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物質中の電子の速度に理論的な上限はあるのでしょうか。
グラフェンでさえ光速の1/300程度なので、光速とは別に何か上限が存在していそうです。
そういった点に関して論じている文献はあるのでしょうか。

質問者からの補足コメント

  • バンド理論の範疇では飛び移り積分と格子定数の兼ね合いなので、構造安定性とかと絡めて議論できたりしないですかね?

      補足日時:2024/04/21 19:12
  • 同じことですが、光速よりもっと下に(結晶構造の安定性等に起因した)フェルミ速度の上限値はあるかを聞いています。

      補足日時:2024/04/21 19:36
  • No.5 さんの回答のように、「ある一つの理想的状況が実現した時に電子の群速度が最大となる。その理想的状況は~~だ」、という回答が今のところ求めている回答に一番近いです。もっとも、本回答は半古典モデルで考えているのと、実際の物質では軌道角運動量が消失するのでのでまだ議論の余地があると思いますが。
    問題を再定義するならば、「T << フェルミ温度を考え、簡単のため物質の構成元素を1種としたとき、物質中を遍歴する電子の群速度 = 1/h dE/dk に光速以下の最大値が存在するか(どんな元素、結晶構造を選んでもそれ以上は無理という値)?」といったところでしょうか。

      補足日時:2024/04/22 22:10
  • 問題が一般的すぎて(そもそも一般の構成元素に対して安定な構造を導くだけでも大問題?その先の電子相関も含めたバンド計算もよく知られているように大問題。)答えが出せないとの結論に至りました。
    ベストアンサーは付けられませんが、こちらの問題設定不備によるものです。申し訳ありません。
    皆様回答していただきありがとうございました。

      補足日時:2024/04/23 13:02
  • No.7 さんの電子密度を極限まで高めればどこまでも光速に近づけられるはずという答えが初等的ですが盲点だったのでこちらにベストアンサーを差し上げたいと思います。

      補足日時:2024/04/24 05:40

A 回答 (10件)

理想フェルミ気体のフェルミ速度は、電子密度で決まるので、高圧下の物質を考えればフェルミ速度はどんどん大きくなっていくはずです。



圧力の大きな極限を考えていくと、例えば天体の内部のような状態になるはずで、白色矮星なんかだとかなり光速度に近い値になっていたはずです(1太陽質量なら光速度の90%くらいみたいです)

しかし、白色矮星がどうのこうのという話になってしまうと、大元のグラフェンがどうのこうのという話とはかけ離れてしまうわけで、貴方が言う「物質」の範囲を制限しないと貴方が期待するような議論はできないのでは。まぁ決めたら決めたで、貴方が恣意的に決めた範囲でのフェルミ速度の上限なんてものを考えたかったのかという話にはなりそうですが。
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この回答へのお礼

普通に圧力をかける考えが抜け落ちてました。
実際に手元にポンと置けるようなものを考えてましたが、極限環境を考えるならばそういったシチュエーションもありですね。
というよりそれが答え(超高圧下を考えれば結局上限は光速)かもしれません。

お礼日時:2024/04/24 04:18

> 物質中の電子の速度に理論的な上限はあるのでしょうか。



古い話ですね。1950年代に議論された話ですよ。
Hot electron現象というやつです。
(まあ、Hot electron現象は1冊の本になるくらい、いろいろあるので、
 これはHot electron現象による電子速度の飽和でしょうか。)

当時、半導体GeやSiに高電圧をかけて電流を測っていた。
すると、電圧を高くしていくと、オームの法則(電流J ∝ 電圧V)から
外れて、電圧を増やしても電流があまり増えない。

電流Jは電子の速度に比例するので、電圧を高くすると電子の速度が飽和するらしい。

研究の結果、分かったことは、電圧をかけて、電子の速度というか運動エネルギーが増加していくが、電子の運動エネルギーが光学フォノンのエネルギーに達すると、(電子格子相互作用によって)電子から光学フォノンが放出され、その分、電子の運動エネルギーが下がってしまう。ゼロ近くから加速のやり直し。

これが頻繁に起こるため、電子の運動エネルギーが飽和してしまう。
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この回答へのお礼

熱平衡状態を考えていたので、少し題意とは異なりますが勉強になりました。
ありがとうございます。

お礼日時:2024/04/24 05:08

自由電子の速度について(4)番目の"熱速度"の観点が抜けてました。

自由電子がいわゆるブラウン運動をしている状況です。
(4)熱速度= (3kT/m*)^0.5 ≈ 1.2 x 10^5 m/s (@300K).
m*は有効質量で、シリコンでは電子の質量m_0の1/3ですが、ゲルマニウムではm_0/9程度になります。また、正孔の有効質量はそれらの3倍程度です。ちなみに、電子の速度が光速の1/300程度のグラッフェンの電気伝導度が極めて高いのは、この有効質量が小さい為です(電気伝導度は電気素量と電子密度とμ_dの積で表されて、μ_dはm*に反比例します)。
なお、熱速度は√Tに比例して変化しますが、先の回答の(3)ドリフト飽和速度は余り大きく温度変化しません。
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電子は物質波としても粒子としても解釈できます。

