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200万円ぐらいの小型車の場合、2割ほどのコストアップがあってもHV化する事で、環境負荷が下がり、かつ一定距離以上走行すればTOCも下がると言われています。

ところが2,000万円以上の大型車両は、2割ほどのコストアップでHV化する事ができても、そのメリットがないからトヨタグループの日野自動車の車両でさえHV化率が低いままです。

小型車だと環境に良くて尚且つ費用対効果が出るのに、大型車両は費用対効果が出ないのはどういう理由でしょうか?

自動車工学など、工学の専門知識のある専門家の方より、大型車両で効果が発揮できない理由をご教示いただければ幸いです。

A 回答 (3件)

№2です。


 ご質問頂いた様なので。

>路線バスは・・・

 路線バスは、EV化のトライが始まっています。
https://www.mlit.go.jp/common/001265924.pdf

 EV技術では、日本初のEVスクーターヤマテES600や、インホイールモータによる4WDの新日鉄NAV、東電IZA、慶應大の8輪EVエリーカなどの設計・製作でも有名な、東京R&Dがシンクタンクとして関与しています。
http://ev.tr-d.co.jp/case_studies/list/evbus.html

 ちなみに。

※都市交通の路線バスは、都市部の環境問題の為に『内燃機関そのものを廃止する』必要があります。バスメーカーも自治体も、HVは『一時的なもの』という認識で、最終的な目標はあくまでもEVです。

※定積走行が少ない路線バスは、1日の走行距離も正確に判るので、バッテリは最小に出来ますが、実は・・・通勤・通学時間帯では『大幅な過積載』で走行しています。(200%もの過積載になることもあります。ホントなら完全に道交法違反ですが、ケーサツも路線バスは取り締まっていません。)
 乗心地向上や入念な振動・騒音対策の為に構造から専用設計となる観光バスとの違いがここで、故に路線バスでは、中身が殆どトラックと同じです。(路線バスは耐久性第一で設計されています。)
 この『過積載』走行がEVでは結構過酷で、『定積が少ない』『走行距離が限られている』というメリットが生かし切れていません。(日野のハイブリッド『Hi-MR』は、この過積載での動力をEVで補助して省エネに結び付けるものでした。)

 知り合い、というかワタシの弟子の一人ですが・・・現在バスのEV化の最前線にいるエンジニアがいますが、彼によると『市場不具合続出』『現状では「社会実験」の域を出ていない』とボヤいていました。

※トラックでもバスでも乗用車でも、市販車の開発では入念な耐久実験が不可欠ですが、バスメーカーは『試しに作ってみた』的なスタンスの様です。
 国交省の思惑とは裏腹に自治体のEVバス導入計画は流動的で、バスメーカーも『実際に安定した市場が形成されるのか?』『開発に投資して、回収出来るのか?』決めあぐねている様にも見えます。

※都市部だけでなく地方でも、独自にEVバスを走らせているところが増えましたが(沖縄はEVバスが多く、また気仙沼では、大震災で廃線となった鉄道の線路を舗装してEVバスを走らせたりもしています)、路線バスの場合は(あまり予算が無い)自治体の税金の行方も絡んでくるので(民間バス会社でも、路線バスは公共交通です。予算や法規の修正、道路の施設などで公的な補助が必ずあります)、なかなか『おカネをかけて一気に普及させる』というところまでいかないんでしょう。

 で、ここから先は、また私見ですが。
 EV路線バスは、技術上の問題の他に、社会的・政治的な部分にもハードルがある様なので、短期間での普及は難しそうです。
 それでも、技術的な問題は解決されつつあるので、『大型車』の範疇の車両では、最初にEV化するのは路線バスになるような気がします。
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この回答へのお礼

なるほど。

流石にご専門の分野ですね!
大変よくわかりました。

BEVや水素燃料自家発電EVなど、超高額なソリューションに飛びつく前に、車両価格の2割アップで出来るハイブリッドバスを数万台単位で生産して、BEV実用化までの期間でも環境対策が進むと良いですね。

有難うございました。

お礼日時:2021/01/23 09:58

クルマの研究者です。


 といっても、別にEVの専門家というワケではありませんが、40年弱の研究者生活の中で、3回ほど(年数的には計10年弱ぐらい)EVの研究を担当しました。まぁ、結構『片手間の研究』って感じでしたが。
 またEV研究の最初は’86年、最後は5~6年前なので、『最新の技術動向に詳しい』というワケでもありませんが。

>工学の専門知識のある専門家の方より、大型車両で効果が発揮できない理由をご教示いただければ幸いです。

・・・かなり長い話になってしまいますが・・・それでは。

※まず予備知識として。
 トラックは、当然ですが1回で輸送出来る量が多い方が、輸送コストが下げられます。
 つまりトラックのユーザーは、可能な限り沢山の荷物を積みたいワケですが、一方道路側は、設計上の最大荷重が決まっています。(それ以上の荷重のクルマが走ると、設計上の耐用年数よりも早く、舗装が割れたり橋が落ちたり・・・ということが起こります。)
 この総重量基準は道路によって違いますが、一級道路では単車(連結部のある牽引車でないもの)で20~25t辺りが限界となっており、これ以上の車両は、原則として法律で走行出来ません。(だから過積載のトラックを厳しく取り締まっているワケです。過積載でブレーキが効かないとかカーブで横転し易く危険ということはありますが、道路側も『痛みが早くなる』という問題があります。)

