現在の日本国憲法が正統であることを納得できるように説明出来る方お願いします。八月革命説は全く納得できません。そもそも革命が起きたという事実もないし、法的革命という概念も意味がわからない。追認説も納得できません。そもそも追認という行為がどういう法的根拠のもとに行なわれているのか不明ですし、仮に追認するとしても帝国憲法が追認ならわかりますけど、その逆は全く理解できません。
このような理由で自分はいまだに日本国憲法無効論で思考停止というか、そこから抜け出せないでいます。
No.1
- 回答日時:
私も現憲法の立ち位置については悩んでいます。
8月革命説は分からないでもないですが、あまり筋がよくないとも思っています。という立場からの私見です。
まず、大日本帝国憲法から日本国憲法への改正手続きについて、私はこれを認めます。正規の衆議院議員によって可決成立した以上、憲法改正は為された、という立場を取ります。特に、憲法改正を行った衆議院はその前に初めて男女普通選挙を行って、国民の付託を得ている代議士たちですから、この手続きが無効であったというなら、日本の選挙制度そのものに不備がある、ということにもなります。
この点において、憲法限界説などを取る立場では「主権を変更するような改正は議会による変更ではできない」と主張しますが、その主張は間違いだと考えます。
なぜなら、フランス革命前後のフランス議会の議員の行動に「主権変更の議決」があるからで「国民の信任を得た議員で構成する議会において憲法改正を議決したなら、主権者を君主から国民に変更することは可能」であるといえるからです。
なので、私は「手続き」という点において日本国憲法は真正であると考えます。
次に問題になるのは「しかしそれはGHQの統治下での議決であり、サンフランシスコ平和条約後の独立日本国は別の国家であるはずで、果たしてそのまま引き継ぐのは是か」ということだと思います。
これについても、問題ないと考えます。
理由は「憲法に限らず、前憲法下で整備された六法がそのまま通用していること」そして、なによりサンフランシスコ講和条約に批准した日本国政府が新憲法による政府であったことです。
日本国はサンフランシスコ講和条約後の独立において新政府が樹立されたわけではないので「独立新政府に移行」という見立て自体が不正だと考えます。
で、最後に残るのがいわゆるGHQによる「押し付け憲法説」です。
ここは私も悩んでいます。だから「八月革命説」は無理筋だと思います。そもそも「革命」なのに、天皇が憲法改正を勅命し、改正した後も国家元首の地位を保持する「革命」なんてありえないと考えるからです。
ただ「憲法」の基礎とされるマグナカルタはそもそも「フランスに大敗したジョン王の責任を取らせる形で、国王の権限を制限したことによる立憲君主憲法」とされています。
つまり「他国に負けたことによる圧力」が君主の主権制限につながったのが「憲法」であるわけです。
となると、GHQの介入があったにしても、天皇が改正を勅命し、正当な選挙で選ばれた議員たちが議決した憲法改正は適正であった、と結論するのが私は正しいと考えます。
そしてなにより、戦後75年誰も憲法改正をしなかった(できなかった)こと自体が、現憲法の正当性を強くしているものだと思います。
No.3
- 回答日時:
現在の日本国憲法が正統であることを納得
できるように説明出来る方お願いします。
↑
色々な説明があります。
・明治憲法改正の手続を経ている。
しかし、これは通説である憲法改正限界論に
違反します。
・8月革命説。
御指摘の通りで、無理があります。
・あれから75年。追認されたのだ。時効だ。
しかし、追認出来る、時効になったとする
根拠が皆無。
しかも、追認された、というのであれば、追認
するまでは無効だったはず。
それで良いのか。
いや、遡及的に追認されたのだ、と反論しますが
そんなこと出来るとした、法的根拠は尚更皆無。
・制定手続はどうでもよい。
内容が重要だ。
しかし、手続重視が民主制の基本であったはず。
それに9条でも判るように中身も問題である。
このような理由で自分はいまだに日本国憲法無効論で
思考停止というか、そこから抜け出せないでいます。
↑
法的には無効ですよ。
・占領下に制定された、というだけで
主権を無視していますから無効です。
主権というのは、その国の政治の在り方を
最終的に決める権限のことです。
占領下では、その権限は占領軍にあった訳です。
つまり、今の憲法は、国民主権を詠いながら
国民主権に反して制定された訳です。
・まして、米国が作った憲法を翻訳した
なんてことに至っては言語道断です。
憲法てのは、その国の理念や価値観の基本を
掲げた法規範です。
それが外国製てのは、非常に問題です。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
>主権在民なのに、天皇が制定したことになっているという矛盾についてはどう考えられますか?
