皆様、初めまして。
古代の中国哲学(宋学)に由来したようである「性情」の概念について知りたいです。
様々な辞典に調べた結果、「性が心の恒常的なものをいうのに対し、その時々に変化して現れるものが情である」や、「性と情とは対立した概念とされ、「心」の未発、すなわち発動する以前の理念的な概念である性に対し、心の已発、すなわち発動して実際的に表に現れたものを情という」と説きます。
また、日本の古学派の人によると、宋学の説に対して、情は思慮を伴わぬものと説くそうです。
それに関して幾つかの質問があり、もし良ければ答えがご存じの方に教えていただけると、幸いです。
① 上述の論理から言えば、情とはその場体験した(或いは、表現した?)気持ちに対し、性とは体験する前の気持ちの本性でしょうか。
② あえて翻訳すれば、情と性をどのように英訳にすればいいのでしょうか。
③ 性とは「男性・女性」や「性欲」の意味ではないでしょうか。この場合「気持ち」の本質という概念でしょうか。
④ 情と性について研究している日本人の研究者の方をご存じでしたら、教えてくださると嬉しいです。
多種の質問をさせていただき、失礼いたしました。
では、何卒よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
A 回答 (3件)
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No.3
- 回答日時:
私の直観としては、理と情が対立する概念ですね。
理から生まれるのが共感、情から生まれるのが反感、のような気がします。理性とは、物事の道理を考える能力。道理に従って物事を判断したり行動したりする能力。
感情とは、人などの動物が物事や対象に対して抱く気持ちのこと。
性の中には、理性と感性が考えられますから、情とは対立していません。
理性と感情は対立しても、感性と感情は対立しません。
宋学では、理性と感性を同じと考えて、心の問題としてしまったのかもしれません。
理と情の違いを、心の問題として捉えたのは違和感を感じます。
No.2
- 回答日時:
てんりさんおはようございます。
性が Freud's idea of the unconscious です。情が consciousness です。『気高さについて』のNo.4https://oshiete.goo.ne.jp/qa/13248506.html#an110 …に「藤田 和日郎『からくりサーカス』より「笑うべきだとわかった時は・・・泣くべきじゃないぜ。」です。」とあります。表現を例示します。『笑いながら怒る人【竹中直人】』
です。笑いながら怒る人を演じる竹中直人さんにどのような性または本性があるでしょうか?表現した情は外面にあります。体験した情は内面にあります。右記の論文のp.3に「 宋学では「心は性情を統ぶ」(張横渠)といい、陽明もこれを受けて、心は性(本性)と情(情意)とを統合したものであり、性・情を心の体(本体)・心の用(作用)とする。」とありました。土田秀明『心即理説再検討の一考察:人欲説を手がかりにした学説の意義を中心に』https://cir.nii.ac.jp/crid/1050575960086288512があります。宋学と性情で検索しました。
番外さんおはようございます。
No.1
- 回答日時:
ネット情報です。
> ④ 情と性について研究している日本人の研究者の方をご存じでしたら、教えてくださると嬉しいです。
https://k-ris.keio.ac.jp/html/100000297_knkyu_pr …
> ③ 性とは「男性・女性」や「性欲」の意味ではないでしょうか。この場合「気持ち」の本質という概念でしょうか。
正には、陽性・陰性も、アルカリ性・酸性も、単性・両性も、癇性や惰性も、いろいろあるでしょう。 「気持の本質」って、「なんのこと?」って私に気を起こさせます。 伊藤仁斎は、朱子学に関連して"性は即ち理"と言っていると解説しているようです。 あるがままのことを"性"と名付けて、善悪混在ありのままのことを朱子学では"性"と表現していると仁斎はみて、そのような朱子学の"性"の見方を仁斎は不適当だと判じていたらしいです。 仁斎は、人心の志向性のようなものを強く重視して、"志・欲・心の意志的に頑なな在り方"を"情"と呼んで、"性・いろいろにあり得る範囲の全体の認識"と区別しようとしたのかもしれないです。 電気でプラスとマイナスを"電流の流れる上流と下流"や"電子の量の存在の多寡"でみたりしますが、日常では電池に+記号か-記号の有無で固定的にみたりするようなもので、 仁斎にしても、ハッキリと決まり切った見方はしてないのかもしれないです。
> ② あえて翻訳すれば、情と性をどのように英訳にすればいいのでしょうか。
仁斎流の情ならエシックス、性ならプロパティでしょうか。
> ① 上述の論理から言えば、情とはその場体験した(或いは、表現した?)気持ちに対し、性とは体験する前の気持ちの本性でしょうか。
【論理】
❶ 議論・思考・推理などを進めて行く筋道。思考の法則・形式。論証の仕方。 ❷ 物事の中にある道理。また、事物間の法則的なつながり。
起承転結のような論証の進め方を論理と呼ぶとすると、「上述の論理」はどれでしょう。 命題のようなのはいくつか書かれていると思うのですが、、、
古学、古義学の人にもいろんな方がいて、いろんな場面で適当に話したり、書いたり、その時々で言うこと、書くことが微妙に、狡猾に、愚かに変わるということもあるのでしょう。 元来、古学・古義学の人は、学究というよりは、政治性、宗教性、倫理道徳性のようなことを重視する気分がベースになっているようですから、論理を突き詰めると破綻するだろうと、私は思います。 情に関しては、人としてあるべき徳性という"べき論"で彼らは考えていて、気分や感情、愛憎、苦楽などで変化するようなのは"情"ではなく、"性・さが"のように彼らは感じていたのかもしれないです。 体験、視覚刺激、触覚刺激、聴覚刺激、味覚刺激、僻怨念快痛悲苦哀のような経験は、人のもつ性によるものとみていたのかもしれないです。 情については、人が本質的に備えているはずの高潔な志向の類いとみてたのかもしれないです。
私には、近世日本の体制内で高潔さだけは維持したいという個人の生き方選択の一つのパターンであって、哲学とはちょっと違う気がします。
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