x,y,z直交空間において磁界が一様にzのマイナス方向を向いて一定値であるとして、正の点電荷がx軸上をプラスの方向に等速直線運動をすると、点電荷にはyのプラスの方向に力が働く。
ここまでは、分かります。
これを、点電荷と一緒に併進している観測者から見るとどうなるのでしょうか?
点電荷は静止していて、磁界全体がxのマイナス方向に移動していることになりますか?
この状態でも点電荷はyのプラスの方向に力を受け続けると思うのですが、その力は何によってもたらされると説明されるのでしょうか?
このとき磁界のベクトルはどうなるのでしょうか?
また、y方向に電界が現れたりするのでしょうか?
以上、宜しくお願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
>点電荷は静止していて、磁界全体がxのマイナス方向に移動していることになりますか?<
●その通りです。
>この状態でも点電荷はyのプラスの方向に力を受け続けると思うのですが、その力は何によってもたらされると説明されるのでしょうか?<
●磁界の運動によって、生じた誘導電界によってもたらされます。
>このとき磁界のベクトルはどうなるのでしょうか?<
●磁界は変わりません(v≪cの場合)。
>また、y方向に電界が現れたりするのでしょうか?<
●そうです。
No.7
- 回答日時:
No4補足。
教科書としてはパーセルの「Electricity and Magnetism」
もあげときます。
古典的な電磁気学の名著ですが
「磁場は運動する電荷のクーロンカの相対論的な効果である」
という話が面白いです。
電場と磁場が表裏一体で、観測する慣性系で
コロッと変わる意味がわかると思います。
3版は英語版しかないけどkindleで読めます。
ファインマン物理の「電磁気学」
太田浩一の「電磁気学の基礎2」
でもちょっと触れてますね。
元ネタは多分パーセルだと思う。
ご紹介いただいた教科書を入手して勉強してます。
ふと、思いついた疑問だったのですが、そこから新たな理解の道が開ければと期待しています。
有難うございました。
No.5
- 回答日時:
>全空間にわたって磁界が一定であることが不可能(磁界は周回していなければいけない)<
●違います。現実としては不可能ですが、理論解析として可能
です。無限ソレノイドや無限直線電流などいくらでもあります。
そもそも、周回しなければならないなんて理論はありません。
div B=0 または ∲B・dS=0 満たせばよい(有限の時は周回する
が)。
>円柱の運動の後縁では下向き一定値の磁界が急激にゼロになるので、H'ベクトルが上向きに発生し、<
●よくわからないが、「H'ベクトルが上向きに発生し、」なん
てのは意味不明です。磁界は0になるだけです。
また、磁界が急激に0となる所まで移動しなくても電界は発生し
て力が働きます。
磁界が運動すれば電界が発生すると、素直に理解すればなんの
問題もない。これが理解できなければ何を考えようと無駄です。
そんなことを考えるくらいなら、電磁界の力は E=0 として
F=q(E+v×B)=qv×B
ですが、電荷と同じ慣性系で見たときは(電荷不変を前提に)
F'=q(E'+v'×B')
ですが、v'=0 であり、力が慣性系を変えても変わらない、
F'=Fとすれば
E'=v×B
の電界が発生すると考えたほうが素直です。
No.4
- 回答日時:
電磁場をガリレイ変換する話
https://physics-htfi.github.io/electrodynamics/0 …
電磁場をローレンツ変換する話
https://eman-physics.net/relativity/lorentz2.html
要するに運動している物体の立場では電磁場は異なって
見えるということ。
教科書としては
「時空の幾何学」
でも扱ってます。
https://www.amazon.co.jp/%E6%99%82%E7%A9%BA%E3%8 …
No.3
- 回答日時:
電磁界は運動するか否かは古来(ファラデー)から議論されています。
このように不明確な概念に対しては、何をもって運動とするかの定
義を明確にしないと、いかなる議論も空しい(物理の根本である時間
のように)。
例えば、ある慣性系に固定された測定器・観測者を別の慣性系から
見たときの測定器・観測者の運動を電磁界の運動と定義すれば明確
な議論が可能になります。
>誘導電界発生が磁界そのものからは説明できないと考えました。<
●違います。よく知られたように、ローレンツ変換を電磁界に適用
すると磁界から(誘導)電界の発生が説明できます。
なお、電磁気学は特殊相対性理論を含んでいますから、ガリレイ変
換を磁界に適用しても、電界の発生がヘルツによって導かれていま
す(完全な整合性はないが)。
No.2
- 回答日時:
電磁界には物質のような基準点があるわけでなく、考えている
慣性系で測定される電磁界だけを考えれば、電磁界の運動とい
う概念は不要です。
ただ、他の慣性系からみたとき、電磁界は運動していると考え
ても不都合はありません。つまり、電磁界には必ず源があり、
その源の運動と考えることもできます。
くどいですが、源が運動していても、その慣性系で測定される
電磁界を使えば、源の運動は考える必要はありません。
なお、2番目の質問の意味が理解できないが、電磁界とは力です。
ある慣性系の力を別の慣性系から見ても変化しません(非相対論
的に)。あるいは、力と速度の合成はできません。
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有難うございます。
追加で伺いたいのですが、磁界が変わらないとすると、磁界が運動していることが磁界自身から説明できないような気がするのですが、そこはどのように理解すれば良いのでしょうか?
