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 国文法の質問です。
(1)どうぞ雨が降りますように。
(2)眠くならないように顔を洗った。
(3)泳げるようになった。
における「ように」の品詞は、何になるのでしょうか?
 ある文法の問題集では、
(1)推定の助動詞「よう」+格助詞「に」
(2)、(3)意志の助動詞「よう」+格助詞「に」 となっていました。
 また辞書などでは、(1)から(3)までを助動詞「ようだ」と考えているようです。
 よろしくお願いします。

A 回答 (3件)

例によって学校文法(口語)では、いずれも助動詞「ようだ」の連用形と考えます。

例えば「日本文法大辞典」(昭和46年 明治書院)には、「ようだ」の意味・用法が多数挙げられています。ご質問の例文についていうと、同辞典では次のように説明がなされています(例文は一部省略しました。)
(1)「どうか雨が降りますように。」にいついては、
>おもに文末に用いて……「ように」の形で……願いや希望を表す(一日も早くお元気になられますように(※)/お導きくださいますように)。
※文法辞典の例文なのに二重敬語(尊敬語の重複)が用いられていますが、まあ大目に見てください。けっこうあることなので。
(2)「眠くならないように顔を洗った。」(3)「泳げるようになった。」については、
>目標・目的あるいは基準などを示す(時間におくれないように家を出た/早くユニフォームが着られるようになりたい)。

教科書や学参などでは、「推定(軽い/不確かな断定)・比況・例示」ぐらいしか載っていない「ようだ」ですが、細かく見ていくとなかなか難物です(比況と例示の違いも巷間いわれているほど単純ではありません)。しかし、難物だからこそ、実際に子供相手に説明する場合には「推定・比況・例示」くらいに限って説明した方が無難です。
ちなみに各教科書を見てみると、
光村中三…推定/比喩
三省堂中三…推量/たとえ/例示
東書中三…推定/たとえ
教出中二…推定/たとえ
学図中三…推定/たとえ
となっています。(「推定」と「推量」もけっこう曖昧な概念であることが図らずも明らかになりました。)
上でちょっと触れた「比況・例示」の違いについては話がややこしくなるので、今回は省略させてください(日を改めて考えてみたいと思います)。

なお、上記辞典の最後に、補説として次のようにあります。
>1時枝文法など、「ようだ」を助動詞としてたてない説もある。助動詞と認めない場合には、開式名詞「よう」に、断定の助動詞「だ」がついたものとする。2意味・用法によって、活用ならびに接続のしかたが、かなり異なる。(以下略)
また、「日本文法事典」(昭和56年 有精堂)には、
>平安時代に生じた「やうなり」は、主として仮名文学に用いられ、鎌倉・室町時代を経て、口語の「ようだ」に移っていった。
とあります。
以上から見て、文語文では「やう+なり」か「やうなり」かが問題になることもあるでしょうが、口語文では(学校文法では)「ようだ」は(その活用形を含めて)すべて助動詞、と考えていいでしょう。

一口に文法といっても、時枝文法、橋本文法、山田文法、松下文法…とさまざまな国文法があり、また言語学的な視点から見た日本語文法や、外国人の日本語学習者向けの日本語文法などもいろいろあります。学説自体としての優劣や適否についてうんぬんすることはできますが、それとは別に、初学者向けの静的で規範的な(ある意味保守的な)文法として中高生に教えるものとしては、ひとまず学校文法から始めるべきだと考えます(言うまでもなく、「ようだ」に限らず文法全般にいえることです。またくどいようですが、学校文法がほかの文法より”学問的”に優れているわけではありません)。
このサイトでも、いろいろな立場から皆さんお考えを寄せられています。そのこと自体はとても興味深いことであり、私にも参考になることが多いのですが、いかんせんどのような立場からお話になっているのかわかりづらいことが非常に多い。その点を踏まえた上でお読みになることをおすすめします(私自身も当然間違ったことや偏ったことを書いてしまうことがあります。この前のことだけに限らず……)。

なお、上記の二冊の文法辞(事)典はとっても便利です。両方とも絶版ないしは品切れ状態ですが、下記の古本サイトにはかなり出品されています(わたしもそこでかなり安くきれいな状態のものを入手できました)。明治書院からは最近「日本語文法大辞典」も出されましたが、これは使いづらい。以上老婆心から出た蛇足です(どこからが蛇足か、またしてもとりとめのない文章になってしまいました。)

参考URL:http://www.kosho.or.jp/servlet/top
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この回答へのお礼

 毎回丁寧な回答ありがとうございます。
 学校では、「泳げるようになった」や「雨が降りますように」における「ように」が教えられていないことが不思議でした。「ようだ」は難物なのですね。
 辞典をさっそく購入したいと思います。
 私は、もともと言語学を勉強していました。学校文法は、よく批判されているように、言語現象を説明するのに、なかなか難儀なときがあります。しかし、中学生や小学生が自分の言語を客観的に分析するという、始めての作業では、kyouzaiya-kさんのおっしゃるとおり、まず学校文法から出発しても、いいのではないかと思います。まず、学校文法にどっぷりつかってみるのもいいのではないかと思います。
 生徒たちと一緒に、文法や小説や論説文や詩歌の荒海をがんばって泳いでいきたいと思います。

お礼日時:2007/06/12 01:47

(1)は助動詞「ようだ」の連用形中止。

意味は願望。
(2)は助動詞「ようだ」の連用形。意味は目的。
(3)は助動詞「ようだ」の連用形。意味は目的。

以上の通りで、「よう」を推量・意志の助動詞と見るのは、接続の点(推量・意志の助動詞「よう」は未然形接続、助動詞「ようだ」は連体形接続)でも、意味の点でも無理かと思われます。
文語文法からの出自もともに違います。「よう」は推量の「む」、「ようだ」は比況の助動詞「ようなり」が出自です。
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この回答へのお礼

 回答ありがとうございました。
 (1)から(3)まで、助動詞「ようだ」ということがわかりました。
 ところで、中学校では、「ようだ」が「目的」や「願望」という意味を持っているとは習わなかったし、あまり教えてもいないように思えます。不思議です。
 また見かけられましたら、よろしくお願いします。

お礼日時:2007/06/12 01:13

こんにちは。



助動詞「よう」は、活用語の未然形に接続します。
よって、
(1)連体形の「ます」に接続している「ように」
(2)連体形の「ない」に接続している「ように」
(3)連体形の「泳げる」に接続している「ように」
は、全て助動詞の「ようだ」となります。
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この回答へのお礼

 回答ありがとうございました。
 なるほど、「推定の助動詞+格助詞」という説がないことがわかりました。
 また見かけましたら、よろしくお願いします。

お礼日時:2007/06/12 01:09

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