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 明治くらいまでの花札のカス札には和歌が書き込まれていたらしいのですが、そのうちのひとつの意味がよくわかりません。意味を訳せる方がいらっしゃいましたら教えてくださるとありがたいです。

二月:梅の札

鶯(うぐいす)の 鳴音はしろき 梅の花
いろのまかへとや 雪のふるらん

「鳴音」というのは何と読むのでしょうか。なきね?
あと、「いろのまかへとや」とはどういう意味でしょうか。
札を見ると「いろ」で改行されているようなのですが。
出展が不明なのですが、何か関連がありそうなものをご存知でしたらあわせて教えて頂けると助かります。

よろしくお願い致します。

A 回答 (3件)

#2さんの紹介されているページでも、札の方はよく見ると「しるき」になっているようですね?



十二分なご説明がされていますので、付け足しになりますが、#1さんのあげられている元歌と、札の歌の通釈をして見ました。

鴬の なくはしるきに 梅の花 色まがへとや 雪のふるらむ
(鶯の鳴き声はきわだっていて、聞けば鶯とすぐ聞き分けられるけれども、その声の聞こえてくる梅のこずえを見やれば、〔まっ白な花がいちめんに咲きこぼれていて〕あれは見まちがえをさせようと、〔昨夜のうちに〕降りつもった雪なのでしょうか〔 見分けがつきません〕)

鶯の 鳴音はしるき 梅の花
いろのまかへとや 雪のふるらん
(そこから聞こえる鶯の鳴き声は聞きまちがえようもない梅のこずえ。でも、花のほうは人が見まちがえをするほどまでに、降りつもった雪なのでしょうか〔それほどみごとな白梅です〕) 
(*「鳴音」は私も、「なくね」だと思います)

多くの短歌やわらべ歌などにもあるように、おそらく伝承のうちに形が変わったのでしょうね。

「まがふ」についてもすでにご説明がありますが、もう少し詳しく補足しておきますと、古語では四段活用の場合と、下二段活用の場合とがあり、「まちがえる」「わからなくなる」といった自動詞の意味や「まぎれてわからなくさせる」といった他動詞の意味があります。ここではともに、「まちがえる」「わからなくなる」の意味だと思います。「色まがへとや」は、「『色を見まちがえなさいな』と(いたずらっけを起こして雪が降ったのだろう)か?」ということで、雪を擬人化しているのでしょう。「いろのまがへとや」(古文では濁点は省略されている)は、「まがへ」が下二段連用形からの名詞化。「色の見まちがえとなるまでに、(雪が降りつもった結果でしょう)か?」ということではないかと思います。「と」はここでは、「~となって」という「変化した結果、帰着するところを表(わ)す」用法ではないかと思います。cf.「浅茅が原とぞ荒れにける」(雑草の生い茂る原っぱとなってすっかり荒れ果ててしまっていた。「平家物語」)。

梅の花を雪にたとえたり、雪を花にたとえたりするのは万葉の時代からすでにある表現スタイルのようです。

春たてば 花とや見らむ 白雪の かかれる枝に うぐひすの鳴く    素性法師  (古今集)

我が岡に 盛りに咲ける梅の花 残れる雪をまがへつるかも    
大宰帥大伴卿 (万葉集)
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この回答へのお礼

ご回答あろがとうございました。
文法の段階から解説して頂けて、非常に助かりました。
通釈も詳細な解説のおかげでとても理解しやすかったです。
これで意味がよく理解できると思います。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2005/05/02 01:55

花札には「鶯の 鳴音はしろき 梅の花 いろのまかへとや 雪のふるらん」とあるようです。

(下のサイトによる)
 「鳴音」は「鳴く音(ね)」ではないでしょうか。

 鶯の鳴く声ははっきりと、白い梅の花(と)色を間違えよと(言うかのように)雪は降るのだろうか。

 というふうに解釈します。「まがふ」=紛らわしくて間違う 「しろき」は、No.1の方があげていらっしゃるように「しるき」だったのでしょう。二つとも同源の語だから間違ってしまった可能性はあるでしょう。(だから掛詞風に訳しました)

参考URL:http://www1.odn.ne.jp/sarasso/hanafuda.htm
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
「鳴く音」も考えたのですが、自信が持てず、悩んでおりました。
「しろき」、ではなく、「しるき」、だったのですね。
知識が無く、煮詰まってしまっていたところに大変ありがたい解説でした。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2005/05/02 01:48

 こんにちは。



>「鳴音」というのは何と読むのでしょうか。なきね?

「鳴音」は「なると」ですね。

>あと、「いろのまかへとや」とはどういう意味でしょうか。札を見ると「いろ」で改行されているようなのですが。出展が不明なのですが、何か関連がありそうなものをご存知でしたらあわせて教えて頂けると助かります。

 出展というか、紀貫之の「鴬の なくはしるきに 梅の花 色まがへとや 雪のふるらむ」のパロディー(?)のようです。

 梅の花の色が雪の色に紛れて見分けがつかなくなるというものです。「いろのまかへとや」は「色まがへとや」にあたる部分ですね。

http://members.at.infoseek.co.jp/stone2/hanafuda …
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございました。
紀貫之の歌など、参考になりました。
素早い回答を頂きまして、感謝致します。

お礼日時:2005/05/02 01:45

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