粒子と見なせば、それが特定の速度で移動する描像も描けるはずです。また、電子の軌道角運動量がs状態だけ0であることは、量子力学でもまともに説明できていません。さらに、軌道角運動量の値は電子状態を区別する以外に実質的な意味を有してないように(私には)思えますので、特段考えるまでもないと思います。(電子はスピン角運動量を考えるだけで十分だと思います)
例えば半導体中での挙動を具体的に考える際の(自由)電子は”電荷を有する粒”と考えて何の不足もなく、逆に”群速度”の概念は使いようがありません。実際には(半)古典モデルの描像でなければ役に立たないのです。
なお、群速度はかなりいい加減な概念で、それに頼る解釈は危ないと思います(朝永さんの量子力学には群速度の説明は一切現れません)。理論上の不備を問題にするなら、まず”群速度”こそ再考慮すべきであると思います。

さて、物体中の電子の速度の制限機構として(3)番目に半導体中の”飽和速度”があることを忘れてました。通常、電子のドリフト速度v_dは電界Eに比例する(v_d = μ_d E)のでオームの法則(V = R I)が成り立ちます(μ_dは移動度)。ところが、高電界になるとどの半導体でも100km/s程度に収束します。つまり、μ_d ∝ 1/Eとなります。

結局、物質中の(個々の原子に拘束されてない)自由電子の速度に関して、次の3種類の観点から考えるべきだと思います。
(1)電子を(物質)波と見なす際の(位相)速度.
(2)フェルミ速度の典型値.
(3)ドリフト飽和速度: 電界で加速される電子の最大速度.
(1)は光速= 3 x 10^8 m/sになって、(2)は原子の最外殻電子の周回速度にほぼ等しく光速/134 ≈ 2 x 10^6 m/sになると私は考えてます。(3)は実測値で約1 x 10^5 m/sです。
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物質中のマクロな電子の速度は、古典論でも導出できますね。

電気伝導モデルで計算すれば、電子の平均速度はわかりますし、ミクロモデルとオームの法則とをつなげることもできます。

本当は、電子の振る舞いはミクロ現象なので、量子論で振る舞いを記述するのですが、大量にある結晶中の電子を、ずべて正確に記述し複雑な相互作用を解析的に解くことは不可能なので、モデル化が必要です。

実際、古典モデルも、およその平均的な電子の速さは正確にわかり、それはかなり遅いことにびっくりしますが、電子の中には光速のオーダーに近いスピードで動くものもいる。そのへんは、準粒子の考えを量子力学に取り込むことで得られます。

しかしいずれにせよ、これらは、光速のような理論的上限とは、まったく別の話です。

物質内の電子のスピードは、モデルはいろいろあれど、質量や電荷から物質内の電子が電磁相互作用を受けた結果、理論を満たすものとして得られた、一つの解です。

それを理論的限界といい出したら、時速30kmで1時間進むには距離の限界がある・・・と言っているようなもので、条件をもとに計算した解は、すべて理論限界と呼ばなくてはならなくなります。

光速の限界とはそれとはまったく別で、

・ この世にはスピードの限界がある。
・ それが光速であり、
・ 質量がある限り、どんな物質もそれ未満にしかなれない・・・

という、理論にも、方程式にも、物質にも、与えられた条件にも依らない、空間そのものの性質であり、この世を司る原理のことです。それと、電子の物質内測度は違う類の話です。
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質問者が想定している電子の速度は物体中を自由に動き得る"自由電子"の速度を意味しているようですね。

しかしながら、原子内にも電子は存在して、重い原子の内殻電子の速度は1桁以上は速くなり得ると思います。水素原子の電子速度は光速の1/134ですが、陽子の数が多い原子では(外側電子の静電遮蔽が働かない為に)内側の電子ほどクーロン力が強く働く為です。
一方、どの金属の自由電子の速度(すなわちフェルミ速度)も光速/200程度です。それは水素原子の電子並の速度であると言えます。両者がほぼ同じであるのは偶々ではないと私は考えます。なぜなら、原子は最終的には電気的に中性なのだから、最外殻電子は実質的に陽子1ヶ分のクーロン力を受けているでしょう。そうすれば、その周回速度は水素電子とそう変わらないと思うからです。
つまり、物質中の電子の速度は、(1)原子内ならば光速に近づけるが、(2)原子間に渡って移動する自由電子では「ある物質の自由電子の速度は、その原子の最外殻電子の速度程度、すなわち水素原子内の電子速度(≈光速/134)程度」に制限されると予想します。
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「伝導電子の拡散」における「平均自由行程」の話だろうと思います。

(クーパー対とかホール効果とかトポロジカル半金属とかの話をしないのであれば)「伝導電子の古典論」で大体説明される。…というようなキーワードで調べてみれば色々出てくると思いますよ。
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理論じゃ無くて実測です。


導体内で 電圧が掛ってる状態では電子の移動を電流として測定してますが、移動速度は0.075mm/秒程度です。

そうで無い状態では、瞬間速度は1000m[メートル]/秒程度。
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上限は光速で、真空中です。


物質中の光速度は、誘電率(比誘電率)(あるいは透磁率)に比例している(というか実測してそれを誘電率などとしている)のだったと、薄っすらと記憶しています。

電気(電気信号)の伝わる速度がほぼ光速なのは、つまり電気が媒体中を伝わって”いない”証拠だったりしますw
これを知ると、表皮効果なんてのが当たり前の話になるわけですね。
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理論的に説明している書物は無く、多くは実測値になります。



電気の伝わる速度は光速と同じ、とよく言われます。
実際は媒体により80%前後になりますが、
この伝わる速度は、媒体の性質から、理論的に説明されています。

それでも、電子の移動速度ではないです。
水の移動速度と波の移動速度が違うのと同じです。
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