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転換社債を企業が発行するメリットとしては、企業側は社債を株式に転換してもらえれば償還費用を用意せずに済み、社債の購入者側には最低限社債金額は帰ってくる上で株価が上がった場合に転換して売り払うことで利益を得ることができるという感じですよね。

今回質問したいと思うのは、「コールオプション条項付転換社債」のことについてです。
簡単に書きますが、株価が一定以上の水準になると企業側が100円で償還できるという条項のついたものです。

社債を買った人にとっては、転換価格が100円だった場合に株価が130円なら転換⇒売却で30円の利益を上げることができたはずが、企業に100円で売る羽目になることになります。

この「コールオプション条項付転換社債」において企業側のメリットは分かる気がしますが、社債を買う側のメリットが全く分かりません。
どうかご教授くださいますようお願いいたします。

A 回答 (4件)

結論から先に言えば、株価が上がりすぎると100円の投資が100円でしか帰ってこなくて儲からないので、その確率(というか、数学っぽい言い方をすれば期待値)の分だけ、コールオプションのついていない転換社債の発行に比べて、債券の利息が高くなって(あるいは、債券の売出価格が安い等々)います。

つまり、投資家から見るとコールオプションのデメリットを、より高い利息で取り返している、という事になります。

オプションの価格理論の基礎を使って説明しようと最初は思ったのですが、あまりに長くなりそうなので、これでご容赦ください。(ヒントだけ言うと、転換社債の株価オプション部分の価値=確率論で言うところの期待値です。)

元々転換社債は、株価の上昇によって儲かる可能性があるぶん、通常の債券よりも金利が低くなり、今のような低金利では、転換価格の設定次第ではマイナス金利になりかねませんが、コールオプション付きにすれば、見かけ上の利息はまともに見えます。

但し、実際の発行条件が、投資家に有利なのか不利なのかは、銘柄毎にきちんと計算してみないとわかりません。考え方としては、上のようになっているということです。

それから、企業は株主のもの、という大前提に立ち返れば、既存株主にとって、転換社債が株に転換されると言う事は、それ自身はデメリットです。資産や将来の利益に対する自分の持分が薄まるのですから。そうでなくなる為には、転換価格がとうていファンダメンタルズからは説明できないような高価格である必要があります。
だから、既存株主総体から見ると、一般的には、本当は転換社債の満期までは株価が上がらず、そのまま償還になった方が得なんです。(勿論、債券が償還された後は上がってくれないと困りますけどね)
コールオプション付きだと、既存株主が得をする可能性がより高くなりますが、その代償として、より高い金利を払っている、という考え方もできます。

ですから、転換社債そのものが、企業と投資家にとってメリットがあるのではありません。その時点で理論価格どおりの発行になっていれば、お互い50:50です。理論よりも発行体不利の条件(例えば、金利面で理論よりも高い利息が付いている)ならば、その時点で投資家は得、という事です。勿論、その瞬間そうなだけで、結果は終わってみないとわかりません。

但し、発行する側も、株が転換される事が企業にとって良い事だ、と誤解していたのは事実です。今でもそうかも知れません。(発行する側の下っ端社員だった経験があり、モノをわかってないオヤジが命令するから仕事はするけど、なんだかなぁ…って思ってましたよ。結果的に株価は充分に上がらず、新株は発行されなかったので、ラッキーと思ってました。買った投資家には申し訳ないですけど)
何せ、日本の会社はかつては新株発行のコストは、配当だけだと思ってた時代がありましたからねぇ…。
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この回答へのお礼

丁寧な回答ありがとうございます。tiuhtiさんの回答のおかげで大体の感じは分かりました。
既存株主にとって、転換社債が株に転換されると言う事がデメリットであるというお話は、ライブドアとフジテレビのニッポン放送株争奪戦のさいによく出ていましたね。
後半のお話と共に大変参考になりました。
本当にありがとうございます。またよろしくお願いします。

お礼日時:2006/01/12 22:00

この金融債は買ったことがないので想像になりますが、権利行使者が発行者であるので、購入者は債権の部分は引き受け(買い)オプションの部分は売り手になっていると思われます。



オプションの売り手はプレミアムと呼ばれるオプション料金を権利行使者から事前にいただくので、たぶんその分が(プレミアムはかなり薄い利益です)コールオプション条項付転換社債の引き受け者(購入者)にプラスされている(受け取っている)と思われます。

プレミアムは薄いですが、大量に引き受ければ大きな資金になりますし、企業側の権利行使の期間とオプションのリスクパラメータと呼ばれる変動数値をみながら売買していると思います。
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この回答へのお礼

eurodollerさんの回答も、私が理解するための参考になり助かりました。
ありがとうございました。またよろしくお願いします。

お礼日時:2006/01/12 22:09

単純にいうと、株に強制的に転換させる方策でしょう。

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この回答へのお礼

簡潔なご回答ありがとうございます。

お礼日時:2006/01/12 22:06

>社債を買った人にとっては、転換価格が100円だった場合に株価が130円なら転換⇒売却で30円の利益を上げることができたはずが、企業に100円で売る羽目になることになります。



一般的に、発行側の企業がコールオプションを行使できるような段階では、投資家は株式への転換で利益が上がる状態にあります。投資家はこの利益を喪失しないように、コールオプションの行使期限までに、株式への転換を積極的に進めることになります。企業側はこれを狙っています。

>この「コールオプション条項付転換社債」において企業側のメリットは分かる気がしますが、社債を買う側のメリットが全く分かりません。

金融取引では、オプションのような「権利」にも価格がつきます。このコールオプションの対価を何らかの形で投資家は受け取っているわけです。それは、転換社債のクーポンであったり、転換社債の購入価格がディスカウントであったりするのですが、このコールオプションの価格は相対的に小さいので、投資家が気づかないだけです。
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この回答へのお礼

他の方の回答も合わせて、コールオプション条項のついている転換社債は普通の転換社債よりも購入価格が安いなどのポイントがあるはずであるのだということが分かりました。実は、自分で実際の資料を比べてみてそれほど差がないと感じて混乱した結果質問したのですが、もうちょっとよく比べてみることにします。

ありがとうございました。また機会がありましたらよろしくお願いします。

お礼日時:2006/01/12 22:05

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