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森鴎外だとか坪内逍遥だとか明治初期のものを読みたいと思っているのですが漢語調の表現が目立ちなかなか読み進めることができません。躓いてしまったのでちょっと質問させてください。

1.「いかでか那の世間あり」
文法構造がわかりません。<いかでか+な>で「反語の『な』」と解釈した場合、助詞になってしまうので続く「の」の前は名詞ではなければならない気がするのですが…うーん、どんな世間なのかわかりません。
・参考URL http://www.d9.dion.ne.jp/~toyobook/na.html

2.「想得べし」
意味はなんでしょう。それから読みは「おもうべし」でいいのですか?ひょっとして「そとくべし」「おもいうくべし」とかではないですよね?

3.こういった場合、よっぽどのことがないかぎり自己解決したいのですが、漢語調の理解に便利な辞書みたいなものはありますか?漢和辞典には載っていないのも多く、古語辞典は一応置いてありますが、ほとんどの引用が平安やら室町なのであまり役に立ちません。できれば江戸~明治の文芸作品の出典なんかあるといいのですが。贅沢でしょうか。「これさえあれば明治小説なんてラクラク♪」みたいなおススメの辞書や入門書があれば教えてください。机のうえには以下の手引書くらいしかありません。

福田恆存「私の日本語教室」
三省堂「漢和辞典」
旺文社「古語辞典」

A 回答 (5件)

文脈によりけりですが、



その那は反語か疑問では。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。もう一度文法書でそのあたりをあたってみます。

お礼日時:2006/10/10 23:04

このような質問の時によく思うのですが、元の文章の引用が少なすぎる気がします。


No.1さんも書いているように、「文脈」が知りたいことが多いのです。

ですから、ニュアンスなどがことなるおそれは無視して書いてみます。

1.「いかでかなの世間あり」
「如何でかなの世間あり」とすれば、「な」は反語には成り得ないでしょう。
「どうしてかな、の世間がある」、「なんとかしての世間がある」

「行かでかなの世間あり」なら、反語も考えられます。
「行かないわけにはいかない、どうしても行く、の世間がある」

2.「想得べし」は、たぶん「そう うべし」でしょう。
「想いを得られるだろう」、「想いを得るべきだ」など。

3.
まずは、訳が書いてあるか、解説の多い、同じような文章をできるだけたくさん読んで、力をつけることです。

あとは、基本的には、「読書百返意自ずから通ず」の精神が大切ですね。実際に100回読むというよりは、分からないところを暗記して、頭の中で、繰り返し、繰り返し、納得が出来るまで、考えてみるのです。

このときも、あまり短いところだけ暗記するのでは、良くありません。前後も覚えてください。

参考URL:http://www.geocities.jp/tomomi965/kotowaza08/08- …

この回答への補足

2は原文では「争でか那」でした。確かに「如何」「行か」ならなんとなく想像で補えたのですが「争で」は全く馴染みがないのでお手上げでした。
#3さんもおっしゃってますがやはりまずはしっかりとしたエディションを選んで精読しなきゃダメですよね。岩波は注釈がないので新潮のをテキストとして選んでしまいましたがやっぱり岩波の方が良かったかな…。それとも角川はあまりよくないみたいなので筑摩を新テキストとして使ってみようかな。

補足日時:2006/10/10 16:56
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1.「いかでか那の世間あり」という表現は初見ゆえ確たる答えはできませぬ。

前後があればなんとかなるかもしれないのだけれど。

もしかすると「いかでかな」は「いかでがな」かもしれません。それなら「なんとしてでもそうせよと迫る世間」というような意味合いになるのかもしれません。

2.これは「おもひうべし」です。頻繁に見るのでまず間違いありません。ハ行五段の動詞「想ふ」の連用形+ア行下二段の補助動詞「得」の終止形+助動詞「べし」という形。現代語「得る」の古形は「得」です。送り仮名は自由なものです。完全に掣肘しうべきものではありません。

意味は「想像することができるはずだ」ってところでしょう。「べし」は幅のある言葉なのでこれも前後がないと確言しかねますが。

3.まずはエディションを選ぶことです。現代仮名遣いに直されたものは駄目です。読みにくいったらありゃしない。原文どおりのものを。

詳細な註がほどこされているものを探し出すのも有効でしょう。たとえば露伴の『運命』だったら角川の「日本近代文学大系」のものが抜群に整っています。かといってこのシリーズがすべてよろしいかというとそんなことはもちろんなくて尾崎紅葉のなんて相当ひどい。注釈者は紅葉を専門とする人らしいのに、馬琴を読んだことがないらしいことをうかがわせる粗雑ぶり。

