質量m長さlの均質な剛体棒が、端Aを中心として回転できるように、端Aで支持
されている。質量mの球が水平方向から速度vで棒の端Bに衝突した。
衝突直後球と棒は一体となり角速度wで運動を始め、鉛直方向からθの位置まで振れた。
衝突前の球の速度vはいくらか。
Iθ"=lF-mglsinθ/2
ml^2θ"=-lF-lmgsinθ
から両辺を足し、
Iθ"+ml^2θ"=-lmgsinθ-mglsinθ/2
両辺にθ’をかけて
(I+ml^2)θ'^2/2-3/2mglcosθ=一定
という式がでませんか??
そこで(I+ml^2)w'^2/2-3/2mgl=-3/2mglcosθ
となりませんか??
でもそのあとvとはどのように求めるのでしょうか??
角運動量保存則を使うのでしょうけれども、
使い方とそこで使える理由が分からないのです。
No.1
- 回答日時:
2つの物体が衝突するような場合、
実は、大概、運動エネルギーは保存されません。
衝突後、くっつこうが、くっつきまいが、あるいは、片方か両方が壊れて分裂しようが、話は大体同じで、大概、運動エネルギーは保存されません。
(失われた分は熱、音などになります。)
ですから、
解くに当たって、一番初めの式に、θの2回微分(角加速度)を登場させてしまったところで、すでに「負け」です。
保存されるのは、質量などが全く同じもの同士の衝突(10円玉同士、ビリヤードのボール同士)という、非常にラッキーで特殊なケースだけなんです。
たとえば、500円玉1枚と1円玉1枚で、おはじきをやると、たとえテーブルの上がつるつるで摩擦がゼロであっても、はじいてぶつけるごとに、どんどん熱が発生していきます。
この問題でも、保存されるのは、運動量だけになります。
(角運動量も保存されます)
問題文は、棒も球も、質量はmになってますが、
それでよろしいですか?
ちょっと不安なので、自主的に、棒はm、球はMにしときます。
さて、
この問題の場合、
もしも剛体棒の質量がゼロであれば、
球の初速、すなわち、球がくっついた直後の速さは、正確にvになります。(運動量は正確にMvになります。)
角速度で言えば、θ’=v/l
角運動量で言えば Mlθ’=(Ml)・θ’=Mv
では、ここから棒の質量を考慮します。
球が棒端Bにくっついた瞬間、支点Aから見た球の「重さ」が増えます。
この「重さ」とは、慣性モーメントではありません。
(慣性モーメントは、質量に、支点からの距離の2乗を掛けますが)
中学校あたりで習う、シーソーや、てこの原理と同じです。
つまり、
増える分が、「棒の重さ」(てこの重さ)。
振り子の球の重さ、Mlが、
くっついて合体したことにより、
Ml+「棒の重さ」
に変わります。
では、ここで、
その、棒の(てこの)重さについて考えます。
それは、
支点Aから棒端Bまでについて足し算(積分)したものです。
棒の線密度はm/lで、それが微小長さdx当たりの質量です。
支点からの距離をxと置けば、
線密度・dx = m/l・dx
にxの1乗を掛けたものが、距離xの部分の「重さ」です。
それは、
mx/l・dx
これをx=0からx=lまで積分すればよいので、
∫mx/l・dx
=m/l・[x^2](x=0→l)
=ml/2
つまり、支点から見た球の「重さ」が、MlからMl+ml/2に瞬間的に増えたとして考えればよいので、
運動量保存のためには、
Mv=(Ml+ml/2)・θ’=l(M+m/2)・θ’
これが、一体の振り子になった直後(初速)における角速度θ’を求める式そのものになります。
ここまで分かれば、この続きは、あなたならば、もう解けるのでは。
この回答への補足
大まかには理解できるのですが
>これをx=0からx=lまで積分すればよいので
ココで矛盾を感じます。
ml/3ではないでしょうか?
No.2
- 回答日時:
系のエネルギーは始め質量mの球の(1/2)mv^2だけで角θまで回転して止まれば、系のエネルギーは棒の重心の位置エネルギーの増加、mg(l/2)(1-cosθ)と球の位置エネルギーの増加、mg(1-cosθ)だけです。
これからvが求まります。はじめの角速度wは(1/2)mv^2が回転エネルギー(1/2)Iw^2に等しいので求まります。Iは棒の重心の回転モーメント+支点から見た棒の回転モーメントの補正分+球の回転モーメント。
あと、振り子は止まるので回転モーメントは保存されていません。
No.3
- 回答日時:
>>>
大まかには理解できるのですが
>これをx=0からx=lまで積分すればよいので
ココで矛盾を感じます。
ml/3ではないでしょうか?
