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全文全訳古語辞典
さぶら・ふ 【候ふ・侍ふ】 〔サブラ(ロ)ウ〕
最重要語
{は・ひ・ふ・ふ・へ・へ}
一 〔自動詞ハ行四段〕 《「さもらふ」の変化した形》
❶(貴人や目上の人の)お側(そば)にお仕えする。控えている。伺候する。
例「宮の御前(おまへ)近くさぶらひて、もの啓しなど」〈枕草子・五月の御精進のほど〉
訳中宮のお側近くお仕えして、何かと申し上げたりなど(して)。
❷ 《「行く」「来」の謙譲語》 (貴人や目上の人のもとに)お伺いする。参上する。
例「初夜(そや)いまだ勤め侍(はべ)らず。過ぐしてさぶらはむ」〈源氏・若紫〉
訳初夜の勤行(ごんぎよう)(=午後六時カラ八時頃ノ、仏ニ対スルオ勤メ)をまだしておりません。それをしてから(また)ここへ参りましょう。
❸ 《「あり」の謙譲語》 (貴人の)おそばにある。ございます。
例「御前(ごぜん)にさぶらふ物は、御琴も御笛も、みな珍しき名つきてぞある」〈枕草子・無名といふ琵琶の御琴を〉
訳天皇のお手許(てもと)にございます物は、弦楽器も管楽器も、皆珍しい名がついている。
❹ 《「あり」「をり」の丁寧語》 あります。おります。ございます。
例「物語の多くさぶらふなる、ある限り見せ給へ」〈更級・かどで〉
訳(都には)物語がたくさんあるということですが、(それらを)残らずお見せ下さい。
二 〔補助動詞ハ行四段〕 《動詞・助動詞「る」「らる」「す」「さす」「しむ」・形容詞型または形容動詞型活用語の連用形に直接、あるいは「て」を介して付いて》 丁寧の意を表す。…ます。…(で)ございます。
例「けふしも、かしこく参りさぶらひにけり」〈宇治拾遺・9・3〉
訳今日という今日に、ちょうど都合よく参ったことでございます。
要点
丁寧語の用法は、平安時代末期から現れ、それまで用いられていた「侍(はべ)り」に代わり、中世にかけて盛んに用いられた。後、「さむらふ」「さうらふ」と語形が変化する。なお、『平家物語』では、「さぶらふ」は女性が用い、「さうらふ」は男性が用いるというように使い分けがあり、謡曲では、「さむらふ」が女性の言葉に集中する傾向がある。
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