明治の文語文は高校の古文が頭に入っていれば読めるはずです。復習なさるのが案外と早道かもしれません。漢文はまあ、不必要でしょう。

この回答への補足

失礼しました。尾崎紅葉の『金色夜叉』前編第一章第三段落目です。
2は再度見てみましたら本文では「べき」になっていましたが上記の説明で十分わかります。ありがとうございます。
 そうですか、やっぱり曲亭馬琴、井原西鶴あたりも読みながら高校古文のおさらいをした方がいいようですね。


人この裏《うち》に立ちて寥々冥々《りようりようめいめい》たる四望の間に、争《いかで》か那《な》の世間あり、社会あり、都あり、町あることを想得べき、九重《きゆうちよう》の天、八際《はつさい》の地、始めて混沌《こんとん》の境《さかひ》を出《い》でたりといへども・・・
http://novels.bookstudio.com/i/read/%94%F6%8D%E8 …

補足日時:2006/10/10 16:27
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#3です。



引用は最小でも、「争《いかで》か那《な》の世間あり、社会あり、都あり、町あることを想得べき、」となさるべきでした。これ、係り結びですよ。

「おもひうべき」の「べき」、これって連体形でしょう。「いかでか」の「か」に応じているのです。だから、「どうして『那の』世間がある、社会がある、東京がある、町並みがあるということを想像することができようはずがあろうか、いや、無理である」という意味になります。

問題は「那」の字です。「なの」なんて言葉はないでしょう。これは「かの」もしくは「あの」であるべきです。唐代から用いられた俗語にかかる用法ありと字引にありました。

金色夜叉では「那奴」と書いて「あいつ」、「那裡」と書いて「あちら」、「那処」で「あすこ」、「那裏」なら「そっち」などと明らかに指示代名詞として「那」の字を用いています。ですか「なの」なる読み間違っていると見ます。

あるいは「争那」と紅葉は書きたかったのかもしれません。この二字でもやはり「いかでか」と読めます。そのために混乱が生じた可能性もないでもないですが、やっぱりないでしょう。ルビを振ったのが著者じゃないのだと思います。でも新潮社ともあろうものが、かような間違いを見逃すものだろうか。ちょっと不安ですが。
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この回答へのお礼

おぉすごい、恥ずかしながらひとりだとそこまで読み取れませんでした…。係り結びといえば「ぞ、なむ、や、か、こそ」しか頭になく、「な」に意識がいきすぎて気がつきませんでした。

とすると確かに「那」の字が問題ですね。先ほど岩波文庫のテキストを購入してきたのですがやはりルビは新潮文庫のとものと同じですねぇ。あぁそういえば「那処」出てきました。他にも「那様」そんな「那箇」あれだけ 等ふり仮名がなければ読めないものもありました。でも仰るようにこれらを帰納的に考えると何かを指示していることは間違いないようですね。『どうして「そのような」世間が…』あたりでとりあえず落ち着くことにします。明日、図書館の閉架で底本を探してみます。ありがとうございました!

お礼日時:2006/10/10 23:02

No.2です。



金色夜叉なら、そう書いてもらえると、内容は分かるのですが。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000091/files/522_1 …

「いかでか」は大辞林に出ています。
(1)疑問の意を表す。どうして。いかにして。
「―やみやみとしてうちたてまつらむとし給ふぞ/保元(中)」
(2)願望を表す。何とかして。
「はづかしく心づきなきことは―御覧ぜられじ/枕草子 238」
(3)反語の意を表す。どうして…できようか。
「かかる所には、―しばしも幼き人の過ぐし給はむ/源氏(若紫)」

「いかでかなの世間あり、社会あり、都あり、町あることを想得べき、」
のままでは分かりづらいので、主語を入れて、中を省略などし、
「人 … いかでかなの世間あることを想ひ得べき、」
とすれば、(2)の意味だととれるでしょう。

「人 … 想得べき、」は「人は … 想いをいたすべきで、」ですね。

「人 … いかでか 那の世間あることを想ひ得べき、」なら(3)ともとれるのですが、「那の世間」と言う言葉はないでしょうね。
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この回答へのお礼

ということは「いかで+かな」ではなく「いかでか+な」ですね。
ひとつの文章が流麗滔々として長く、全部引用するよりも短くした方がいいかと思っていたのですが、かえってわかりずらくなってしまいましたね。申し訳ありませんでした。
「那の世間」はないでしょうねぇ。最初のうちはシナの那なので中国社会のことかと思っていました。とんでもない妄想ですね、危ない危ない。『古文研究法』等を購入してもう少し精進してみます。ありがとうございました。

お礼日時:2006/10/10 23:15

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