかるに上京する今は召使いには子供がたくさんできてるにもかかわらず、自分たち夫婦は土佐国で子供を亡くした悲しみを抱えている、と続けて悲嘆に暮れるわけです。
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意味を確認する前に,助動詞「き」・「けり」の活用形と接続をおさらいしましょう。


(未然形/連用形/終止形/連体形/已然形/命令形の順になっています)

「き」 :(せ)/○/き/し/しか/○
「けり」:(けら)/○/けり/ける/けれ/○

助動詞「き」・「けり」はどちらも連用形接続なので,
直前には必ず動詞の連用形があります。見分けるときの参考にしましょう。

どちらも過去を表す助動詞の「き」・「けり」ですが,実は意味に違いがあります。
それぞれの助動詞の意味について,もう一度確認してみましょう。
「き」 :a)直接過去(~た)
「けり」:a)間接過去(~た)   
b)詠嘆(~だなあ) 分かりやすい特徴として,助動詞「けり」には詠嘆の意味もあります。

和歌・俳句の句末に用いられている「けり」は,高確率で詠嘆の意味で用いられています。
しかし,ここで特に注目したいのは過去の用法です。

よく見ると,「き」は直接過去,「けり」は間接過去となっていますよね。
実は,同じ過去の出来事でも,自分で直接経験したかどうかで「き」「けり」を使い分けるんです。

直接経験したことは「き」,他人から見聞きしたことは「けり」で表されます。
『平家物語』に,この助動詞「き」・「けり」の違いを上手く使い分けたエピソードがあります。

反平家の立場を取って信濃(現在の長野県)に流罪にされていた大納言は,
罪を許されて京へ戻ってくると,法皇のところへ挨拶に行きました。
この大納言は和歌や音楽の才能があることで都では有名な人だったので,
法皇は久しぶりに会った大納言に「一曲聞きたいから何か歌ってくれ」と言います。
大納言は自分が流されていた信濃についての歌を歌ったのですが,
その中にあった「信濃にあんなる木曽路川(信濃にあるという木曽路川)」というフレーズを,
「信濃にありし木曽路川(信濃にあった木曽路川)」と言いかえて歌いました。
大納言はついこの間まで信濃にいたので,もちろん木曽路川を自分の目で見ています。
彼は,自分の境遇に合わせてとっさに歌詞を替えたんですね。この機転には法皇も大満足でした。

いかがでしたか?今回のポイントは以下の通りです。

・助動詞「き」・「けり」の違い=意味が微妙に異なる!
 →「き」 :直接過去(自分が経験した過去の出来事)
  「けり」:間接過去(他人から見聞きした過去の出来事)、詠嘆(和歌でよく用いられる)

さっき紹介した平家物語の大納言のエピソードのように、
古文の中には助動詞「き」・「けり」の違いを理解していないと内容が掴めないものがあります。
「過去」でひとくくりにせずに、それぞれの意味をきちんと覚えましょう!  

https://tyottojuku.com/study/%e5%8f%a4%e6%96%87/ …

✔ 花の色は移りにけりないたずらに わが身世にふるながめせし間に

この和歌では、(自らの美しさにも見立てて)桜の花の色は色あせてしまったなあ、
と「詠嘆」の気持ちを表現しています。詠嘆とは深い感動という意味です。

✔ 「ただこの西面にしも、仏据ゑたてまつりて行ふ、尼なりけり」

光源氏(=嵐の櫻井翔のイメージを持つとよいです)が病気になり、
山奥の寺で加持祈祷をしてもらったときのことです(今なら病院ですが、昔は加持祈祷が普通)。
夕方に暇つぶしに近所の立派な家をのぞくのですが、予想に反して尼さんがいたため驚いているところです。
(訳)仏道修行する尼であったのだなあ。

✔ 助動詞「けり」には、間接体験(伝聞)過去と詠嘆がありますが、これは現代語の「け」に近いものです。
「これ去年海の家に行って夕日見た時の写真だよ」「そんなこともあったけ……」
これは友人から聞いて(伝聞して)、いま久しぶりに思い出し深い感動(詠嘆)を覚えている表現です。
このように「けり」には、
(1)他人から聞いた過去の話、
(2)感動したの片方または両方を備えています。
一方、「去年海の家に行って夕日を見た」の「た」は、
直接体験の過去ですから古文では「夕日(夕陽)見き」と書きます。

✔ 「けり」=①間接体験(伝聞)過去 ②詠嘆、「き」=直接体験

難関大ではこの知識で主体(主語)判別などをさせることが、まれにあります。

✔ 主人公が全国各地でナンパをする武勇伝である伊勢物語は「昔、男ありけり」で始まることで知られます。
作者は「男(通称昔男)」と直接会ったことはないとわかります。

※昔男(イケメン)は、何と伊勢神宮でお勤め中の皇族女性(斎宮)をナンパします。
「二日といふ夜、男われてあはむといふ」とあります。
わずか2日目で、今夜そっちに行ってもいいだろ?と無理強いします。
今でいうと壁ドンでごり押しする雰囲気です。
夜、斎宮の方から昔男の部屋に訪れますが、古文では女性が動くのは珍しいことです。
なぜ?と思う人は、文学部が向いているかもしれません。

✔ 過去の助動詞き・けり、完了の助動詞つ・ぬ・たり・り は、
現代語では全て助動詞「た」に集約されてしまいました。
昨日食べた(過去)、今知った(完了)、ブレイクした芸人(存続)。

✔ 過去の助動詞「けり」は、現代語の「け」に似た要素があります。
「これ去年海の家に行って夕日見た時の写真だよ」「そんなこともあったけ……」 
間接体験(伝聞)かつ詠嘆の意味を持つわかりやすい事例です。
助動詞「き」があくまで過去に視点を持つのに対し、助動詞「けり」は現在に視点を持つことが特徴です。

✔ 「あおげば尊(とうと)し」に出てくる、「♪互いに睦みし 日頃の恩」は過去の助動詞「き」の連体形です。
「ありし日の面影をしのぶ」も同様。現代語に痕跡が残っています。

※謡曲や浄瑠璃は「そもそもこれは……」で始まり、「……の浦に着きにけり」などで締めることが多くなります。
このことから終わらせることを現代語で「けりをつける」と言います。

✔ 花の色は うつりにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに

ながめせしの「し」は過去の助動詞 き の連体形です。
接続は連用形。しかしながめせしの「せ」はサ変動詞 す の未然形のようです。なぜなのでしょう?

✔ 「き」の接続は正確には次の通りです。入試上はほぼ不要の知識です。
連用形接続。ただしサ変、カ変には未然形につく場合がある。

✔ 世の中に たえて桜の なかりせば 春の心は のどけからまし
なかりせばの「せ」は過去の助動詞「き」の未然形ですが、
過去というよりも反実仮想(英語の仮定法)の用法と言えます。入試上はほぼ不要の知識です。
桜のなかりせば(=桜がもしなかったとすれば)、という反実仮想の用法は、
英語ならIf it were not for “Sakura”(a cherry tree),となります。
日本語、英語の壁を越えて事実に反する過程には過去形を使うことが分かります。

https://受験.net/kobun-ki-keri-1018
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