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No.3
- 回答日時:
「おまえ」は「御前」であり、元々は目上の人に対して使う語だったというのは本当です。
用法が変化したのは江戸時代中期みたいです。
精選版日本国語大辞典、『お‐まえ ‥まへ【御前】』の項目には、
---一部引用---
江戸前期までは、敬意の強い語として上位者に対して用いられたが、文化・文政(一八〇四‐三〇)頃になると、同等もしくは下位者に対して用いられるようになり今日に至った。
---引用終了---
…とあります。
『「逸脱した」呼称の定義』という論文では、
---一部引用---
「お前」は、平安朝以前は、高貴な人間の傍を示す言葉として、御前(おほまえ)として遣われていたのを起源と考えられ(辻村,1968)、江戸前期までは、敬意の強い語として自分よりも上位の者に使用されたが、文化・文政頃から、自分と対等もしくは自分よりも下位の者に使用されるようになった(尚学図書編集,1981)。
---引用終了---
…と、紹介されています。
出典)
御前(ごぜん)とは? 意味や使い方 - コトバンク
https://kotobank.jp/word/%E5%BE%A1%E5%89%8D-138469
「逸脱した」呼称の定義
http://hdl.handle.net/10097/45527
No.2
- 回答日時:
本当です。
■ 一般化された敬称はほぼ必ず敬意が下がる
現在、他人に呼びかけると失礼な呼び方を色々考えてみて下さい。
もし私が、初対面のredminote10proさんへのコメントに「君は~」と書いたら、随分上から目線で無礼な人だと感じますよね。
でも字義を考えると、「君」とは主君のことで、元々は大変に敬意を込めた言い方です。
「貴様」もそうですね。貴いに様ですから、とんでもなく丁寧な言い方のはずですが、「貴様は~」とコメントされたら相当嫌な感じがすると思います。「お前」も同様ですね。
■ 「本人を直接呼ばないのが礼儀」という風習
「お前」は、室町期あたりまでは本当に貴い方を呼ぶ呼び方だったようです。「静御前」のように、貴い女性を呼ぶ場合に使ったりですね。元々日本語には、「貴い人は直接呼ばない」という風習があります。「御屋形様」もそうですし、「殿下」や「陛下」もそうですね。「殿」とは宮殿、「陛」とはきざはし、宮殿の階段のことです。宮殿の下にいる方、あるいは、宮殿の階段の下にいる方、といった呼び方をするんです。より偉いはずの「陛下」が何で階段の下なのかというと、陛下(天皇)はもうとんでもなく貴いので、本人の居場所を指すことさえ憚られて、その玉座の階段の下にいる臣下に向けてしかものが言えない、という意味合いです。
現代の日本でも、まだ医師や大学の先生に向けて手紙やメールを出すときには「〇〇先生御侍史」宛にすることがあります。「御侍史」とは秘書さんのことで、偉い先生に自分ごときが物申すのは憚られるので、秘書さん宛に出します、という意味ですね。
面倒臭いことこの上ないですが、「敬意が高いほど、本人を直接呼ばない」という傾向があるのはお分かり頂けたかと思います。「お前」も、場所を指し示す言葉ですから、このラインで考えて良いかと思います。
■ どうして敬意が下がったか
実はこの答えは私も知らないんですが、室町期までは間違いなく敬意のある呼び方で、目上を呼ぶ言い方だったようです。江戸時代にはそれがかなり怪しくなっていたらしい。
「貴様」の場合は、元々は武家言葉で敬意のある呼び方、一説には教養の高い遊女が客相手に使うようになったあたりから、実質的な敬意が薄れてきたとか。
私も、調べたわけではないですが、こういう「男女間で使われて敬意が失われた」というのはいかにもありそうだな、と思います。「お前」の転換期は室町以降、安土桃山、江戸初期。つまり、戦国時代を通過して変わったのかなと思いますが、この時期、女性たちは夫のことを「お前様」と呼んでいます。
戦国期の武家の婚姻はほぼ政略結婚で、妻は夫の家に入り、支配下に置かれますが、同時に夫を尻に敷いて実家の影響力を強くする使命も帯びていました。そして、戦国期においては、離婚は互いの傷になりませんでした。
このような環境ですから、女性の基本は面従腹背、表では夫を敬い三つ指をつきながら、裏ではいかに上手く夫をコントロールするかという、「裏表の立場の逆転」が普通に起こっていたと思われます。
夫を敬って呼ぶ「お前様」が、徐々に表面の敬意を失って、尻に敷いている夫を下に見て呼ぶ意味合いに変わってきたとしても自然だろうと思います。
そんなところではないでしょうか。
No.1
- 回答日時:
本当です。
敬語としての相手に使う場合の「御前」は、「みまえ」であったり、女性に対しては静御前のように「ごぜん」と読みます。
しかし、「おまえ」は話し相手に対する単なる代名詞として使われ、対等または見下す意味で使われるようになりました。
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