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アナログ回路設計(例えばオペアンプ)は非常に設計が難しく
回路の事を少し知っているくらいでは、お話にならないと知人が力説していました。
実際に回路を組んでも、部品の取り付け位置やアースの取り方、回路の
組み合わせによっては、全く動かないどころか煙や火を噴いてしまうそうです。

例えばカメラのレンズは、レンズが誕生したときから光学原理が変わっていないので
明るく解像度、発色の良いレンズ設計は難しいそうです。

私が何を言いたいのかといえば、電気や光などのを扱うときは物理的に
非常に厄介な設計をやっているのかな?と言う質問です。
金属板を1ミクロンの誤差で加工する事以上に、融通の利かない厄介な
回路設計を思考錯誤しながらコストも考えつつ作業しているのでしょうか?
宜しくお願い致します。

A 回答 (3件)

こんにちは。


どの程度をもって単純とか難しいというか、個々のみなさんのイメージする課題の内容や前提とする知識で大きく異なりますが、私からは、ikkyu3と同様に、あえて、「そんなに何でも難しいものばかりではない(むしろ、大部分は基礎的な知識の組み合わせで達成できる)ものです」と答えておきましょう。

 アナログのオペアンプICは、大変よくできていて、本当に、あまりにも簡単な計算と部品で、計算どおりに極めて正確な倍率の増幅ができます(部品の接続もはんだ付けさえしないクリップ止めでもけっこうできてしまいます。)。ディスクリート(ICを使わず、単体のトランジスタや抵抗で回路を作る)回路でも、無線機につなぐ音声用のマイクアンプくらいなら、高校生でも少々の勉強でちゃんと動くものが設計・製作できます。その単純・明快さと達成感で技術の世界に入る人も多いはず。
 しかし、それで得た自信が通用しないことがあります。一度その経験をすると、その奥深さにはまってしまい、少々大げさな発言も出てきます。知人の方も何か経験されたのでしょう。
 例えば、増幅器も、使用する周波数が数十MHz(音の領域をはるかに超えて電波の領域です)になると、回路図では表現できない、部品の配置・配線の長さ・アースの位置などが原因で動かないことも多く、わずか数ミリの位置の変更で解決したとき、その現象の奥深さに恐れを持つことになります。(ちなみに、火を噴くのはほとんど初歩的ミスです。)

 光(レンズ)についても自分でカメラレンズを作る人は少ないでしょうが状況はよく似ています。
 基本的には、屈折率(光を曲げる能力の度合)や色分散(色ごとの屈折率のばらつき)の異なるいくつかのガラスを選ぶことを前提に、何枚も重ねるレンズそれぞれの表と裏の曲率や厚さを工夫して、画面のどこでも、すべての色の光が、正確に点を結ぶことを目的に設計を行いますが、このためには理想的な設計法というものがなく、昔も今も、「レンズのここに、この色の光が、こういう角度で入ると、何枚もレンズを通過した出口ではどのように出て行くか」をスネルの式という簡単な割り算の組み合わせを利用して1本1本光の線を引き、膨大な「やり直し」の繰り返しで最も良いレンズ/ガラスの組み合わせを探っていると聞きます。レンズについては、このあまりに単純でやっかいな設計法が生まれて100年、計算を少しでも省略できる手法の考案やコンピュータの導入など、進んだ面もありますが、基本は相変わらず高校生でもできる計算のやり直しの積み重ね。知人の方はそれを指して、レンズ設計が難しいと言っているのでしょう。
(逆にいえば、コンピュータの導入により、レンズ設計は概ね何でも理想的にできるようになったと言っていいかもしれません。同じ大きさのレンズを設計させたら一流メーカーと三流メーカーでももう写真でわかる差はなくなりました。大型レンズの場合に必要とされる複雑な曲面を持つようにガラスを実際に磨き上げられる会社を一流メーカーと呼ぶというだけかもしれません。)

ただし、忘れてはいけないのはコストや小型化の競争でしょう。6個の部品を使えば高校生でもできる回路設計を、プロは4個、5個でやろうとすることも多いと聞きます。こうなると、多少の知識では追いつかないはず。
でも、まずは単純な課題から、できるだけ多くの方に「この世界」に来ていただきたいと思っています。