※トラックは、概ね積載可能な荷物と同じぐらいが車体の重量になりますが(10t積ならクルマは10tぐらいで総重量が20t、という感じ)、総重量が決まっているなら、積載量を増やすにはクルマ本体を可能な限り軽量に作るしかありません。
 ここまでが予備知識です。

※さて。
 モータは、回転数が低いところ(発進や低速)や走行抵抗が大きいところ(登り勾配)では、同じ電圧でも流れる電流値が増えます。(モータは、概ね電圧=回転数、電流=トルクになります。大トルクが必要な状況では、自ずと大電流が必要になります。)

※バッテリの性能は、エネルギ密度(重量当たりどれほどのワット数を持っているか)とパワー密度(単位時間当たりどれだけのワット数が取り出せるか)で考えますが、電流値が大きい状況では、エネルギ密度よりもパワー密度が重要になります。

※大型トラックは元々稼働コストが高く、走行中はなるべく基準一杯の荷物を積んだ状態(定積と言います)で走行する様に、輸送スケジュールが管理されています。定積ならその分運送費が収入になりますが、荷物を積まない状態(空荷と言います)で走行しても、おカネがかかる一方です。
 つまりトラックでは、常に設計上の最大負荷に近いところで走行しているワケで、その為、バッテリはパワー密度を考慮して搭載する大きさを決めなければなりません。

※バッテリは、パワー密度を増やす分、大きく重くなります。
 例えば1tのEV乗用車を単純にスケールアップするだけでは10tのEVトラックにはならない、ということです。(単純なスケールアップよりもバッテリがずっと重くなります。)

※次に、ディーゼルエンジンとEVの、重量当たりのエネルギを比較すると。
 同じエネルギ量が取り出せるとすると、ディーゼルよりもバッテリ+モータ+ドライバ(強電での制御BOX)の方が、どうしても重くなります。

※HVなら発電出来るから、バッテリがショボくても大丈夫?
 そうはいきません。比較的低出力でダラダラ使う方法(高速道路を一定速で走り続ける様な状態)だと、取り出せるエネルギは小さくてもよいので、ショボいエンジンとショボいバッテリ&モータでも大丈夫ですが、積載状態で加速したり登坂したりするには、瞬間的なトルク≒パワー密度が必要なので、バッテリやモータで手を抜くワケにはいきません。
 その場合は、トヨタのHV方式を使ってエンジンで駆動すれば、バッテリやモータは小さくてもよい?
 これも、そうはいきません。それならエンジンをもう少し大きくして、バッテリやモータを全廃した方が軽くなります。

・・・トラックは総重量が決まっていて、輸送コストを下げる為には(積載量を増やす為には)クルマ側を可能な限り軽量化しなければなりません。
 現状のEVやHVでは、ディーゼルに十分対抗出来るほど軽量には作れない、という話です。

 尚、最後に余談ですが。
 乗用車の燃費は、通常1名乗車+荷物ナシで計測します。また乗用車では、定員一杯乗車して使う機会は、それほど多くありません。
 EVやHVに乗られている方でも殆ど話題にしませんが、定員乗車(その車両の、設計最大重量)での燃費といいますか一充電走行距離は、かなり悪化するのではないか?っと思われ、またバッテリもパワー密度が要求されるので、その分長持ちしないと考えられます。(バッテリは、パワー密度が問題になる様な短時間での放電を行うと、寿命が急激に縮まります。)

 ここから先はワタシの個人的見解ですが。
 フルサイズ(いわゆる大型)のトラックがEVやHV化するのは、法規で強制されるか(今のところ、例の『2030年』宣言でもトラックやバスは除外されています)、或いはパワー密度に長けた新たな超軽量バッテリが開発される必要がある(現状のリチウムイオン電池でも、まだ不足です)、と考えています。
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この回答へのお礼

なるほど。

それでは「定積」で運転することがほとんどなく、都市部の低速走行が中心の路線バスで、一台2000万円のところ、400万円分でHV化し、燃料勝利率を半分に削減し、20年使用するケースで初期投資を回収することはできませんか。

東京ではかつて日野製のHybridバスが走ったことがありましたが、現在では見られなくなり、遥かに高価な水素燃料自家発電バスがどんどん導入されています。

路線バスで(特に民間バス会社で)HV化が進まない原因もご教示いただければ幸いです。

お礼日時:2021/01/22 23:14

どんな車両でも単純に車両価格の二割増しなんでしょうか?


違うと思うが・・・・・・

リチウムイオン電池は搭載量に比例しても
モーターとか制御システムは車格どうだろうが、極端にかわらんでしょ

モノによって違うが、ざっくり40万円~60万円程度でないのプラスアルファ分は
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この回答へのお礼

自動車工学など、工学の専門知識のある専門家の方より、大型車両で効果が発揮できない理由をご教示いただければ幸いです。

お礼日時:2021/01/22 19:30

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