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どちらもフランス語だと思うのですが、フランス語辞典で調べてもcafeしかのっていませんでした。知っている方教えてください。

A 回答 (3件)

 


  コーヒーは、16世紀頃、イスラム世界より西欧に伝えられたもので、最初は非常に高価で贅沢品として貴族が飲んでいました(現在の薄いコーヒーではなく、もっと濃い形だったようです)。イギリスではシェイクスピアがコーヒーを飲んだ経験があり、それは16世紀後期ということになります。
  
  最初は貴重品・珍味であり、これを西欧に伝えたのは、イタリア商人で、彼らはイスラム圏より輸入して、それを更に西欧の王侯貴族富裕商人等に売りつけたのだということになります。ところで当時のイスラム世界はオスマン・トルコ帝国の支配下にあり、イタリア商人が交易したのはアラブ商人というよりトルコ商人です。従って、コーヒーの原語はアラビア語に始まりますが、イタリア語の caffe はトルコ語の kahve を耳で聞いて言葉を造ったものです。
  
  フランス語やスペイン語では、cafe なのに、何故イタリア語では、f が二重にあるのか。(イタリア語もスペイン語もフランス語もすべて、最後の e にはアクセントが付いています。アクサン・グラーヴとフランス語でいうアクセント記号です。つまり、[cafe´]という形になります。イタリア語やスペイン語はこの場合、アクセントの有無は発音に関係ありませんが、フランス語はアクセントがないと、最後の e を発音しなくなります……「カフ」というような発音になります。それはとまれ)。
  
  何故イタリア語では、f が二重にあるのかというのは、これは想定ですが、イタリアでは、慣習的に f を二重に表記して言葉を造ったのではないかと思えます。イタリア語は、フランス語・スペイン語・ポルトガル語・ルーマニア語などと共に、俗語ラテン語つまりロマンス語の系統にありますが、他のロマンス語では、元のラテン語の単語の綴りにおいて、子音が二重になるというようなことはあまりなかったのですが、イタリア語では、どういう訳か、元のラテン語では、子音が一つだった綴りが、同じ子音を二重に記述する綴りに変化していることがあります。例えば、「反射する」という動詞は、英語で reflect で、これはラテン語の reflecto [reflectere] からノルマンフランス語を通じて入って来たものですが、イタリア語では、riflettere になっています。フランス語では refleter で、スペイン語では reflectar {reflejar} で、t の子音の二重化は起こっていません。(この場合、ラテン語の -ct- は発音しにくいので、俗語ラテン語では、-tt- の発音に変化したのだと言えます。ラテン語の「聖なる」を意味する sanctus [-a, -um] は、イタリア語では santo または san になっていますから、-ct- の -c- の発音を飛ばしています。これはスペイン語も同様です)。
  
  つまり、トルコ語の kahve(これは、多分、カハヴェと発音するのでしょう)を耳で聞いて、-hv- の子音を、-ff- として聞いた、あるいは表記したのだということです。
  
  英語の coffee はイタリア語から単語も一緒に輸入したので、ff の二重子音が残ったのだと思え、スペイン語・フランス語は、イタリア語の単語の tt を一個に戻したか、または、最初から自国語独自の綴り表記で表現していたので、二重子音にならなかったのだろうと推測されます。(16世紀には、スペインは西欧最強の国家で、レパント海戦でオスマントルコを打破して、この時初めて西欧は、イスラム世界と対等な地位を得たのですから、スペイン人の誇りから言っても、イタリア語などから言葉を輸入しなかったのだとも思えます。フランスはカトリック国家で、スペインの盟友でもあったので、スペイン語から cafe を取り入れたのでしょう。……イギリスは16世紀、ネーデルランドと共に、スペインに従わない西欧で唯一の強国であったので、イタリア語から言葉を輸入したのだとも考えられます。因みに、オランダ語でコーヒーは、koffie で、イタリア語・英語・ドイツ語同様に、-ff- になっています)
  
  16世紀には、貴重な品物であったコーヒーも、先のレパント海戦以降、西欧の力がイスラム世界のそれを凌ぐようになった18世紀には、庶民のあいだでも愛好される一般的嗜好品となり、J・S・バッハは、コーヒーを飲むことの流行を、世俗曲、「コーヒー・カンタータ」で残しています。
  
  
  コーヒーではありませんが、同じ嗜好品で、「煙草」を表す英語には、tobacco と cigarette の二つの表現があります。前者は北米インディアン語から来たもので、後者は、葉巻(cigar)の縮小辞形で、では cigar は何かというと、これは、スペイン語の「蝉」を表す cigarra から来たものです(cigarra は英語では、cicada で、これらは、ラテン語の cicada=キカーダからの派生)。葉巻は、乾燥した蝉に似ているので、スペイン人がこう呼んだためでしょう。
  
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この回答へのお礼

ものすごーく詳しい回答ありがとうございます。starfloraさんの回答を完全に理解するにはあと何度か(それでも駄目かな?〉読んでみないと、私のように、なんて言うか素人だと難しいけど、でもなるほどと思える部分が私にもありました。全然関係ないかもしれませんが、もしかしたらstarfloraさんだったら知っているかも知れませんが、どこかのcafeで、cafe not caffe!と書いてあるものがありました。あえてcafeでなく caffeとこだわるのは、イタリアのカフェというのを強調したいからでしょうか?カフェはイタリアが本場ですか?それとも、イタリアのなんとも言えない陽気な感じがそのカフェの特徴だからだったのかな。それが気になってこの質問をさせていただいたのですが、もしわかればおねがいします。何度もごめんなさい。

お礼日時:2001/10/18 01:46

starfloraさんが 全部答えてくださいました。

そこで 余談をひとつ。ミルクコーヒーは フランス語で cafe au lait, イタリア語で caffe latteです。 グリコの
cafe au laitより 森永の caffe latteの方が おいしいです。しょうもないこと 書いて失礼しました。
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コーヒはエチオピアの原産でコーヒを飲む習慣はまずイスラム社会に広まり500年ぐらい前にヨーロッパに伝えられたようです。

従って外来語を自国語でどう書き表すかの問題です。イギリス人は発音上Coffeeと書き写し、ある国ではCafeと書いたのです。フランス語、スペイン語、ポルトガル語などはCafeドイツ語 Kaffee,イタリア語 caffe です。これらの言葉は飲み物としてのコーヒとともに、コーヒの木、コーヒの実も意味します。コーヒと似た例に中国から世界に広まったお茶があります。英語ではTea スペイン語・イタリア語 Te, ポルトガル語 Cha(シャー)、ドイツ語 Tee, フランス語 The など。

注。各国語特有の発音記号は省略しています。
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この回答へのお礼

すばやい回答ありがとうございます。という事は、caffeはイタリア語ということですか?という事ですよね。そっか。ありがとうございました。

お礼日時:2001/10/17 08:28

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