

No.3ベストアンサー
- 回答日時:
もちろん両者は違います。
違うからこそ別の官能基として分類されています。酸の強弱は、解離の前後、すなわちH+を放出した状態と、していない状態の相対的な安定性の差によって決まります。
解離した状態が安定であるほど、解離する側に平衡が偏り、結果的にH+の濃度が高くなり、強い酸性を示すことになるからです。
カルボン酸では、COOHが解離することによって生じるCOO-においては、負電荷が2個の酸素原子状に分散されることになります。
一般に電荷が集中している状態よりも分散された状態の方が安定ですので、COO-は電荷の分散による安定化を受けることになります。
それに対して、アルコールから生じたアルコキシド(アルコラート)R-O-では、こうした安定化を受けることはできません。
結果的に、カルボキシル基の方が解離後の安定化が大きいために、解離する方向に平衡が偏り、酸性を示すことになります。
以下の説明は少々難しいかも知れませんが、補足として書いておきます。
実際にCOO-の状態では、2本のC-O結合が完全に等価になっていることが知られています。構造式を書くときに一方をC=Oと書き、他方を-O-と書くのは便宜的なものであり、現実のイオンの性質を反映しているものではありません。
なお、「アルコールは酸性ではない」と書かれていますが、一般的な酸塩基の考え方(ブレンステッド-ローリーの定義)では、酸塩基の強弱は相対的なものと考えますので、「アルコールは水と同程度の強さの酸である」と考えた方が妥当でしょう。
No.4
- 回答日時:
酸としての強さは, 結局 H^+ が外れた残りがどのくらい安定になるかで決まるんですが, 単純には「H^+ が外れるために残る負電荷がいかに分散できるか」というのが効いてきます.
・カルボン酸だと R-COO^- において負電荷が 2個の O に分散される
・(普通の) アルコールだと R-O^- のときに負電荷が O に集中しやすい (アルキル基は一般に電子が余り気味)
・フェノール類だと R-O^- は同じだけど芳香環が電子不足気味なので負電荷の一部を芳香環に分散できる
というのが酸の強さに影響してます.
で, 結局「カルボン酸 > フェノール類 > アルコール」という順に弱くなります....
が, まあ世の中いろいろあるわけで
・ピクリン酸 (2, 4, 6-トリニトロフェノール) は (負電荷がニトロ基に効果的に分散できるため) かなりの強酸 (pKa~1.2 くらい?)
・アセチルアセトン (CH3C(=O)CH2C(=O)CH3) は H^+ が外れると CH3C(-O^-)=CHC(=O)CH3 の形の (1, 3-ジエンに近い) 共鳴で 2個の O に負電荷が分散できるため酢酸並の強さ
・ペンタニトロシクロペンタジエンは H^+ が外れると芳香環ができて安定化する上に 5個のニトロ基に負電荷が分散できるためとっても強い酸 (pKa < -10 とか.... 硫酸にも楽勝)
・フラーレンの 2水素付加体はそこそこ強い (炭化水素としては現在最強のレベル)
なんて結果もあります.
逆に塩基としては H^+ をもらったときにどのくらい安定になるかで決まるので, グアニジン (NH2C(=NH)NH2) は水溶液中では ([C(NH2)3]^+ という形になって) とっても強塩基だったりします.
No.2
- 回答日時:
カルボキシル基の二重結合を構成する電子は動きやすいため、電気陰性度の高い酸素原子(COOHの最初のO)の方に容易に引き寄せられてしまいます。
このためOH基の電子もCOの方にずれて偏在した状態になり、Hの周囲の電子密度が低くなります。これはつまりHが陽性に荷電したということですので、周囲に水分子のOなど、陰性に荷電した原子が近づけば、簡単にイオンとして離れてしまいます。
水素イオンが電離しやすい、すなわち酸性が強いということです。
No.1
- 回答日時:
性質が大きく異なります。
最も大きな違いは、COOH基は、共鳴構造で安定化できる為、Hをはずしやすい(pKaが低い)事でしょう。そのため酸性の性質を示します。アルコール性のOH基のpKaは非常に高いです。
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