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一般に、有機合成で収率と言ったら
(目的物の物質量)/(加えた原料物質量)*100
で定義されると思うのですが、未反応の原料がいた時にそれを差し引いた形で定義される値は無いのでしょうか?つまり、

A→Bの反応で
原料Aを100mol反応器に入れて反応させた結果、
目的物Pが40mol単離精製でき、未反応の原料Aも50mol回収された。
この時の収率とは、40/100*100=40%ですよね?
 でも未反応の原料Aを回収できてるわけで、実際に反応したのは50molのAで、この50molのAから目的物Pが40mol出来たのだから、
(目的物)/[(入れた原料)-(回収出来た原料)]*100
=40/(100-50)*100=80%
と定義されるような値は無いのでしょうか?
これを収率と言うのはおかしいですよね?

A 回答 (5件)

conversionというのは有機合成化学ではほとんど使わないように思います。


また、選択率については、有機合成化学で言うところの選択性(diastereoselectivity, regioselectivity, chemoselectivityなど)と紛らわしいので、使わない方が良いと思います。
ご質問の例であれば、**%の原料が回収されたと書くのが最もわかりやすく、混乱がないと思います。

蛇足になりますが、同じ40%の収率でも、原料が回収されたのと、他の生成物になったのではその後の対応が全く違います。前者であれば、反応条件を厳しくしようかという話になりますし、後者であれば逆に穏やかな条件にしようかと言うことになりますよね。
そういう意味では、回収された原料の有無は、論文を読む人にとっても重要な情報だと思います。
色々な論文や学会発表を見れば、参考になるような表記があると思います。
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この回答へのお礼

何度も丁寧に回答いただき有り難う御座いました。

 先ほど、助手の先生と話す機会があり、この話題が挙がったのですが、この回答と全く同じ事を指摘されました。いま、w-palaceさんの回答を読んで、一瞬ドキッとしました。(まさか同一人物なのか?と・・・)

 確かに、選択率と言う言葉は反応の選択性と紛らわしいですね。実際に、参考にしなさいと先生に見せていただいた資料にも、収率**%、原料回収**%。などの記述がありましたが、選択率や反応率(転化率?)を使っているものはありませんでした。一部触媒反応に関する論文では転化率という記載がありましたが、これは有機合成というより触媒反応で化学工学を意識した分野だからなのだと思いました。

今後、大学院に進学すれば論文を読んだり、学会に参加する機会が増えると思いますので注意してみるようにします。有り難う御座いました。

お礼日時:2006/08/03 19:05

工業化学では「反応率を考慮した収率」あるいは「選択率」を用いることが多いようです。


前者は特許に良く出てきますし、後者は複数の生成物が得られるときしばしば用いられます。
m(_ _)m
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この回答へのお礼

工業化学や特許関連に良く出てくると言うのは初耳です。やはり工業や特許が絡んでくると、少しでもよく見せる意味があるのでしょうか。
回答いただき有り難う御座いました。

お礼日時:2006/08/03 19:08

補足します。


一般論として、単に「収率」と言えば、この場合、40%ということになります。
しかし、残りの60%がどうなったかと言うことは非常に重要です。
したがって、未反応の原料が多く残っている場合に、データとして残したり、論文に発表するときには、「原料が何%回収されたか」、あるいは「反応率(conversion)が何%か」と言うことも合わせて記載するべきであると思いますし、実際に多くの論文に置いて記載されてもいます。
それに基づいて計算すれば上記の「収率」を、「回収できなかった原料に基づいた収率」に換算することは容易です。
こうした「回収できなかった原料に基づいた収率」は参考のために記載してもよいですし、記載しなくてもかまいません。

ただし、そのようなことをするのは、原料のうちの特定のもの(収率計算の基準となるもの)が他のもの(反応剤等)と比較して貴重なものであり、回収したものを再使用する価値がある場合というのが基本だと思います。

回収した原料について同様の反応の繰り返せば、「理論的には」80%の目的物が得られるはずですので、「回収できなかった原料に基づいた収率」を記載することにはそれなりの意味があると思います。

この回答への補足

続けての質問で申し訳ないのですが、回答の中にあった反応率(conversion)についてちょっと調べてみたところ、有機化学で無く化学工学の教科書に記載がありまして、
反応率(conversion)=(反応した原料)/(入れた原料)
=(入れた原料-回収した原料)/(入れた原料)

また、
選択率=(生成した目的物)/(反応した原料)

収率=(生成した目的物)/(入れた原料)
=反応率×選択率

とありましたが、有機合成でもこの定義は受け入れられるのでしょうか?
(回収できなかった原料に基づいた収率)が化学工学で言う選択率に相当すると考えて宜しいのでしょうか?

質問ばかりで申し訳ありませんが、もしお時間がありましたら再びご回答下さるとありがたいです。

補足日時:2006/08/01 14:14
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この回答へのお礼

わざわざ詳しく補足説明していただいて有り難う御座いました。

 挙げてくださった例がまさに今回の私の場合で、貴重なサンプルAに、安価で大量に利用可能なサンプルBを過剰量作用させて、目的物Pを得ました(収率40%)。
 この時、原料Aが結構回収(約50%回収)できたので、その回収したAを再度同条件で反応させたところ、今度は目的物Pを収率35%で得ることが出来、Aは約55%回収できました。

 この反応は、私の先輩が別経路でおこなった時には収率は50%と私よりも高かったのですが、原料Aの回収が出来なかったため、結果として同一量のAから得られる目的物Pの量は私の方が多くなりました。
 このことを強調したくて、w-palaceさんに指摘していただいたような「回収できなかった原料に基づいた収率」と言うような値があれば良いなと思い質問しました。

お礼日時:2006/08/01 14:14

そのような都合のいい方法で収率は算出しませんよ。


では、仮に50moleの原料(半量)でその反応を行ったら40moleが得られるのでしょうか?

やはり20moleしか得られませんよね。やはり収率は40%と記すべきでしょう。
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この回答へのお礼

有り難う御座いました。
やはりこの場合、収率は40%と書くべきですね。

お礼日時:2006/08/01 13:55

収率**%


原料回収**%
消費された原料に基づいた収率**%=(目的物)/[(入れた原料)-(回収出来た原料)]*100
 
・・という風に表記することはあります。
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