ベクトルが横方向に移動している?ベクトルは方向と大きさを持った量と理解しているのですが、それが自身の方向とは直角の方向に運動している、ただしベクトル自身の値は変化していないと理解すれば良いのでしょうか?
この問題の場合、源の運動に関係なく、測定位置にも関係なく、H = (0, 0, 負の実数)で一定ということですよね。つまり、観測者が止まっている場合も並進運動をしてい場合も磁界の状況は同じということですよね。
ということは、誘導電界発生が磁界そのものからは説明できないと考えました。磁界の発生源である磁極が上下にあるとして、それが運動することによって磁界とは別途に誘導電界が現れると考えるべきなのでしょうか?
考え方がそもそも誤っていたら、ご指摘をお願いします。
皆様からご提示頂いた理論を簡単には理解できる状態にないので、自分なりに思考を巡らせてみました。その内容は次のとおりです。
そもそも、全空間にわたって磁界が一定であることが不可能(磁界は周回していなければいけない)。
そこで、z軸を中心とした半径Rの円柱内にのみ下向きの一定の磁界があるとしました。
これでも点電荷がx軸上をプラスの方向に等速直線運動をすれば、円柱内を通過するときにy方向に力を受けます。
次に、点電荷と同じ運動をする観測者から見てみると、点電荷は静止していますが、下向きの電界が存在する円柱状の部分がxの負の方向に等速直線運動することになります。
そうすると、円柱の運動の前縁では磁界がゼロから急激に下向きの一定値になるので、H'ベクトルが下向きに発生し、その周りに上から見て半時計方向に電界が発生します。
また、円柱の運動の後縁では下向き一定値の磁界が急激にゼロになるので、H'ベクトルが上向きに発生し、その周りに上から見て時計方向の電界が発生します。
円柱内の磁界は一定なので、円柱内の電界も一定となり、円柱内にはy方向の電界が保たれることになります。これがご回答の中にあった誘導電界と理解しました。
精度は描くかと思いますが、初歩的理解として如何でしょうか?
これでも、電界と磁界の一体性、観測者の違いにより見え方の違いなどが分かる気がします。
描く⇒欠く
誤字が多くてすみません。
>>磁界は0になるだけです。
H’は磁界の時間微分の意味です。つまり、∂B/∂tが発生するということであり、rot E=-∂B/∂t から、その周りを回る電界が発生すると考えました。
>>全空間にわたって磁界が一定であることが不可能<●違います。
この点、もう少し考えてみます。全空間均一のzマイナス向きの磁界全体がxマイナス方向に等速直線運動しても、すべての場所での磁界は不変で、なにも起こっていないのと同じと感じてしまっています。もしかして、「磁界が横に運動していること=誘導電界が存在する」ということでしょうか?
「力が慣性系を変えても変わらない」という大原則があるのですね。ただ、今回の場合、観測者が静止している場合は、力の原因がフレミングの左手の法則から説明されるに対して、観測者が点電荷と共に並進している場合の力はどのように説明されるのかが疑問の出発点でしたので、ご了承ください。