担保関係法について学んでいます。
テキストに次のような文と例がありました。
無効な消費貸借に基づき金銭の授受が行われた場合、無効を理由とする不当利得返還請求権は抵当権の被担保債権になりうるか?
例
BはAから貸付を受け、担保として自己所有の土地に抵当権を設定したが、Mがこれを競落した。
その後BはMに対してAB間の貸付の無効を理由に抵当権は消滅している旨を主張した。
この場合貸付の無効に基づくBの不当利得返還請求権も被担保債権であり、Bの主張は信義則上許されない。
例の最後の一文の意味がつかめません。
Bの不当利得返還請求権が被担保債権なら何が担保となるのでしょうか?
Mが善意の第三者だからBの主張は認められないのでしょうか?
BはAに対しては不当利得返還請求を言うことはできるのでしょうか?
よろしくお願いします!
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
あ~これは員外貸付に関する最高裁判例を簡易化した事例ですね。
>Bの不当利得返還請求権が被担保債権なら何が担保となるのでしょうか?
元々設定していたAに対する抵当権です
>Mが善意の第三者だからBの主張は認められないのでしょうか?
これはちょっと違います。詳しくは後述
>BはAに対しては不当利得返還請求を言うことはできるのでしょうか?
Aには通常利得がないと思います。
貸した分のお金を抵当権処分によってMから得ているだけでプラスマイナスゼロになるからです
>貸付の無効に基づくBの不当利得返還請求権も被担保債権であり
これは誤植ではないでしょうか?ここはAの不当利得返還請求権だと思います
この事例は、抵当権の被担保債権がそもそも無効であった場合、原則として附従性により抵当権は無効なので、競売も無効ではないかというものです。
本来この通りなのですが、貸付が無効だとしてもAとしてはじゃあ交付した金銭を返してくれと不当利得返還請求ができます。
そしてこの不当利得返還請求権を被担保債権に置き換えてしまって抵当権を有効にしてしまおうという話です。
ただ判例の事案はもう少し複雑なのですが、決して被担保債権の置き換えを認めているわけでなく、自分から無効な貸付とわかって受けていて、にもかかわらず競売されてしまったら土地を取られるので自分に都合よく、抵当権は原則どおり無効というのは信義則の観点から妥当でないのでこれを主張できない結果、反射的に抵当権に基づく競売も無効とはいえないとするものです。
なのでMが善意とかはあまり関係なく、あくまで無効とはいえないというものです。
ありがとうございます。
誤植でした。
根本的に間違って考えていました。
被担保債権の中身が貸金返還請求権から不当利得返還請求権に変わるだけだから抵当権はどっちにしろ有効で、よってMの競売も有効なのですね!
ありがとうございました!
No.1
- 回答日時:
どのようなテキストか分かりませんが、あまり良い例ではないと思います。
おそらく、BはMに対して、「AとBとの金銭消費貸借は無効であり、抵当権の被担保債権となっている貸金債権も発生していないのであるから、抵当権の付従性により、当該抵当権は消滅している。
従って抵当権の実行も無効であり、Mは土地の所有権を取得できない。」と主張しているのでしょう。
これに対して、Mは、「金銭消費貸借契約が無効だとしても、AはBに対して不当利得返還請求権を有し、その不当利得返還請求権は当該抵当権の被担保債権になるのであるから、抵当権は消滅していない。従って、抵当権実行は有効であり、Mは所有権を有効に取得している。」と反論しているのだと思います。
なぜ、あまり良い例ではないと言ったかというと、仮に抵当権が消滅していたとしても、Mは代金を納付すれば、民事執行法第184条により所有権を取得できるからです。
例を挙げるのなら、
「Aは抵当権実行の申立をし、裁判所は担保不動産競売開始決定をした。これに対して、Bは、AB間の貸付は無効であり、抵当権は消滅していることを理由に執行抗告をした。これに対してAは、AのBに対する不当利得返還請求権も被担保債権であり、抵当権は消滅していないから、Bの主張は失当であり、裁判所は執行抗告を却下すべきと反論した。」
とした方がよいと思います。
なるほど・・・・
Bが契約を無効と訴えたので、Aが悪いことをしたのだろうと思いっていました。
なのになぜAが不当利得返還請求権を持つのだろうと・・・
悪いこととか関係ないのですね・・・・
ありがとうございました!!!
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