-----------
いえ、矛盾していませんよ。
ただ、
∫mx/l・dx
=m/l・[x^2](x=0→l)
=ml/2
の中の、2行目を間違えてました。(ごめんなさい)
ただし、最後の ml/2 は合っています。
正しくは
∫mx/l・dx
=m/l・[x^2/2](x=0→l)
=ml/2
しかし、上記では分かりにくかったようですので、
途中を全く省略しないで書いてみましょうか。
∫mx/l・dx (積分区間x=0~x=l)
ここで、mとlは、定数なので
= m/l・∫x・dx (積分区間x=0~x=l)
y=f(x)=x をxで積分すると
∫x・dx = x^2/2
となるということを、数学の積分の授業のしょっぱなで習いましたよね?
ですから、上のつづきは、
= m/l・[x^2/2] (積分区間x=0~x=l)
= m/l・(l^2/2 - ゼロ^2/2)
= m/l・l^2/2
= ml/2
なお、
慣れてくると、このような計算をしなくても、
10kgの棒の一端を地面につけたまま、もう一端を手で持つとき5kgの重さに感じる
(つまり、もう一端を5kgwの力で地面が「持って」くれている)
ということと同じで、
質量m/2が「重さ」で、それに長さlをかけたものが、てこのモーメントになる、というイメージが、ぱっと頭に浮かんできます。
前回・今回の回答では、そこを敢えて省略しないで、積分の式から書いて説明してました。
ついでに、
これ以降の計算の方針を解説します。
ここから先は、重力加速度(を角度の三角関数で補正したもの)による加速度運動になるので、加速度ということで、今度は慣性モーメント(今度は、枝の長さの1乗でなく2乗で利いてくる)の話になります。
しかし、こんなことを考える必要は全くありません。
なぜならば、
出題者は、振り子のような回転運動の方程式を求めることを求めていません。
「鉛直方向からθの位置(高さ)まで振れた(上昇した)」
という条件を与え、解答者が、その「θ」からvを逆算することだけを求めています。
加えて、
今度は、力学的エネルギーは保存されます!!!
力学的エネルギー = 運動エネルギー + 位置エネルギー
私の前回の回答から、初速(角速度)θ’が求まりますから、それをつかって回転運動が始まってゼロ秒後の回転運動の運動エネルギーを求めれば、それが、問題文の「θ」の場所で、ゼロになる代わりに、すべて位置エネルギーになったと考えればよいですね。
ところで、
問題文で「θ」は定数として与えられているので、θ’とかθ”とか書かずに、φ’とかφ”というふうに書くべきでしたね。
あなたも私も。(笑)
追伸
余計なお世話かもしれませんが、アドバイスとして。
No.2さんは、せっかく本題を検討され、回答されているのですから、ご返答の文章に一工夫・・・
この回答への補足
解答にはml/3となっていたもので・・
よく考えて見ます。
No.2さんは、せっかく本題を検討され、回答されているのですから、ご返答の文章に一工夫・・・
確かに、失礼でした。すいません。
これからは考えて発言したいと思います。
No.4
- 回答日時:
#2の返信をみてどう説明して良いか解りません。
が、何かの5円ですから訂正も含めて一言だけ。
「mg(1-cosθ)だけです」はlが抜けていました。保存されていないのは角運動量でした。
このような系では(運動エネルギー+位置エネルギー+回転エネルギー)が保存されます。すなわち、運動エネルギーが減っても位置エネルギーまたは回転エネルギーが増加するわけです。
あなたの設問によれば球の運動エネルギーは当たった瞬間に「無くなる」(?、「0になる」のほうがよいかな)のではなく、振り子が停止するまで振り子の運動エネルギー、球の運動エネルギーは0ではないと判断されます。
この回答への補足
一応模範解答のせておきます
<引用開始>
衝突前後ではエネルギー保存則が成り立たない。
また併進運動の運動量保存則も成り立たないことに
注意しよう。
I=1/3ml^2 ・・・・1
角運動量保存則より
mVl=(I+ml^2)w・・・・2
図2における室テント棒のそれぞれの位置エネルギーは
mgl(1-cos60)mgl/2(1-cos60)
であるからエネルギー保存則より
(I+ml^2)w'^2/2=mgl(1-cos60)+ mgl/2(1-cos60)・・・・3
1を3に代入して
w=3/2√(g/2l)・・・・・4
