チンパンジーの蟻釣りについて

Question

チンパンジーが細い木の枝などを巣穴に入れてついてくる蟻を食べるという行動は道具の使用といわれていますが、これは人間が行う道具の使用と同じ意味にとってよいのでしょうか。発展性という点で人間の道具と違うようにも思うのでよろしくご教示お願い申し上げます。

kyoyasai · Accepted Answer

この前カラスの仲間が、小枝を折っていも虫を穿り出している映像を見ました。

現地調達の道具と、狩りに出る前に準備する道具は分けて考えた方が良いのかもしれません。

suiran2 · Answer

グドールがアリ釣りを発表した際に，「道具の定義を変える必要があるか。さまなくば，ヒトの定義を変える必要があるか。」と話題になりましたね。私はどちらの定義も変える必要はないと思います。

４）チンパンジーは、蟻を小枝以外のものを使って捕まえようとしないのではないか。
否です。チンパンジーは地上や樹上のアリは指でつまんだり，直接舌ですくい上げたりして食べます。また，アリの巣を壊して食べる方が簡単な場合には壊して食べます。あくまでもアリ釣りが適当な場合だけのようです。

３）チンパンジーは小枝で蟻以外の食物を捕まえようとしないのではないか。
否です。甲虫の幼虫の釣り上げや，木の穴に貯まった水を飲んだり，木の穴を探査する際に探査棒としても利用します。

１）チンパンジーは、蟻の巣穴のところへ行かないと、蟻を食べようと思わないのではないか。
否です。アリの巣の近くに適当な枝がない巣穴では，枝を用意して出かけます。

それぞれの使用目的に，枝を加工します。アリ釣りの場合には，当然葉を落とし尖端をアリが噛みやすい太さに裂いたりします。また，水を飲む場合には，葉を噛んで柔らかくして使用するようです。ヒトの使用する道具と何ら変わらないのではと思います。

椰子の実を石で割って食べるチンパンジーがいますが，これはどの集団でもやることではありません。大きな安定した石を台にし，手に持ちやすい石で割る。親から子に伝えられる立派な文化と思います。

ちなみに原人が造る石器と全く同じ石器を，環境が整えばチンパンジーも造ることを申し添えます。

ruehas · Answer

こんにちは。
チンパンジーが目的を持って道具を使ったという点では、人間と同じと考えて良いと思います。この行動の最も興味深いところは、単に道具を使ったというよりも、チンパンジーが計画性を持って蟻釣りという作業を行なったということではないでしょうか。

発展性というのがどういう意味なのかちょっと分りませんが、少なくとも、蟻塚に突っ込むならば、それに適した枝でなければなりません。曲がっていたり、葉っぱの付いているものでは上手くゆきませんよね。チンパンジーは自分の経験や判断に基いて、少なくともそのような枝を選択するという作業を行なっているはずです。
道具というのは洗練されてゆくものです。失敗の経験に習って選択の基準や手段が改善されているのであれば、それを発展性と言っても良いのではないでしょうか。
何よりも面白いのは、そのチンパンジーはたまたま蟻塚があったから枝を突っ込んだのではありません。予め枝を用意し、それを持って蟻塚に出掛けて行ったんだそうです。つまり、チンパンジーの蟻釣りは計画性を持って実行されているんですね。
目的に応じて道具を選択し、計画性を持ってそれを実行する、これはたいへん高度な作業であり、人間のそれと変わるものではないと思います。

質問者さんの疑問も良く分るのですが、このような基準で考えますと、「複雑さ」や「器用さ」という点を除いては、チンパンジーが道具を使うことと人間が道具を使うことの本質的な部分に明確な違いを探すことの方が難しいような気がします。この点に就いて何か新しい回答があれば、私もちょっと期待したいです。

チンパンジーの蟻釣りについて

この前カラスの仲間が、小枝を折っていも虫を穿り出している映像を見ました。

グドールがアリ釣りを発表した際に，「道具の定義を変える必要があるか。

こんにちは。

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