
食品成分について、DPPHラジカルの消去能を測定しています。吸光度でどれだけ消去するか評価するのです。ところが、ラジカルの消去は機構が1つではないのでしょうか、濃度と消去率をプロットしても次第に直線からずれてきます。文献など読みますと、ある条件で50%消去した濃度をもとめる、としたものが多くあるのですが、相対評価しかできません。私の未熟なせいか、再現性も悪いのです。そこで、標準物質を設定し検量線をひいて、また、サンプルの検量線(?)をひいて、比較してみたのですが、サンプルによって直線からずれてくる濃度が違います。
ここで、こういう考えに至ったのですが、正しいでしょうか?濃度のかなり薄いところつまり、ラジカル消去率の小さいところは、濃度と消去率の直線性が確認できるので、この部分の傾きの比率から標準とサンプルのラジカル消去能を比較できる。
従来50%消去能で比較していたため、おそらくデータも全部測りなおさないとならなくなるのですが、再現性や精度を考えるとこの方法しかないと思うのです。
DPPHにかぎらず、定量試験に携わっていらっしゃる方の意見をお聞かせください。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
定量試験に携わる者ではありませんが・・・
まず、ラジカル消去能の測定ということで、ある程度のデータのバラツキはあって当然だと思います、と述べた上で、念のため、基本的なことではありますが、以下のことを確認させていただきます:
1)サンプル、DPPHの調液は測定直前におこなっているかどうか。
(更に念を入れるなら、使用する水もただの蒸留水等ではなく、窒素バブリングを行う)
2)サンプルとDPPHの反応条件は一定かどうか。
(暗所・反応時間・温度・pHなど)
これらが守られているのは大前提だとは思いますが、サンプルとDPPHの初期濃度を一定として、反応時間を変化させた実験をされてみたことはおありでしょうか。
もしもサンプルとDPPHの反応速度が遅い場合、現在測定されている条件では完全に反応が終わらず、そのためにデータがばらつく、という可能性もありますので、まだでしたら一度確認してみてはいかがでしょうか。
(なお、この測定を行う場合は、できるだけ空気中の酸素の影響を排した上で、その影響を見るためのブランク(DPPHのみ)との比較が重要になります)
なお、
> 濃度のかなり薄いところつまり、ラジカル消去率の小さいところは、
とのことですが、
サンプルが低濃度の場合は、サンプルが空気中の酸素に分解される分の影響(寄与)が、
ラジカル消去率の大きい(=残りのDPPHが少ない)場合は、DPPHが酸素に分解される分の影響が、
それぞれ大きくなるため、あまりお勧めできません。
(50%消去能で評価されることが多いのも、その点を考慮してのことと思います)
※下記URLは、あくまで「グラフの一例」ということで・・・。
参考URL:http://www.nippon-euro.co.jp/rajikaru.html
この回答への補足
反応時間については、私の条件では2時間でも終了しないようです。測定は30分です。
濃度設定が高いので、反応がまだ終わらず、よって直線性が悪く、物質ごとの相関が悪い。しかし濃度設定を薄くしすぎるとO2の影響があるので誤差の原因になる。
とまとめられるのでしょうか?誤解していますか?
気づかなかった点のご指摘ありがとうございました。厳密な実験をしたときに理論どうりにいくはず、という理解ですね。データのばらつく原因があれこれあるのはなんとなく思っていたのですが、測定するのが私1人ではないもので、面倒なことを入れずにできないかという方に考えすぎていたかもしれません。原因があっても標準を使っていて同条件で比較すればいいかと。再考します。ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
No.1の者です。
> 誤解していますか?
いえ、その理解で間違いないと思います。
> 2時間でも終了しないようです。
仮に、ある測定の際には反応が終わるまで2時間かかり、別の測定時には3時間掛かったとします。
反応時間と反応率が直線関係にあったとして、このそれぞれのサンプルで、反応開始から1時間経過したところでの反応率を考えると
前者=50%
後者=33%
となりますので、100%反応させた場合に比べ、当然誤差は拡大することになります。
(実際には、反応が進んでDPPHや試料の濃度が低下するに従って、反応の進行速度は低下しますので(双方の分子がぶつかる確率が減るため)、反応時間と反応率の関係は、下に膨らんだ曲線になります。この結果、反応初期に近いほど、反応率のバラつきは大きくなります)
それと、食品成分とのことですが、測定前にはどのような前処理をされているのでしょうか?
特に植物系の場合、前処理での細胞壁破砕が不充分だと、やはりばらつきの原因になると思います。ただ、その前処理で酸素などに触れると、これも消去能をもつ物質を分解させてしまうのが苦しいところですが・・・。
(アルカリ処理や酵素処理が定番なのかもしれませんが、私も専門ではないのでなんとも・・・)
重ね重ねありがとうございます。前処理は、もともと水溶性成分を追いかけていますので(理由があり)、抽出ろ過して行なっているだけです。DPPHやサンプルの濃度を調整してみると、直線性がよくなりました。O2の影響かもしれませんね。初歩的な間違いで、DPPHの溶解が不十分(時間はかけて行なっていたのですが)であったようで、改善の見込みが立ちました。
まだちゃんと理解できていないところがあるのですが、反応率から考えると、濃度が濃い方が反応速度が大きいので、反応率が高くなる、ということで、濃度を薄くすると誤差が大きくなると考えていいのですか?最初の補足の文が間違っているかもしれません。
1人で考えるより、アドバイスをもらいながら考えて、テストしてみることで早く解決ができました。ありがとうございました。
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