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ケインズ経済学において、「完全雇用」が(最大概念の潜在GDPを使用した)需給ギャップゼロの状態を意味する言葉として用いられているのをよく目にします。
しかし需給ギャップは完全雇用に加えて「完全操業」が達成されている場合のGDPと、有効需要の差であるはずです。
「完全雇用が達成できていても完全操業が達成できていない」という状況は考えられないのでしょうか?

A 回答 (6件)

>例えば腐りやすく在庫を抱えられない商品を作る企業は、商品の需要不足に陥った際、従業員をすぐに解雇するというようなことはせず、従業員を抱えたまま生産量を意図的に減少させると思うのですが、この時も完全雇用と不完全操業が両立しているということになりませんか?



どうしてこれが完全雇用?解雇がないことが「完全雇用」ではありません。多分このような状況のもとでは、企業に雇用されている人たちは少なくとも、減少した総労働時間を全員でシェアし、各自は働きたいだけの時間を働くことができなくなっている状態でしょう。「完全雇用」とは労働者たちが与えられた賃金のもとで働きたいだけの時間を働いている状況です。賃金を縦軸に労働量を横軸にとり、右上がりの労働供給曲線のグラフを描いてください。いま、市場で決定される賃金をWoとしましよう。そのWoの値を縦軸上にとってください。そのWoから出る水平な直線を描き、それと労働供給曲線との交点の横座標までの値が雇用されたとき「完全雇用」が実現したといいます。
それから、これもミクロの教科書で勉強したように、ある財を生産する代表的企業の典型的なU字型の平均費用曲線(AC曲線、AVC曲線)を描き、それらの最低点を通る右上がりの限界費用曲線(MC曲線)を描いてください。その代表企業の供給曲線はMC曲線(AVC曲線より上の部分)に一致すると学んだでしょう。その図でいうと、いま市場価格がPoであたえられたとき、その
Poの値を縦軸上にとり、そこから水平線を引き、右上がりの供給曲線(MC曲線)との交点の横座標の値をQoとしよう。企業がQoまで生産するなら、資本(設備)は完全利用されていることになる、ということは労働の場合とかわらない。
ケインズ・モデルは短期のモデルです。「短期」というのは一方で投資(それは時間の経過とともに資本ストックを増やしていく)は行われていても、資本ストックが一定と仮定してよいほどの「短い期間」ということ。その一定のKはいろいろのL(労働量)の値と組み合わせことができる存在なので、つねに完全利用されるのです。
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生産関数が通常の新古典派型ではなく、生産技術が固定している特殊な場合には「完全雇用が達成できていても完全操業が達成できていない」という状況が起こりうることをしめしてみよう。

生産関数
Y=F(L,K)=min{aL,bK}
で与えられるとしてみよう。Lを横軸に、Kを縦軸にとると、等生産量曲線群(生産の無差別曲線群)はL字型曲線(直線)群を描くことはよろしいでしょうか?このとき、均衡は直線K=(a/b)L上の点にがある、つまり、傾きがa/bの、原点を通る直線上にある。グラフ的には均衡点はL字型の等生産量線の垂直の部分と水平の部分のぶつかる交点にある。いま、ある時点に存在する、労働力と資本量がそれぞれLo, Koだとしよう。ある一つの(L字型)等生産量曲線の出張った点の座標を(L*,K*)と書こう。そのとき、3つのケースがある。(1)(Lo,Ko)=(L*,K*)、(2)Lo>L*、かつKo=K*、(3)Lo=L*,かつKo>K*、の3つである。
図を描いて確かめてください。(1)のケースはもちろん労働も、資本も完全雇用(利用)される場合であるのに対し、(2)のケースはLo-L*だけ労働力が均衡雇用量を超え、労働力が完全雇用されない「不完全雇用」の場合であり、(3)のケースは労働は完全雇用されているのに、資本がKo-K*だけ遊休する資本の不完全利用のケースである。以上のように、生産関数が資本と労働の間に代替性のない特殊のかたちをしている場合には、あなたの主張するような状況が起こりうるでしょう。成長論を勉強したことのある人なら、成長論の出発点となったハロッド=ドーマーの成長モデルでは(とくにハロッドは)、このような状況(資本と労働の間に代替性のない状況)を動学化し、保証成長率(Warranted rate of growth)Gwと自然成長率(Natural rate of growth)Gnとを区別したことを思い出すでしょう。Gwとは資本が完全利用される成長率であり、Gw=s/(1/b)=bsとなる(sは貯蓄率、1/bは資本係数)のに対し、Gnは労働力を完全雇用する成長率で、技術進歩がないといきは労働力の成長率nに等しい(つまり、Gn=n)。3つのパラメータs,b,nは互いに独立に与えられ、GwとGnが一致しないことの矛盾が景気変動を生み出すとした。
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この回答へのお礼

詳細なご説明ありがとうございます。
逆に言えば、労働と資本がレオンチェフ型生産関数?の関係にない場合には完全雇用と不完全操業は両立しないということですか…
例えば
腐りやすく在庫を抱えられない商品を作る企業は、商品の需要不足に陥った際、従業員をすぐに解雇するというようなことはせず、従業員を抱えたまま生産量を意図的に減少させると思うのですが、この時も完全雇用と不完全操業が両立しているということになりませんか?

お礼日時:2022/09/03 17:49

通常のケインズモデルでは生産の部分は新古典派の生産関数が用いられている。

賃金の硬直性によって賃金WがWo(完全雇用の下での賃金)より高く設定されると、L<Loとなり、Y=F(Ko,L)<F(Ko,Lo)=Yoとなる。そのとき、存在する資本量Koはつねに完全利用(完全操業)される。代表的企業は雇用量Lを賃金を労働の限界生産性に等しくする∂Y/∂L=FL(Ko,L)=Wとなる値を選択する(つまり利潤最大化Lを選択する)ので、そのときのLはLoより小さくなり、YもYoより小さくなる不完全雇用が成立する。ケインズモデルには不完全操業が入る余地はない。
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1国の総生産関数(aggregate production function)を


Y=F(K,L)
と書き、ある期間の期首に存在する資本量をKo,労働力をLoと書くと、潜在的GDPは
F(Ko,Lo)≡Yo
で与えられ、Y(現実のGDP)がYoより小さいなら、L(現実の雇用量)はLoより小さく、不完全雇用状態にある。とくに完全雇用と完全操業を区別する必要はない。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
何故完全雇用と完全操業を区別する必要は無いのでしょうか?
新人研修のコストや不当解雇の違法性、賃金の硬直性等の理由から、雇用量にも一定の硬直性があるように思います。
であれば完全雇用が達成されていても需要不足によって生産量を抑えている(完全操業が達成されていない)という状況は十分考えられるのではないでしょうか?

お礼日時:2022/08/27 23:31

なるほど。


完全雇用に係数かけて代用では。
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雇用と操業は別物ですから……。

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