1と4を2に代入して
V=√2gl
<引用終了>
No.5
- 回答日時:
#1、#3の者です。
その後、他の事をしている途中に、ひょんなことで、この問題に関する重要なことに気づきました。
私は、球がくっついて棒と一体となった瞬間の直前と直後とで、運動量、すなわち、「球と棒の運動量の合計」が保存されるという考え方をしていましたが、
なんか、それは、正しくなさそうな気がしてきました。
何故かと言いますと、
棒のもう一端は固定されていますから、そこには、質量無限大の物体がくっついていることと同じです。
つまり、
その質量無限大の物体の運動量も含めて運動量の合計が保存されなくてはいけません。
質量無限大で、速度はゼロ。
運動量は、無限大×ゼロ=不定 になってしまいます。
無限大とゼロをやめて、
「非常に質量が大きい」
「(球が合体した後の)速度が非常に速度が小さい」
にすると、運動量が「不定」ではなくなりますが・・・
・・・極限か何かを考えればよいのかもしれませんが・・・
また、その先を考え付いたら、また書きます。
いずれ、#1と#3の私の答えは、正しくない可能性が大きいような気がします。
この回答への補足
是非お願いします。
一応模範解答載せときます
<引用>衝突前後ではエネルギー保存則が成り立たない。
また併進運動の運動量保存則も成り立たないことに
注意しよう。
I=1/3ml^2 ・・・・1
角運動量保存則より
mVl=(I+ml^2)w・・・・2
図2における室テント棒のそれぞれの位置エネルギーは
mgl(1-cos60)mgl/2(1-cos60)
であるからエネルギー保存則より
(I+ml^2)w'^2/2=mgl(1-cos60)+ mgl/2(1-cos60)・・・・3
1を3に代入して
w=3/2√(g/2l)・・・・・4
1と4を2に代入して
V=√2gl
<引用終了>
No.7ベストアンサー
- 回答日時:
>(I+ml^2)θ'^2/2-3/2mglcosθ=一定
>という式がでませんか??
でます。
>そこで(I+ml^2)w'^2/2-3/2mgl=-3/2mglcosθ
>となりませんか??
wに'がついているのが誤植であるのなら、確かにそうなります。θ=60°とすれば(そんな条件があるのか知りませんがw)、模範解答の
>(I+ml^2)w'^2/2=mgl(1-cos60)+ mgl/2(1-cos60)・・・・3
の式になります。
さて、問題は、
>衝突前の球の速度vはいくらか。
です。従って、衝突直前と直後の関係を考えなければなりません。
運動方程式を立てるのは困難(衝突時に働く力が分からないから)なので、何らかの保存量を考えた方がいいでしょう。
まず、衝突時に働いている力を書き出してみると、
(重力の向きをx軸、衝突前の小球の運動方向をy軸、それに垂直な向きにz軸をとります)
小球:重力(y軸方向)、衝突時に剛体棒から受ける力(x軸方向)
剛体棒:重力(y軸方向)、衝突時に小球から受ける力(x軸方向)、端点Aでの拘束力(剛体棒に平行な方向)
のようになります。
さて、保存量として代表的なのは、エネルギー、運動量、角運動量ですので、これらが保存されるかどうかを考えます。
エネルギーが保存されるのは、保存力を受ける場合(非保存力を受けない場合)ですが、衝突時に受ける力が保存力ではないので、衝突の前後でエネルギーは保存しません。
(ちなみに、衝突後に働く力は、重力と拘束力です。重力は保存力で、拘束力は仕事をしないのでエネルギーが保存されます)
系の運動量が保存されるのは、その方向の外力がゼロの場合です。
ここでいう外力とは、重力と剛体棒の拘束力で、x軸方向もy軸方向もゼロではありませんので、x,y軸方向の運動量は保存しません。
(z軸方向はゼロなので、運動量が保存されますが、これは明らかなので考えません)
系の角運動量が保存されるのは、その方向の外力によるトルクがゼロの場合です。
剛体棒の拘束力によるA周りのトルクはゼロです。(拘束力は剛体棒と平行だから)
重力の拘束力によるA周りのトルクは衝突が瞬時に行われるとすれば、無視できます。
結局、A周りの角運動量が保存される事になります。z軸方向の角運動量の保存から
>mVl=(I+ml^2)w・・・・2
が得られます。(x軸,y軸方向の角運動量はゼロなので考えません)
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