ご参考になれば幸いです。
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この回答へのお礼

御返答有難うございます。
少ない部品点数で、回路を設計してしまうという山水の技術者の
記事を、昔のオーディオ雑誌で読んだ事があります。
回路図を眺めながら、その場でどんどん設計変更して質の良い、シンプルな
回路を組み上げていく話でした。
そのような発想ができる技術者は、膨大な技術の蓄積と経験がなければ
実現できないものなのかと考えています。

お礼日時:2002/04/26 04:33

>アナログ回路設計(例えばオペアンプ)は非常に設計が難しく


アナログ回路をデスクリート(個別部品)で組むと、確かに回路図に載らない不確定要素(浮遊容量など)や部品定数のバラツキなどがあり、デジタル回路よりも厄介な面もありますが、オペアンプは、IC化されていて温度や非直線やバラツキなども調整済みですので、ちゃんと設計すれば、誰でもいつでも同じ物が出来て厄介ではないといえるでしょう。

>組み合わせによっては、全く動かないどころか煙や火を噴いてしまうそうです。
設計違いや誤配線が無ければ、そんなことは有りません。ちゃんと勉強して恐れずにやって見れば、案外簡単です。特にオペアンプは。

>電気や光などのを扱うときは物理的に非常に厄介な設計をやっているのかな?
どーも厄介ではないですね。実際に製品を設計し製作する時は、ほとんど歴史があり確立された技術の応用ですので、だいたい普通に市場にある製品などでは、極端に言えば、どこの会社でも、誰がやっても同じものになるといえるくらいです。ただ市場戦略や経済的考えで少し違えてあるといえるでしょう。

>回路設計を思考錯誤しながらコストも考えつつ作業しているのでしょうか?
その通りです。設計では、試行錯誤は確かにしていますが、その理由は、選択肢が沢山あるのでどれにするかの悩みです。当然一長一短ですので、悩むわけです。
決断力が無く優柔不断ですと設計は前に進みません。

設計では、既に十分に研究し標準化された技術を使っています。
そうなるまで研究開発で十分に調べ尽くすわけです。
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この回答へのお礼

御返答有難うございます。
きっちりとしたノウハウを身につけて、恐れず、騒がず、決断力のある
作業をしたいと思います。

お礼日時:2002/04/26 03:14

一般論ですが、融通が利かないと言うより、利きすぎると言う方が近いかも知れませんね。

(笑)ちょっと言葉で説明するのは難しいので、適切かどうかはちょっと自信がないのですが・・・

一番一般的な抵抗器やコンデンサは、それぞれの部品の持つ抵抗値や容量に結構ばらつきがあります。

それぞれ単体で見た場合にはそれほど大きな問題にはならないのですが、組み合わせた場合アナログ回路の場合かけ算で誤差が増幅されることがままあるんです。

デジタル回路の場合、こうした誤差はほとんどその部品だけの問題で終わるか、悪くしても足し算で合成されるのですが、アナログの場合、どんどん掛け合わされて行くことがあると言うことです。
火や煙を噴くと言うことは、基本的な考え方が間違っているとか見落としがある場合が多いですね。

例えば電線や抵抗の容量を間違えるとか、アースの取り違いや取り忘れなどです。電線にも抵抗があることを忘れて失敗するケースもあるでしょう。
その他、アナログ回路の場合周波数特性も重要になる場合が多いです。

いずれにせよ、アナログ回路設計の基本は「試行錯誤」にあると言っても過言ではないと思いますよ。デジタルほどすっきり行ってくれません。
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この回答へのお礼

御返答有難うございます。
回路計算が合っていても部品特性に、ばらつきが有ったり電線抵抗の事を
忘れていたりして、自分の思ったとうりに作動してくれない事が多いのですか!
アナログ回路の場合、かけ算で誤差が増幅されてしまうので、部品特性を合わせたり
実際に組んだりして試行錯誤の連続なのですか!

お礼日時:2002/04/25 03:52

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