プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

下記の問題を解く指針がわからずに困っています。

----------------------------------------------------------------
(問)
厚さh=8[km]で、一定の密度ρ=0.65[kg/m^3]及び一定の比熱
C=1.0×10^3[Jkg^(-1)K^(-1)]を持つ気層がある。気層に吸収される
外部からの放射が一定で、また気層は黒体のように放射している。
これらがバランスしているため、気層は一定の温度To=270[K]に
保たれている。

ある瞬間に、(例えば水蒸気の凝結によって)温度が平衡温度Toから
ΔTだけ上昇した。このあと、気層の温度は平衡温度Toまで低下していく。
気層の温度がTo+ΔTからTo+(ΔT/e)になるまでの時間はおよそいくらか。

ただし、温度T[K]の黒体は、単位面積から単位時間にσT^4[Jm^(-2)s^(-1)]
のエネルギーを放射する。ここでσはステファン・ボルツマン定数と
呼ばれ、σ=5.7×10^(-8)[Jm^(-2)K^(-4)s^(-1)]である。気層内の温度は
常に一様であり、またΔT/To≪1 であるとする。

----------------------------------------------------------------
(答)
6.0×10^5 秒(約1週間)
----------------------------------------------------------------

問題の問い方から温度は指数関数的に減少するように思ったのですが、
どのように導くことができるのかわかりません。
熱伝導方程式を使うのでしょうか?
どなたかご教授ください。

A 回答 (1件)

1.お察しのように、条件:ΔT/To≪1 は、1次系の応答として解く事を示唆するものでしょう。

 ΔT が ΔT/e に減少するまでの時間は、exp(-t/τ)におけるτ、すなわち時定数そのものです。

2.時定数は熱容量と熱抵抗の積です。

3.「気層は黒体のように放射」という条件に沿えば、気層表面からは、垂直方向にσT^4 [J/s/m^2] の放射が生じます。これが熱抵抗を決定します。 なお、放射方向は表裏2方向ある事に注意して下さい。

4.片側単位表面積当たり熱抵抗の逆数であるところの熱伝導率は、σT^4 を温度で1階微分すれば求められます。 つまり、4σT^3 [J/s/K/m^2]で、単位温度差によって生じる「正味の」単位時間当たり移動熱量を示しています。

5.「気層内の温度は常に一様であり」という条件に沿えば、厚さhの気層内部には余剰な分布熱抵抗が存在しない事になり、熱容量は集中定数的なものと出来るので、Chρです。

以上から計算すると、5.8×10^5 秒 が得られます。

質問者さんが混乱される一因には問題設定の不条理があるように感じられます。「気層内の温度は常に一様であり」は気層中央からの放射が妨げられる事なく出て行く透明性を要求していますが、一方で「気層は黒体のように放射」は、この気層の不透明性を示しているように思います。 しかしそれらの程度を表す数値は見当たらず、従って、題意は上述のような単純計算を期待しているように思えます。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

丁寧に説明して頂きありがとうございました。
時定数と熱容量・熱抵抗(熱伝導率)の関係等を
知りませんでした。大変、勉強になりました。

お礼日時:2005/05/25 01:44

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!