矛盾ですか?私はそうは思いません。
まず「主権在民」の意味を考えてみます。
八月革命説がなぜ出てくるのか、というと「天皇主権だった旧憲法から、国民主権になった新憲法の権力移譲について、憲法による改正では不可能で、革命的行為があったと解するべき」という認識があるからです。
つまり「主権」の移動があった、ということで、質問者様もそこに違和感を覚えているといえます。
確かにフランス型やアメリカ型の「国民主権」なら《革命》を伴って、君主を排除したこと自体が主権在民になっているわけです。
この形を取ろうとすると、八月革命説になるわけですが、私は八月革命説は無理筋だと思っています。
なぜなら「憲法」はもっと柔軟なものであり、歴史的な積み上げで作られるものだと考えるからです。
#1では、イギリスのマグナカルタで説明しました。マグナカルタ以降、イギリス国王は徐々に権力を制限する形で貴族そして国民に権力を譲り、現代では主権在民で立憲君主制の国家だとされています。
この時「主権者」を定義するのは、政治思想家ボーダンによる「立法権をもつ者が主権者である」という定義でよいと思います。
イギリスは、議会に今も貴族院が存在し、国王もいる国家ですが、立法権は庶民院が掌握しているので「主権在民」と判断されていますし、イギリスの民主主義は世界のお手本ともいわれているわけです。
以上のことを元に、日本の「主権」の在り方を見てみたいと思います。
まず「天皇には主権があったのか?」です。
日本は平安時代まで朝廷が立法権を有しており、主権は朝廷=天皇が握っていたわけですが、鎌倉時代になると天皇は征夷大将軍を任命し、将軍以下は御成敗式目を制定し軍政によって日本を統治する、という形をとりました。
この時点で日本は天皇から将軍に立法権が事実上移ったわけです。
これが江戸時代まで続き、徳川慶喜によって「大政奉還」されて明治の天皇親政が始まります。
大政奉還とは立法権の返上であったわけで、行政権や司法権も一緒でしたが、これによって明治天皇は主権者に返り咲いたといえます。
しかし、明治22年に大日本帝国憲法ができます。
この憲法が示しているのは、言葉では「天皇主権」ですが、実際には衆議院に立法権の優越を認め、その代議士は選挙でえらばれる国民の代表になったわけで、実は日本の「主権在民」はこの時点で成立しているのです。
質問者様が「主権在民なのに、天皇が制定したことになっている」という点を疑問視するなら、まずは大日本帝国憲法で国民への権力移譲が行われたことを踏まえる必要があると考えます。
実際、大日本帝国憲法における天皇の「主権」は日本国憲法とあまり違いはありません。違うといえるのはせいぜい
大日本帝国憲法の
1条が(新憲法では)国民規定になったこと
2条が皇室典範に移動したこと
8条~12条までの権限がなくなったこと
ぐらいです。
8条から12条の内容は主に二つで
①天皇は手続きに寄らないでも法律の代わりに勅令を出せること
②軍隊を率いること
です。
②のほうは、天皇主権の主体的な部分ですが、日本国憲法が9条で軍隊を禁止してしまったので、天皇の権力移譲ではなく、主権者たる国民も軍隊を持てません。これを改正しようというのが今の絹布議論の主題です。
①のほうも「天皇主権」の主体的な部分なのですが、明治天皇~昭和天皇まで勅令はいくつもでているものの、ほぼすべてが内閣の輔弼を受けたものになっています。つまり天皇が主体的に出したものではない(現行法令でいえば、各省庁の省令などと同じ位置づけ)
実際、当時の天皇の位置づけ自体が、美濃部達吉氏らによる天皇機関説を正当としているので《日本国憲法によって天皇が主権を失い国民に主権が移った》とするのは、文面ではその通りでも、実態として正しくない、と私は考えています。
また、イギリス憲法と比較したとき、大日本帝国憲法は現代のイギリス国王の権能とあまり違いはありません。イギリス国王は軍隊を率いますし、国家大権を有しています。
しかし、イギリスは「主権在民の立憲君主国家」と位置付けられていますので、なら大日本帝国憲法の時点で「主権在民」と看做していいはずなのです。
ということで、私は「そもそも八月革命なんか起きなかったし、天皇がそこまでの権力を有していないかった」と考えています。
じゃなければ、連合軍が天皇を軍事裁判に掛けなかった理由も失われます。
全体としてみたときに《占領統治下という圧力はあったものの、手続きにしても法論理としても大日本帝国憲法から日本国憲法への改正は可能だったし、手続きも適正だった》と私は考えています。
また実際のところ、天皇は今でも「国家元首」です。なぜなら大日本帝国憲法の第4条から7条までは実質的にそのままで、結局「天皇が御璽を押さなければ、日本の法律や条約は制定できない」わけで、現在は「天皇陛下の御心によって、陛下自身が立憲君主であろうと心がけている」から日本が立憲君主国としての統治で安定しているわけです。
もし今後出てくる天皇が、後醍醐天皇のように「いや、この国は天皇が直接統治する。御璽は押さない。全部勅命で俺が決める」と宣言したら、実はそれを不可とする法理は日本にはないのです。
もちろん内戦になるでしょうが、つまり武力で雌雄を消するしかない、というぐらい「天皇の本当の権力は今でも温存されている」わけで、イギリスのように貴族や国民が君主の権限を押し込めたわけではないので、むしろ「天皇陛下側から国民に寄り添って、立憲君主であろうとする努力」に国民が甘えている、というのが正しい姿です。
そういう状態である日本の「主権在民」は言葉としてはその通りですが、天皇から奪ったものでも、天皇から移譲されたものでもなく、征夷大将軍と同じように「天皇が自ら望んでその形を維持しているだけ」です。
そのように結論づけるなら「主権在民なのに、天皇が制定したことになっている」のはむしろ当然だし、日本の歴史的な統治法として必然であると考えます。
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